GS美神 マギカ大作戦!!   作:ぶんた

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 こちらの『続リポート』は、本編後のこぼれ話となります


リポート31【続リポート1】

「おはようございまーす」

 

 学校を終えた横島は挨拶ひとつ、勝手知ったる事務所内を進む。

 そして応接室のドアを開け、固まった。

 そこに一人の人物が佇んでいたのだが、それが見覚えのないものだったからだ。

 小学生上級年くらいの小柄な少女。白く長い髪は頭の両脇で結わえられていて、なお腰に達する長さ。金色の輪のような髪飾りを着けたその髪は先のほうだけ薄い桃色に染まっている。

 白い肌に幼さを残した整った顔立ち。大きな赤い瞳は長く白い睫毛に縁どられ。小さな鼻と、愛らしい唇。

 袖のない丈は膝あたりという白のワンピースを纏っていた。

 どことなく人間離れした美しさは妖精を思わせる。無表情にその大きく赤い瞳で、横島を見つめていた。

 

「えーっと、お嬢ちゃん?君はー」

 

 横島の言葉に反応し、少女は目を瞬かせる。

 

「やあ!ぼくはキュゥびい!君への提案があるのだけれど」

「えっ?」

 

 その違和感のある反応と輝く赤い瞳に横島は眉を寄せた。

 

「ぼくに協力して宇宙を助けてほしいんだ。そのかわり極楽にいかせてあげるよ?」

「え?ご、極楽?」

「ああ、そうさ!」

「んー」

 

 横島は眉をしかめ、長い溜息を吐く。

 

「あのな、嬢ちゃん。なんのアニメの真似かは知らんが初対面の相手に、そのごっご遊びはもうやるなよ?今のご時世そういうのは、けっこー危ないんだからな?」

「うーん。おかしいな?君は大喜びするものかと思ったのだけれど」

 

 横島の言葉を聞いた少女は不思議そうに首を傾げ、その髪を揺らした。

 そして。

 

「横島クンは年上狙いだからねー」

「み、美神さん?!」

 

 苦笑しつつ部屋に入ってくる美神に、横島は目を見開いた。

 

「えーっと、これは……」

「ああ。その娘ね」

 

 『?』を頭の上に浮かべている横島は、悪戯っぽく微笑む美神を呆然と見つめる。

 

「そいつは『キュゥべえ』改め『キュゥびい』よ」

「は?」

 

 美神の言葉を理解できない横島は間抜けた声を上げてしまう。

 

「だから。インキュベーターを変身させた姿よ」

「ええっ?な、なんで?」

 

 横島的には全く説明が足らず首を傾げるばかり。

 

「ゆくゆくは煩悩提供の男との契約になるだろう?その時のため、令子にアドバイスをもらっていたところなのさ」

「ああ。それかー」

 

 インキュベーターが少女に変身したキュゥびいの説明に横島は納得した。

 

「ちなみにその契約するとどうなるんだ?」

「そうだね。10年分くらいの煩悩エネルギーを貰うことになるかな」

「10年!?そのあとは……?」

「もちろん、10年間煩悩はわかないよ」

「け、賢者タイム10年?!」

 

 そのあまりに恐ろしい内容に、横島は顔を歪める!

 

「ちゃんとそのぶん極楽にしてあげるつもりだよ?」

「え……。10年分の極楽??それはそれで怖すぎるわ!!」

「とはいえ横島クンにかすりともしないとは。どう改善したものかしら……」

 

 少し悔し気に美神が眉をよせた。

 

「んー。そのままでいいんじゃないっすか?」

「えっ?」

 

 横島はキュウびぃを値踏みしつつ、美神に答える。

 

「見た目可愛いぼくっ娘ですからね。需要はありますよ。それにこいつ齧歯類以下の能無しですからね。ほかのキャラを演じれるとは思えませんよ」

「そうなのよ。こいつらのマシュマロ脳じゃアドリブとか無理よね……」

「そうそう。こいつに芸仕込むなんて無理ゲーっすよ!テントウムシにサンバ踊らすほうがよっぽど簡単ですわ」

「そうよねー」

「……君ら息をするように悪口を吐くのだね。感情のない僕でも憤りを理解できそうだよ……」

 

