ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ようやくポケスペ54巻と55巻を購入しました。ブラホワもラクファイもいいぞ…!

今回はダフネVSシールドから参戦のあの男!楽しんでいただけると幸いです。


VSヤドキング

 3番道路を歩き、トレーナーを蹴散らしながら進む。私がアブリーを常に連れているからか、蟲如きだと油断したトレーナーをグソクムシャやヘラクロスで蹴散らすのはちょっと楽しい。ラウラさんもこんな感じだったのだろうか。自分の好きを押し付ける戦いは、さいみんじゅつやら小手先を行使していた昔と違って辛くない。楽しい。まあ今でもさいみんじゅつは最後の切札として残していますが。

 

 

「そろそろマクロコスモスの工場が見えてくる頃ですかね」

 

 

 ほとんどのジムチャレンジャーは空飛ぶタクシーでさっさとターフタウンに向かうらしいが、私は少しでも経験を得るために歩いて旅をしている。観光にもなるので苦ではないし、キャンプで蟲ポケモンを愛でるのがこれまた楽しいのである。日が落ちてきたので、そろそろキャンプを張ろうかと考えていたら、見覚えのある人物が見えた。

 

 

「あれは…」

 

 

 改造されたエスパータイプのユニフォームを身に纏い、丸メガネと周りにモンスターボールをいくつか浮かばせたシルクハットが特徴的な金髪の人物が反対側から歩いてきた。その人物は私に気付くと手を振って笑顔を浮かべた。

 

 

「おや!貴方は二ヶ月前にマスター道場でワタクシと共に修業をした…たしか、ダフネさんじゃありませんか!」

 

「あ、セイボリー先輩。ジムリーダーになれたんですね」

 

「もちろんですとも!このたび、この道路を守るジムリーダーに選ばれました!貴方達ジムチャレンジャーを守るナイトとなったのですよ!悪人はワタクシのエスパーパワーですぐ察知して退治しますのでご安心・アーレ!あ、それとここでは先輩呼びしなくてもよいですよダフネさん」

 

「ではお言葉に甘えて、セイボリーさんが守ってくれるんですか。それは頼もしいですね」

 

 

 二ヶ月前、共にマスター道場で修業をしたセイボリーさん。マスター道場で修業してジムリーダーになることを目指して頑張っていた人だ。確かにこの人は強い。私にイオルブの扱い方を教えてくれたり、エスパーのエキスパートだ。だけどエスパーばかりだから私の蟲ポケモンには相性が悪く練習試合では結構勝ったんですが。それでも結構苦戦したことを覚えている。師匠の次に印象に残っていた先輩だ。

 

 

「ジムリーダーとなった今ならダフネさん!あなたにも勝てますよ!」

 

「…でも、セイボリーさんは仕事をしないといけないんじゃないんですか?」

 

「ジムリーダーが守っている場所でわざわざ悪事を行おうとしている者などいようはずがありません!何かあったらワタクシのエスパーパワーでめきょっと悪人をへこませます!」

 

「ちょっと油断しすぎな気もしますが…それならば、喜んで!」

 

 

 強くなれる手段を断る理由はない。それから話し合って、さすがにフルバトルでポケモンが全部戦闘不能になるのは護衛として如何な物かとして一対一で戦うことになった。

 

 

「人知を越えしエスパーパワー!その全身で感じなさいな!ヤドキング!」

 

「お願いします、グソクムシャ!」

 

 

 セイボリーさんが繰り出したのは、ガラル地方のリージョンフォームのヤドキング。私は二ヶ月前の修業で言うことを聞く様になってくれたグソクムシャだ。どんなに危険な技でも察知することができるグソクムシャならば。

 

 

「であいがしら!」

 

「サイコキネシスで受け止めなさい」

 

 

 最速の一撃は、鈍そうに見えたヤドキングにあっさり受け止められてしまう。以前だったら簡単に貫けていたのに、強くなっている。ジムリーダーは伊達ではないということか。

 

 

「地面にアクアブレイク!」

 

「ぶきみなじゅもんです!」

 

 

 地面に水を纏った腕を叩きつけて水飛沫で視界を隠すと、逆に水飛沫を利用されて向こう側から不気味なエネルギー弾が放たれ吹き飛ばされるグソクムシャ。たしかPPも削る技だ、大技を迂闊に使えない。

 

 

「シザークロス!」

 

「近づけさせませんよ、なみのりです!」

 

 

 接近してシザークロスを叩き込もうとするも、ヤドキングの足元から発生した津波で押し流されるグソクムシャ。みずタイプでもないのになんて威力…!?

