GBN
【GBNの
「やっぱ何処も夏フェスに向けた依頼ばっかだな」
カイト=マティガンに憧れて傭兵プレイを始めたはずのラスターが万事屋と呼ばれるのには訳があった。
GBNには傭兵が多過ぎたのである。
更にレイヴンネスト等の傭兵フォースまで存在し、個人創業の傭兵は色々と癖が強くて競合率も高くリピーター率低くなるのだ。
その為、ラスターが傭兵として有名になるべく取った行動は依頼内容の拡大だった。
傭兵としてフォース戦等に戦力として参加するのは勿論、護衛に戦力調査、カイトのように多種多様なガンプラを使うことから
すると、今度は運営から非公式に非合法ツール使用の疑いがあるプレイヤーの調査まで依頼されるようにすらなり、知り合いのダイバーからはチュートリアルミッション中に初心者を騙して食いものにする初心者狩りからの陰ながらの護衛まで依頼されるようになった。
そして、そんなラスターを他のプレイヤーは昔流行ったマンガのキャラクターに例えて【GBNの万事屋】【万事屋ラスター】と呼ぶようになったのだ。
尚、これには裏の意味もあり、表向きには「
裏向きには「依頼に合わせてあらゆるガンプラを乗りこなす」器用な操縦技術を評価する意味が込められている。
「今日はこいつにするか」
そう言って依頼募集用の専用掲示板からラスターが選んだのは………
[可変型との空中戦の仮想敵役]
とあるミッションにて可変型の機体に勝てずクリア出来ませんでした。
そのリベンジの為に相手役をして欲しいのですが、可能でしょうか?
報酬:………
という内容の依頼だった。
***
「空戦可変機か………となるとコイツだな」
一度ログアウトして自室のダイブチェアから立ち上がったラスターこと樹は依頼内容に適したガンプラを用途毎に仕分けされた棚から一つのガンプラを手にし、再びログインするのであった。
***
ラスターが待ち合わせ場所に行くと、そこには四人の少年が待っていた。
「お前さん達が依頼人のフォース・ウイニングズか?」
「あっ、はい!今日はよろしくお願いします、ラスターさん」
「「よろしくお願いします!」」
聞けば彼らはリアルでサッカーを一緒にやっている友達同士のフォースなんだとか。
「で、お前さん達のガンプラは………」
見るとそこには本来のカラーリングからド派手な色にカラーリングされたストライク、インパルス、ダブルオー、バルバトスにそれぞれカスタムパーツを取り付けたガンプラが並んでいた。
「これ、クラブチームコラボで販売されたやつの再販モデルだよな?」
そう、そのガンプラは某サッカーのリーグクラブとコラボした際に販売された各チームカラーにカラーリングを変更したガンプラがベースだった。
「それぞれファンのチームのを買ったんです」
「サッカーも好きだけど、ガンプラも好きだったから両親に頼んで買ってもらいました」
「好きなシリーズとクラブチームが合わなくて最初はこのガンプラに慣れなかったんですけど、愛着湧いちゃって」
「あとはそれぞれの機体の強化パーツで何とか戦えるようにはしたんですけど………」
「サッカーに慣れてて空戦が苦手と」
「「はい………」」
見ればストライクはソードとランチャーの肩アーマーにノワールストライカーを装備させてカラーリングをクラブカラーにしたもの。
インパルスはブラストシルエットをクラブカラーにしたもの。
ダブルオーはBUILD DIVERSのリクに憧れたのか脚部だけダブルオースカイに似せたものにし、クラブカラーにしたセブンソードGの装備を付けたもの。
バルバトスは第6形態のパーツを組み込んで追加パーツをクラブカラーに塗装したもの。
という感じだ。
「見事に空戦型対応してんのがダブルオーしかいねぇ………」
GN粒子で飛行するダブルオーはともかく、ノワールストライカーは常時飛行する装備ではないし、ブラストシルエットも対空火器はあれど可変機相手は難しく、バルバトスに至ってはバリバリのインファイターの為、確かにこのメンバーでは可変機の相手は難しかろう。
「まあ、とりあえず一戦やってみてから色々考えてみよう」
「「はい!」」
さて、ここで今回ラスターが使うガンプラを紹介しよう。
今回は可変機という事で用意したのがこちら!
