ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今更スパイダーマン:スパイダーバースを借りて視聴しました。蟲ってやっぱりすごい。

今回はダフネVSシュバルツ。実は似た者同士だった二人の対決。楽しんでいただけると幸いです。


VSネンドール

「エアカッター」

 

「アーマルド、げんしのちから!」

 

 

 部屋全体にまとめて襲いかかる、ゲームのマップ兵器の様な攻撃を私も避けながら指示する。アーマルドは頑丈さが売りだ。あの威力のエアカッターでも耐えながら攻撃を叩き込むも、ひらりと避けられてしまう。あのクロバット、恐らくゴルバットが進化したポケモンなんだろうが、やはり強い。

 

 

「どうした、そんなものか!クロスポイズン!」

 

「シザークロス!」

 

「さらにクロスポイズンだ!」

 

 

 毒を纏った二枚の翼とアーマルドの両腕が鍔競り合っていると、残り二枚の翼でさらにクロスポイズンを腹部に叩き込むクロバット。そんな予想外の攻撃にアーマルドは悲鳴を上げ、膝をつく。不味い、戻さないと。

 

 

「交代、イオルブ!」

 

「飛んで火に入る夏の虫だ!エアカッター!」

 

「ミラーコート!」

 

 

 とんでもない威力と規模のエアカッターだが、それを利用する。鏡の膜で受け止めた攻撃を倍返しの光線として放ち、クロバットに直撃。あの時のリベンジ、果たさせてもらう!

 

 

「突進してさいみんじゅつ!」

 

「くろいきりで隠れろ!エアカッター!」

 

「上に避けてサイコキネシス!」

 

 

 近づいて至近距離のさいみんじゅつはくろいきりに紛れて避けられてしまうが、空に浮かんでエアカッターを回避しながら、ついでに私もエアカッターを横になって避けながら、サイコキネシスで地面に叩きつけて戦闘不能にするイオルブ。まずは一体。

 

 

「私のクロバットに勝つとは。なるほど、強いな。かつて完膚なきまでに倒した時とは大違いだ。何故そこまで強くなった?」

 

「8つのジムを親友二人と共に駆け抜けて旅をしてきました!以前の私じゃありませんよ!」

 

「だが私も、グレイ様の野望を、真のポケモン救済を果たすために負けられぬ!いでよ、ネンドール!」

 

「交代、グソクムシャ!であいがしらです!」

 

「すなあらし!」

 

 

 交代と同時に突撃するグソクムシャの一撃が、ネンドールを中心にドーム状に放たれた砂の壁で防がれる。部屋全体に吹き荒れるすなあらしだが、何かがおかしい。広がったすなあらしが、明らかな流れを持ってネンドールに集っていく。

 

 

「じんつうりき!」

 

 

 吹き荒れた砂が竜巻の様になって集中し、ネンドールを中心に部屋の天井近くまで巨大な砂の像ができあがる。それは、巨大なネンドールだった。過去に見た、ラウラさんとモコウさんVSムツキさんとキリエさんのガラルスタートーナメントで見たドリュウズ、そしてジムチャレンジ中に出会ったセイボリーさんのヤドキングを思い出すその巨体に、無意識に後ずさる。キリエさんはかつての最強のジムリーダー、セイボリーさんはエスパータイプのエキスパート。そんな二人が奥の手として使えるあれを使えるなんて、シュバルツの実力はそれに匹敵すると言うのか。

 

 

「でも、砂の塊ならば!アクアブレイクです!」

 

「腕を伸ばして叩き潰せ!」

 

 

 本来は短い砂像ネンドールの右腕が、伸びて攻撃。技ですらないそれとアクアブレイクが激突し、圧倒的な質量差に殴り飛ばされるグソクムシャ。さらに濡れて泥になり固まった部位は取り外して砂を集めて再生する砂像ネンドール。一部を濡らした程度じゃアレは崩せないのか。

 

 

「ならば、連続でアクアブレイク!」

 

「テレポート!叩き潰せ!」

 

 

 一気に崩そうと両腕に水を纏って突撃するグソクムシャだが、その巨体が掻き消えて盛大に空ぶる。その背後に姿を現す砂像ネンドール。その巨大な身体を横転させ、弾け飛んだ砂が津波となって私とグソクムシャを飲み込んだ。見れば、シュバルツの方には砂が一切来てない。じんつうりきで操ったのだろうか。

 

 

「もう一度じんつうりきだ」

 

 

 再びネンドールに集って形成されていく巨大な砂像に、口の中に入った砂を吐き出しながらどうしたものかと考える。グソクムシャのアクアブレイクでごり押す?いや、すぐ切り離されて砂を集めて回復されてじり貧だ。イオルブで似た様なことをする?いや、付け焼刃で勝てる程シュバルツは弱くない。メガヘラクロスで……どう考えても無理だ。体格が違いすぎる。砂の巨像なんてどうすれば……そうだ。

 

 

「ゲホッ、ゴホッ……水が駄目なら、掘り進むしかないでしょう!交代、クワガノン!」

 

「なにをしようと無駄だ!腕を伸ばして攻撃!」

 

「あなをほるです!」

 

 

 船の中だと使えないと思っていた技。それを、砂像ネンドールが伸ばした腕に突撃し、掘り進んでいくクワガノン。高速で全身を駆け巡り、結合を脆くしてその巨体を崩していく。いくら砂をかき集めようとも集めた側から崩していく。これなら、行ける!

