ガンダムビルドダイバーズ:Finder   作:ミストラル0

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今回もリアルパートオンリーです。

サブタイトルはカテドラルガンダムの意味の一つの聖堂から連想される威厳と、エクストリームガンダムの極限から。


威厳と極限

「病院で言ってた事がほんとになっちまったな」

 

「病院で?」

 

「何を言ってたんですか?」

 

「いや、俊のやつが篠宮の声に聞き覚えがあったって言うから『もしかしてGBNで会ってたのかもな』って言ったんだよ」

 

「そういうことね」

 

そんな話をしている間に梨恵のパーツも成形を終えたようだ。

 

「また見覚えの無いパーツだね」

 

「なんでも今後実装予定のミッション報酬のパーツみたいよ」

 

「先輩はそのパーツのお試しセットが当たったんですよ」

 

「へぇ〜」

 

パーツセットと言うだけあってその数はそれなりに多い。

 

「お二人はそれぞれガンプラ一つ分と言ってましたけど」

 

「百聞は一見にしかずってな。俊、先に使っていいか?」

 

「いいよ」

 

そう言うと、樹は先に射出成形機にメモリを差し込み、ライナーを成形する。

 

「これは………エクストリームガンダム?でも色が」

 

「エコプラバージョンだよ」

 

「って事は自分だけのエクストリームに出来るんですね!」

 

元からあるエクストリームのキットでも塗装等である程度は見た目を変える事が出来るが、クリアパーツの色等の初心者には難しくて手が出せない部分もあり、エコプラということもあってクリアパーツが無色透明のこのエコプラ版はオリジナルのエクストリームを作るのに最適なキットと言えた。

 

「コイツも先行お試し版みたいでな、今回ので好評なら少数生産も考えるんだそうだ」

 

SAA(セシア・アウェア・アクターズ)が歓喜しそうね」

 

SAAとはその名の通りガンダムEXAやEXAVSに登場したセシア=アウェアを元とするセシアシリーズのアバターを使うエクストリームやエクセリア、Gストリーム等をメインで使うダイバーのフォースで*1、確かに彼女らが知れば確実に財団Bに要望することだろう。

 

「最後は灰原さんですね」

 

「とりあえず、あまり騒がないでね?」

 

「そんなに凄いものなの?」

 

「わざわざ樹が先に成形するぐらいには、ね」

 

そう言って樹と交代して射出成形機を起動する俊也。

成形された樹と同じエコプラのライナーに二人は首を傾げた。

 

「見た事無いガンプラ………」

 

「カテドラルガンダム?聞いた事無いや」

 

「そりゃあ、そうさGPDの更に前、ガンプラバトルと呼ばれていた時代のとあるビルダーが作ったオリジナル機体だからな」

 

梨恵と美南の呟きに樹が自慢げにそう答える。

 

「ちょっと待って………カテドラルってまさか!?」

 

「先輩?」

 

梨恵がスマホを操作してある雑誌のアーカイブのとある写真を掲載したページを開く。

 

「………カテドラルガンダム、2代目メイジンカワグチの最後の作品じゃない」

 

そのページに載っているのはその後に作られたレプリカだが、そのオリジナルについても情報があり、それを読んだ梨恵は俊也が騒がないでほしいと告げた理由を察した。

 

「そういう訳さ。フルスクラッチとかで派生機のシュヴァルツリッターとか使ってる人はいるけど、大元のカテドラルの製品版だなんて下手すればトライエイジガンダムクラスの暴動だからね」

 

「絶対にカテドラルのままで使えばバレるわね」

 

「一応、改造はする予定」

 

「そのパーツの買い出しも兼ねてるからな」

 

「篠宮さん達は?」

 

「私のはパーツがパーツなのでAGE-3を、先輩はパーツを成形してから決める予定でした」

 

「ほしいパーツの目星はついてるからあとは買い揃えるだけね」

 

俊也のカテドラルも成形が終わったので、射出成形機の前をいつまでも陣取ってはいられないと、四人はそれぞれパーツを買いにショップエリアへと移動した。

 

***

 

ショップエリアに移動し、まず俊也が手にしたのはガンダムAGE-2ノーマル。

隣で美南がAGE-3の各種を手にしていた。

 

「やっぱりAGE-3ベースの換装機にするんだ?」

 

「はい、さっきの成形したパーツの方はそのままにして、こっちの三つは改造してみようかと」

 

「樹はリペアⅡとプラ板だね」

 

「プラ板はちとストックが心許ないが、他の必要なのはジャンクパーツで何とかなりそうなんでな」

 

「なら俺もプラ板買い足しておくか」

 

一方、梨恵はあるガンプラを見つめている。

 

「サイコガンダムってまた人を選びそうなもんを」

 

「必要なのは腕だけなのだけれど、一から自作するのは面倒だと思っただけよ」

 

