GS美神 マギカ大作戦!!   作:ぶんた

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リポート28

「え、エミっ!?」

「あああっ!」

 

 突如現れた小笠原エミへ美神が驚愕の視線を向けると同時に、その暗闇の中でマミとほむらが苦痛の声と共に崩れ落ちる!

 

「ほむらちゃん?マミちゃん?」

 

 二人の異常におキヌが叫ぶ!

 

「くぅ……!三国織莉子、呉キリカ……!」

 

 ほむらは二人を睨みつけ、呟いた。

 

「ええっ!」

 

 その呟きに美神も目を見開く。

 ひとりは純白のショールの付いた大きな円柱状の帽子を被り、ゆったりとした白い衣装を身に纏う。長いプラチナブロンドの髪。整った大人びた顔は静かな表情を浮かべており、まさに聖女といった風情。

 対してもうひとりは黒のショートカット。白いシャツに黒く長いジャケットにショートパンツといういで立ちで、執事を思わせた。エミや織莉子と比べるべきではないものの、十分美少女であり。なにより右目に黒い眼帯をつけ、楽し気に微笑むその表情は惹きつけられるものがあった。

 

 三国織莉子と呉キリカ。

 幾度にもわたるほむらの繰り返しで、度々登場するという魔法少女達だ。未来予知の固有魔法を持つ三国織莉子は見滝原を、いや世界を滅ぼす魔女となるまどかを抹殺するべく、配下の呉キリカと暗躍する。

 ほむらから最大警戒対象と聞いてはいたが、今回は早い時期から姿をくらまし、見つけることができなかったのだ。

 美神なりに警戒はしていたし、魔法少女二人なら、対処もできるだろうと思っていた。

 その二人がまさかエミと結託し、この時を狙ってくるとは!

 美神は唇を噛む。

 

「魂をソウルジェムとして肉体から切り離せば、魔法少女は無敵?」

 

 太ももも露わな簡素な黒い貫頭衣という霊装束のエミは、驚愕の表情の美神を楽しそうに見つめ目を細める。

 

「大事な魂をむき出しとかバカなの?精神攻撃のかっこうの的じゃん?魔法少女なんか、私の敵じゃあないワケ!オホホホ!」

 

 美神の憎々し気な視線の先で、エミは得意絶頂に高笑う!

 

「ええっ!そうなんですか?」

「そんなわけないでしょ!」

 

 おキヌの疑問に美神が苦虫を潰した。

 

「エミの黒魔術が規格外なのよ!」

 

 希望と奇跡の存在である魔法少女。そのスペックは高い。生半可な魔法攻撃など受け付けない対魔法抵抗力と対魔法防御力を有する。その『聖』属性対極の『魔』属性である黒魔術は対属性だからこそ、その抵抗はより厳しい。だが術に掛けることができれば相性でその効果は抜群となる!

 こうして魔法少女に対し黒魔法での精神攻撃を成功させる手腕こそが、世界最高峰の黒魔法の使い手である小笠原エミならではのものなのだ!

 精神攻撃が発動してしまえば魔法少女も普通の少女。ただでさえ不安定な精神がその攻撃によって負荷の限界を超えれば魂は闇に沈み、魔女となる危険性すらある。精神攻撃は魔法少女にとって致命的に相性の悪い攻撃といえた。

 

「悪いけど、あんたんとこの魔法少女は行動不能よ?」

「エミっ!」

 

 憎々し気に美神はエミを睨む。

 

「いい?これはオカルトGメンが仕切る案件よ?妨害工作は大きなペナルティーになるわよ?」

「あら?私最近多忙で連絡不通だったしね?なにも知らないわ。そんな通りすがりな私が、惨めで哀れなあんたを助けてあげてるってワケ!でしょ?」

 

 エミはにんまりと微笑みつつ、美神を見下ろす。

 

「女の子囲みだすとかレズなうえにロリなの?キモッ!で、その娘がこれほどのもんってのがばれたら、あんたの保護なんて吹っ飛ぶわよ?私のいうこと、わかるでしょ?あんたは私に従うしかないってワケ!」

 

