この場をお借りしてお礼申し上げます。
「樹兄!俺にガンプラを教えてくれ!」
「はぁ?」
その日、樹の家にとある少年が訪ねてきていた。
その少年の名は大森
「尚、お前一体どうしたんだ?『ガンプラよりもサッカーの方が楽しい!』とか言って今までやろうとしてなかったじゃねぇか」
「うぐっ」
そう、尚樹は小さい頃からサッカー一筋だったスポーツ少年で、ガンプラは素組程度しかした事が無いのだ。
「そんなお前が『ガンプラ教えてくれ』だなんて」
「………樹兄は知ってんだろ?俺の足の怪我のこと」
「新人戦でのファールで右足やられたんだったな」
期待のルーキーと言われていた尚樹だったが、その怪我でサッカーをする事が出来なくなり、しばらく塞ぎ込んでいたと樹は聞いている。そんな従弟が急に訪ねてきたので樹も何かがあったと思ったのだ。
「うん、それで父さんが俊也兄ちゃんの事思い出してダイバーギアと家でログイン出来る環境揃えてくれて」
「ログインした時に何かあったんだな?」
「うん」
聞けば素組のクラブチームカラーのインパルスガンダムでログインしたはいいが、また自分の足ので走れたのが嬉しくて浮かれており、初心者狩りにヴァルガ行きの偽初心者ミッションのクリエイトミッションを受けさせられてしまったんだとか。
「そこで四人組の女の子達に助けてもらったんだ」
「ヴァルガに来る四人組の女子ってなるとリビルドガールズか………何か特徴は?」
「白い兎みたいなのとアイドルみたいなピンクのガンプラだった」
「やっぱ、リビルドガールズだな」
フォース・リビルドガールズ。
放課後の延長という活動方針に対してやっている事が武闘派と言われているフォース。リーダーのアイカのFAが何故か矢鱈とナイフやドスを持ったものが多いという。
「知ってるの!?」
「ヴァルガで何度か見かけたのとあるイベントで同じ陣営についたってだけだよ………あいつらはソコソコ有名だしな」
「そっか………俺、助けてもらったお礼ちゃんと言えてなかったからさ」
「強くなってお礼が言いたいってか?」
「ああ!だから俺にガンプラは作り方と戦い方を教えてくれ!」
「わーったよ」
その熱意は本物であるというのが伝わってきた為、樹は尚樹の弟子入りを認める事にした。
「あっ、あと父さんがしばらくアメリカに転勤になって母さんもついてくことになったからしばらく樹兄のとこでお世話になれって」
「は?そんなの俺は聞いて」
そのタイミングでピロリン、と樹のスマホがメッセージを受信する。
その内容は尚樹が言っていた事と同じ内容が綴られた叔父からのものだった。
「叔父貴〜!!」
という訳で樹の家に尚樹が居候するとことなった。
***
「ははは、それで樹は不機嫌なんだ」
「せめてもっと早く連絡しやがれっての!」
「俺、もう連絡済みだと思ってた」
「だよね」
そんなこんなあった週末。樹は俊也と尚樹を連れてガンダムベースシーサイド店にやってきた。
「いらっしゃいませ、ガンダムベースシーサイド店へようこそ!」
すると、三人を小さな店員が迎え入れた。
「よっ、チィ」
「あ〜、大森さんと灰原さんでしたか」
「えっ?小さな女の子!?」
ELダイバーを知らないのか驚く尚樹。
「チィはELダイバーっていうGBN生まれの電子生命体なんだ。それをGPD由来の技術でこっちで活動出来るようにしたのがモビルドールってわけ」
「じゃあ、この子もガンプラなの!?」
「ちなみにそいつ、お前が助けてもらったっていうリビルドガールズの一人だぞ」
「えっ!?」
「助けた?」
「彼、この前ヴァルガで偽の初心者向けミッションを受けさせられてちゃってね。それを君達に助けてもらったらしいんだけど、覚えないかな?クラブチームカラーの素組のインパルスガンダム」
「あ〜、あの時の」
樹の言葉に首を傾げるチィに俊也が補足を入れると、チィはエリィが見つけてリーダーのアイカが「何だか私とエリィちゃんが始めた頃を思い出すから助けよう!」とモヒカン共を蹴散らして助けたインパルスを思い出した。
「あ、あの時はありがとうございました!」
「それはわざわざどうも」
とりあえずメンバーの一人にお礼を言う事ができた尚樹は新しく作る自分の愛機となるガンプラを選び始める。
