今年もよろしくおねがいします!
もう一年たったとかー。
ハヤス……。まじハヤス……。
今年はもっと早いかもですよ?午年だけに!
※美神とおキヌのやりとりを変えました。
テンツクテンテン!ブーブカブー!
快晴寒空の公園。人寄せの鳴り物の音が響き渡る。
「はいーっ!お正月名物『
「お代は見てのお帰りだよーっ!」
「よい子のみなさんよっといでー!」
シルクハットを被り黒いマントをまとった銀髪の老人が首にかけた箱状の機械楽器を奏で、声を張り上げていたのだった。
「……正月から俺ってば何やってんだろーな……」
その横で。うつろな目の横島がぶつぶつとつぶやいていた。
「今頃、美神さん達は……」
美神の事務所兼住居である『美神除霊事務所』にはおキヌ、シロ、タマモ。そこにマミとほむらが加わって華やかな正月を過ごしているに違いない。
ことあるごとに事務所にお邪魔している横島だったが、マミとほむらが下宿してからなんとなく距離を置いていたのだった。
というのも。多感な女子中学生を前に美神へのセクハラ行為がはばかられ。彼女らとどう接したものかと悩んでしまっていたのだった。
「横島さん?」
「マリア……。いいか?澄んだ水では生きられない生き物もいるんじゃー!」
「?」
マリアからの視線に反応した横島が叫ぶ青年の主張に、マリアは首を傾げた。
「こらっ、私語をつつしめ!そんな不真面目な態度なら稼ぎ山わけの話はナシじゃぞ!」
そんな横島をカオスがたしなめる。
「おっさん、勘違いしてるぞ?いろいろと!」
「何を言うか!わしはヨーロッパの魔王ドクターカオスじゃ!東洋の民俗学にもちゃんと精通しとる!」
「……」
横島はカオス指定の自分の恰好を見やる。金粉を塗りたくられた上半身裸で背中には羽。下半身には首のない馬の着ぐるみ(後ろ足は飾り)という珍妙なケンタウロスといった有様。
「さー!これから美女の放つ矢からこの馬が見事逃げおおせれば今年は安泰ですぞー!」
「
横島が心からのツッコミを叫ぶ!
※うんちく!
「はいー!」
「どわーっ!」
掛け声とともに飛びよけた横島の真横をマリアが剛弓から放った矢が掠める。
おおーーっ!
命中確実と思われた矢をすさまじい体勢で避けた様にギャラリーが沸く!
「ウケた!!ウケたぞ……!!わし、やっぱりこの商売向いているかもしれん……‼」
「いや待て!危ない!マジ危ないから!」
観客の反応に喜ぶカオスの横で、横島はマリアが連射する矢を懸命に避け続ける!
「横島さん・止まってください・当たりません」
「当たったら死ぬだろうが!つーか!当てない打合せだろうが!」
なんだか悔しそうなマリアは横島の声を無視して連射し続ける。
「ぬおおー!」
必死に避け続ける横島だったが着ぐるみが邪魔をして遂には避けそこなう。
「……?」
必中撃に体を固くした横島だったが、その矢は疾風のように現れた巨大な馬が防いでいた!
「なっ……」
「ヒヒン!」
「お前、助けてくれたんか?」
優しく体を摺り寄せてくる馬を横島は見つめる。美しい筋肉の漲る巨大な馬だった。
「国王号?松風か?」
その姿に横島は思わず見惚れてしまう。
「なにやってるのよ?横島クン?」
そんな横島に声がかかる。
「えっ?」
横島が視線を向けると。晴れ着姿の美神とおキヌ、シロ、タマモ。そしてマミとほむらがいたのだった。
「は、初詣にいくところだったのよ」
「!」
「な、なによ……」
目を瞬かせる横島からの視線に美神が眉を寄せる。
「せっかくだから晴れ着を着ろって……」
どもりながら美神は視線を逸らす。
*****
「ほらほらせっかくだから!好きなのを選んでね!」
初詣に出かけるにあたり、一行を貸衣装屋に美神が連れてきたのだった。
「もう、美神さん……」
大変な生活をしていたマミとほむらを楽しませたいという美神の思いだと(勝手に)察しておキヌは微笑む。
「それならー。美神さんも一緒に着替えてくれないとですよ?」
「えっ?やあねえ。私はいいのよ。そんな面倒くさい」
おキヌの提案を美神は一蹴するものの。
「よくないです!みんなお揃いが嬉しいんですから!せっかくですしね?」
懸命に訴えるおキヌに美神は怯む。
「ああもう!わかったわよ!」
「ありがとう!美神さん!」
そうしてしぶしぶ折れた美神に、おキヌが喜び抱き着くのだった。
*****
「な、なによ……」
横島の沈黙に耐え切れず美神が声をこぼす。
「あっ、すみません!みんな似合ってて奇麗だなって」
「「「「「「!」」」」」」
横島の微笑みながらのその言葉に場が固まる!
