今回はついにVSジムリーダーラウラ!楽しんでいただけると幸いです。
ついに辿り着いた、段々畑のあいまに家が並ぶすりばち状の町ターフタウン。ジムスタジアムはジムチャレンジャーでいっぱいだったので、予約してから街を観光する。すると地上絵が一望できる公園で、思わぬ人物と遭遇した。
「あの…もしかして、ユウリさんですか?」
「変装してたのにばれちゃうか。私もまだまだだなあ」
サングラスと帽子で顔を隠し男装していたが、その所作でなんとなくわかった。ユウリさんは私が誰か気付くと体を庇うように抱えた。
「だ、ダフネ……また私に催眠する気…?」
「い、いえもうしませんよ!?」
「そっか。今はジムチャレンジャーだったね。ラウラに挑戦しに来たの?数日前から満杯御礼だよ」
「そうみたいですね…」
「でも、まだ片手で数えられるぐらいしか突破してないからラウラは凄いよね」
そう満足げに笑うユウリさん。自分の彼女の活躍が嬉しいのが見て取れる。しかしまだそれだけしか突破してないのか…ラウラさん、容赦ないなあ。勝てるのか不安になって来ました……すると、私を見ていたユウリさんが笑顔を見せてきた。
「不安そうだね?」
「そりゃそうですよ…私、二年前に惨敗してますから」
こだわりにこだわって自信があったさいみんじゅつを精神論で破られ、ポリシーを破って進化させたポケモン達も一蹴され、完膚なきまでに敗北して若干トラウマになってる自信がある。
「私もね、ラウラには何度も負けたんだ」
「え…?」
「でもね、絶対勝つんだ!って頑張っているうちに…ジムも全部越えて、チャンピオンになってたんだよ。ラウラはね、戦った敵を強くしちゃう人間なの。だから大丈夫!ダフネも、強くなってるよ!それに負けたとしても何度でも挑めばいい。トレーナーって、ポケモンと一緒に成長し続けるものだから」
その言葉に、頷く。チャンピオンが言うと妙に説得力のある言葉だ、心に沁みる。
「そうだ、特別にヒントをあげるね。ヤローさんの時はそうでもなかったんだけど、ラウラは初心者のために「状態異常の重要性」「どうぐの大事さ」をジム戦を通して教えているらしいんだ。だから、どく・まひ・ねむりのどれかに山張ってきのみで対処するといいんじゃないかな」
「それ、教えていいんですか…?」
「ラウラがジム戦で使うキョダイバタフリーはそれぐらいずるいからね!はいこれ、あげるね」
そう言って手渡されたのは、モモン・クラボ・カゴのみそれぞれ一個ずつ。ユウリさんに頭を下げて礼を言い、私はそろそろ予約の時間のジムに向かって走って行った。
「私、ダフネには期待してるんだ。蟲ポケモンで勝ち抜こうって人間が弱いはずないからね!」
そんなエールを受けて、私は決意も新たにジムに飛び込んだ。
以前のヤローさんのジムミッションとよく似た、一本道を遮る巨大な蜘蛛の巣をウールーの群れを利用して突き破りながら進むジムミッションを難なく攻略。レドームシとかバチュルとか使ってくるジムトレーナーを片っ端からグソクムシャのであいがしらで潰し、バトルコートまで辿り着く。
『続きましてのターフスタジアム挑戦者は、背番号はジムリーダーラウラと同じ064!ここまで一匹のみ、一撃でジムトレーナーを打ち倒してきたダフネ選手!二年前のラウラを思い出すチャレンジャーだ!対するはジムリーダー、ラウラ!2VS2のシングルバトルです!』
「ようこそチャレンジャー。このポケモンジムは初めのジムだから次々にチャレンジャーが来るんだ。だからジムミッションも割と厳しめに、ジムトレーナーも補助技を多用する様に言っているんだが…それをあっさりクリアしたどころか、誰かさんと同じことをやるとはな。……ダフネ、俺はお前に推薦状を渡してよかったと思ってるよ」
むしタイプのユニフォームに身を包んで赤髪に麦わら帽子を被った、私より年下のジムリーダーを見やる。ついにここまできた。
「ラウラさん…今日は、越えさせてもらいます!そのためにきた!」
「そう簡単に倒されていいほどジムリーダーは甘くないってなあ!」
▽ジムリーダーの ラウラが 勝負を しかけてきた!
「お願いします、グソクムシャ!」
「出番だ、バチュル!」
私はグソクムシャ、ラウラさんはバチュル。いきなり初手で相性最悪だが、このまま決めさせてもらいます!
「であいがしら!」
「でんじはだ!」
グソクムシャのであいがしらが炸裂する瞬間、電磁波を叩き込まれてその動きが鈍り、ちょこまかと回避されてしまう。いきなり状態異常か、聞いていた話は本当みたいですね!…あれ?
