今回はダフネVSビート。楽しんでいただけると幸いです。
ジムミッションに挑みしばらくして。ジュリさんがげんなりした理由が分かった。ジムミッションはクイズを応えながら進むというもの。ジムトレーナーと戦いながら五問中三問以上正解すればいいのだが…
「第一問!ジムリーダーラウラが最初に手に入れたポケモンは?」
「たしか…バチュルですね」
「正解!」
「第二問!ジムリーダーラウラの代名詞ともいえるわざは?」
「…いとをはくですかね?」
「正解!」
「第三問!ジムリーダーラウラの切札、ドラピオンのタイプは?」
「どく・むし…じゃなくて、どく・あくですね」
「正解!」
「第四問!ジムリーダーラウラが歴代で最も苦手とするジムリーダーは!」
「えっ、……キバナさん?」
「ブー!答えはネズ!」
「あくタイプつかいなのに!?」
「第五問!ジムリーダーラウラが初めて負けた相手は?」
「あ、それは知ってます。ユウリさんですね」
「ブー!答えはムツキ!」
「ええ!?」
全てが全てジムリーダーラウラの問題。従姉妹だというジュリさんからしたらたまったものじゃないだろう。というかあまり有名じゃないことまで問題になっていて、私だってうんざりしそうだ。ビートさんがラウラさんに恋してたって噂が広がっていたが間違いなさそうだ。もうユウリさんと一緒になったってのに未練たらたらである。
『続きましての挑戦者は、背番号064!あの事件を乗り越えて現れたむしつかい、ダフネ選手!対するはジムリーダー、ビート!4VS4のシングルバトルです!』
そんなわけでげんなりしながらビートさんと並び立つ。もはや精神攻撃じゃなかろうか。
「なるほどなるほど…先程のジュリさんと違い全問正解とまではいきませんでしたがさすがは同じ蟲使い、難なく突破ですか。ですが蟲使いにだけは負けるつもりはありませんので、心してかかってきてください。ピンクに染め上げて見せましょう!サーナイト!」
「謹んで遠慮させていただきます!グソクムシャ!」
いきなりメガシンカするつもりなのかビートさんが繰り出したのはサーナイト。私は安定のグソクムシャだ。
「であいがしら!」
「上に避けながらハイパーボイスです!」
超加速して一撃を叩き込まんとするグソクムシャだったが、その頭上に舞うように跳躍しすれ違いざまに音の衝撃波を放つサーナイト。メガシンカしたところを仕留めるつもりでしたが、まさかそのままで来るとは…
「メガシンカなしなんて、舐めてるんですか?フェアリーは苦手ですがエスパーは蟲の格好の餌ですよ?」
「よくわかっていますとも。フェアリーの沼に落ちる前の僕はエスパータイプを専門としていましたからね。ですが今回は、これでいいのです」
「シザークロス!」
「横に避けながらマジカルシャイン!」
交差する斬撃もひらりと避けて、眩い光を放つサーナイト。ダメージを受けつつ目が眩み瞑ってしまうグソクムシャ。私は腕で発光から庇いながら指示を出す。
「地面にアクアブレイク!からのダイビングです!」
アクアブレイクの水飛沫で怯ませ、その間に水浸しになったフィールドに擬態してダイビングで沈み込むグソクムシャ。今のうちに視力を回復させて、そこからどうしましょうか。図鑑に何かヒントは…
サーナイト。ほうようポケモン。タイプはエスパーとフェアリー。特性はシンクロもしくはトレースまたはテレパシー。みらいをよちするちからをもつ。トレーナーをまもるときにさいだいパワーをはっきする。後ろ手にチラッと確認して頭の中で纏める。…予知能力、それでタイミングまで完璧に読まれているのか。
「おや、その顔。どうやら気付いたようですね。僕のサーナイトに攻撃を届かせるのは至難の
「それはどうですかね?ダイビングでどこから来るかわかるとでも?」
「客もそろそろ膠着状態に飽きてきたでしょうし、そろそろ炙り出しましょうかね。サーナイト、みらいよち。みらいよち。みらいよち!」
「っ!飛び出しなさい!シザークロス!」
「ほのおのパンチ!」
こちらがその場にいないことをいいことに設置攻撃を準備し始めたので、咄嗟に飛び出させるとグソクムシャはサーナイトの背後を取っていて。強烈な一撃を叩き込むも、次の瞬間三方向から同時に念動力の弾丸に撃ち抜かれていて、怯んだところに炎を纏った拳が叩き込まれて吹き飛ばされる。未来予知で出てくる場所を予知されていた…!?立て続けにダメージを受け、体力が半分を切ったのか戻ってくるグソクムシャ。
「くっ…クワガノン!挟み込みなさい!」
「みらいよち!ほのおのパンチで迎え撃ちなさい!」
突撃するクワガノンに、油断せず設置攻撃を仕掛けながら炎を纏った拳を振りかぶるサーナイト。拳を受けながらもサーナイトの両腕を胴体ごと挟み込み、空に舞い上がるクワガノン。
「なっ!?」
「うちのクワガノンの根性は大したものですよ、共犯者ですからね!空に放り投げてむしのさざめき!」
サーナイトを放り投げた直後にみらいよちの攻撃が決まるがクワガノンの甲殻はそれを受けてもビクともせず、効果抜群の衝撃波が炸裂。サーナイトは空中で戦闘不能となり崩れ落ちた。
