今回は感想で何人かが気付いていた奇跡の大集合。蟲ポケモンを活躍させるための御膳立てですが二次創作だもの、やりたいことをやりますよ。楽しんでいただけると幸いです。
一週間前。ダンデは、カントー地方とジョウト地方の間のシロガネ山に赴いていた。並大抵のトレーナーでは強力な野生ポケモンと過酷な環境に阻まれて登山することも難しい、この世界でもトップクラスに過酷な環境下でなお、元チャンピオンの実力と持ち前のフィジカルを駆使して頂上を目指すダンデ。
「もうすぐのはずだ。頑張れ、リザードン」
数日前。ジムリーダーの一人で、対プラズマ団の戦力として期待していたラウラがプラズマ団に陥落したいう真偽もわからぬ情報が入った。ラウラは己も認める、現チャンピオンであるユウリに匹敵する実力者だ。それが敗れたとなると、敵の実力は最悪チャンピオンより上になる。ならばと思いついたのは、伝説と称されるトレーナーの助力だった。
「しかし噂には聞いていたがまさかこんな秘境にいるとは…」
友人であるカントー・ジョウトのチャンピオンである少年ヒビキが過去に戦ったという情報を聞いて訪れたシロガネ山だが、強烈な吹雪が吹き荒ぶ環境下に、リザードンの尻尾の火があっても参って来ていた。そこに劈く鳥ポケモンの鳴き声。
「むっ?」
見上げると、そこには燃え盛る体を持つ伝説の鳥ポケモン、ファイヤーが羽ばたいて来ていた。ダンデ目掛けて急降下し襲いかからんとするファイヤーに、指差して指示するダンデ。
「シロガネ山の
ファイヤーは一声嘶くと華麗にターンしてげんしのちからを回避、その鋭い足の爪でリザードンの両腕と組み合って力比べを始める。羽ばたきでリザードンを力押しするファイヤーにどうしたものかと考えていたところ、空の暗雲が稲光を発していることに気付いた。
「ピカチュウ、かみなり」
その瞬間、凄まじい轟音と共に空から飛来した雷の槍がファイヤーを貫き、感電させる。瀕死とまではいかなかったものの、大ダメージを受けたファイヤーは上を見上げて縮こまる。そこにいたのは、赤い帽子の少年。ファイヤーは少年を恐れる様にして飛び去って行き、ダンデは少年を見上げる。気付けば頂上付近まで来ていたらしい。
「君が、レッド君かい?」
「……」
「否定しないのなら決めつけて言うぞ。助かった、礼を言う。俺の名はダンデ。ガラル地方のポケモンリーグ委員会の委員長をしている者だ。君に依頼しにきた。報酬は……我がガラル地方で最も強いトレーナーとのバトル、はどうだ?」
「…!」
そうしてダンデは赤い帽子の少年、レッドをガラル地方に連れて行くことに成功したのである。
「…よし、後は…」
そして現在。プラズマフリゲートに新設した玉座の間にて、モニターで確認していたグレイは驚愕していた。シュートシティを凍結させることはできた。だが、自らが改良したプラズマフリゲートが吸収したキュレムの冷気を使った主砲を持ってしても、新旧チャンピオンとあと一人に抵抗されたシュートスタジアムだけは凍らせることが叶わなかった。
「馬鹿な…計算は完璧だったはずだ」
ユウリのムゲンダイナの火力も、ダンデのリザードンがメガシンカできることもラウラから聞いて特典によるアクロマ並みの頭脳で計算し尽くした上での出力だったのだ。それが、シュートスタジアムだけとはいえ防がれてしまった。モニターに映った「もう一人」を見て、何度も確認して認識、いわゆるエネル顔になるグレイ。
「れ、れれれれ、レッドだと!?バカな、ここはイッシュでもアローラでもないぞ!?ガラルにいるはずがない男がなぜここにいる!?」
「ど、どうされましたグレイ様?確かにシュートスタジアムを凍結できなかったのは想定外ですが、それならば直接制圧すればよいだけのこと…」
