ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。自分、バイオハザード×FGO小説も書いているのですが新作バイオハザードヴィレッジのキャラが良すぎて書きたくなる衝動に駆られている今現在。

今回は新生プラズマ団に大きく踏み込みます。主人公達不在で三人称視点ですが楽しんでいただけると幸いです。


VSギルガルド

 ダフネたちがアラベスクジムを攻略していた頃、シュートシティのバトルタワーと名を改めた元ローズタワーの最上階に設置された巨大な机を囲むようにして数人の男女が話し合っていた。

 

 

「僕たちから与えられる情報はこれだけだよ」

 

 

 そう述べて情報が記された書類に手を付けるのは、6番道路でダフネたちと遭遇した元プラズマ団の王である青年、N。その横には愛の女神と平和の女神と呼ばれるNの世話役である二人の女性が控えている。彼らはガラルにのさばる新生プラズマ団をどうにかするべく、ガラルポケモンリーグに協力を申し出た一団だった。

 

 

「いや、助かるよ。イッシュ地方の17番水道にあるP2ラボ付近に停泊していたはずのプラズマフリゲートと言う名の空中戦艦が行方不明……さらに元構成員のほとんどが行方知れず、か。新生プラズマ団の構成員は彼等で間違いなさそうだな」

 

 

 書類に載る情報を纏めようとしているのは、ガラルポケモンリーグ委員長でありバトルタワーオーナーも務めるダンデ。側に護衛する様にギルガルドが浮かび、珍しくスーツでビシッと決めた姿の彼は正体不明の新生プラズマ団の情報が得られてご満悦だった。

 

 

「この、プラズマフリゲート及び元プラズマ団の首魁であるゲーチスから解放された伝説ポケモン、キュレムが行方不明だというのは?」

 

 

 情報の一つが目に留まったのか質問したのは現在ダンデの秘書兼ボディーガードをしている元ジムリーダーであるキリエ。ダンデの知恵袋としての参戦だ。

 

 

「嫌な予感がしてジャイアントホールに眠っているはずのキュレムの所在を確認しに行ったところ、既にいなかった。その時は僕の知り合いのトレーナーに捕獲・保護されていると思っていたんだけど、プラズマフリゲートまで無くなっているところから見て、新生プラズマ団に再度捕獲・再利用されていると思うんだ」

 

「つまり、ガラルも一年前のイッシュ地方の様に氷漬けにされる可能性があるってことなのかな?」

 

 

 Nの説明にそう問いかけるのはガラルのチャンピオンであるユウリ。ダンデに呼ばれてこの会議に参加した彼女も、真剣に情報を頭に叩き込んでいた。

 

 

「そうなる可能性は高いね。ただでさえ強大なキュレムの力を、さらに極限まで引き出すプラズマフリゲートの力は絶大だ。保有しているなら利用しない手はないと断言できる」

 

「そうなった場合の避難所の建設も考えなければならないな…」

 

「資金については心配ご無用!」

 

「セレブリティな我らにお任せあれ!」

 

 

 顎に手をやり思考に耽るダンデに応えるのは、再興活動に助力しているセレブリティな王族であるソッドとシルディ。ダンデも資金のやりくりなどはキリエやオリーヴに任せているものの、決定権がある自分で考えなければならないのは就任して二年経っても慣れないらしい。

 

 

「…この構成員の欄の、グレイと呼ばれる首魁に関して記載が「???」なのはどういうことなのでしょう?」

 

 

 そう尋ねるのはキリエと反対側のダンデの隣に座る、現在はダンデの補佐兼相談役をしているオリーヴだ。ダンデ達も見て見れば、シュバルツやヴァイスについての記載は細かく載っているのに対しグレイの部分だけ何も書かれておらず、疑問も最もだとNは頷く。

 

 

「そこについては僕よりもプラズマ団の構成員について詳しいこのロットから話してもらうよ」

 

「了解しました、N様」

 

 

