ウフフッ!
ワルプルギスの夜周辺に浮かんでいた使い魔である影魔法少女達は一斉に散開。気まぐれに飛び回り魔法攻撃を乱射しては破壊を撒き散らす!使い魔といえど並みの魔女以上の強さであり。それらは無邪気に笑いながら戯れ、まさにやりたい放題!
そして、そのうちいくつかは美神達に襲い掛かる!
がちゃり!
ほむらは盾に収納していた武装の装備を瞬時に終えていた。自身の身長に非つり合いな程長大な携行砲を両手に構え、その背中には弾倉が収納された巨大なベルトリンクコンテナを背負っているというもの。小柄な少女がそれらを装備している様はかなりシュールな絵面ではあった。
美智代がどこからか入手してきたという人型が携帯しうる最大火力武装は、人間では扱えないというわけのわからない謎の欠陥装備。
「砲打撃戦用意!うて!」
ドガドガドガドガッ!
美神の掛け声に従い、ほむらは砲撃での迎撃を開始!
盛大に喧しい銃声とともにベルト給弾式の専用霊装弾丸を次々と射出!群れる影魔法少女達を次々と粉砕する!
まさに高射機関砲台そのもの!身体強化の魔法によって人を超えた魔法少女だからこそできる荒業であった。凄まじい威力ではあるものの、だがワルプルギスの夜の攻撃抵抗を破ることはできない。
「人工幽霊一号!」
『了解!』
この作戦のために準備したランドクルーザー。美神の指示にしたがい、人工幽霊一号はその荷台に設置されたロケット砲から砲弾が発射させる。それはほむらの砲撃が空けた穴を飛び、ワルプルギスの夜前で爆発し、中に詰まった大量の悪霊を撒き散らした!
アハハッ!
歯車の下に逆さにぶら下がる人型は赤い唇を嬉しそうに吊り上げ哄笑を上げつつ撒き散らされた悪意を喰らいだし、周囲の使い魔もわらわらとそちらへと集まり出す。
「これはもうさすがにどうにもならないわ。この間に、さっさとずらかるわよ?!みんな、車に乗って!」
ワルプルギスの夜の注意を引き、退却の時間を作った美神は焦りつつ撤退を宣言した。
「えーっと……」
その言葉に対し、おキヌの慌てた言葉が返る。
「横島さんとマミちゃんが……」
「んん?」
おキヌの指差す先。美神は少し離れた広場の二人を見つけたのだった。
「ま、まさか……。やめなさい!はやまるなー!」
その思惑に気づき慌てた美神が大声で叫ぶものの、強風にかき消されその声は二人には届かない。
*****
美神達から少し離れた公園。
成り行きを見守っていたマミは横島をそこに連れ出し、現状の打開策を横島に囁いていたのだった。それを聞いた横島は驚愕に顔を歪める。
「ま、マミちゃん。それ絶対怒られるからやめとこ?な?」
横島はマミに小さく呟く。
「横島さん。ワルプルギスの夜は強敵です。そして打つ手もない状態。でも、私とあなたとなら大丈夫!凄いことができるんです!」
あの一件後マミに負い目を感じている横島は、マミに下手になってしまっているのであったのだが。マミはそんな横島の手を握りグイグイ迫る!
「いいいい?!」
「うふふ……」
動揺する横島にマミは意味ありげな上目遣いの視線を向けつつ。
「ええ、また。しましょう?」
そして。頬を染めたマミは、にこりと微笑んだ。
お恥ずかしながら続編『ワルプルギスの廻天』を最近知りました……。わぉ。
追加情報発表前に、逃げ切りたい……!そりゃもうツインターボ全開に!