「ええと、なに?」
美神令子除霊事務、応接室。その主である美神令子は、押しかけてきた相手を迷惑そうな表情を隠しもせずに見つめていた。
キュゥべえと冥子の母親である六道女学院理事長というわけのわからない組み合わせだったからだ。
「まずはこれを見てほしいんだ」
差し出されたタブレットの画面では5人の魔法少女が踊っていた。
「えーと。だからこれがなに?」
「最近世の中がいろいろ大変だろう?」
怪訝そうな美神の視線を受けてキュゥべえが答える。
「そのため世の中には負の感情が溢れてしまっている。それを少しでも解消したいという思いからぼくは『DANSING☆魔法少女』をプロモートすることにしたのさ」
「はあ」
「彼女達は歌って踊ることによって、その穢れを浄化することができるんだ」
マミやほむらが巻き込まれているので、当然その活動は知っていた。
なかなかに儲かりそうな話なのだが、非営利法人なのだという。全くもって気にくわないが二人のたっての願いのため活動を認めていたのだった。
「そうした活動は~~とてもいいことだと思うの~~」
隣に座る六道女学院理事長が口を開く。
「でも~~。世の中の不安は解消されるどころか~~、ますます渦を巻く負の感情が~~民草を脅かしているのよ~~」
理事長の後ろに控える、なんだか古代中華風の恰好をした髭の男がしたり顔で頷いているのを、美神は胡散臭そうに見つめた。
「で、本題はなんなの?」
さっさと終わらせたい美神はざっくりと切り出す。
「だからね~~。GS協会としても~~。同様の活動をして~~世の中を明るくしようと思うのよ~~」
理事長とキュゥべえが頷きながら見つめてくる。正直嫌な予感しかしない……。
「つまり?」
「つまり~~!D☆GS活動をはじめようとおもうのよ~~!」
理事長が大きく宣言!キュゥべえと控えていた人々が喧しく拍手する!
「D☆GS?なに?」
美神が眉を顰める。
「D☆GSとは!」
そこで突如横島が部屋に飛び込み、大声を張り上げだした!
「不況、疫病、戦争、コメの高騰、しぶすぎるガチャ……。そういった様々な要因から現代社会に蔓延る負の気。それを祓うため歌や踊りといった神楽をもって人々の陽の気を活性化させる光の巫女!そのようなアイドル活動を行う現代の救世主!それがダンシング☆ゴーストスイーパーなのだ!」
横島は裂帛の気合でもって言い放ち!役目を終えるとそそくさと退室した。
「で?」
いまだに見えない話に美神は理事長を見つめる。
「令子ちゃんに~~。やってほしいのよ~~」
「は?」
「日本トップ3GSである~~令子ちゃん、冥子、エミちゃんで~~やってほしいの~~」
「!!!」
理事長の話に美神が目を見開く。
女子中学生の魔法少女達が可愛く踊っていた、あれをやれといわれているのだろうか?
あのような恰好をして歌って踊れ?あの子達の横で?
あまりの理解不能に脳が震える……。
「ええと。まったくもって悪いんですけど、丁重にお断りさせていただきます……」
美神は残る理性をフル稼働させてその言葉を絞り出す。
「GS協会としての決定事項なのよ~~」
「!!」
だが無慈悲な返答。理事長は冥子の母親なのでノリは同じようなのだが、六道女学院の理事やGS協会役員として働く有能な人物。GSとしては敵にできない大物なのだ。ふざけたいいようではあるがその大物の決定事項なのだ。
「令子!準備はまだなワケ?」
「令子ちゃん~~!がんばろ~~!」
そしてエミと冥子が部屋に突入!美神に呼びかける。
「!!」
その二人を見つめる美神の目が見開かれた。
なんだかフリフリな魔法少女的な衣装を着こんでいたからだ!