「小僧。そーゆーところじゃぞ?」
カオスがため息まじりに吐き捨てた。
「それはそうと。それ今年の干支じゃない?」
横島の横にいる巨大馬を見つめ美神は目見開いた。
「年神が連れてきた新年の守り神だわ……!」
『さよう』
そんな美神に答える声。
『連れが迷惑をかけたようじゃの』
「!」
視線をその声の主に向けると。そこには布の冠に中華風の着物にたすきを掛けて杖をついた老人が佇んでいた。
『年神というのは、一年の幸福をもたらしにやって来る福神での、今年はわしが担当なんじゃ』
「知ってる。知ってるよ。あんたら見た目変わらんじゃん……」
毎年カオスに付き合わされ。はぐれた干支に絡まれている横島としてはもう、同一人物の老人がわざとやっているのでは?と疑っている案件だった。
『さ、年神が迷惑かけちゃいかん!こっちゃ来!』
「ヒヒン!」
馬は老人の呼びかけに首を振り横島に身を摺り寄せる。
「うーむ。こやつは情にあついでな。同族の安全が確認できなければ安心できんといっておる」
その瞬間にも馬は弓を構えているマリアをにらみ、横島をかばっていた。
「馬は優しい生き物だって聞いたことはあるけど……」
そんな馬の様子を見つめて場が癒される。
「む!そういうことならその馬とマリアの勝負でどうじゃ!」
するとカオスが頓珍漢な提案を持ちだした。
『うむ。それでいいそうじゃ』
馬と相談した老人が答える。
『勝負は『競争』だそうじゃ』
「所詮ウマといったところか。マリアを舐めるじゃあないぞ?」
老人の答えにカオスが息を吐き、にまりと笑う。
「ちょっと待った~~」
そこに新たな声!
その声の主は晴れ着を着た六道冥子だった!
「そういうことなら~~。インダラちゃんカモン~~」
角をはやした異形の馬が現れ。
「インダラちゃんが一番なんだから~~」
自信満々の冥子の横でインダラが後ろ足に立ちやる気を見せた。
「拙者だって負けられぬでござる!」
そして、はしたなく晴れ着の裾を上げるシロが謎にやる気を漲らせ。
「じゃあ私も混ぜてもらおうか」
いつの間にか。エミと織莉子の応援を背にキリカがウォームアップをはじめていた。
「なっ!収取がつかんくなっとるぞ?」
「なにいってんのよ。カオス。ここからが儲かるんでしょ?」
作成した倍率表をおキヌに提示させ。即席の賭場券をタマモ、マミ、ほむらに配布させつつ、美神がにまりと仕切りだす。
『なに?条件は揃えてやるって?』
すると。老人を見つめていた干支馬が煙に包まれて大柄でスタイルのよい美女に変化し、横島を抱きかかえていたのだった!
「なっ!牝馬だったの?」
その衝撃に美神達が凍り付き。
「それならこっちだって~~」
冥子の呼びかけに答えインダラも角の生えたすらりとした美女に変化する!
――こうして開催される新春異種混合ダービーにその場は異様な賑わいになるのだった!
【おまけコーナー!お正月特番!(2026
――てん。てれてれてれてん。てれれ~。
おキヌ「あけましておめでとうございます!」
冥子「おめでと~~」
正月を思わすセットを背に晴れ着姿のおキヌと冥子がにこやかに手を振る。
冥子「今年は午年~~。インダラちゃん、ウマ娘ば~じょん~~」
冥子が隣に控える「いんだら」と書かれたゼッケンのついた体操着にブルマ姿の、角をはやした美女を微笑みながら紹介する。
おキヌ「へ、へいきかな?」
おキヌが冷や汗を流していた。
おキヌ「今回のおまけコーナーは恒例!今年がどんな年になるか?この方々にコメントを頂いています!ではどうぞ!」
***
ヒミコ様「干支は丙午(ひのえうま)。情熱や行動力を象徴し、努力と集中力が実を結びやすい年とされている特別な年じゃ。「勝ち馬に乗る」くらいの勢いがよかろうな」
***
(謎の)小竜姫様「せっかく出番になったのに、続かないのですけど……」
***
S天大聖様「ウキー!」
***
U・M様(へんじがない。ただのしかばねのようだ……)
***
冥子「えっと~~。ロブスターを食べてるプリンセスってこと~~?」
おキヌ「えっ?ちょっとなにをいってるのかわからないですけど……」
冥子「皆様が今年も健やかでありますように~~。またね~~」
首を傾げるおキヌの横で冥子がにっこりと手を振りつつ、おまけコーナーを勢いよく閉めるのだった。
***
まどマギは映画だし、GS美神もなにやらありそうな予感!たのしみですね!