今回はメガクチートVSメガヘラクロス。楽しんでいただけると幸いです。
一勝一敗。残りの手持ちは三体ずつ。数字では互角だが、こちらはグソクムシャが落とされ、あちらはメガシンカしたクチートがいる。兄さんの相棒で実力者でもあるグソクムシャが一方的に落とされてしまった事実から、出し惜しみしている場合ではない。こちらもメガシンカで一気に落とす!
「メガシンカ相手なら、不利ですがやはり貴方の出番です!ヘラクロス!メガシンカ!」
兄貴分だと慕っているグソクムシャが倒されたことでやる気十分のヘラクロスをメガシンカ、こちらに向けて生意気な笑みを見せるメガクチートと睨み合わせる。さっきのを見た限り、攻撃力と防御面が上がっただけで素早さは素のままらしい。ならば、メガヘラクロス得意のスピードで攻める!
「ヘラクロス!あの大顎に捕まらない様に高速で翻弄して!ロックブラスト!」
「大顎で受け止めなさい!」
両腕と背中から蒸気を噴出して高速で周囲を円を描くように飛び回りながら、ロックブラストを連射するメガヘラクロス。メガクチートは大顎二つをガバッと限界まで開いて咥えて受け止めて行き、5×5回技を連射したのに全弾受け止められてしまった。
「かみくだいて吐き出しなさい!」
「っ!ヘラクロス、避けることに集中してください!」
そればかりか両の大顎同時に岩を一噛みで全て噛み砕いてしまい、その欠片をププププッ!と吐き出して擬似ロックブラストとでも言うようにメガヘラクロスを追い詰めて行くメガクチート。大顎二つで的確に狙って交互に吐き出してくるため、隙がない。
「メガホーンで突撃!」
「迎え撃ちなさい、アイアンヘッド!」
メガホーンで岩の欠片を破壊しながら接近させるが、大顎を硬質化させて振りかぶるメガクチート。でも知っている、グソクムシャにとどめを刺す瞬間に私は見たのだ。
「当たる直前でブレーキ!」
「!」
両腕を突き出して蒸気を噴出することで間合いギリギリで急ブレーキするメガヘラクロス。その瞬間、迎え打つ気満々で大顎を振りかぶっていたメガクチートが空ぶったことで大顎に振り回されて目を回し、千鳥足でふらついた。私は見たのだ、グソクムシャにとどめを刺した後、あまりの重さに尻餅をついていたメガクチートを。メガシンカとは一時的な物。通常の倍と言ってもいい重さに振り回されてしまうのだろう。
「インファイト!」
防御体勢もままならないそこに、猛連撃が炸裂。はがね・フェアリーなのでかくとうは等倍だ。自身の防御力を犠牲に放たれる猛撃に、なすがままに殴り飛ばされるメガクチート。しかし攻撃力だけでなく防御力も上がっていたのか、その小さな体は倒れない。キシシと不敵に笑んで突撃してきた。
「まず角を捉えなさい!かみくだく!」
「両腕で受け止めて!」
角に噛み付くために大きくガバッと開いた大口による噛み付きを、両腕で両端を掴んで力の限り押し込むメガヘラクロス。さすがにそれは想定外なのか、普通に痛いのか涙目でメガヘラクロスに噛み付いている大顎を振り回すメガクチート。振り回された勢いを利用して地に足を付けどっしりと構え、大口を押し込んだまま持ち上げ、バタバタと手足を振り回しもう片方の大顎で狙うもメガヘラクロスは簡単に避けて、振り上げた。
「叩きつけてメガホーン!」
メガクチートの小柄な体を勢いよくフィールドに叩き付け、そのままメガホーンで地面とサンドイッチにする。ピギャッと悲鳴が上がった。
「じゃれつく!」
「距離を取ってタネマシンガン!」
怒りのままにじゃれつこうとしてきたので、両腕から蒸気を噴出して後退させ、両腕を突きつけ種を連射するメガヘラクロス。大顎を盾に防ぐメガクチートだが、耐え凌ぐことしかできていない。元々すばやくないのか、敵の攻撃を受け止めた上で吹き飛ばすことで自身のペースに持っていくことが基本戦法なのだろう。自分が追い込まれることに弱いらしい。
「うそなきで怯ませて接近しなさい!じゃれつく!」
「ヘラクロス、上空にロックブラスト!」
うそなきは、自分への攻撃を躊躇させる技だ。ならば狙わず撃てばいい。上空に放たれた岩の弾丸はテッテッテッと近づいてきたメガクチートに降り注ぎ、咄嗟に両の大顎を頭上に置いて防御体勢を取るが、それは明らかな隙で。
「インファイト!」
ロックブラストを防ぐのに精一杯だったメガクチートが驚愕の表情を浮かべると共に、メガヘラクロスは蒸気を噴出させた勢いを利用して猛攻を浴びせ、最後に腹部に拳を叩き込むと共に蒸気を噴出させ、メガクチートは先程のグソクムシャと同じように宙を吹っ飛んで重い頭から地面に叩きつけられ、元の姿に戻って戦闘不能となった。
「頭の重さが敗因です。メガシンカしたことが仇となりましたね…!」
「これほどとは……やはり、蟲は侮れませんね。ですが今の攻防であなたたちの実力はほぼほぼ理解しましたよ。ギャロップ!」
悔しげなビートさんがクチートを戻してギャロップを繰り出してきたので、とりあえず防御力を失って紙耐久となったメガヘラクロスを戻して代わりにアブリーを繰り出す。ギャロップのサイコカッターは強力だが大ぶりな分、小さい方が避けやすいはずだ。
「その場でふみつけです!」
地面を踏みつけ、粉塵を巻き起こすギャロップ。こちらからギャロップの姿が見えなくなったが、あちらも同じはずだ。なにを…?