「…今まで人間とポケモンの関係をいくつか見て来ましたが、初めてですよ…共犯者と称したのは。プラズマ団への復讐の、ですか?それはやめておいた方がいい。ラテラルジムでの一件、ニュースで見ましたよ。貴女ではあのプラズマ団幹部には敵わない」
そう真剣に言ってくるビートさんに、押し黙る。共犯者と言ったのは過去の出来事もそうだが、私からプラズマ団へと向けた意思表示、犯行声明でもあるのだ。そう言われて止まる筈がない。
「そんなことは誰よりも分かってますよ。だから貴方に勝って、強くなるためにここまで来たんです!」
「そうですか。では、ジムリーダーとして貴方を止める壁となりましょう!行きますよ、クチート」
そう言って次に繰り出されたのはクチート。ジュリさんとの試合中では見えなかったが、正面から見据えたことであることに気付いた。ペンダントの様に首にかけられたそれを。メガストーンが埋め込まれたそれの輝きと、ビートさんの腕輪に付けられたメガバングルに埋め込まれたキーストーンの輝きが重なり、紫色の膜に包まれるクチート。
「別にサーナイトだけとは一言も言っていませんよ。メガシンカ…!」
光の膜が砕け散り、現れたのは頭の大顎が二つに増えてツインテールの様になりもみあげも伸びて、袴を穿いた様な配色のまるでジョウト地方の巫女さんの様な姿になったメガクチート。かわいらしい姿とは裏腹に大顎は待ちきれないとばかりに開閉し大口を開けて長い舌を晒している。方向性は違うが同じ大顎を持つクワガノンでも相手するのは難しそうだ。
「交代、グソクムシャ…!」
クワガノンは今回の切札と言っても差し支えないポケモンだ。少しでも体力を温存するために交代する。メガシンカしたことで特性がいかくから変わったのか、攻撃力が下げられた様子はない。問題は、特性が何に変わったのか。
「であいがしら!」
最速の一撃が放たれる。しかし閉じた右の大顎で受け止め、左の大顎を振りかぶるクチート。誘い込まれてしまったのだと、痛感したがもう遅い。
「アイアンヘッド!」
ドゴォン!と、凄まじい轟音と共に空中を真っ直ぐ飛んで遠く離れた観客席の壁まで吹き飛ばされ叩きつけられるグソクムシャ。その威力の変わりようはジュリさんの試合と比べて一目瞭然。まさか、ちからずくとかちからもちとかそこら辺の特性だろうか?シンプルに、強すぎる。間髪入れず崩れ落ちたグソクムシャの安否を確かめる間もなく、メガクチートが動いた。
「グソクムシャ、行けますか?」
「小細工なんて、やらせはしませんよ!かみくだいてじゃれつく!」
てってってっと比較的遅いが大顎の重さを感じさせない走り方で、なんとか立ち上がったグソクムシャに接近して右の大顎でグソクムシャの左腕を噛み砕いて持ち上げ、その小さな両手によるラッシュを叩き込んでいくメガクチート。グソクムシャも危機を察知したのか避けようとしていたがダメージがでかかったのか体が追い付いていなかった。
「アクアブレイク!」
「うそなきからのじゃれつく!」
反撃に出るも、涙でギョッとしたグソクムシャは噛み付かれているにも関わらず躊躇してしまい、そこにタコ殴りにされてしまう。ああもう、武人肌な性格が仇に!
「ダイビングでなんとか…!」
「判断が遅いですよ!空中に投げつけてアイアンヘッドです!」
ぐったりしたグソクムシャを右の大顎で噛み付いたまま振り上げてペッと空中に向けて吐き出し、二つの大顎を鋼色に輝かせて振りかぶるメガクチートの、二連撃が炸裂。グソクムシャはキリモミ回転して崩れ落ち、戦闘不能となった。
「つ、強すぎませんか…?」
「有力なチャレンジャーのデータを読み解き、ぴったりなメガシンカで対応する。これがエリートの戦い方です」
自慢げなビートさんに、ぐぬぬと睨み付ける事しか出来ない。…メガクチート、予想外の強敵だが本当にどうしたものか。
個人的メガシンカポケモン最強メガクチート。すごく強いと感じていただけたら幸い。
・ダフネ
かつてない大苦戦に強いられる主人公。メガサーナイト対策ばかり考えてたのでメガクチートは本当に想定外すぎた。手持ちとの関係は「共犯者」を名乗る。
・ビート
失恋したラウラについての問題をジムミッションにしているジムリーダー。ちなみにソースは某チャンピオンから。メガサーナイトとメガクチート、二つのメガシンカを相手によって使い分けるエリート故の強さを持つ。過去に犯した「焦りからの罪」からダフネの行く末を彼なりに心配している。
・サーナイト♀
とくせい:シンクロ→フェアリースキン
わざ:みらいよち
ハイパーボイス
マジカルシャイン
ほのおのパンチ
もちもの:サーナイトナイト
備考:さみしがりな性格。のんびりするのが好き。接近戦もこなせるオールラウンダー。みらいよちを自在に設置・調整することができ、みらいよち連打がえげつなく強い。ブリムオンとギャロップについでの新入りだが末っ子のクチートのお姉さん的存在でクチートより先に出ると普段よりやる気を出す。一応原作基準の手持ちだが、技構成を一新している。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。