「シュバルツ、プラズマフリゲートを上昇させろ。奴らを決して近づけるな!制圧部隊も準備しろ、シュートスタジアムを制圧する。プラズマ団の力を見せるのだ!指示はダークトリニティに任せてシュバルツ、ヴァイス、ラウラはここに残れ。いいな?」
「「「御意」」」
「承知いたしました」
「ラジャーです」
「了解だ」
ダークトリニティと三人の幹部に指示を伝え、モニターで無言で佇むレッドの様子を見て笑い、その手にリモコンの様な物を取り出すグレイ。
「…如何にレッドといえど、数には勝てないだろう…そうだ、そのはずだ……そろそろ出番だ、レジギガス。準備運動を終わらせさえすれば負けはない」
そう自分の考えに埋もれるあまり、ラウラがモニターを見て首を傾げていたことに気付くことはなかった。モニターに映る映像の端に映るジムチャレンジャーの中に、白い帽子を被りピンクのマフラーを身に着けた少女と、青いジャケットを着て帽子を被った少年がいたとは、夢にも思わなかったのだ。
「無事なのはここだけか…」
「ちっ、逃げたか…」
ユウリさんとダンデさん、赤い帽子の少年の尽力でシュートスタジアムは無事なようだが、シュートシティは凍り付いてしまったらしい。しかも、防がれてしまったためかプラズマフリゲートも上昇してスタジアム上空から離れてしまう。悔しげにダンデさんとユウリさんがそれを見上げていると、バトルコートにリーグスタッフが書類を手に急いでやって来て、何事かと注目が集まる。
「委員長!大変です!」
「どうした、なにがあった?」
「シュートシティに攻撃が始まったと同時に、ワイルドエリアに超巨大ポケモンが出現したとの報告が!」
「なんだって!?まさか、レジギガスか!?」
「聞いていた特徴と一致しているので間違いないかと!」
「控室で待機しているジムリーダーに言って、打ち合わせ通り迎え打つように伝えてくれ!」
「はい!」
超巨大ポケモン、レジギガス?それを聞いた途端、なにかに気付いた様にハッとするジュリさん。
「レジギガスって、たしかガラルのは…でも、なんでそれをプラズマ団が?お兄ちゃんは知らない筈だし、条件だって厳しくて偶然集まりでもしない限り見つかりもしないのに………まさか?」
「何かに気付いたんですか、ジュリさん?」
「うん、グレイって奴の正体が分かったかも。だとすると、お兄ちゃんが駄目だったなら私が止めないと!」
「どうしてそうなるんですか!?」
「待って。なにか、来るよ!」
プラズマフリゲートを見上げていたヨハルが切羽詰まった様な声を発して何事かと見上げると、様々な空を飛ぶポケモンに乗った凄い数のプラズマ団したっぱが次々とプラズマフリゲートから飛来。私達を囲む様に降りたり、観客席の逃げ道を塞ぐように降りたりするしたっぱたち。最後に降りてきたしたっぱじゃない三人は手にした紫色のボール、マスターボールを投擲して出てきた見たことない三匹のポケモンにそれぞれ搭乗、ユウリさんとダンデさんを囲む様に降りたった。
「プラズマ団…!」
「コバルオン、ビリジオン、テラキオンまで…これは間違いなさそうだな」
三匹のポケモンを知っているのか敵意向き出しのジュリさん。ポケモン達に乗った三人の忍者の様なプラズマ団はしたっぱを従える様に両手を広げて声を上げる。動こうにも観客を人質に取られたようなものなので動けない。それはユウリさんたちも同様だった。
「我等、ダークトリニティ!」
「グレイ様の
「この数、そして伝説ポケモン。さすがのチャンピオンといえどどうしようもあるまい!」
そう豪語するダークトリニティに、万事休すかと思われたその時。
「それはよくないんじゃないか?」
「観光に来たけど、この子を連れていてよかったよ」