「悪いな。まひだ、痺れて動けないぜ。これでグソクムシャは……不思議そうな顔だな?」
「貴女がデンチュラ使いなのは知っていたのに…クラボのみ、なんで?」
恐らく、デンチュラの卵から生まれたバチュルを先鋒に出すことは分かっていた。それほど思い入れが高く、また状態異常にもできるポケモンだからだ。だけど、持たせていたクラボのみが発動しない。読みは当たっていたのに!
「残念だったな。特性、きんちょうかん。バチュルがいる限りきのみは食べれないぞ。…エレキネット!」
「そんな……シザークロス!」
「いとをはく!」
放って来た電気が迸る蜘蛛の巣を叩き斬り、全身を痺れさせ糸に巻かれながらも肉薄するグソクムシャ。こうなったらごり押すしかない!ダイビングは潜っている途中で痺れたら意味ないから使えない、ならば!
「アクアブレイク!」
「きゅうけつ!」
バチュルが懐に潜り込む前に、強烈な一撃がバチュルを叩き潰す。同時にきんちょうかんが解けたのか、クラボのみを食べて麻痺を治すグソクムシャ。このまま頑張れば、行ける!
「根性あるな。ローレルのグソクムシャか?」
「はい、兄さんから借り受けました。アーマルド達が帰ってくるまでは、共に戦う仲間です!」
「そういうことならこっちも本気で挑まなきゃ失礼だな」
そう言って繰り出したのはバタフリー。来る…!バタフリーを一度ボールに戻し、ダイマックスバンドからエネルギーで巨大化。アンダースローで背後に投擲するラウラさん。
「俺の手持ちも虫の息か。だがお前にとってのむしのしらせだ。キョダイマックスだ、バタフリー!」
現れたのは、美しい巨大な翅を持つ姿となったバタフリー。私もグソクムシャをボールに戻し、巨大化させて背後に放り投げ、グソクムシャをダイマックスさせる。いざ勝負!
「ダイストリーム!」
「キョダイコワクだ!」
グソクムシャの放った激流が炸裂し、バタフリーの巨体が揺らぐものの黄緑色の蝶の幻影を放ってきた。しかし眠ることはなく、戦闘続行できるようだ。…あと一発ぐらいなら耐えれるはず、次で倒せる!
「もう一度、ダイストリーム!」
「ダイジェット!」
しかしバタフリーの方が速く、グソクムシャは崩れ落ちて戦闘不能になってしまった。そんな…!?
「麻痺を引いたようだな。運が悪いことだ」
「キョダイコワク…どく・まひ・ねむりのいずれかを引き起こす……」
失念していた。眠らなければ勝ち確定だと思い込んでいた。ならもう、こちらも切札を切るしかない。
「ヘラクロス!…行きますよ、メガシンカ!」
「…ほう?」
繰り出すと同時にメガペンダントを握りしめ、メガシンカするヘラクロス。その光景に会場の観客はざわめくが、ラウラさんは全然驚いておらずむしろ興味深そうに眺めていた。
「ヘラクロスもメガシンカできるのか。それがダフネの切札だな」
「知っているんですね…メガシンカ。なら話は早いです、行きます!」
「キョダイコワクだ!」
「ロックブラストで撃ち落としなさい!」
放たれる蝶の幻影を、岩の弾丸で飛来する前に撃ち落としていくメガヘラクロス。その光景に驚くラウラさん。できるとは思わなかったが、やってみるものだ。
「そのままバタフリーにロックブラスト!」
「ダイジェット!」
キョダイコワクは諦めて効果抜群のダイジェットで攻めてきたがもう遅い。バタフリーの翅を撃ち抜き、撃墜。戦闘不能となった。その光景に茫然としていたラウラさんは我に返り、笑みを浮かべた。
「…ははは、まさかそんな方法でキョダイコワクを攻略されるとは!お前最高だなダフネ!ジムチャレンジにおいてジムリーダーに勝った証、むしバッジだ!受け取れ!」
そう言って握手し、手渡されたむしバッジを受け取り胸を撫で下ろす。…私、ラウラさんを越えられたんだな。その事実が無性に嬉しかった。
メガシンカVSキョダイマックス、メガシンカの勝利!
・ダフネ
作戦が上手く行かなかったけど、咄嗟の判断で何とか勝利に持ち込めた主人公。目標を一つ達成できた。
・ラウラ
むしタイプのジムリーダー。「状態異常の重要さ」と「どうぐの大事さ」を初心者に教えるジムを営業している。対策させておいてきんちょうかんで無駄にさせるなど性格が悪い。メガシンカについては既知の様だが…?ジムリーダーとしての手持ちはバタフリーと、デンチュラの卵から生まれたバチュル。
・ユウリ
お忍び男装チャンピオン。一見男にしか見えないコーデでラウラの家から外に出て観光を満喫してる。プラズマ団が出たら即急行できるように伝説ポケモンを持ち歩いている抜け目のなさは健在。自分の正体に気付いたチャレンジャーにはラウラの攻略法をこっそり教えている親切な人。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。