 あはは!と自分を笑い飛ばす二人に、キュゥびいは不満げに髪を揺らす。

 

「それはそうと美神さん?そういう話なら、なんでこんなロリなんです?」

「せっかくの煩悩狩りなんだから、性犯罪予備軍である〇リコンからせしめるのが一石二鳥ってもんでしょ?」

「えええ!!待ってください!〇リコンの全てが犯罪者ってわけでなく!むしろ〇リコン紳士が大半……」

「ふふふ。これをアキバに解き放って、〇リコンを一匹残らず駆逐してやるわ!」

「ひいい!」

 

 美神の企む恐ろしい計画に、横島は戦慄するのだった!

 その時!

 

「令子ちゃん~~!」

 

 ばたん~~! 

 

 とろくさいくせに、ばたばたと騒がしい人物が応接室のドアをのたのたと開け放ち現れた!

 

「げっ!め、冥子?!」

 

 そう!そうして現れたのは日本GSトッププロの一人。最強の式神使いである六道冥子そのひとだった!

 

「な、なに?なにごとなの?」

 

 冥子は彼女にとっての親友である美神令子(あくまで冥子目線)は自分の思うところに味方になってくれるはずだと、こうして乗り込んできたようだった!

 あごの長さで切りそろえられたつややかな黒髪。垂れ気味の大きいな瞳が印象的な大人し気な美貌。その瞳は涙を滲ませている。

 

「…………」

 

 美神に思い当たるところはない。

 ただこの歩く災害は想定外のことで暴走する!扱いには細心の注意を払わねば、巻き込まれて貧乏くじをひくのは自分となる!

 どんびきしつつも、あらゆる想定をしつつ美神は身構えた。

 

「令子ちゃんも~~エミちゃんも~~。魔法少女を引き取るのでしょう~~?ずるい~~!ずるいわよ~~!私もほしい~~!」

 

 冥子は胸元でこぶしを握り、涙ながらに大声で言い放った!

 例の一件後。前例の令子を引き合いにエミが織莉子・キリカの保護者となった。それを知ってのことなのだろう。

 

「うわ、アカン。絶対動物飼えない人のくせに……」

 

 横島は冥子の配下となった時の、散々なことを思いだしドン引きする。

 

「ずるい~~ずるい~~!わたしも~~!可愛い妹が欲しい~~!私がお姉様になって~~お世話したい~~!お姉様って~~頼られたい~~!」

「ちっ、めんどうね……」

 

 思い切りの苦虫を潰し、美神の顔は歪む。

 が、次の瞬間。美神は自身の閃きにぽん!と手を叩く。

 

「キュウびぃ!」

「なんだい?」

「個体のひとつ、この娘についていってくれない?」

「なぜ?」

「実地研修みたいなものよ」

「なるほど。では君についていくとしよう」

「冥子。この子はキュウびぃよ。面倒見てあげて頂戴!」

「は~~い!」

 

 美神はキュウびぃをご機嫌な冥子に押し付け、さっさと帰らせた。

 

「へ、平気なんすか?」

「ん?平気でしょ?」

 

 震える横島に、美神は肩を竦めた。

 

 

****** 

 

 

 ――その後。

 一個体の精神汚染から、インキュベーターが壊滅の危機に陥ったとの報告を受け、美神は戦慄する事になる……。




 ぼくと契約して宇宙を助けてくれる?
 とか、こんな美少女にいわれたらーどうします?

 とはいえ冥子のせいで、精神エネルギー獲得改変および、魔法少女改造は長期頓挫することになります……。



*****


 にゃー!
 またやっちまったー!

 裏リポートは鋭意投稿予定でおますううーーーー!
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