暫し後。見滝原中央病院。屋上。
美神、横島、おキヌ、ほむら。そして黒いローブの人物が集まっていた。
因みに横島は少し離れた場所に正座させられている。
「どうだった?マミちゃん」
美神の視線の先。黒いローブの人物はフードを脱ぐ。そこに現れたのは難しい表情のマミだった。
「そうですね。怪我をした直後なら完治できたと思います。でも……」
マミは口元に手を当てて言葉を続ける。
「障害を残した状態で傷は治ってしまっています。私の力では日常生活に支障がでない程度に動くようにはできたとしても、元の状態に戻すことはできないと思います。癒しや回復が固有魔法の魔法少女なら、そういったことも可能でしょうけれど……。すみません」
「なにいってんのよ!動くようにするってだけでも、凄まじい事なのよ?とはいえあの子の場合、演奏できるようにならなければ意味ないだろうし……」
マミが治せるのなら話は早かったのだが、流石にそううまくはいかないか。美神は首を傾げた。
「心療治療師を捜しますか?」
「高位の心療治療師は数少ないの。それに大抵所属組織に囲われてしまって、接触は困難よ。一番の問題は、いくら吹っ掛けられるかわかったもんじゃないってこと!」
「……なるほど」
額に青筋浮かべる美神に、周りは思わず苦笑い。
そういった組織に属さないフリーの高位心療治療師もいる。
白い麗人『魔界医師』。秘密組織出身という噂の老人『神の手を持つ男』。犯罪者であるアクダマ美女医『医者』。などなど……。
異名で呼ばれる彼らは独自の目的の為、世界規模で神出鬼没に活動している。見つけることは至難の業であろう。なにより彼らは気難しい事で有名だ。頼るのは博打すぎる。
手近なところでは厄珍、ドクター・カオス……。いや、それこそ泥船か。
それなら困った時の神頼み。小竜姫を札束でひっぱたく……、いや諭吉を献上して泣きつく方が現実的だろうか。
美神は視線を彷徨わせつつ、選択肢を潰していく。
「あのっ……」
小さく手を挙げるほむらに、一同の視線が集まる。
「横島さんの使う珠はどうですか?色々できるみたいだけれど」
「文珠ねぇ……。あれを治すとなると四個でも厳しそうね……」
「文珠ってなんですか?」
マミが首を傾げた。
「文珠は横島クンの使う能力なんだけどね。霊力を凝縮したもので、一文字の特性を持たせて力を開放できる応用の広い便利アイテムなの」
美神は懐から小さな珠を取り出し、マミに見せる。
「いつの間に、ぎられちょる……」
当たり前のように頂戴されている文珠を見て、横島は顔を歪ませた。
「複数を同時発動することもできるの。その場合、単純に数分のパワーがあがるだけじゃない。文字を単語に、文にすることで魔力開放の精度が向上して効果も劇的に上がるってわけ」
「それじゃあ……」
「そのぶん制御難度も格段に跳ね上がるんだぜ?二個同時発動しかできない俺じゃあ四個とか無理無理!」
目を見開くマミに希望を与えないようにと、横島が慌てて待ったを掛ける。
「そうなのよねぇ……」
当然美神も文珠は考えてはいた。ざっくりと斬られた首の頸動脈を応急処置で塞ぐ事すら可能なのだ。とはいえ、一つではお話にならない。
横島はなんとか二つ同時発動を成功している状態だ。それ以上は危なっかしすぎる。
「……それなら、なんとかなるかもしれません……」
「「えっ?!」」
視線を下げつつ考え込むマミの呟きに、一同は驚きの視線を向けた。
――妙神山。
右の鬼門「なっ!」
左の鬼門「くっ!あの娘!余計な事を!」
右の鬼門「うむ!あの流れなら小竜姫様の出番であったろうに!」
二人の鬼が歯噛みする!
小竜姫「こら!そんなことを言うものではありませんよ?」
左右の鬼門「はっ!」
小竜姫の言葉に、鬼門たちは深く頭を下げた。
右の鬼門「流石小竜姫様!霊力は当たり前、その高貴な人格こそのお方よ!」
左の鬼門「まったくだ!我らの主君に相応しいお方よ!」
鬼門たちが感極まって震える後ろで。
「…………くすん」
小竜姫が小さく鼻を鳴らしていた……。
*****
ゴゴゴゴゴ……!
伝説の心療治療師達!
守銭奴「B・J」!
失敗しない女「ドクターX」!
YES!「タカツ」!
……とかとか、妄想たのしかったっすよー
あなたの思い浮かべるのは、誰っすか?
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ぎゃー!またもや早速、餡堂夏様の誤字指摘炸裂!
gon様にも感謝!
ほんと、ありがとうございまする……!