今回はジュリVSムツキ。ジュリ視点です。楽しんでいただけると幸いです。
無事勝利したダフネに続き、ジムミッションに挑む。元になったのはマクワのジムミッションかな?だいぶアレンジ加えられてるけど、落とし穴が見えるってのはありがたい。ゲームで何度落ちたか覚えてないぐらいだもの。足元を気にしながらのバトルは結構きつい。
「ケンホロウ!ゴッドバード!」
「…プルリル、みちづれ」
「なっ!?」
ゴッドバードとかいう一度使ったら止められない溜め技を使ってきたジムトレーナー相手にみちづれを使うのは駄目だろうか。いやまあ、勝ち目がないならこうするしかないよね。ゴーストポケモンは基本的に鈍いのだ。呪いだけに。あんな高速で飛び回られたらどうしようもない、だから飛ばせない様に頑張ろう。
「伊達にげんきのかけらを買い揃えているわけじゃないんだよなあ」
ダフネのおかげで、生き残って共に味わう勝利を体感したとはいえ、私はこの子たちに勝たせたいのだ。だからみちづれを使うことを躊躇しない。特に今回の相手は、お兄ちゃんの昔話でユウリさんの次に心に残っている、本当に心が折れたと言わしめた、私も知らない、原作に存在しないジムリーダーのムツキさんだ。
お兄ちゃんを負かした相手がどんな人間なのか調べてみたら、キバナさんより前の時代の最強のジムリーダー、キリエの娘であり、同期で仲良しのラウラ・モコウ・ムツキの三人娘の中では一番最初にジムトレーナーからジムリーダーになり上がった実力者という話だ。油断ならないにも程がある。
『続きましてのキルクススタジアム挑戦者は、背番号000!犠牲を物ともせず冷徹に突き進むゴースト使いジュリ選手!対するはジムリーダー、ムツキ!4VS4のシングルバトルです!』
そんなことを考えながらジムミッションをクリアし、ムツキさんの目前に立つ。二年前は吐血するのが代名詞の病弱だと聞いていたが、ユニフォームの上にコートだけで大丈夫なのだろうか?
「面白い戦法をしますね。私も今まで戦ったことがないタイプです、お手柔らかに。と言いたいところでしたが…気に食わない顔ですね。ラウラの血縁か何かです?」
「従姉妹で妹分やらせてもらってます、ジュリです。お兄ちゃんがこっぴどくやられたと聞いているので呪い倒させていただきますね」
「おにっ…ふふっ、はははははっ!男らしいとは思ってましたが従姉妹に男扱いされてるんですかあの蟲狂いは!」
爆笑するムツキさん。変なツボに入ったらしく、笑いが収まる気配がない。このお兄ちゃん呼びは人前ではやめた方がいいかもしれないけど、お兄ちゃんをお兄ちゃん以外で呼ぶのは考えられないんだよなあ。
「くくっ、ふふふっ……二連続であの女を思い出すチャレンジャーだなんて正直いい気はしませんでしたが、それは面白い!お礼に大空に舞う翼で吹き飛ばしてあげましょう!」
▽ジムリーダーの ムツキが 勝負を しかけてきた!
「ゴースト同士です、油断はしないでくださいフワライド!」
「引き摺り下ろしちゃえ、ダダリン!」
ダダリンはくさ・ゴーストと私の手持ちではひこうと相性が悪いため出しどころはここしかない。でも、負ける気もないのだ。同じゴーストタイプだということを呪え。
「そらをとぶ!」
「アンカーショット!」
逃がさない。上空に急上昇するフワライドに錨を巻き付かせる。それに形が変わるぐらいに拘束されてギョッとするフワライドとムツキさん。まさか、ゴーストタイプ相手に好きなことができると思っていたのかな?
「引き摺り下ろしてゴーストダイブ!」
「引き剥がしなさい!シャドーボール!」
今更シャドーボールを撃ってくるが、その前に影に沈み込みフワライドも引き摺りこむダダリンには関係ない。完全に引きずり込むと数秒の後、空中に飛び出し大回転するダダリン。その勢いに振り回されたフワライドは地面に叩きつけられ、沈黙した。
「また、地に堕とされるとは…」
「アンカーショットから逃げられるポケモンは存在しない!悪いけど飛ばせませんよ!」
「私に飛ばせないと言うのはいい度胸です。ファイアロー!」
なんかお怒り気味のジムリーダー。完全に相性で負けてるファイアローを出してきた。…フレアフィールドだっけ。あれをされるときついな。
「ひのこ!」
「ゴーストダイブ!」
降り注ぐひのこの雨を影の中に沈んで回避する。私のダダリンは特別だ。捕まえたあとでダフネに聞いた話だが、お兄ちゃんのドラピオンやビークインと同じく特殊な能力を有するぬしポケモンの一体らしいのだ。アローラにいるアレのガラル版だ。お兄ちゃんのドラピオンの場合「異様な威力の技」ビークインの場合「技の広範囲行使」だ。それで、旅の中で試してみたダダリンはと言うと…
「出てきたところで焼き尽くしてやりますよ!」
「出る必要はないです。ダダリン、影の中からアンカーショット!」
「なっ!?」
ファイアローの影の中から飛び出した鎖に繋がれた錨が伸びてきて拘束、地面に叩きつける。ダダリンの場合はゴーストダイブで沈んだままの技の行使だ。ギガドレイン以外の技が物理だから逆に引き摺り出される可能性はあるけど、空中で踏ん張れないひこうポケモンには効果覿面だろう。
「はがねのつばさで叩き斬りなさい!」
「ゴーストダイブ!」
鎖を叩き切ろうとしてきたので、影から飛び出させて攻撃を加え、さらに空中に飛び出し回転したダダリンに振り回されたファイアローは叩き切れずに振り回される。こうなればこちらのものだ。なんか楽しくなってきた!
