ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。感想欄で色々気付かれて嬉しい今日この頃。ちょっとやる気でた。そのせいか今回はいつもよりちょっと長くなりました。

今回はルミナスメイズの森での戦い。楽しんでいただけると幸いです。


VSニドキング

 なんとか立ち直った私はジュリさんとヨハルと共に、しつこいマスコミを避けて夜を狙ってルミナスメイズの森に入ることにした。ただでさえ暗いと噂されている森だが、光るキノコがあるのであまり問題にならないとはジュリさんの談。ガラルに引っ越してきたと言ってたのになんで詳しいのか、と問うたらいつもの冷や汗ダラダラ顔で「観光ガイドで…」と言ってたのでとりあえず信じることにする。

 

 

「しかし、こうも暗いとポケモンに襲われてもわからないかもですね」

 

 

 狭い木々に影響されないアブリーを連れている私が真ん中を歩く。こんな暗い森の中では一纏めに固まらないと危険だ。

 

 

「一応プルリル出して警戒させてるから大丈夫だと思うけどね」

 

「私のブラッキーも夜目が効くから警戒させとくね」

 

 

 側に青く淡く輝くプルリルを侍らせるジュリさんが前を行き、目を赤く光らせるブラッキーを連れたヨハルが最後尾を歩く。悪戯好きで温厚なフェアリーポケモンの巣窟だと有名な森だが、危険がないわけではない。また、プラズマ団の影響で解放された強力なポケモンがいるかもしれない。この暗さならプラズマ団が紛れていても気付かない可能性もある。暗闇の中で襲われてはひとたまりもない。

 

 

「まあできれば強くなるために戦いたいんですけどね」

 

「それはそうだね。経験は大事」

 

「野生ポケモン相手にして強くなれるかは微妙だけどね」

 

「ん?」

 

 

 雑談しながら先に進んでると、地響きが聞こえてきて自然に三人揃って警戒する。この森に地響きを起こせるような大型ポケモンはいなかったはず……そこから導き出せる答えは二つ。トレーナーに捨てられたポケモンか、もしくは……

 

 

「ガラガラ!シャドーボーン!」

 

「どくづきだオラア!」

 

 

 イエッサンやベロバーたちが草むらから飛び出して逃げてきたかと思えば、青白い炎が木々の中で輝き少年の声が響き渡る。飛び出してきたのは、私の知るものとは何かが違うガラガラを連れた、仮面を被った少年だった。その顔を見て驚くジュリさん。

 

 

「オニオンくん!?」

 

「オニオンって、マイナージムリーダーの!?」

 

 

 オニオンさんがこのルミナスメイズの森担当のジムリーダーだったのか。でも何と戦って…?そう、オニオンさんが飛びしてきた方を見やると、キノコの光に照らされる紫色の巨体と闇夜でも輝くPのシンボルが見えた。オニオンさんは私達に気付くと庇うように前に出る。

 

 

「一般のトレーナー、ですか?ここは危ないのですぐに逃げて……」

 

「オラア!どうした!その程度かジムリーダー!やっぱり子供かあ?」

 

 

 姿を現したのは、ニドキングとその背に乗った大柄なプラズマ団のしたっぱ。やっぱり、プラズマ団が潜んでいた!?言動からして子供のオニオンさんなら勝てると踏んで襲いかかったのか?

 

 

「お?そこにいるのはシュバルツ様に瞬殺されていた雑魚トレーナーじゃねえか!いい機会だ、お前らもポケモン置いてけゴラァ!」

 

「断ります!アブリー、しびれごな!」

 

「置いてくのはそっちだ!プルリル、みずのはどう!」

 

「覚悟しろ。ブラッキー、イカサマ!」

 

 

 劣勢気味のオニオンさんに加勢すべく、私とジュリさん、ヤユイに変わったヨハルのポケモン達が一斉に襲いかかる。しかしそのすべてを受け止め、麻痺すらものともせずに蹴散らすニドキング。

 

 

「こいつは前期のセミファイナルトーナメント二位から奪ったポケモンだ!その程度効くかよォ!だいちのちから!」

 

 