「スマートホーン!」
次の瞬間、俊足で粉塵から抜け出してきたギャロップの鋼色に輝く角が炸裂、フェアリータイプであるアブリーは効果抜群をもらってその小さな体が吹き飛ばされる。粉塵に紛れて必中の技を使ってくるとは…!?
「サイコカッターで追撃です!」
「しびれごな!」
もうアブリーに勝ち目はないと判断し、攻撃よりも妨害を優先する。しびれごなを真面に受けながらも念動力の刃を飛ばしてくるギャロップ。アブリーは小さな体で避けていくが、集中しすぎてギャロップに近づいてしまっていた。
「とどめです、スマートホーン!」
「少しでも!むしのていこう!」
何とか最後にダメージを与えた物の、鋼の角で穿たれ戦闘不能となり倒れるアブリー。よく頑張りました。あとはメガヘラクロスとクワガノンでなんとかします!
「またお願いします、ヘラクロス!」
「もう一度その場でふみつけ!」
インファイトによる防御低下が回復し、やる気を見せるメガヘラクロスだがしかし、また粉塵を展開するギャロップ。何時攻撃してくるかビートさんの指示でしか分からない、厄介な。
「サイコカッター、スマートホーン!」
「ヘラクロス、身構えてください!メガホーン!」
サイコカッターを飛ばしながら突撃してくるギャロップ。サイコカッターをメガホーンで打ち消すも、スマートホーンが喉元に炸裂。
「ふみつけ、マジカルシャイン!」
「ロックブラスト!メガホーン!」
えづいたところに胴体を踏みつけられ、鬣を振り回して輝きを放とうとしていたので零距離からロックブラストを放ち、連続で打撃を受けたギャロップは空中に打ち上げられてそのまま連射を喰らって力なく落ちてきたところに効果抜群のメガホーンが炸裂。戦闘不能となるギャロップ。
「ここまで追い込まれるとは不覚…!なれば、大いなるピンクで押し潰しましょう!キョダイマックスです、ブリムオン!」
「交代、クワガノン!ダイマックスです!」
温存しておいたクワガノンを繰り出しダイマックス、キョダイマックスしたブリムオンと対峙させる。ダイバーンを覚えているから、速攻で倒さないと普通にやばい。
「ダイワーム!」
「キョダイテンバツ!」
すると、予想と異なり繰り出されたのはキョダイテンバツ。ダイワームが炸裂する中不思議に思っていると、すぐ効果が表れた。巨大化したクワガノンが目を回し、ふらついていたのだ。
「これは…こんらん!?」
「どうですか僕の女神の得意技は!美しいでしょう!ピンクでしょう!混乱に陥るのも無理もない、これは我が女神による天罰なのだから!」
混乱させたところでじっくりダイバーンで煮込むつもりなのか。こちらからしたらたまったもんじゃない。
「しっかりしなさいクワガノン!勝利は目前なんです!混乱している場合じゃありません!」
「無駄ですよ!貴方の声はもう、届かない!ダイバーン!」
「ダイワーム!私の共犯者なんでしょ、クワガノン!私達はもう二度と…負けられないんですよ!」
その時、不思議なことが起こった。クワガノンの目から混乱が消えたのだ。目を見開き驚愕するビートさん。思わず拳を突き出して叫んでいた。
「馬鹿な!?」
「これが私達の…犯行声明です!」
ぶつかる業火と蟲の幻影。打ち破ったのは、蟲の幻影。纏わりつかれたキョダイブリムオンは嫌がり身を震わせるも大爆発、縮んで元の姿に戻り戦闘不能となり、私とクワガノンは柄でもない雄叫びを上げた。見ていろプラズマ団、逃がすつもりも負けるつもりも断じてありません。
トレーナーに懐いているからこその自力でこんらんを解くアレ。
・ダフネ
共犯者であるクワガノンと共にプラズマ団への犯行声明を見せた主人公。メガシンカ後の差異という、これまでにない隙を見極める戦術眼を得た。
・ビート
相棒であるブリムオンを僕の女神と呼ぶジムリーダー。相手次第でふみつけによる粉塵を利用した攻撃も取る。メガクチートのメガシンカ後の負担に関しては気付いていたものの改善策を思いつかないでいた。
・クチート♀
とくせい:いかく→ちからもち
わざ:かみくだく
じゃれつく
アイアンヘッド
うそなき
もちもの:クチートナイト
備考:なまいきな性格。よく物を散らかす。自分が強いと自負しており「キシシ」と笑って相手を小馬鹿にする性格の悪さが目立つ。大顎を軸に自身の体を持ち上げるなどかなり鍛えられており、その怪力から繰り出される攻撃は凶悪。メガシンカすることで圧倒的な力を見せるが、大顎が増えることに対応しきれておらず重さに振り回されてしまう。また、圧倒的なパワーで押し切るのが得意だが押しに弱い。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。