 Nに促されて立ち上がったのは、黄色いローブに身を包んだ立派な髭を蓄えた老人、元プラズマ団最高幹部七賢人の一人であるロット。ポケモン保護を目的とした穏健派であるプラズマ団の残党、通称白いプラズマ団の代表でもある彼は書類を手に語りだした。

 

 

「ポケモン研究所襲撃事件にてそれまで噂程度だった新生プラズマ団が大きく動き出し、シュバルツと言う幹部の一人の名が出たことを聞いた我々、通称白いプラズマ団は驚きました。シュバルツは我等と同じ、N様を敬愛しポケモン保護を最優先とする穏健派である白いプラズマ団の一員だったからです」

 

「ここに載っている限り、そこのNを敬愛しポケモン保護に尽力する男だった、とありますね」

 

「力なくては説得力もない、と言う持論を持つ男でもあり、最後には解放すると約束したポケモン達をボールに入れて、ジムリーダーをも超える実力に何年もかけて己を鍛え上げていた男でした。そんな男がまさか新生プラズマ団の幹部になるとは……」

 

「ロットたち、ホドモエシティを拠点に慈善活動をしていたはずの白いプラズマ団だけど、一年前のある時期を境にシュバルツを始めとして明らかに数が減っていたらしい。恐らく、グレイと呼ばれる今の首魁に集められたんだろうね」

 

「彼らを纏める者でありながら面目次第もございません…」

 

 

 Nの言葉にしおしおと落ち込むロット。しかしすぐに立ち直り、続ける。

 

 

「ヴァイスについては一年前の過激派、通称黒いプラズマ団の一員として暴れまわっていた者として覚えております。調べれば調べる程悪い噂しか出てこない女です。しかしここからが本題です。我等はグレイと呼ばれる首魁について、まるで情報を持ち合わせていないのです。少なくともプラズマ団の名の知れた者にはそんな輩はいないのです。突如現れ、白黒厭わずプラズマ団の大半を丸め込んで手下にし、シュバルツやヴァイスという癖の強い者達までもを従える謎の存在、としかわからない」

 

「我々の情報網も使いましたが、ガラルにもそんな輩はいないと断言できます」

 

「セレブリティな我らの情報網に死角なし!」

 

 

 ロットの言葉に、ソッドとシルディも続く。すると真面目に書類に目を向けていたユウリがぼそっと呟いた。

 

 

「顔も正体も分からない敵、か。でも、目的の一つは多分、わかったかも」

 

「というと?ユウリ」

 

「うん、ダンデさん。強奪されたポケモン達を考えれば、わかることがあるんです。ソニアさんの研究所のルミからはレジアイス、レジロック、レジスチル、レジドラゴが奪われ、先日のモコウからはレジエレキが奪われた。この五体のポケモンが集まると、現れるポケモンがカンムリ雪原にいるとラウラが言ってました」

 

「ムツキが言っていたあのポケモンですか?」

 

「はい、キリエさん。私がウツロイドに寄生されて離れていた時に、ムツキとルミが遭遇し手も足も出なかったらしい最強に近い伝説のポケモン、レジギガス。恐らくそれが、プラズマ団の狙いだと思います」

 

「レジギガス…!?」

 

 

 知られていない伝説ポケモンの名に、会議の場がざわつく。ユウリとキリエはラウラやムツキから話を聞いていたので、その危険性が如何程かわかってしまう。巨人であること、ノーマルタイプであることなど知っている情報をユウリとキリエで上げていると、それに物申した人物がいた。物事を冷静に見れるオリーヴだ。

 

 

「待ってください。そんな名も知られていない、それもレジアイスたち五体を揃えないと現れもしない伝説ポケモンの存在を、何故プラズマ団が知っているのですか?」

 

「それは……うーん、あれ?たしかにおかしいな」

 

「そのことを知っているのはこの場の人間を除くと、その場に居合わせたラウラさんにモコウさんにルミさんに、我が娘であるムツキとリヅキ。また、レジアイスたちの研究をしていたソニア博士ぐらいだと思いますが…彼女たちがその情報を誰かにリークするとは思えませんね」

 