「面舵~いっぱーい!」
荒波に乗り出した舵輪の如き高速回転による勢いを加えて地面に頭から叩き付け、ファイアローは戦闘不能。しかしフレアフィールドに包まれてやけどを負いスリップダメージを受けるダダリン。物理技メインだからダダリンはもう無理そうだ。
「とりあえずフレアフィールドを消そうか。プルリル、みずのはどう!」
「くっ…貴方のリングです!魅せてやりなさい、ルチャブル!」
次に繰り出されたのはルチャブル。ひこう・かくとうタイプ。強力なフライングプレスやとびひざげりはゴーストタイプには通じない。有利対面だ。ダイマックスにはみちづれは効かないからここが使いどころだけど、使うまでもなさそうだ。
「とびはねる!」
「上空にシャドーボールを連打!」
天高く飛び立ったので、脳死でシャドーボールを連打。空中じゃ避けれまい、と思っていたのだが身を捻って回避しながら落ちてくるルチャブル。小玉じゃ駄目なら…!
「みずのはどうで迎え撃て!」
私の指示でプルリルは特大の水の塊を形作って落ちてきたところを受け止め、そのまま中にルチャブルを入れながら水の塊を地面に飛ばす。びしょぬれで倒れるルチャブルだったが、満身創痍ながらも立ち上がる。だけど混乱しているようで千鳥足だ。
「敵は真っ直ぐ前です、つばめがえし!」
「シャドーボール!」
混乱しながらもムツキさんの指示を聞いて地を駆け光り輝く右手を振るうルチャブル。対して私は真正面から暗黒の球体を飛ばして直撃させ、ルチャブルは倒れた。なんか知らんけど油断しないでガチでやったら三匹倒せた。あとはダイマックスするであろう相手の切札だけど……うちおとすとか誰か覚えてたらゴビットでいいんだけど、どうしよう。アーマーガアを削りきれるポケモンこっちにいないしなあ。………カブさんの時と同じみちづれにするか、それともゴビットののろいで削りきるか。…いや、割と余裕あるし冒険してもいいか……
「この感覚…ラウラを思い出してくれますね貴女は!風よ吹き荒れろ、その巨翼を持って我らが敵を吹き飛ばしなさい!キョダイマックス!」
「…とりあえず、ゴビットで」
キョダイマックスするアーマーガアを眺めながら、とりあえずはがねタイプに有利なゴビットに交代させる。のろいもいいけど、たまには正々堂々戦おうかな。
「ダイマックス、いくよゴビット!」
なんかゴビットがギョッとしたのを感じた。だよね、ダイマックスするの初めてだし君ものろいで倒そうと思ってたんだよね。
「ダイナックル!」
「キョダイフウゲキ!」
巨大なゴビットの鉄拳が空に浮かぶキョダイアーマーガアの胴体に炸裂。続けて突風が叩きつけられ、ぐらつくゴビット。ああ。いいなこれ。ちまちま削ったり耐えたりするより、殴り合うのは楽しいなあ!
「ダイナックル、ダイナックル!」
「っ…ダイウォール、キョダイフウゲキ!」
こちらは攻撃あるのみ。対してムツキさんは攻撃力がどんどん上がるゴビットを危惧したのかダイウォールを挟みつつ反撃してきた。この時点で決着は決まっていて。
「ブレイブバード!」
「シャドーパンチ!」
ダイマックスが終わった瞬間、攻撃力が二段階上がったシャドーパンチが突進してきたアーマーガアに炸裂。避けようもないそれにアーマーガアは殴り飛ばされ、戦闘不能となり。私はがっつり落ち込むムツキさんを横目に観客席にいるダフネとヨハルに満面の笑みでブイサインを向けた。楽しいね、ポケモンバトル。
ぬしポケモン本領発揮。
・ジュリ
ラウラより豊富な原作知識で頑張るダフネの相棒。原作にいないジムリーダーであるムツキを警戒しまくった結果、完勝。真っ向勝負のバトルがどんどん楽しくなってきた。 面舵~いっぱーい!とダダリン使う時はハイテンション。
・ムツキ
お兄ちゃんと呼ばれるラウラが変なツボに入ったジムリーダー。二連続でラウラを彷彿させるチャレンジャーに負けたばかりか、ジュリに至っては完勝されてマクワに負けた時以来の落ち込みモードに。このあとジムを一日だけ閉めたとかなんとか。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。