GS美神 マギカ大作戦!!   作:ぶんた

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リポート22

「来たわ」

 

 ほむらのきびしい視線の先。

 セーラー服を着た巨体がゆっくりと姿を現した。

 仰向けの姿勢で二対四本の腕と、スカートから延びる二対の計六本で電線を掴み移動するそれは、委員長の魔女だった!

 

「おお!」

 

 青空に揺れるスカート。その奥が気にならない男子はいるまい!横島は刮目する!

 しかしスカートの奥には不思議な闇が広がっていた。

 

「ちっ!Blu-ray版でないとアカンのか?」

 

 不思議な光や、やたらモヤる湯気の類なのだろうか?その奥を確認することができない横島は不満げに顔を顰める。

 

「スカートから出てるの、足じゃなくて手じゃない?」

「なぬ?」

「頭はないし?あれが手ってことは、逆に着てたり?スカートの奥、顔かもね?」

「ぐぬぬ」

 

 タマモのさも楽し気な指摘に、横島は嫌な想像をし苦虫を潰した。

 まったくもってありえる。この魔女というやつらは、悪趣味の塊のような姿なのだ。

 そのスカートがぶわり!と大きく広がった!

 

「……!」

 

 あれは広範囲に使い魔を放出する大技の前触れだ。このままではもろに食らうことになる。ほむらは慌てて盾に手をやり、固有魔法を発動させる。

 

 かしゃん!

 

 時が止まり、世界が色を失った。

 

「えっ……」

 

 ほむらは驚きに目を瞬かせた。

 ほむらの目の前。いつのまにかタマモを背負った横島が浮かんでいたためだ。横島は魔女に対峙して文珠を発動させようとしているようだった。その背のタマモとほむらを魔女の大技から守ろうとしているのだろうか?

 

「……」

 

 いつもへらへらとして頼りにならなそうなのに、いざというときには必ずいてくれている……。

 

 ――だいじょうぶだよ!ほむらちゃん!

 

 心に響く声。

 困ったとき。あの娘はいつのまにか、当たり前のようにそばにいて。そしてにっこりと満面の笑みで手を差し伸べてくれて……。

 ほむらは沸き上がる不思議な感情に戸惑いつつ、おずおずと横島の手に触れた。ほむらの接触により横島、横島と接触しているタマモに色が戻る。時間停止魔法の効果から外れ、時間を取り戻したのだ。

 

「うお?!」

「な、なに?」

 

 二人はきょろきょろと周りを見回す。

 

「これがほむらの魔法?すごいわね」

「さんきゅーほむら。助かった!」

「…………」

 

 二人から向けられる微笑みに、ほむらはぎゅっと唇を閉じ視線を逸らした。

 

「さて。こっちのターンだな!ほむら、乗れ」

「ええっ。私は?」

「お前はちっこいから、抱えていく」

「ふーん。今日のあんたはラッキーね。美少女二人にくっついてもらえて!」

 

 ほむらを背に乗せ、タマモを抱え飛ぶ横島をタマモが揶揄う。

 

「何度もいうが俺は小娘に興味などない。数年後出直すがよい!」 

 

 全力飛行で余裕もない横島は雑に返す。

 

「…………」

「どうした?ほむら?」

 

 背中のほむらが無言でぱしぱし叩いてくるのに、横島は眉をよせた。

 

「……時間停止がもうすぐ切れるわ」

「なに!急ぐぞ!こっちだけ動けるなんて反則、最大限に利用する!一気にやるぞ!ほむら!あれの弱点は?」

「スカートの中よ」

「横島!いつもみたいにスカートの中におもいっきりよ!」

「お前!だから言い方!」

 

 タマモの言葉に横島は顔を歪めつつ、右手に霊力を集中させる。その掌に光る六角の円盤が浮かび上がった。

 背中にほむらを乗せ、左手にタマモを抱えた横島はそのまま魔女へ飛び、十分な接敵を果たす。

 

「サイキックソーサー!」

 

 横島がスカートの中へと、その円盤を投擲!円盤はくるくると回転しつつ色を失い空中に固まった。

 同時に、ほむらがいつのまにか取り出したロケットランチャーから射出された対戦車ロケット弾と、タマモの狐火が同じ様にスカートに向かう途中で色を失う。

 

「大技がくるわ。範囲から離れて」

「あいよ!」

 

 魔女はスカートの中から多くの物を広範囲に撒き散らすのだ。横島はその範囲外へと飛ぶ。

 

 かしゃん!

 

 ほむらの盾が音を立て、魔法が解除された。

 それと同時に三人の放った攻撃がスカートの中に消え……。 

 

 ちゅどーーん!  

 

 魔女は爆散した!

 

 

 

*****

 

  

 

「なっはっは!最強GS(予定)の俺様、大活躍!」

「えー。横島は叫んでただけよね?」

「GSが!俺が!弱いなどとはもういわせない!pqLTOhycさんよ!」

「だれ?そしてどこに向かってのドヤ顔?」

 

 あさっての方向にカメラ目線でキメ顔の横島に、タマモは眉をよせた。

 グリーフシードを回収した三人はのんびりと(主に二人が)談笑しつつ事務所へ向かう。ほむらは無言でとぼとぼと二人の後ろを歩いていた。

 

「ほれ、ほむら。これをやろう」

 

 そんなほむらに横島が声を掛け手を差し出した。掌には飴玉。

 

「どうせ腹でもへったんだろ?それでも舐めておけ」

「…………」

 

 横島から、にんまりと微笑まれたほむらは無表情ながら上目遣いに横島に視線を向け、不機嫌に息を吐きだすのだった。

 

 

 

*****

 

 

 

 そして。美神除霊事務所前。

 

「……!」

 

 ほむらがびくりと体を震わせ、目を見開いた。

 

「ん?どうした、ほむら」

 

 尋常でないほむらの反応に、横島は怪訝な視線を向ける。

 

「間違いない。魔女の反応……」

「なぬ?!」

「事務所に魔女がいる!」

「くっ!」

 

 血相を変えた横島は、事務所に飛び込んだ! 




~~おまけコーナー!


「よ、横島クン……」

 気恥ずかし気な表情の美神が、おずおずと声をかけてきた。

「はい?」

 美神は頬を染め、視線を彷徨わせる。

「あ、あのね?横島クン……」

 ここれはまさか!まさかのアレなのか?!横島が驚きに目を見開く。

「横島クンって……。技名叫ぶタイプなのね……」
「なあああっ!!」

 にまにまとした口元を押さえつつ、ぬるい視線を向けてくる美神の発言に、横島はのけ反った!!

「い、いえ……!決してそーゆーんでなく……」
「まあしかたないわよ。うん。男の子だしね?だいたい霊波刀を『栄光の手』と書いて『ハンズ・オブ・グローリー!』と読むとか……。くすっ」
「いやほんと、かんべんしてください!そういう言い方!」
「文珠もやっちゃう?『最後の希望』と書いて『ホープ・クリスタル・ジェム!』とか……?ぷくく」
「むぐぐ……」

 慌てふためく横島の肩が、ぽんぽんと叩かれた。
 振り向いた横島の前には、目を輝かせる巴マミ!

「わかります!」
「え!い、いや、その、わかられても困る……」
「大事ですよね?!」
「いや、だから……」
「くすっ」

 そのやりとりに美神は失笑する。

「うひいい……!」

 横島は凄まじいうめき声を発するのだった!
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