そして、やっと登場する原作キャラが………
「………出来た」
買い出しで梨恵と美南と知り合ってから五日後。俊也の作業台の上には一体のガンプラが置かれていた。
元のカテドラル本体には大きな手を加えず、肩パーツに手首の装甲パーツ、腰のサイドアーマーと膝のパーツ、そしてバックパックを取り換え、頭部はシュヴァルツリッターのようなバイザーを装着した姿はぱっと見カテドラルとは見えないが、ちゃんと見ればカテドラルの面影をちゃんと残している。というか、換装したパーツを残してある元のパーツに戻せばカテドラルに戻せる程度の改造であり、それだけカテドラル自体に手を加える部分が少ない証拠でもある。
当然内部構造はしっかり作り込んでいるし、独自に改修した部分も今までのガンプラよりきっちり仕上げたし、塗装もムラ等は無い。
「あとはこれを持たせてっと」
仕上げにそれの作成だけで一日費やした専用のガンカメラ付のビームブラスターであるフォーカスビームブラスターを持たせ、折り畳み式のガトリングガンを仕込んだ金属パーツを間に挟み、一枚一枚対ビームコーティングをした積層構造のシールドをマウントして真の完成となったそのガンプラの名は………
「
基本カラーはネイビーブルーとホワイトで、胴体の一部にレッドが使われたトリコロールカラーのガンダム。
肩にはAGE-2ノーマルのものをベースとしたシールドと同様に積層構造としたアーマーコートを装備しており、バックパックはシュヴァルツリッターのものを参考にシールドストライカーのように腕のシールドとは別のシールドをマウントした基部に大型のスラスターとAGE-2のウイングをベースにしたクリアパーツ付きの翼と大型の可動式スラスタータンクを装備。更にスラスタータンクにサブアームを付けている。
腕のガンドレットはカテドラルのものから少し大型にしたものに換装し、ビームソードの出力を上げた。
腰のサイドアーマーはストライクフリーダムのものをベースにしたレールガンを取り付け、膝にはクリアパーツを大きめに組み込んだ大型のものとしているが、あくまでパーツを取り換えただけという事で違和感が出ないように調節してある。
「さて、少し試し乗りしてみようか」
久しぶりの作ったばかりのガンプラに高揚する気分のまま、俊也はスターロードガンダムを台座にセットしてGBNへとダイブするのであった。
***
セントラルディメンションにやってきたグレイはまず格納庫へ向かい、そこに置かれたスターロードの様子を眺めていた。
「こうして見上げてみるとやっぱ違うなぁ」
1/144から1/1になる事でガンプラのままではチェックしにくい部分もこうしてちゃんとチェック出来るのがGBNの良い所の一つだとグレイは思っている。
「うわぁ、綺麗なガンプラだ」
「うん、この子、凄く嬉しそう」
すると、そこへ珍しい人物達がやってきた。
「君達は確か………ビルドダイバーズのリク君とサラちゃん?」
そう、それは数年前に大きな事件の中心にいたダイバーのリクとそのパートナーと言える運営が初めて観測したELダイバーのサラであった。
「このガンプラ、お兄さんのガンプラ?」
「ああ、今日完成したばかりでね」
「名前は?」
「スターロードガンダム、星を読み込む、星の道、そんな様々な意味の“ロード”を込めた名前だよ」
「スターロードガンダム………」
「きっとこの子にもお兄さんの想いは伝わってると思うわ」
「ありがとう、君達にそう言ってもらえて嬉しいよ」
まるで自分が褒められているようでグレイは嬉し恥ずかしい気持ちになる。
「ところで、君達は何で此処に?フォースネストを持ってる君達ならわざわざ此処に来る必要も無かったろうに」
「実は二人でミッションを受けに来ていたんです」
聞けば始めたばかりの頃にやった思い出のミッションを久しぶりにやってみたくなったそうだ。
「へぇ〜、ヤナギランのクエストか、俺も昔受けたなぁ」
「そうなんですか?」
「ああ、俺はGBNでカメラマンをやっている変わり者でね」
そう言ってグレイは首から下げていたカメラを見せた。
「普通のスクリーンショットでもそれなりの写真は撮れるけど、俺はこういうアナログなスタイルの方が性に合ってるみたいでね」
「へぇ〜、そんな事も出来るんだ」
二人はグレイのカメラに興味津々のようだ。
「なら良かったらクエストに同行して一枚撮ってあげようか?」
「良いんですか?」
「ああ、俺は
そう苦笑して言うと二人も釣られて笑顔を見せてくれた。
