今回はダフネVSモコウ決着。楽しんでいただけると幸いです。
「エレキブル、かみなり!」
腕をグルグル振り回して帯電し、二本の尻尾から上空に電撃を飛ばし落としてくるエレキブル。同じでんきタイプと言えど、大地をも砕く高威力のそれを、宙を舞い回避するクワガノン。避けるだけで精一杯だが、あの攻撃にはチャージの時間がいるらしく、何回か撃つと目に見えて疲弊して止まった。
「今です、むしのさざめき!」
「地面にかわらわり!」
クワガノンの放った衝撃波を、地面を砕いて岩盤を作り防いでしまうエレキブル。一瞬、どうするか逡巡する。視界が塞がったのを利用して潜るか。それとも上から急襲するか。選んだのは、後者。
「上からねばねばネット!」
岩盤が崩れ落ちる前に、上から急襲。ねばねばネットを飛ばし顔と両腕を覆い拘束、持ち上げることはできないので切り離し、私の意図を察したのか地面に突撃、掘り進んでいくクワガノン。
「あなをほる!」
「むっ、小癪な!ほのおのパンチで糸を焼き切れ!」
しかしすぐに拘束を破ってきたエレキブルが、地面に尻尾を突き刺す。こうなったら一か八かだ。目には目を、歯には歯を。電気には電気を!
「ほうでんです!」
「なにを……!?」
その瞬間、地面が眩く光り輝き、大爆発。あまりの衝撃に、吹き飛ばされ引っくり返るエレキブル。そして、瓦礫で埋もれたクレーターの様になったフィールドからクワガノンが強襲。あなをほるを喰らわせ地面にめり込ませ、空に離脱して反撃のほのおのパンチを避けた。
「吹き飛ばす前に吹き飛ばしてくるとはな…!」
「できるかどうかもわからない一か八かの賭けでしたがね…!」
私のクワガノンのほうでんは強力だ。本来、エレキブル相手にはでんきわざが効かないどころかパワーアップさせるから使わないつもりだったのだけど…かみなりで地面を吹き飛ばせるなら、逆にこっちから吹き飛ばせばいい。電気技を直接喰らうのと、電気技の余波による物理攻撃を受けるのは別だろう。咄嗟に思いついた手段だったが上手く行った。しかしまだ、エレキブルは立っている。
「自分にかみなりだ!」
「なっ!?」
するとモコウさんはとんでもないことをしてきた。エレキブルの尻尾から上空に放たれた雷をエレキブル本人に浴びせたのだ。自分から放出された電気を吸収し、ブンブン腕を振り回してでんきエンジンを発動させるエレキブル。そんな手が…!?
「なにも敵から電撃を受ける必要はないわけだ!」
「む、むしのさざめき!」
「ほのおのパンチだ!」
まるで雷の様な速度で衝撃波を避け、クワガノンの真横に出現。炎を纏った拳を叩き込んでくるエレキブル。
「あなをほる!」
殴り飛ばされたクワガノンはその勢いで瓦礫の海となった地面を掘り進んでいくが、エレキブルは拳に冷気を纏っていて。
「地面にれいとうパンチ!」
「なっ!?」
「そのまま地面にかみなりだあ!」
瓦礫の海が凍り付き、まるで凍土の様になったそこにしっぽを突き刺して放電、氷の下でフラッシュが起きて、凍り付いた土塊ごと宙に巻き上げられ、そのまま凍結した地面に叩きつけられて戦闘不能となるクワガノン。な、なんて無茶苦茶な…
「じめんタイプ対策を授けてないわけがなかろう。名付けて、永久凍土クラッシュだ!」
「どこが永久なのかはわかりませんけど…よく頑張りました、クワガノン。あと少しです、仇を討ちなさいヘラクロス!メガシンカ!」
ヘラクロスを出すと同時にメガシンカ、メガヘラクロスとエレキブルが対峙する。
「でんきエンジンで昂ぶったエレキブルのスピードについて来れるか!ほのおのパンチ!」
「ついて来れるか、じゃありません。そちらの方こそ、ついてこれますか!ヘラクロス、フルスピードでメガホーンです!」
両腕の噴出孔から蒸気を噴出しジグザグに猛加速したヘラクロスと、雷の如き速さでフィールドを駆けるエレキブルが激突する。メガホーンで上手く弾いて効果抜群の攻撃をクリーンヒットさせないメガヘラクロスと、両腕に炎を纏ってスピードを乗せて叩きつけてくるエレキブルの高速バトルは、メガヘラクロスが加速した勢いのまま飛び上がって制空権を取ったことで終結した。
「タネマシンガン!」
「かみなり!」
かみなりを避けながら空中から放たれる種の連射がエレキブルの全身を撃ち抜き、戦闘不能。降り立つメガヘラクロス。対してモコウさんは目を回したエレキブルを戻し、ライボルトを繰り出すとメガアンクレットを付けた右足を振り上げ、落雷の如き勢いで振り下ろした。
「エレキブルを降したか…いいだろう、敬意を表して本気を見せよう。行くぞ我が相棒ライボルト、メガシンカ!」
瞬間、メガアンクレットから迸った虹色の光がライボルトのメガストーンから放たれた光と繋がり、紫色の光の膜につつまれて咆哮と共に膜が砕け散る。そこにいたのは、巨大な稲妻状に変化した体毛を着ぐるみのように身に纏った勇ましい姿。これが、メガライボルト…!