 エミの言葉に、美神は唇を噛む。

 横島とマミでの文珠合体術式。ワルプルギスの夜を撃破したことは、それだけの破壊力を証明してしまっただけではない。

 文珠の応用力を考えれば、様々な術式を同様の規模で行うことが可能ということになる。超チート級の大技を実証してしまった。

 それだけでは済まない。マミの《繋ぐ力》を媒介に文珠の数を増やし、協力する魔法少女、霊能力者でさらなるブーストアップも可能という。そうなれば。それはまさに人の域を超えた神々の領域といっても過言ではない、まさに奇跡の技となるのだ。

 ならば各国をはじめ多くの組織が黙っていまい。それどころか聖魔の介入すらありえる事案となる。

 彼女を今まで通りの生活を送らせるためには、なんとしてでも伏せねばならないことであり。故に美神は早々に除外した選択肢だったのに。

 そして、そうなれば。横島もセットで巻き込まれる。希少能力である『文珠』。横島が実力をつけるまでその売却を禁じ、できるだけ目立たぬよう誘導するつもりであったのだ。アシュタロス戦での功績を盾になんとか丸く収めたものが、これで台無しになってしまう。

 

 私のモノを……!!くっそ!!

 

 よくわからない苛立ちに美神は歯噛みする!

 おキヌのワルプルギスの夜誘導を邪魔したのもこいつらに違いない。

 人的被害がないとはいえ街が破壊されるのをみすみす見過ごすことのできない、正義感の強いマミが討伐に動くのも計算の内。

 こうなるとエミの目的はまどかだけではなさそうだ。ワルプルギスの夜撃破の功労を掠めとる脅しをかけているのだろうか。いや情報をネタにたかるつもりなのか?

 ともかく状況は最悪だ。未来予知を駆使し、尽く先手を打たれている。

 

「アーハッハハハ!横あいから思い切り殴りつけられた気分はどう?どんな気持ち?あははっ!降伏なさい?令子!」

「……あんた、まどかちゃんになにしてくれたのよ?」

 

 そして。なによりも。

 三国織莉子が動いているとなれば、そのターゲットは鹿目まどかそのひとであるはず。

 シロとタマモの二人ならよっぽどのことでは不覚をとらないと思ったものの、さすがにこの三人相手は分が悪い。

 こいつらがこのタイミングでここにいるとなれば、すでにその目的を達成している可能性が高い……。

 

「えっ?」

「とぼけないで!三国織莉子のターゲットはまどかちゃんでしょ!」

「ああ、そのことね……」

 

 凄まじい気迫を漂わせた美神からの詰問に気圧されつつも、エミは口元をにまにまと歪ませながら答えた。

 

「安心なさい。私はあんたと違って優しいし、手段は選ぶわよ」

  

 エミの答えに、美神は最悪の可能性を想像し奥歯を噛んだ。

 命を奪わないとしても、エミならば数十年単位で眠らせる、いや一生眠らせることも可能だろう。

 自分としたことがまんまと裏をかかれ、守ることができなかった。あの娘を迷宮から解放すると約束したのに!それなのに!

 あまりの怒りに視界が歪む……。

 

「このっ……!クソ女ッ!」

「つまり、あんたはもう詰んでるのよ!あははっ!圧倒的優位!!もう最高にいい気分なワケ!」

 

 美神は憎しみを込めた言葉を口にし、高笑いするエミを睨んだ。まどかのことは心配だが、まだ終わってはいない!この劣勢は実力をもって叩きのめすことで覆すことができる。美神は神通棍を握りしめた。

 

「おっと」

「!!」

 

 次の瞬間。その美神の喉元に大きなかぎ爪が寸止めにされる!

 それはエミの横に控えていた黒い装束の魔法少女、呉キリカが腕に装備しているもの。美神の反応に瞬時に行動したのだ。

 

「変なことはしない方がいいよ。オバサン?」

「くぅ……!」

 

 キリカは首を傾げ、おどけた調子で美神を見つめていた。キリカの挑発に美神の眉が跳ねる。

 マミとほむらは封じられ、逆にエミ配下の織莉子、キリカは健在という圧倒的戦力差っ……!

 

 こうなると、もう……。

 

 美神はこの窮地での勝機を模索するも、頭では万策なしとの判断。でも、心は否定する。まだ。まだっ……!

 

 ざっ。

 

 その時。その場を見下ろす高い瓦礫の上に人影が現れる。

 

「横島クン!」

 

 それは赤いターバンにジージャン、ジーパンを身に纏った、横島忠夫その人であった!




