ガンダムビルドダイバーズ:Finder   作:ミストラル0

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今回はELダイバーに関するお話。
ついでにグレイの過去にも少しだけ触れることとなります。


電子の少女

樹の元に尚樹がやってきてしばらくが経った頃。

GBNにログインしたグレイは今日もスターロードガンダムに乗りディメンションを巡っていた。

今日グレイが訪れたのはディメンション・シュバルツバルト。ここで行われている【バンデッド・レース】にてレースの王者、ハート率いる【パロッツ・パーティー】に挑む一風変わったフォースが出るという話を聞きつけたからだ。

そのフォースの名前は【DANGAN RACERS】。このフォースはメンバー全員がVガンダムのザンスカール帝国製のバイクをベースにDANGANという玩具を模したガンプラを使用するのが特徴で、今は廃れてしまったDANGANの復権を目指しているという。

正直、「財団Bの運営するGBNではなく、販売元のタ●ヤに言え」と言いたくはなるが、彼らも必死なのだろう。

 

「お手並み拝見といきますか」

 

レースはパロッツ・パーティーが勝利したが、DANGAN RACERSも善戦していた。特に最後の直線にて逆転を狙った左右の機体の後輪でリーダーの機体をカタパルトのように発射した連携は一歩間違えば逆転どころか自爆になりかねないのに先頭を走るハートの傍まで追い上げたのだ。

結局、着地と同時に僚機のゲロビを食らいクラッシュしてしまったが、あの鳥頭タイツの紳士達が敬意を持って接していた事からも彼らの実力が伺える。

 

「ほんと色んなダイバーがいるんだなぁ」

 

今回の奮闘がDANGANの知名度の回復になればいいなぁ、と思いつつ、グレイは両フォースへ取材に向かった。

 

***

 

その後、取材を終えたグレイはシュバルツバルトの夜景を上空から撮影すべくスターロードで飛翔していた時にそれは起こった。

常に夜闇に覆われたディメンションの一角に一筋の光の柱が現れたのだ。

 

「アレってもしかして!」

 

光の柱は直ぐに消えてしまったが、以前とあるダイバーを取材した際に聞いたのと同じ現象だと察したグレイは素早く光の柱が現れたポイントへとスターロードを飛ばす。

スターロードが降り立ったのは都市部から離れた空けた広場のような場所。

 

「確かこの辺りだったはず」

 

スターロードのセンサーで辺りを調べると近くにダイバーと思しき反応が一つ。こんな場所に普通のダイバーは来ない事からそのダイバーが目的の人物だとグレイは察する。

それは薄い水色の髪をしたガンダムSEED DESTINY ASTRAYに登場するセトナ=ウィンタースによく似た少女だった。

少女はグレイのスターロードに気付いたらしく、ゆっくりとスターロードを見上げる。

 

「ん?貴方“達”は誰?」

 

そこにいるのはグレイの乗るスターロードのみ、それを“達”と呼ぶという事は………

 

「君、ELダイバーだよね?」

 

「よくわかりません………気付いたらここにいましたから」

 

「やっぱり」

 

その少女は生まれたばかりのELダイバーだった。つまり、“達”とはグレイとスターロードの事。やはりELダイバーの共通する「ガンプラの声が聞こえる」のだろう。

 

「なら、君の事に詳しい人のところに行かないかい?」

 

「私に詳しい?」

 

「君というかELダイバー全般に詳しい人達がいるんだ」

 

スターロードから降りて少女に手を伸ばすと、少女はグレイの首からぶら下げられたカメラに目を奪われる。

 

「うん?カメラに興味があるのかい?」

 

「カメラ?」

 

「これはこうやって風景を記録する道具なんだ」

 

そう言ってグレイは少女を撮影して撮ったスクリーンショットを見せる。

 

「うわぁ………!凄い!」

 

「ははっ、それだけ喜んでくれるとカメラマン冥利に尽きるよ」

 

「カメラマン?」

 

「カメラを使って仕事をする人の事だよ」

 

「お〜!」

 

どうやらこの娘は風景やスクリーンショットに興味深々のようだ。

 

「色々教えてあげたいけど、先に色々登録とか手続きが必要なんだ」

 

「それが終わったら色々教えてくれますか?」

 

「ああ、約束するよ………えっと、君の名前は?」

 

「名前?え〜っと………わかりません!」

 

「名前も無いのか………なら、レーナって名前はどうかな?」

 

「レーナ………うん!レーナ!」

 

どうやら気に入ったようではしゃぐレーナを見てグレイは笑みを浮かべる。

 

「(カメラの事も教えるって言っちゃったし、これは俺が彼女の保護者確定かな?)」

 