 

 

「ふゆうだろうが当ててやる!だいちのちから!」

 

「むしのさざめきです!」

 

 

 砂像の巨体を地盤にしてマグマの様な光線を放つネンドール。その周りを回転しつつネンドールの本体目掛けて掘り進み、翅を羽ばたかせることにより発生する衝撃波を叩き込むクワガノン。砂の体を破壊しながら突撃し、ネンドールの体を大顎で挟み込んで砂像の背中から飛び出した。

 

 

「ネンドール!砂像で追いかけろ!」

 

「クワガノン、砂像を利用して!」

 

 

 ネンドールはじんつうりきで砂像の腕を動かして迎撃を計るが、クワガノンは方向転換。砂像の伸ばしてきた腕と、ネンドールを激突させた。ネンドールが戦闘不能になったのか、崩れ落ちてまた砂の津波と化す砂像は私とシュバルツを飲み込んだ。

 

 

「ぶはっ!やりましたね、クワガノン!」

 

「馬鹿な、全てのポケモンを救済するため鍛え上げた我らが力を越えるだと…!?」

 

「ポケモンを救済するため?どの口が言うんですか!ポケモントレーナーから無理やりにポケモンを奪って!好き勝手解放しては生態系を破壊して!モコウさんからレジエレキを奪って!レジギガスとかいう伝説ポケモンを操って!シュートシティを凍らせて!私達や観客を直接襲おうとして!ラウラさんを洗脳して!挙句の果てに、グレイは「世界の王になる」だという!これのどこが、救済なんですか!」

 

 

 そうなのだ。初遭遇の際、後から冷静になって思い返してみれば、このシュバルツと言う男のポケモン救済に対する熱意は本物だった。だけど、それならおかしいほどにプラズマ団としての活動が矛盾しているのだ。解放したポケモンを保護するでもなく野放しに野生に返し、生態系を破壊してむしろポケモンの迷惑になっている。こんなの、シュバルツのいう救済とは絶対違うはずなのだ。

 

 

「ぐっ……それは、グレイ様は……世界の王となり、全てのポケモンを解放させて救済すると…」

 

「そんなの、救済じゃありません!たくさんのポケモンが路頭に迷うだけです!あの男が世界の王になりたい、それだけじゃないですか!」

 

 

 私の言い分に強く言い返せないのか、口ごもるシュバルツに捲し立てる。あの時は私が悪いことをしていた自覚もあったから強く言い返せませんでしたが…正当性がない相手に、負けるつもりはない!

 

 

「…うるさい!私の信じた理想は、正しいもののはずだ!黙らせろ、ヨノワール!シャドーボール!」

 

「クワガノン、ほうでん!」

 

 

 シャドーボールと電撃が激突、大爆発を起こす。その爆煙の中から飛び出してクワガノンの大顎を掴み、上空に舞い上がるヨノワール。

 

 

「ぶん投げろヨノワール!じゅうりょく!」

 

「ねばねばネット!」

 

 

 顎を掴んで真下に放り投げると同時にじゅうりょくを使用、私が膝をつくぐらいの重力が発生し、高速で叩きつけられようとしていたクワガノンだったがねばねばネットを飛ばしてヨノワールの腹部を引っ張り、一緒に地面に叩きつけられる。ダブルノックアウトだ。

 

 

「負けませんよ……自分に嘘をついている、かつての私の様な人間にだけは!」




主人公強過ぎ問題。二話で分けるつもりが一話で三匹倒しちゃったよ…

・ダフネ
最初に出会った時のシュバルツの言葉と、プラズマ団の活動の違いに違和感を感じていた主人公。結論として、かつての自分と同じ「自分を騙して頑張りすぎている」と判断。クワガノンもアーマルドも戻ってきたこともあって、怒りではなく責任として戦う。

・シュバルツ
根っからのポケモン救済主義者な新生プラズマ団の幹部で、キリエと似た様な事ができる実力者。根っからの白ズマ団ともいえる。ヴァイスとは正反対の人格者で、盲目的にグレイの理想を信じて付き従ってきた。奪ったポケモンを保護するのではなく即解放するやり方には疑問を持っており、グレイへの不信感とグレイへの忠義がせめぎ合っている。手持ちはクロバット、ネンドール、ヨノワール、シャンデラと「黒」のポケモンばかり。トレーナーとポケモンと言う関係ではなく、共にポケモン救済を目指す共犯者と言う間柄。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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