 ~おまけコーナー~

 そこは人間では知覚することのできない遥か高次元。
 
神まどか「アルティメットゥ!」どーん!
神いろは「インフィニットゥ!」どどーん!
悪ほむら「ヘル(地獄)メットゥ!」どかーん!

 それぞれ名乗りの後、キメ☆ポーズ!

「…………」

 そうして微妙な空気が流れ……。三人は見つめ合う。

神まどか「ほむらちゃん……」
神いろは「流石に今のはちょっと……」
悪ほむら「ご、ごめんなさい……」

 二人からの微妙な視線に、ほむらは目を伏せた。

神まどか「もう一回!」

 まどかが大きく宣言!

神まどか「アルティメットゥ!」どーん!
神いろは「インフィニットゥ!」どどーん!
悪ほむら「ハッピーセットゥ!」どかーん!

「…………」

神まどか「ほむらちゃん……」
神いろは「流石に今のもちょっと……」
悪ほむら「…………」

 そしてまた……。よくわからない、いたたまれない地獄にほむらが肩を落としていた時。

???「やあ」

 三人に近づく存在があった。

神まどか「あなたは?」

???「私はアシュタロットゥ!」どかーん!

 それは全力で叫び、キレキレ☆ポーズ!

悪ほむら(……だめすぎる)

 ほむらはその惨状に眉をしかめた。が。

神まどか「すごい!」
神いろは「最高です!」
悪ほむら「?!」
悪ほむら(えええー!あり?今のありなの?)

 感極まり拍手する二人に、ほむらは驚愕の視線をがばり!と向けた!

神まどか「それで、ええっと」
アシュタロス「私は君達と同じように、宇宙に抗うため、宇宙の創造すら持さなかった者なんだ」
アシュタロス「残念ながら私は宇宙意志に勝つことは叶わなかったがね。敗北という名の安らぎを得ることはできたけれど」

 アシュタロスの静かな告白に、それぞれの心の中で感情が渦巻いた。

アシュタロス「君はあの二人と違う」

 そしてアシュタロスは、ほむらを見つめ語り掛ける。

悪ほむら「えっ」
アシュタロス「皆のためとああなったあの娘らと違って、君は私に近いようだ。だから私がサポートしよう」

 アシュタロスはほむらに優しく微笑みかけた。

神まどか「ありがとうございます!ほむらちゃん!がんばろう!」
神いろは「私も一生懸命やりますね!」
アシュタロス「ふふふ。君達は本当に仲がいいね。私の娘達にも仲のいい三姉妹が……」
悪ほむら「…………」

 和気あいあいとやる気を滲ませる三人を見つつ、ほむらは目を瞬かせる。
 え、なに?なんかいい話っぽくなってるけど、そもそも私はなにをやらされているのだろう?
 その根本のところでほむらが首を傾げていると。

アシュタロス「なに。君ならすぐできるようになるさ」
神いろは「頑張りましょう!」
神まどか「ほむらちゃん!張り切っていこう!」
悪ほむら「!!」

 余計なお世話地獄……!きらきらと爽やか笑顔で手を差し伸べつつ、にじりよってくる三人に、ほむらは茫然と後ずさる……。


*****


「はっ!」

 ほむらは目を開け、意識を覚醒させる。
 どうやら眠っていて、変な夢を見ていたようだ。

「んー……」

 色々と奇妙な夢だった。大きく伸びをしつつほむらは、ぼうっと思い返す。

「また夢オチぃ……?」

 ほむらは溜息を吐いた。



→∞いろは??その衝撃から、なんとなく。
→無限いろはちゃんが楽しみですね!
→そして早くも9月!まだまだいろいろ大変ですけど、すとーん!と、転がっていきませう!


 ~おまけコーナー+1!~

タイガー「ここでもわっしの出番なしとか……。一文字さんに自慢したのに……!」

エミ「だからー。あんたが術のキモなのはばれてるんだから、のこのこ出すわけにはいかないワケ!」

タイガー「kuoさんの優しさが身に沁みますじゃ……」

 (スタッフがエミにメモを渡す)

エミ「えーっと、なになに?タイガーは次回大暴れする予定?ちょっと!ピートとチェンジにしてっていったじゃない!」

タイガー「…………」

エミ「まあいいわ。令子をギャフン!といわせて気分もいいし?そういうことでタイガー、次回頑張んなさいな」

タイガー「じ、次回!頑張りますケン!応援してつかさい!」
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