「尚樹くん、何をベースにするかは決めてるのかい?」
「うん、やっぱりインパルスガンダムにしようと思ってる。今のやつは好きなクラブのカラーだから買ってもらったんだけど、あくまで飾っておく用でバトル用じゃないからさ」
「そっか」
「あった!フォースインパルスガンダム!」
尚樹がフォースインパルスガンダムを手に取っている頃、樹は新しい初心者向けのニッパーやヤスリ等のツールを手に取っている。
それを見て俊也は「相変わらず面倒見いいよね」と苦笑する。
「俊也兄ちゃん」
「うん?なんだい?」
「例えばさ………こういう機体にしたいなら何がいるかな?」
「それなら、これと」
「これとそれなんて如何でしょう?」
そう言って会話に加わってきたのは先程のチィだった。
「聞いてたのかい?」
「お客様の要望を叶えてこそ店員ですので」
「いや、色々買わせたいだけだろ、銭ゲバ」
「まあまあ、チィちゃんが選んでくれたのも決して不要って訳じゃないだしさ」
「はぁ………まあいい。尚樹それ貸せ」
「あっ」
そう言って尚樹の持っていたフォースインパルスガンダムのキットとその他諸々を持って樹はレジへと向かう。
「樹兄、俺も払うよ!」
「これから嫌でも買うもんは増えるんだ。これくらいは黙ってもらっとけ」
結局、樹が全て払ってしまい、一式が入ったレジ袋を尚樹に手渡す。
「大森さんって、ほんと世話焼きですね」
「あはは、それが樹らしさなんだけどね」
その後、俊也の買い物を終えたところで一同は樹の家に戻り、尚樹は二人の指導の元、自分のガンプラを作り始めたのであった。
***
それから一週間後。
「で、出来た!」
「おめでとう、尚樹くん」
尚樹の目の前には完成した彼のインパルスガンダムがあった。
様々な部分が改造されている為、ぱっと見はインパルスに見えないが、よく見ればその面影がある赤とオレンジにカラーリングされたインパルスガンダム。
他にもフォースシルエットを改造して更なる機動力を与えられており。その名の通り流星の如く戦場を駆け抜けるという意味を込めたその機体の名は………
「メテオインパルスガンダム………これが俺のガンプラ」
「尚樹」
「何?樹兄」
「これをやる」
その完成したメテオインパルスガンダムの傍に樹はメテオインパルスと同じカラーリングにしてある小さな戦闘機・コアスプレンダーを置いた。
「これって………」
「変形するように俺がスクラッチしたもんだ。お前のインパルスはコアスプレンダーの部分を弄ってないからそのまま組み込めるだろ」
「樹、こんなの作ってたんだ?」
「前に俺のインパルスのやつ用に作ったのを思い出しながら作ったんだよ」
「ありがとう、樹兄!」
「さて、ガンプラは出来たし、次は
「うん!」
こうしてまた新たなダイバーがGBNへと飛び込んでいくのであった。
大森尚樹
ダイバーネーム:アスター
使用ガンプラ:メテオインパルスガンダム
メテオインパルスガンダム
尚樹が樹達の指導の元作成した初めてのオリジナルガンプラ。
肩アーマーを大型のものに改造し、脚部にはスラスター内蔵の追加装甲を装備。
分離せずとも変形が可能になっている。
腰のアーマーシュナイダーのマウントは大型化してアーマーシュナイダー、ビームナイフ、ビームライフルショーティーをマウントしたものに改造した。
胸部は装甲を盛ってシャイニングガンダムのような形状に変更。樹から選別としてもらった変形仕様のコアスプレンダーを搭載している。
ビームライフルはガンダムXディバイダーのビームマシンガンを参考にした専用のビームマシンガンに改造し、シールドもディバイダーシールドを参考にしたスライドすることで拡散ビーム砲が現れるブラスターシールドを装備。変形時はシールドのウラ側にビームマシンガンをマウントして機首となる。
専用のシルエットとしてメテオシルエットというフォースシルエットにエールストライカー等のスラスターを追加してカレトヴルッフのマウントを追加したシルエットを装備。変形時にはそれにあわせて下に90°回転するギミックを持つ。
カレトヴルッフは樹からもらったカレトヴルッフ炎を改造してクリアパーツの刀身を本体横に接続し、先端をビームサーベル兼ビームライフルにしたメテオカレトヴルッフを2本装備する。