 

 

「さらに、サイコキネシスです」

 

 

 セイボリーさんがすかさず指示してサイコキネシスで津波を操り、四メートルの巨大なヤドキングを形作り、巨大ヤドキングの後ろでドヤ顔を浮かべるヤドキング。二年前のガラルスタートーナメントのキリエのした巨大ドリュウズみたいなことをできるんですか…!?

 

 

「ご覧あれ、超・能・力!超すごい能力の略!!」

 

「シザークロス!」

 

「この妙技で、ワタクシが上という事実をハッキリさせてあげましょう…!殴りつけなさい!」

 

 

 シザークロスと、水の拳が激突。押し流されるグソクムシャ。さらに連続で水の拳が振り下ろされ、直撃を避ける様に全力で後退するグソクムシャ。アレは喰らったら不味い威力なのが伝わってくる。どうすれば……

 

 

「この状態だとサイコキネシスしか行使できないのですが…物理で十分でしょう!押し潰しなさい!」

 

「ヤ~ド~キ~ン~グ~!」

 

 

 のそのそとゆっくりと、倒れ込んでくる巨大ヤドキング。その瞬間、巨体が弾けて凄まじい勢いの大津波が発生。道路を飲み込んだかと思えばまたサイコキネシスで水が集められて巨大ヤドキングを形成。押し流されたグソクムシャがブルブルと体を震わせて水を掃った。こんな完璧な攻防一体の技、どうすれば…!

 

 

「もう一度です!サイキックパワー!」

 

「…そうだ!もう一度地面にアクアブレイク!そのあと…」

 

「無駄ですよ!ワタクシに貴女方はミラクルアイ…おや?」

 

 

 水飛沫の弾ける音で私の指示が聞こえなかったらしく、巨大ヤドキングに押し潰されたかと思えば姿を消したグソクムシャに疑問符を浮かべるセイボリーさん。わざマシンで覚えさせた新技だ。以前の私とは、違う!

 

 

「ダイビング、です!」

 

「なんと!?」

 

 

 ヤドキングの足元に水たまりが現れ、そこから飛び出しヤドキングを突き飛ばしたグソクムシャに驚愕するセイボリーさん。巨大ヤドキングがのっそりと振り返るが、その前に決める!

 

 

「あくびです!」

 

「遅い!アクアブレイク!」

 

 

 水を纏った一撃が落ちてきたヤドキングに炸裂。ヤドキングは地面に叩きつけられ、巨大ヤドキングも崩れて大量の水に戻って地面を濡らす。このままたたみかける!

 

 

「シザークロス!」

 

「サイコキネシス…ああ、間に合わない!?」

 

 

 ヤドキングが体勢を立て直す前に効果抜群の攻撃が炸裂。ヤドキングは崩れ落ち、セイボリーさんはショックのあまり浮かしていたボールを全部落としてわなわなと手を震わせた。

 

 

「ジムリーダーになっても勝てないとは!ありえぬ…いやアリ・エーヌ!いったいどんなトリックを…!」

 

「一対一なのに負けるかと思いました。あんなことまでできるなんて、相変わらずすごいですよ、セイボリーさん」

 

「あ、貴女こそ、以前より強くなったんじゃないですか?ムフフ…」

 

 

 そう言うとあからさまに照れるセイボリーさん。悪い人じゃないんですよね。しかし本当に強敵だった。でも、他のジムリーダーたちと戦ういいデモンストレーションになったと思う。

 

 

「礼を言います。私はもっと、強くなれる」

 

「あなたの心の強さにサイコショック…!ワタクシのプライドがサイコブレイクです…!ワタクシがメジャーに上がれない理由が分かりました…その心の余裕が足りないのですね。ワタクシ、もっと頑張ります!ではさようなら我が妹弟子よ!セイボリーテレポート!!」

 

 

 そう言って悔しさからか涙を流しながら走って去って行くセイボリーさん。私はそれを手を振って見送り、キャンプを張って一休みするのであった。




正直クララより書くのが楽しいセイボリー。

・ダフネ
セイボリーとは兄妹弟子関係の主人公。蟲と侮って挑んでくるトレーナーを蹴散らすことに悦を感じ始めている潜在的ドS。セイボリーの事は尊敬している。グソクムシャにてっぺきとミサイルばりを忘れさせてダイビングとシザークロスを覚えさせて自分好みに変えている。

・セイボリー
シールドから遅れて参戦。ラウラ達が去った後にマスター道場に弟子入りしていたマイナークラスのジムリーダー。過去の試合を研究し、ヤドキングでキリエの大技を真似ることができるようになった。イオルブを使っているダフネを気に入って可愛がっている。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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