とりあえずスターロードにレーナを乗せ、ELダイバーの登録等の手続きを行う為にELバースセンターに向かった。

 

***

 

「なるほど、レーナちゃんだね。保護責任者はグレイさんという事はでいいのかな?」

 

「やはりそうなりますよね」

 

「手続きが終わったら色々と教えてもらうと約束しました」

 

「………という事です」

 

「なるほど」

 

ELバースセンターにて二人の担当となったコーイチというダイバーに事情を説明したところ、やはりレーナの保護者にはグレイがなる事が決まった。

 

「でも、俺が保護責任者でいいんですか?」

 

「と言いますと?」

 

「実はリアルでは車椅子なんですよ、俺」

 

「え?」

 

それを聞いてコーイチはかつて第二次有志連合戦と言われる戦いにて第七機甲師団を率いているロンメルの事を思い出した。

彼は部下に身体的な障害者を擁しており、彼らが障害を感じる事無く活動出来るGBNを守ろうとしていた。

グレイもそんな人の一人だと知り、且つ、そんなGBNを崩壊させかけたELダイバーを彼が保護した事に奇妙な縁を感じる。

 

「第二次有志連合の事ならお気になさらず………俺はただ真実が知りたくてどちらにも付かず戦場カメラマンの、ジェス=リブルの真似事をしていただけでしたから」

 

「そうでしたか」

 

「それにリク君とサラちゃんとはフレンド登録もしていますからね」

 

「あ〜、サラちゃんが最近カメラにハマっていたのはグレイさんの影響でしたか」

 

そうこうしている間に基本的な登録手続きは済み、最後に決めなくてはならない事を伝えられる。

 

「さて、基本的な手続きはこれでお終いだけど、レーナちゃんのモビルドールボディはどうしますか?」

 

そう、レーナの現実での姿となるモビルドールに関してだ。

 

「こちらでレーナちゃんに合わせたモビルドールを作成する事も出来ますし、他の保護者の方の中にはそれぞれの要望に合わせて自作される方もいますが」

 

「リゼ君の保護者のテツさんみたいに?」

 

「あれ?ご存知なんですか?」

 

「ええ、バトルカイの決勝後にテツさんとリゼ君には一度取材をしていまして」

 

この取材の際にリゼとの出会いの話を聞き、それが今回のレーナ発見に繋がったのだ。

 

「そうでしたか………それで、どうなさいますか?」

 

「そうですね………レーナ、これは君の現実での身体の事だから君が決めるべきだ」

 

「う〜ん………ならグレイが作って」

 

「俺でいいのか?」

 

「グレイが保護者って事は私はグレイの子供みたいなものでしょ?ならグレイに作ってほしい!」

 

「わかったよ。という事でお願いします」

 

「わかりました」

 

こうしてグレイはレーナの保護者となり、彼女の為にモビルドールを作成する事となったのであった。




今回チラッと会話に出ましたが、グレイは有志連合には第一次、第二次と直接参加していません。
第三次有志連合ことアルス侵攻時はサダルスードGで参加しはしたがあくまで後方支援に徹していたとのこと。
グレイとしてはELダイバーに特に思うところは無く、第二次有志連合では戦闘には直接参加せず、両者の主義主張を第三者として見聞きして真実を求めた。
ロンメルはグレイが副官のクルト同様障害を抱えている事を知っていたが、グレイ本人の意志を尊重して有志連合への参加を薦めはしなかったという裏事情があります。

レーナのモビルドールについては次回をお待ち下さい。


用語解説

フォース【DANGAN RACERS】
レーシング玩具DANGANの復権の為にGBNにてDANGANを模したバイク型のガンプラを扱うフォース。
ザンスカール帝国のバイクを元に様々なDANGANを模したバイクを作成している。(もうガンプラと呼べるのだろうか?)
最近ではバンデッド・レースにDANGANの復権関係なくハマっているような気もする。
ダイバールックは自身のリアルの姿にそれぞれが使うDANGANの使い手をミックスしたような姿をしている。
リーダーはシオン=ガン。

パロッツ・パーティー(出典:ガンダムビルドダイバーズ リビルドガールズ 作:守次 奏)
鳥頭の全身タイツという不審者スタイルではあるが、中身は紳士であるバンデッド・レースの発起人とも言うべきフォース。
常に最速を目指すその在り方がDANGANRACER達の心に炎を灯した。

ELバースセンター
ELダイバー達の登録等を担う病院のような施設。
ELダイバーの保護から保護者への斡旋やモビルドールの手配等様々な分野でELダイバーをサポートしている。
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