【セイバーガンダムオルタナティブ】
セイバーガンダムの変形機構を見直してウイングガンダム等のパーツを組み込んだガンプラで、カラーリングは黒寄りの紫。
頭部のVアンテナは短くし、腕はAGEⅡアルティメスのものを使用し、肩のロングレンジライフルは半分程の長さに短くしたハーフレンジライフルを備える。
脚部は膝から下はスクラッチしており、曲線のある本来のものからAGEⅡダブルバレットのようなデザインに変更し、横にマイクロミサイルポッドを装着し、腰のサイドアーマーに予備も含めて2本ずつビームサーベルをマウントさせた。
バックパックはセイバーのものにウイングガンダムのものを組み込み、変形時のシールド接続部を作りアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲とウイングパーツ接続用に左右に2つずつポリキャップのジョイント穴を設置。
ビーム砲の横に取り付けていたセイバーのウイングは撤去し、ウイングガンダムのウイングを少し大型化したものを装備させたが、ウイングパーツとの干渉によってビーム砲はモビルスーツ形態時は両脇からしか展開出来ない。
シールドはほぼウイングガンダムの時のままで、バスターライフルは砲身を上下二門にし威力を抑えて上下交互に撃つ連射モードと二門同時発射で威力を強化したバーストモードを使用できるダブルバスターライフルに改造している。
シールド内部にも予備のビームサーベルが内蔵してある。
ハーフレンジライフルとアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲、ダブルバスターライフルによる一斉射撃も可能。
変形したバードモードでは機首にダブルバスターライフル、両サイドにハーフレンジライフル、バックパックからアムフォルタスプラズマ収束ビーム砲を前方に向けた姿となり、モビルスーツ形態と変わらぬ火力を維持(流石にフルパワーでは撃てない)して高速飛行が可能。
無論、左肩に白い十字架のマーキングは忘れていない。
『これ、元はセイバーガンダムですよね?』
「まあ、大分弄ってるからあんまし原型留めてねぇがな」
『こんなガンプラをいくつも?』
「バックパックだけ新規でスクラッチしてカラーリング変えただけってのもいくつかあるぞ。ストライクとかインパルスは元がいいからストライカーやシルエットに加えてカスタムパーツ付けるだけでそれなりに化けるからな」
『『へぇ〜』』
「って訳で始めるか」
***
それから一戦終えて………
「お〜し、反省回始めるぞ」
「「はい」」
「まずインパルスのコーヤだったか?しっかり狙いたいのはわかるが、ああやって棒立ちしてると上空からは良い的だぞ?もう少し動きながらを意識してみろ」
「動きながら………」
「サッカーと一緒だ。サッカーなんて常に動きながら考えるスポーツだろ?それとおんなじだ」
「なるほど!」
「次にダブルオーのシンゴ。ちょっと機体がフラついてたぞ。セブンソードGは確かにロマンだが、シンゴの戦闘スタイルと少し合ってないかもな脚を活かしたスタイルならもう少し軽装にしてキックボクシングスタイルにしてみたらどうだ?」
「やっぱりそう思います?ちょっと自分も装備盛り過ぎたかなぁと思ってたんです」
「次はストライクのルーク。お前ポジションゴールキーパーか?」
「はい、そうですけど」
「無意識だろうが動きが回避より防御に比重を置いてる傾向があるな。だから追加装備の無い部分の破損が目立つ。脚はデュエルに変えてアサルトシュラウドかフォルテストラを装備してみたらどうだ?胴体も出来れば追加装甲を付けてみるといい」
「より防御に比重を置いた改造ですか」
「最後にバルバトスのレン。ガンダムフレームの良さをよく理解した攻めだったが、SEEDシリーズでも実弾武器積んでる機体はそれなりにいるからビームと実弾の見極めはしっかりな」
「わかりました」
「とまあ、こんなところか………次に可変の対策だが、可変機は速いだけでなくモビルスーツ形態と飛行形態を切り替えて緩急を利用した攻めを得意としているが、変形機構を積んでる分通常の機体より脆さが出てくる。だから閉所やキチンと包囲してやればその特性を活かす事が出来なくなり、その機構の脆さを狙えるはずだ」
「ふむふむ」
「後で基本的なマニューバは見せてやるから動画でも撮って対策考えてみな」
「「はい!」」
その後、数戦模擬戦を繰り返してからマニューバ動画を撮って依頼は完了となった。
***
「ふう、素直な生徒は教えがいがあるな」
依頼を終えたラスターはそのままセイバーガンダムオルタナティブで空の散歩を楽しんでいた。
「そういや、俺も何個かクラブチームカラーキット持ってたよな?箱で積んだままだけど」
そんな事を考えていると、突然地上から太いビームがラスターの傍を通り抜け、その余波で機体がバランスを崩してしまう。
「おわわっ!?何処のどいつだ!こんなとこで極太ビームなんてぶちかましたバカは!?」
モビルスーツ形態に変形させてバランスを取り直して下を見ると、そこにはキット化されてはいないのでスクラッチしたであろうライノサラスとそれに挑むサイコガンダムの姿が。
「はっ?」
そして、そのバトルに巻き込まれブチギレたラスターがバトルに乱入し、サイコガンダムはデストロイとフリーダムの戦いのように胸部のメガ粒子砲をビームサーベルで貫いて破壊し、ライノサラスは銃口が向けられない真上からフルバーストを浴びせて撃破し、セーフエリアに戻ってログアウトするのであった。
***
後日、ウイニングズが無事にミッションをクリアした際の写真がラスターに届けられたのであった。
という訳でラスターが万事屋として働いてる様子でした。
彼、割と面倒見がいいので今回の彼らのようなダイバーの面倒を度々見ています。