「ロックブラスト!」
「10まんボルト!」
間髪入れず岩の弾丸を放つが、三発は放たれた電撃で砕かれ二発しか当たらず。しかし、まるで怯まないその姿に違和感を感じる。あちらの防御力が上がったのか、それともこちらの攻撃力が下がったのか…?
「まさか、特性がいかくに変わった…!?」
「その通りだ!それだけじゃないぞ、落雷の如きスピードとなったライボルトから逃げられると思うなよ?ほのおのキバ!」
牙に炎を纏い、ダンッ!と地面を踏みしめた瞬間、その姿が掻き消える。さっきのエレキブルのそれより速い…!
「上です、ヘラクロス!」
「ちい!ワイルドボルトで追撃だ!」
「メガホーン!」
間一髪。炎を纏った噛みつきを空に舞い上がることで回避し、電気を纏って突撃してきたのを輝く角を振り下ろすことで迎撃。地面に叩きつける。火力が下がっても、倒れるまで撃ち続ければいいだけのことぉ!
「空から撃ちまくりなさい!ロックブラスト!」
「避けながら10まんボルト!」
電撃で対空迎撃するが、それがどうした。こちとら連射が効くのだ。いくら圧倒的なスピードで逃げようが、圧倒的な質量の弾幕が追い詰めて行く。そして、岩の破片はフィールドに残り自由に移動できる足場を失くしていく。
「そこです、インファイト!」
「押し返せ、ワイルドボルト!」
瓦礫に足を取られ止まった隙を見逃さず、渾身の猛打が炸裂。メガライボルトを壁まで殴り飛ばして戦闘不能にするが、こちらも吹き飛びフィールドに叩きつけられて戦闘不能になる。最後の最後に油断してしまった、相討ちだ。ごり押しの極みと言ってもいいごり押しすぎた。
「まさかここまでとはな…だがまだ終わらんぞ。行くぞストリンダー、我の生き様!我のロック魂をこの世に見せつけろ!雷鳴起こして雷神と化せ!キョダイマックス!」
「ならばこちらも交代、イオルブ!あまねく全てよ、地にひれ伏しなさい!キョダイマックス!」
モコウさんが切札であろうキョダイストリンダ―を繰り出したので、こちらもイオルブを繰り出してキョダイマックス。キョダイストリンダーは地を這い、空に浮かぶキョダイイオルブを見上げて咆哮を上げる。悪いが、ここまで来たら負ける気はしない!
「押し潰しなさい!キョダイテンドウ!」
「負けるなストリンダー!キョダイカンデン!」
立ち上がってエレキギター型の巨大な電気の塊を作り出し、振り上げて力任せに叩きつけんとしたキョダイストリンダーの巨体が、振り上げた体制のまま地面に叩きつけられ、増していく重力で押し潰されて、電気の塊が霧散した。大歓声の中、縮んでいくストリンダーを見て、じっと黙っていたかと思うと突如笑い出すモコウさんにビクッと反応する。
「はは、ははははは!ラウラとの戦いを思い出すいい勝負だった!我の完敗だ!故に授けよう、これがでんきバッジだ!ぐはっ」
そう言ってかっこつけて歩いて来ようとして、ボロボロの地面に引っ掛かって凍土に頭から叩きつけられるモコウさん。慌てて助けに駆け寄り、締まらない空気の中でバッジを受け取ると歓声が上がる。なんというか、まだ二年の新参ジムリーダーなのにキバナさんに次ぐ人気の理由を垣間見た気がした。
永久凍土クラッシュはゼノブレイド2で一番好きなブレイドコンボから。あとFateネタとコナンネタが少し。
・ダフネ
作戦名:ごり押しの極みを実行した主人公。アドリブでどうにかするしかなかったがなんとかしてしまうのが才能の片鱗である。キョダイイオルブを使うとテンションがハイになる。
・モコウ
相棒でメガシンカを披露したジムリーダー。かっこつけて勢いよく足を振り下ろしたが痛いのを我慢していた。ドジなのは相変わらず。永久凍土クラッシュは我ながら渾身の技名だと思ってる。手持ちのうち三匹がガチ編成というジムリーダーにあるまじき負けず嫌い。
・エレキブル♂
とくせい:でんきエンジン
わざ:かみなり
かわらわり
ほのおのパンチ
れいとうパンチ
もちもの:なし
備考:うっかりやな性格。打たれ強い。二年間のうちにカンムリ雪原で捕まえたモコウの新参ポケモン。かみなりを自分に浴びせてパワーアップしたり、全ての技が通常より高威力を誇るがぬしポケモンではない。ラウラ直伝シンジ戦法であなをほるを完全に攻略している。モコウに敗北したチャレンジャーは大概がこのエレキブルに負けている。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
掲示板回は
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これまで通り作者の采配で
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短い頻度で(ジム戦一つぐらい?)
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長い頻度で(ジム戦三つぐらい?)
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もういらない