ぐあああっ、と。観客席の方からプラズマ団の悲鳴が聞こえる。見てみれば、緑色の何かが纏わりついていたり、高速で動く赤い何かが目にも留まらぬ速度で攻撃したりと、何やらカオスになっていた。白い帽子を被った赤い服の少年と、ガラルでは珍しい軽装の少女がボールを手に立っていたが、一体…?横でやっぱりジュリさんが凄いことになってた。
「ジガルデセルにスピードフォルム…まさか!?」
「いい加減にして、ダークトリニティ!」
「フレア団と大差ない連中ね!」
「伝説ポケモン有してるぐらいでイキってるんじゃないぞ、おら!」
さらに、ジャローダに乗ったツインテールの少女、ゲッコウガにお姫様抱っこされている金髪の少女、デンリュウを連れた少年が観客席から降り立つと同時にダークトリニティを攻撃。さっきの観客席にいた二人もバトルコートに降り立った。どよめくプラズマ団。口を押さえて凄い顔のジュリさん。何が何だかわからない私達と異なり、安堵の表情を浮かべているユウリさんとダンデさん。
「レッドにヒビキにユウキにメイにセレナにミヅキ…!それに、チャレンジャーにはヒカリにトウヤまで…なにこれすごい…!?」
あ、ジュリさんがショートして放心している。…なにか、凄いことが起きているのは間違いないらしい。
大大大大大大集合。スロースタートをどうにかするためにわざと遠くから始動するレジギガス。
・ダフネ
もう何が起きているかよくわかってない主人公。そろそろ活躍させたい。
・ジュリ
限界オタクと化した転移者。とある事実に行きついた。
・ヨハル
どうにかしてヴァイスと戦えないかとプラズマフリゲートを見ていたら降りてくるプラズマ団に気付いた人。セレナとは顔見知り。
・ユウリ
チャンピオン仲間を観光に呼んだりして集めていたチャンピオン。チャレンジャーにレジェンドがいたとは聞いてない。
・ダンデ
レッド他、いろんな人間を捜して救援を求めていた委員長。ファイヤーと一戦交えた。
・グレイ
レッドに気を取られてもっとやばいことに気付いていないポンコツボス。レッドが怖いので空に退避してプラズマ団とレジギガスを嗾けるが…?
・レッド
伝説の男。赤い帽子の少年。シロガネ山の頂上に引き籠もっていたところ、ダンデに気付いてファイヤーから助けて報酬のバトル目当てにガラルまで来た。
・ヒビキ
カントー・ジョウト地方のチャンピオン。レッドに唯一勝利した男でダンデにレッドの居場所を伝えた。本人も観光客としてガラルまで来た。手持ちにデンリュウがいる。
・ユウキ
ホウエン地方のチャンピオン。隕石から世界を救った少年。カイオーガとレックウザとデオキシスを有している。観光客としてガラルまで来た。
・ヒカリ
シンオウ地方の元チャンピオン。観光ついでに推薦状を手に入れてジムチャレンジに参加していた。当然の様にセミファイナルトーナメントまで生き残ってる。
・トウヤ
イッシュ地方の元チャンピオン。真実の英雄。レシラムを連れている。プラズマ団の噂を聞いてガラルまで来て、推薦状を手に入れてジムチャレンジに参加して様子を窺っていた。グレイと因縁がある…?
・メイ
イッシュ地方のチャンピオン。ジャローダが相棒。ユウリに誘われ、観光客としてガラルに来た。プラズマ団と因縁がある。Nからとあるポケモンを譲り受けた。
・セレナ
カロス地方の元チャンピオン。ゲッコウガが相棒。観光客としてガラルに来ていた(完全な偶然)。掲示板によるとイベルタルを保有しているらしい。
・ミヅキ
アローラ地方のチャンピオン。ユウリの親友でユウリに呼ばれて観光客としてガラルに来ていた。ジガルデセルでプラズマ団したっぱを翻弄した。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。