ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ジュリが落ち込みすぎだと感想で多く言われたのですが、一度死んだと思ったら再会できた兄と、またも永遠に会えなくなるかもという恐怖にさらされるとこうなると思うのです。

というわけで今回はジュリVSキバナ再戦。楽しんでいただけたら幸いです。


VSメガゲンガー

 私とヨハルが勝利し、ジュリさんが敗北して燻ってたその翌日。ナックルシティのポケモンセンターの宿泊施設で泊まっていた私達だったが、ロビーで待つも何時まで経ってもジュリさんが出てこない。心配になって見に行こうとすると、ダダリンにアンカーで縛られて引きずられたジュリさんが出てきた。舵輪に修繕した跡が見えるので、徹夜で修理していたのだろうか。

 

 

「あ、ダダリンお疲れ様です」

 

 

 挨拶してみるとダダリンは私にビビってボールに戻ってしまう。相変わらず怖がられてしまってるようだ。ダダリンから解放されて俯せに床に倒れるジュリさん。その痛みで目覚めたのか、むくりと起き上がるジュリさん。目に隈が出来て、見て分かるぐらいに荒んでいた。

 

 

「えっと、どうしたんです?」

 

「ふふ、ふふふふふふ!徹夜でダダリンの舵輪修繕しながら色々考えてたの……もう手段は問わない。呪い殺す…!」

 

「お、おう…」

 

 

 殺意が凄い。メモを手にしてポケモンセンターのカウンターにいる、通称わざおしえおじさんのところへ向かうジュリさん。凄い迫力でわざおしえおじさんを怯えさせ、私とヨハルは自然に寄り添って恐怖した。

 

 

「どうしてあんなに必死なんでしょう…いえ、ラウラさんが行方不明だから当たり前なんですが。それにしたって焦りすぎな気もします」

 

「私はブラッキーが殺されたからあんな荒れたことあったけど、従姉妹だっていうラウラさんに対してあそこまで荒れるかなあ…従姉妹以上の感情があるとか?」

 

 

 ラウラさんが失うことを恐怖しているのは間違いない。ただそこに従姉妹へ向けるものより近い人間に向ける感情が見えた。…もしかして?必要な技を覚えさせたのか戻ってきてメモを片手にブツブツ呟くジュリさんに問いかけてみることにした。

 

 

「ジュリさん、ラウラさんをお兄ちゃんと呼んでましたが……」

 

「うん、それがなに?」

 

「もしかして、ラウラさんに恋焦がれてたりします…?それなら貴方の必死さにも納得がいくのですが」

 

「はえ!?な、なんでそうなるの?」

 

「いえ、性別を勘違いしてお兄ちゃんと呼んでそのまま呼び続けてると聞いたので。その時に恋をしてそのまま兄だと慕い続けているのかと…」

 

 

 拙い推理を披露してみると、ポカーンとなってるジュリさんとその発想はなかったとポンと手を打つヨハル。あれ、なんか違います?

 

 

「まあ、お兄ちゃんがユウリさんとゴールインしたしそうなるのもわかるけど…違うよ?うん。違うんだけど…なんか気持ちが軽くなっちゃった。ありがとう、ダフネ。なんか吹っ切れたよ」

 

 

 そう言って憑き物が落ちた顔で笑うジュリさん。吹っ切れたなら何よりですが……

 

 

「……顔から火が出そうです。恥ずかしい…」

 

「ははは。年頃の私達ならそう考えてもしょうがないよ。…でもね、お兄ちゃん…ラウラのことは、もう二度と失いたくないんだ。あの蟲に殺されないと死にもしないお兄ちゃんがそう簡単にのたれ死ぬとは思えない。プラズマ団が攫ったっていうのなら…ぶっ潰してでも取り戻す。そのためにも…こんなところでキバナに負けてる場合じゃないんだ」

 

 

 そう力強く拳を握りしめながらジュリさんはギラギラした目で出口に歩いて行く。私を追い詰めた時のラウラさんを彷彿とさせるその姿は、生き写しに見える。

 

 

「私は弱い。だけど…弱者なりの勝ち方を見せてやんよ」

 

 

 その言葉に臆しながらも、私とヨハルは慌ててついて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回と同じく、あっさりとジムミッションを突破したジュリさん。キバナさんは相変わらず手加減なしで行くと宣言すると両者構えた。

 

 

「呪い殺すよ!ゲンガー、プルリル!」

 

「物騒だな。呪いなんて叩き潰してやれ、ギガイアス、ガブリアス!」

 

 

 前回入れてなかったプルリルを入れているのか。みちづれでガブリアスを落とす作戦だろうか?天気はすなあらしとなり、両者ともにメガリングを構え、七色の光が溢れる。

 

 

「大いに暴れろ!」

 

夢幻闇夜(むげんあんや)(いざな)え!」

 

「「メガシンカ!」」

 

 

 ゲンガーはメガゲンガーに、ガブリアスはメガガブリアスに。ふゆうのアドバンテージを捨てるのか。なにをするつもりなのか。

 