 足踏みして大地から熱線を放ち私達を吹き飛ばすニドキング。前期のセミファイナルトーナメント二位といえば、たしかエリートトレーナーだ。この強さも頷ける。というかよく見たらまひをラムのみで回復させている…?厄介極まりない。ニドキングの背にいるプラズマ団は勝ち誇った顔で見下してくる。

 

 

「ほらほら!主人の元に戻りたかったらこいつらを潰せニドキング!」

 

「アブリー!?」

 

「ブラッキー!」

 

 

 ニドキングの両手で叩き潰されるアブリーとブラッキーにヤユイと共に悲鳴に近い声を上げてしまう。バシバシ叩いて扇動するプラズマ団のしたっぱを睨み付けることしかできず、怒りが募る。こいつ、ニドキングの主人への想いを利用して使い潰すつもりか、外道め……!

 

 

「アブリー、戻って!グソクムシャ!であいがしら!」

 

「プルリル、じこさいせいからのみずのはどう!」

 

「交代、マニューラ!れいとうパンチ!」

 

「ガラガラ、ボーンラッシュ!」

 

「んなもん、蹴散らしてしまえ!メガホーンだ!」

 

 

 とにかく大人しくさせようと、交代しつつ四人がかりで総攻撃を仕掛けるも、角を光らせた頭部を一振りするだけで技は薙ぎ払われ、掻き消されてしまう。駄目だ、強すぎる。それに私達を倒そうと必死だ。したっぱの言うことを信じるしかないのだろう。言うことを聞くしかないのだろう。あまりにもあんまりじゃないか。

 

 

「グソクムシャとプルリルがうざってえなあ!かみなりパンチだ!」

 

「ダイビングで逃げ…!?」

 

「みちづ…速い!?」

 

 

 ダイビングもみちづれする間もない速度でグソクムシャとプルリルが拳の一振りで戦闘不能にされ、ガラガラとマニューラも顔面を鷲掴みにされ持ち上げられ、地面に叩きつけられて戦闘不能にされてしまう。初めてだ、実際に戦ってもいないのにメガヘラクロスでも敵わないと思わされてしまう相手は…。

 

 

「さすがはジムリーダー8人を乗り越えたトレーナーのポケモンと言うべきでしょうか…!」

 

「強いし速いし隙がない。あんなしたっぱにはもったいないポケモンだね」

 

「ハッハッハ!そりゃあそうさ!こいつはヴァイス様自ら強奪した挙句に調教までして俺らに従うようにしたポケモンだ!ジムを6つも超えてきた餓鬼共を叩き潰せるようにってなあ!」

 

「ヴァイスの…!」

 

 

 その名を聞いて明らかに冷静さを失い怒りのままにルガルガンを繰り出すヤユイ。私とジュリさんは止めようとするが、それを手で制したのはオニオンさんだった。

 

 

「あなたたちは下がっていてください。…いくよ、ゲンガー。メガシンカ…!」

 

 

 そう言ってゲンガーを繰り出しその袖に隠れていたキーストーンのはめられた黒い腕輪…メガリングのキーストーンを輝かせてゲンガーに持たせているのであろうメガストーンを輝かせてメガシンカ。第三の目が現れ、頭の角や両腕と尻尾が大型化、非常に鋭角的でワイルドな姿のメガゲンガーに変貌させた。

 

 

「特性はふゆうからかげふみへ…逃げられない……逃がさない……!」

 

「逃げるつもりはねえよ!だいちのちからだ!」

 

 

 したっぱに言われるまま、その場で足踏みしてメガゲンガーの足元の地面から熱線を放つニドキング。するとメガゲンガーは跳躍して回避、木を足場に踏み込むとニドキングをアッパーカットで殴りつけ、上空に舞い上がった。

 

 

「シャドーボール!」

 

「どくづきで蹴散らせ!」

 

 

 複数放たれた高威力のシャドーボールを毒を纏った両手の貫手で穿ち、霧散させるニドキング。メガシンカポケモンとも張り合えるなんて…!?