「腕だけって事はギガンティックアームみたいなものを作ろうとしてるの?」

 

「ええ、モチーフはこれなのだけど」

 

そう言って梨恵はスマホにとあるキャラクター達の画像を表示する。

 

「あ〜、その二人をモチーフにすんのか」

 

「篠宮さんがそれを知ってるのは意外だったけど………前に見たガンプラも彼女のバリエーションがモチーフだった?」

 

「そうよ。私がこのゲームを知ったのはどちらかというとそっちのキャラクターに一目惚れしたからなのだけど」

 

「皆さ〜ん」

 

そうこう話している間にAGE-3の三種を持ってレジに行っていた美南が戻ってきた。

 

「何かキャンペーンやっててこんなパーツ貰えました!」

 

そう言って美南が手にしていたキャンペーンパーツを三人に見せる。

 

「これは………」

 

「そういや昔にもガンプラ買ったら同じパーツが配布されてたキャンペーンあったな」

 

「その復刻版みたいだね………篠宮さん、これサイコガンダムの代わりになるんじゃない?」

 

「そうね、このパーツを使えばサイコガンダムは必要なさそうだけれども………」

 

「二つ分は俺と俊の分を回すとして」

 

「そういう事でしたら私のこれは先輩にあげます」

 

そう言って美南は持っていた三種のキャンペーンパーツの一つを梨恵に手渡した。

 

「いいの?」

 

「俺は昔にいくつか手に入れてまだ未開封のがあるしな」

 

「俺も同じく………というか、早めに買わないとそのパーツなくなっちゃうかもよ?」

 

「そうね、そういう事なら甘えさせてもらうわ」

 

という訳で梨恵も過去の有名ファイターの使ったレプリカモデルのガンプラを一つ買い、俊也と樹はそれぞれ買ったガンプラ分のキャンペーンパーツを梨恵に渡すのであった。

 

***

 

「パーツまで譲ってもらった上に駅まで送ってもらって助かったわ」

 

「ですです」

 

あの後、あの荷物で松葉杖で駅まで距離を歩かせるのはキツイだろうと、樹の車で二人を最寄りの駅まで送っていった。

 

「通り道だったしな」

 

「このお礼はまた何れさせてもらうわ」

 

「別にリアルじゃなくてアッチ(GBN)でも構わねぇぞ。俺はアッチじゃ万事屋なんて呼ばれてるから依頼してくれるだけでもいいぜ」

 

「あ〜、貴方、【万事屋ラスター】だったのね」

 

「あの使うガンプラがいつも変わるってので有名な」

 

「コイツの家、使う機体多過ぎて、ガンプラ置く専用の部屋まであるからね」

 

「ガンプラ部屋ですか………ほんとにマティガンさんみたいですね」

 

モビルスーツコレクターとも呼ばれるラスターのモチーフとなったキャラクターのカイト=マティガンもモビルスーツをいくつも置く為に専用のガレージまで持っていたを思い出した美南。

 

「となるとグレイはカメラマンだからジェスで、丁度ジェスとカイトみたいね」

 

「「よく言われる」」

 

「やっぱりね」

 

バトルロワイヤル等の取材には護衛としてラスターを雇う事があるので、その関係を見た他のダイバー達からは「バトルロワイヤルでカメラマンを見たら近くに万事屋がいる」という共通認識にすらなっているくらいだ。

 

「そんじゃあな」

 

「またGBNか何処かで」

 

「ええ、また」

 

「ありがとうございました」

 

駅で梨恵と美南を降ろし、俊也と樹はそのまま車で去っていった。

 

「先輩」

 

「何よ?」

 

「灰原さんと連絡先交換したんですか?」

 

「前に撮った動画をGBN経由じゃなくてこっちに送ってくれるって言うからしたけど、それが何?」

 

「先輩が男の人の連絡先をプライベートで教えたのって初めてじゃないですか?」

 

「あっ………」

 

美南の指摘に梨恵は気付くと顔を真っ赤にする。

 

「先輩、灰原さんと関わると可愛くなりますよね〜」

 

「み〜な〜み〜!」

 

「あっ、先輩、電車来ましたよ!」

 

「今度の練習、覚えてらっしゃい」

 

そうやっていつものようにじゃれ合いながら二人も電車に乗って帰っていくのであった。

*1
別にガンプラはそれに限らないらしいのだが、自然とその系統が集まるんだとか




今回はX2愛好家さんのところよりSAAの名前をお借りしました。
エクセリアかエクストリーム系を使うセシア系アバターのフォースらしいですが、かなり濃そうですよね………

梨恵と美南が初対面の樹の車にあっさり乗ったのは俊也と樹をある程度信用していたのと、俊也という車椅子の足手まといになりそうなのがいるのに誘拐とかはしないだろうという判断です。
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