 

「ガブリアス、ゲンガーにあなをほる!ギガイアスもゲンガーにストーンエッジだ!」

 

「ガブリアスは、そうするよね!ゲンガー、プルリル!ギガイアスにシャドーボールとみずのはどう!」

 

 

 メガゲンガーはシャドーボールでストーンエッジを弾き飛ばしながら攻撃。プルリルもそれに続いてすなあらしで砂が混じって泥水となったみずのはどうを放ち、ギガイアスを戦闘不能にする。

 

 

「今!宙返りで避けて!」

 

 

 さらにメガガブリアスの地中からの攻撃もタイミングを読んでメガゲンガーに宙返りで回避させるジュリさん。私達の試合を見てちゃんとタイミングを計っていたのか。

 

 

「ちい!フライゴン!」

 

 

 ギガイアスを戻してフライゴンを繰り出すキバナさんに対し、ジュリさんがにやりと笑う。次の一手が徹夜で考えた作戦なのだと、すぐにわかった。

 

 

「ギガイアスを倒してくれてありがとうな!これで憂いなく撃てるぜ!じしん!」

 

「プルリル、みずのはどう!ゲンガーはその上に乗ってほろびのうた!」

 

「なに!?その技は…!」

 

 

 じしんに襲われるのを、プルリルが身を挺してみずのはどうを形成してその上に乗ることで回避しながら、美しくも悍ましい歌を奏でるメガゲンガー。それは、聞いたものを死に誘う呪いの歌。ゴーストタイプらしい技だ。

 

 

「聴いたもの全てに等しく滅びを与えるほろびのうた…逃れる術は交代することのみ!だけど…」

 

「かげふみで俺のポケモンは逃げられない、か。だがその前にゲンガーを倒しちまえばいい話だ!じしん!」

 

「プルリル、交代。ゴルーグ!ゲンガーを投げ飛ばして!」

 

 

 再びじしんが襲うも、交代したゴルーグがその巨大な手でメガゲンガーをむんずと掴んで上空に勢いよく投げ飛ばし、じしんの衝撃を引き受ける。ならばとフライゴンを空に舞い上がらせるキバナさん。何が何でもメガゲンガーを倒すつもりらしい。

 

 

「かみくだく!」

 

「あやしいひかり!」

 

 

 追いかけてきたフライゴンを、全身から眩く紫色の光を放って混乱させて回避するメガゲンガー。なるほど、オニオンさんから渡された当初から覚えさせていたさいみんじゅつとゆめくいを忘れさせて、新たにほろびのうたとあやしいひかりを覚えさせたのか。さいみんじゅつをあやしいひかりに変えたのは命中率からだろうか?

 

 

「ガブリアス、あなをほる!落ちてきたところを狙え!」

 

「ゴルーグ、じだんだ!」

 

 

 混乱するフライゴンの背中に回り込んで乗りこなしたメガゲンガーが落下してきたのを確認するなり、メガガブリアスを地中に潜らせるキバナさんだが、それは地面を大きく揺らされたことで阻止され、飛び出してきたメガガブリアスの頭をむんずと掴むゴルーグ。同時にフライゴンは地面に勢いよく叩きつけられ、混乱したままフラフラと浮かび上がる。そして…

 

 

「グッドナイト。お疲れ様、ゲンガー」

 

「ちい……やられたか」

 

 

 メガゲンガーとフライゴン、ゴルーグに頭部を鷲掴みにされたメガガブリアスが力尽き、三体揃って戦闘不能となる。交代したプルリルだけ無事だ。ほろびのうた、存在は知ってはいたが実際に見ると凶悪な技ですね……メガゲンガーのかげふみと合わさると恐ろしいものだ。

 

 

「ジュラルドンだけで三体潰せばいい話だろう?!キョダイマックスだ!スタジアムごとぶっ飛ばせ!」

 

「交代、ミミッキュ。行くよゴルーグ、ダイマックス!」

 

 

 高層ビルと巨大ロボットが向かい合う。迫力が段違いだ。

 

 

「キョダイゲンスイ!」

 

「ダイアース!」

 

 

 そして激突し、あっさりと決着がつくのだった。…吹っ切れたジュリさん、恐ろしいなあ。




メガゲンガー使うならほろびのうたよな。

・ダフネ
ジュリがラウラに禁断の恋をしているんじゃないかと勘繰って大恥かいた主人公。普通になりたいからあんな事件犯したぐらいに結構お花畑な頭している。

・ジュリ
落ち込みながらも二人の試合をじっくり観察し、ほろびのうたを使おうという結論に至った転移者。ほろびのうたはなんか言われそうだからと封印していたが、勝利の為ならなりふり構わなくなった。

・ヨハル
呑気にダフネの言い分に納得してた二重人格。こちらも結構頭がお花畑。

・キバナ
まさかほろびのうたを使ってくるとは予想もしてなかったジムリーダー。じしんをあんな方法で避けるとは、と逆に感心してしまった。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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