 

 

「隙ありだぜジムリーダー。メガホーン!」

 

「しまっ…」

 

 

 地に足を付いた一瞬の隙を突き、角を光らせ突進を繰り出すニドキング。それを受け止めたのは、ジュリさんが咄嗟に繰り出したポケモンだった。

 

 

「なん…だあ……!?」

 

「私のヌケニンに、そっちの技は何一つ通じない!」

 

「はっ!しゃらくせえ!かみなりパンチだ!」

 

「隙あり!ルガルガン、カウンター!」

 

 

 さらに帯電した拳をヌケニンが受け止めた所に、冷静になったヤユイの指示でルガルガンがカウンターの拳で顎を砕かれ、白目をむいて倒れ伏すニドキング。

 

 

「ニドキング!?に、逃げ……逃げれねえ!?」

 

「かげふみだって言ったよね…?闇夜へ(いざな)え……ゲンガー」

 

 

 倒れたニドキングを見捨ててその場から逃げ出そうとするも足が離れなかったしたっぱの腹部に、ドゴッとメガゲンガーの拳が炸裂。気絶させ、拘束するオニオンさんは私達に向き直ると急におどおどし始める。

 

 

「あ、あの…助かりました。あの、ジュリさん、ですよね?ゴースト使いの…」

 

「あ、はいそうです。ゴーストタイプのジムリーダーのオニオンくんに知られているとは…」

 

「あの、それでですね。ジュリさん、もしよろしければこの子と、これをもらっていただけませんか…?」

 

 

 そう言って元の姿に戻ったゲンガーを戻したボールと、取り外したメガリングを渡してくるオニオンさんに目を丸くさせるジュリさん。気持ちは分かる。

 

 

「え、えっと、なんで…?このゲンガーって貴方の切札じゃ…」

 

「えっと、僕の切札のゲンガーとは別の子で……すっごく強い子なんだけど僕じゃ持て余していて…さっきの戦いを見て思ったんです。貴女なら、この子を存分に使いこなしてくれると」

 

 

 見れば、なんか偉そうにうんうん頷くボールの中のゲンガー。愛嬌ありますね。

 

 

「で、でもメガストーンまでもらうわけには…」

 

「いいんです、その子を最大限に使うならこれがないと。気にしないでください」

 

「じゃ、じゃあ…ありがたく、いただきます…」

 

「では僕はこいつを警察に引き渡してニドキングを持ち主に返してあげないとなのでこれで…うん?」

 

 

 その場を去ろうとしたオニオンさんが何かに気付き、ボールを覗く。何かを聞く様にジッと静かに耳を澄ませていたかと思うと、ズズイッとヤユイから戻ったヨハルに突き出してきた。中にはさっきのガラガラ(?)がいた。

 

 

「え?え…?」

 

「どうやら貴方の強さを見て惚れ込んだらしいです。知り合いのキャプテンからもらったポケモンだったのだけど、僕より貴方に使われたいようなので……もらってやってください」

 

「え、えっと……よ、よろしくね…?」

 

 

 どうやらジュリさんとヨハルは新たな仲間を手に入れたらしい。羨ましい限りだが私の六体目は決まっている。…アーマルド、今回のしたっぱは持ってなかったけど…絶対、取り返して見せる。




すっごい無理やりの加入ですが許してください!ジュリにメガゲンガー使わせたくて、ヤユイの最後の手持ちのアローラガラガラ手に入れたくて、そのどっちも条件を達成できるのはオニオンぐらいだったのです…!

・ダフネ
ニドキングにまるで歯が立たなくて歯がゆい主人公。強くなりたいけど手持ちを増やすつもりはない。

・ジュリ
メガゲンガーをメガリングごと手に入れた転移者。割と好きなジムリーダーのオニオンと出会えてテンションが高い。

・ヨハル/ヤユイ
アローラガラガラを手に入れた二重人格。パーティーが完成した。

・オニオン
ルミナスメイズの森担当のゴーストタイプジムリーダー。ジュリがお気に入り。新たに育てたゲンガーと知り合いから譲られたガラガラを託した。

・ニドキング♂
とくせい:とうそうしん
わざ:だいちのちから
   どくづき
   かみなりパンチ
   メガホーン
もちもの:ラムのみ
備考:のうてんきな性格。とてもきちょうめん。前年二位のポケモン。持ち主の元に返りたくて従わざるを得なかった。滅茶苦茶強い。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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