***
それからリクとサラに同行させてもらい、グレイはスターロードガンダムでの飛行テストを行っていた。
「うん、ちゃんと安定してる」
『その翼、AGE-2のものを改造したんですか?』
「そうだね、元の機体にAGE-2のパーツを使って改修したのがこのスターロードになるかな」
『お兄さん、綺麗に飛ぶんだね』
「まあ、飛びながら撮影したりもするからね、飛行姿勢には気を付けてるんだ」
そう言ってからグレイはスターロードのある機能を試す為にリク達に声を掛ける。
「二人共、少し飛ばすけど大丈夫かい?」
『えっ?飛ばす?』
「こういう事さ」
グレイがそう言ってスターロードを変形させる。
前面のアーマーコートの間に左腕にマウントしていたシールドを連結し、バックパックのシールドを機首にしてアウトフレームのGフライトの飛翔形態と同じような変形ではあるが、そのスピードはモビルスーツ形態と比較してもかなりの速度である。
『は、速い!?』
リクの操るダブルオースカイメビウスも飛行速度には自信があったが、スターロードの速度はその想定以上のものだった。
『凄い………あの子、凄く嬉しそうに飛んでる』
サラにはそんなスターロードガンダムは嬉しくてはしゃいでいるように見えたそうな。
***
それからしばらくして三人はヤナギランのある花畑へと到着した。
「うん、やはりここは何度見ても良い景色だ」
「私もそう思う」
「俺もです」
「そっか………さっきは色々と付き合わせて悪かったね」
「い、いえ、俺も楽しかったですから」
「そう言ってもらえると幸いだね」
それからしばらく花畑で写真を撮りながら過ごし、ダブルオースカイメビウスとリクとサラの三人を花畑をバックに約束の写真を撮った。
「はい、こんな感じだよ」
「凄い………同じスクリーンショットの筈なのにここまで違うんですね!」
「私もやってみたい!」
「カメラに興味を持ってもらえたのは嬉しいね」
その写真に二人が感激しているのを見てグレイも自然と笑みが溢れる。
「そうだ!サラちゃん、試しに撮ってみるかい?」
「良いんですか?」
「サラちゃんはELダイバーだからこっちじゃないとやれない経験だろ?」
「確かに」
「うん」
「だからここにいる時には色々な事に挑戦してみてほしいんだ」
そう言ってグレイは首に下げていたカメラをサラに手渡す。
「やり方は簡単にレクチャーするけど、撮ってみたいものはあるかい?」
「ならお兄さんとスターロード!」
「おや」
「だってお兄さんだけ写真に写ってないもの」
「あははは、こりゃ一本取られたね」
自分が写真を撮られる側に回るのなんて何年振りだろうか?とグレイは思いつつも花畑の邪魔にならない場所にスターロードを立たせる。
「ついでだし、リク君も一緒にどうだい?」
「ならメビウスと並べてもいいですか?」
「むしろお願いしたいくらいさ」
そして、スターロードとダブルオースカイメビウスを並んで立たせ、その前にグレイとリクは並んで立った。
「じゃあ撮りま〜す」
カシャリとサラが初めてカメラで撮ったスクリーンショットは少し斜めにズレはしたが、初心者にしては綺麗に撮れていた。
「やっぱりお兄さんみたいには撮れなかった………」
「まあ、リアルでもカメラマンをしてるからね、俺は」
「道理で………」
「この写真は大事にさせてもらうよ」
「俺も!」
「私、もっと色んな写真を撮ってみたい!」
どうやらサラは写真を撮る楽しみを知ってくれたようだ。
「なら、これは俺からのプレゼントだ」
そんなサラにグレイはアイテムボックスから一つのカメラを取り出してサラに手渡した。
「これは………」
「それは俺がGBNを始めて直ぐの頃に手に入れたカメラさ。想い出の品としてカメラを新調してからも手放せなくてね………でも、サラちゃんにならあげてもいいかなって」
GBNにおけるカメラはどちらかというと嗜好品の類いに当たり、当然カメラマンのグレイが使うようなモデルとなればいくら始めた頃のものとはいえそれなりのBCを必要とする物だ。
そんなものをポンと渡してしまうグレイはサラがカメラに興味を持ってくれたのが相当嬉しかったようだ。
「ありがとう!大事に使うね!」
「ああ、そうしてあげてくれ」
それからセントラルディメンションへと戻った三人はそこでフレンド登録をしてから別れたのであった。
という訳でビルドダイバーズのリクとサラに登場して貰いました。モルちゃん達は今回は留守番だそうです。
カメラの設定等は独自設定になりますのであまり深くツッコまないでいただけると幸いです。