「あ、あんたら、その恰好……。正気なの?」
わなわなと震えながら、二人を見つめた美神が問いかける。
「なんだか~~楽しいし~~?」
「仕事だししかたないワケ。それにアンタのいつもの恰好と変わらないでしょ?」
「変わるわよ!そんなレース満載なフリフリ衣装で歌って踊れ?あの子達の横で?私らが?罰ゲームそのものじゃないの!」
激しく反論する美神をキュゥべえが見つめ。
「やれやれ。今は多様性の時代だよ」
その言葉に周りの人物も首を縦に振る。
「多様性?そんなたいそうな言い回しだけれど結局少数派なんだからエンタメでは通用しないのよ!エンタメは多数に受けてナンボ!絶対失敗するわよ?!現にディズ……」
「それはそれよ~~!」
理事長が慌てて美神の言葉を遮った。
「ささ~~。令子ちゃん!準備おねがいね~~」
「な!やるなんていってないし!やるわけないでしょ?!ちょっと!」
美神は大声で抗議するが多くの人々に取り押さえられ、いずこかへと運ばれていく……。
*****
「んん……」
寝室で目を覚ました美神は、呼吸を整え意識を覚醒させる。
「んー。夢オチー?」
ずいぶん酷い夢を見ていたようだ。美神はほっとしつつ、枕を抱いて呟いた。
ドンドンドン!
その時。荒々しくドアが叩かれたのだ!
「令子!コンサートなんだから起きなさいよ!」
「令子ちゃん~~!」
ドアの向こうで騒ぐ声が響く。
「え?嘘でしょ?夢じゃなかったの……?」
美神は茫然と呟くのだった……。
*****
これは、どこかに存在したかもしれない
あるいは存在しなかったかもしれない
数多の”可能性”の時空のひとつ
ここで語られたのは
そんな”可能性”の時空の片隅に
ひっそりと埋もれていた、ちいさな記憶……
*****
ポートレート『悪夢のコンサート!』を手に入れた!
おまけ(解説)☆コーナー!
「『DANSING☆魔法少女』とは!好評配信中!『まどかマギカ Magia Exedra』エイプリルイベント(2025.4)だったようですよ」
おキヌが解説する。
「え?もう終わってるじゃない!」
隣の美神が目を見開いた。
「タイムリーにしたかったらしいけど、だめだったみたいですね」
「ゲームで忙しかっただけでしょ?」
「時事ネタはどうせすぐ事後になるだろうからと開き直ったみたいです……」
溜息をつく二人。
そこにヴァイオリン音色が流れだす。
「!!」
美神とおキヌが見つめる先にはヴァイオリンを弾く人物。
「そして~♪天使さやかが追加サレンダ~♪」
「さやかをゲットして~はじめてくれ~♪」
悦に入り弾き語りをする上条恭介だった!
「愚かね。いい?キリカしか勝たないのよ?」
すると上条の後ろにブツブツと呟く白い不審な人物が現れる。
「ちょっ!みかづき荘の人もきそうなんでやめてください!」
ディフェンダー問題に気づいたおキヌが慌てて場を収めようとしつつも。
「『まどかマギカ Magia Exedra』!楽しみましょうね!」
カメラ目線に、にっこりと微笑み手を振るのだった!
*****
ゲーム『まどかマギカ Magia Exedra』ネタでした!
わからんかったひとはーゲームしてみてくださいー!(宣伝?)
*****
@追加コーナー(2025.4.30
U・M「えええっ!もう私なの?」
I・I「人気者はたいへんですね」
U・M「うーん。でもしかたないかなって」
I・I「そうですねー。それでですね?ちなみに私、次はD・Iですから」
U・M「えっ?」
I・I「絶望感をあたえたくはなかったんですけどね。うん、どうしようもない絶望感だろうから」
U・M「!」
I・I「つまり、残しているんです。あなたと違って。まだ変身を残しているんですよ」
U・M「……!」
I・I「ソシャゲでは変身をするたびにパワーがはるかに増す……。こんな初期の段階でひっぱりだされたあなたと違って私はさらに変身を残している……。その意味、わかりますか?」
U・M「!!」
*****
ナマエ「この記憶、なんだかたいへんなことになってない?」
A-Q「これは記憶だから過去のものだよ。でもそうだね。君にとっては明日の出来事かもしれないね」
ナマエ「こんな感じで大丈夫なの?」
A-Q「大丈夫だ。問題ない。と、いいたいけれど。続きを見て見ようか」
*****
さて。どうなりますかねー。
あ!ゲームやってない人だとさっぱりネタ!重ねてごめんなさい!