「それに、たしかガラル三鳥を所有するムツキも狙われたって聞いたぞ。そう考えると、単に強力な戦力を集めていると考えることができるんじゃないだろうか?」

 

「ダンデ氏の言う通りだとすれば、我が王や我が女王も狙われる可能性が高いと、そういうわけですね」

 

「まあ我が王と我が女王ならばムツキ殿と同じく返り討ちにするでしょうが。我が従姉妹であるモコウとはわけが違う」

 

「一応従姉妹なんだからモコウのことをフォローして上げなよシーソーコンビ…それに、プラズマ団は私の前にだけは絶対に出てこないよ。幹部のヴァイスでさえ私に見つかったら逃げ出したぐらいだから徹底してる。ラウラの考えだと、私のスケジュールを把握していることから委員会にプラズマ団がいるんじゃないかって」

 

「こちらでも調査しているがまだわからないな。ふーむ、謎は深まるばかりか…」

 

「ジムリーダーが捕まえたプラズマ団から聞き出した話ではアクロママシーンというポケモンを操る機械の存在が開かされました。幹部が調教したポケモンと、量産されたというアクロママシーンで操るポケモンに分けられているそうです。この対策もするべきかと」

 

「その開発者であるアクロマはアローラ地方に行っているから連絡は困難で……」

 

 

 まったく結論がまとまらない会議の場。彼ら彼女らが議論する間でも、謎めいた首魁が従える新生プラズマ団の暗躍は続くのだ。




会議すればするほど深まる新生プラズマ団の謎。

・N
元プラズマ団の王様。愛の女神と平和の女神とロットを引き連れている。ゼクロムを保有していたがとあるトレーナーに託して手放している。

・ダンデ
ガラルポケモンリーグ委員長にしてバトルタワーオーナー。部下にキリエとオリーヴがいる。Nに協力を持ちかけられて邪険にせず快く承諾した。

・ユウリ
ガラルのチャンピオン。委員会に敵がいるのではと疑っている。ラウラから聞いた情報から、レジギガスが敵の狙いだと推理するが…?

・キリエ
ガラルポケモンリーグ委員長秘書にしてボディーガード。ムツキとリヅキの母親。ムツキが怪物と称したレジギガスを危険視している。

・オリーヴ
ガラルポケモンリーグ委員長の相談役。キリエと共にダンデの補佐をしている。物事を客観的に冷静に見れる。

・ロット
元プラズマ団最高幹部七賢人の一人。現在は白いプラズマ団を率いてポケモン保護や慈善活動を行っている。シュバルツの元上司。

・シーソーコンビ
ダンデのスポンサーにして資金源。相変わらずユウリとラウラを我が王と我が女王として慕っている。ガラルの被害を受けた箇所の修繕に取り組んでいる。

・シュバルツ
元白いプラズマ団。ロットをしてジムリーダーをも超える実力の持ち主と称される。Nを敬愛していたらしいが現在はグレイに忠誠を誓っていて…?

・ヴァイス
元黒いプラズマ団。したっぱから幹部になり上がったと思われる。調べれば調べる程悪い噂が出るらしい。

・グレイ
全てが謎に包まれた新生プラズマ団の首魁。顔も性別も目的もわからない。本名かどうかすらも怪しい。白黒厭わずプラズマ団の構成員の大半を籠絡し、プラズマフリゲートとキュレムをNやロットの目を盗んで奪い去った模様。

・プラズマフリゲート
黒いプラズマ団が保有していた巨大空中戦艦。今から一年前(BW2時代)に伝説ポケモンであるキュレムの力を引き出してイッシュ地方の一部を氷漬けにした。事件が終わった後はイッシュ地方の17番水道にあるP2ラボ付近に停泊していたが、いつの間にか消えていた。

・アクロママシーン
元黒いプラズマ団の王にして狂気の天才科学者アクロマが、ポケモンの力を引き出す実験の一つとして開発した、伝説ポケモンであろうと意のままに操ることのできる機械。量産されて新生プラズマ団のしたっぱが所有している模様。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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