ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

159 / 179
どうも、放仮ごです。シャンデラといえばポッ拳を思い出す、蟲ポケモン程じゃないけど好きなポケモンです。なら必然的にこうなるよね。

今回はダフネVSシュバルツ決着。強くなったダフネは最強のシャンデラに勝てるのか。楽しんでいただけると幸いです。


VSシャンデラ

 ヨノワールが発動した重力が発動したままであり、増加した重力に片膝をつく。シュバルツは私みたいに片膝つくことなく両の脚で立っていたが、苦しげな表情だ。それはきっと、重力だけのせいじゃないだろうことは想像も容易い。

 

 

「グレイ様への忠義のため、大義を果たすため!焼き尽くせ、シャンデラ!」

 

「っ…イオルブ!」

 

 

 不味い。最後の手持ちは以前使ってたランプラーが進化したであろうシャンデラ。その火力は頭がおかしいの一言に尽きる。あの場にいたグソクムシャとメガライボルトを一撃で戦闘不能にしたあの火力は侮れない。ランプラーの時点でアレなのだ。進化した今、どれほどか未知数だ。

 

 

「シャドーボール!」

 

「サイコキネシス!」

 

 

 頭上に巨大な暗黒の球体を形成し、飛ばしてくるシャンデラ。イオルブは念動力で受け止めようとするが耐え切れず、押し潰される。効果抜群とはいえ一撃で潰されてしまった。目を回すイオルブに、シュバルツの意地を垣間見る。倒すしか、ない。ここで、負けるわけには!残る手持ちはグソクムシャ、アーマルド、アブリボン、ヘラクロス。そのうちグソクムシャは少なくないダメージを受け、アーマルドに至ってはほぼ瀕死だ。有利なタイプの二体が全快でないのは不味い。

 

 

「ポケモンを出さぬなら覚悟しろ、マジカルフレイムだ!」

 

「くっ…少しは待ってくれてもいいんじゃないでしょうか!」

 

 

 だけど、私にも向けて炎を放ってくるので回復させる隙がない。とりあえずアーマルドを繰り出して耐えてもらう。少しでも削りたい。隙があれば…!

 

 

「まもる!」

 

「防ぎきれると思ったか?ほのおのうず!」

 

「くっ…アーマルド!まもる!」

 

 

 文字通りのほのおのうず、炎の大竜巻がアーマルドを飲み込んだ。灼熱の業火がアーマルドを燃やし尽くす。奇跡的に連続で発動できたまもるで防げているが、ほのおのうずは時間が経つごとに勢いを増して威力も倍増。まもるの光のドームさえひびが入り、砕け散ってしまう。

 

 

「しおみず!」

 

「今更遅いわ!」

 

「前方右斜めにげんしのちから!」

 

 

 しおみずで消火しようにももう止められないほど勢いを増し、ならばと最後の一撃を指示。炎の大竜巻の中からいわが飛び出してきてシャンデラを襲うも、シャンデラは右手(?)を動かしてチョップで破壊したかと思えば一回転。残りの岩も纏めて粉砕してしまう。そんなのありですか!?

 

 

「っ、交代…アブリボン!シャンデラってそんな動けたんですか…」

 

「我がシャンデラはただのシャンデラに非ず!ポケモン救済がため、強くなるためにフェルム地方に赴きポッ拳をランプラーの頃から行って鍛え上げた自慢のシャンデラだ!」

 

「ポッ拳…だからあんなに火力が!?」

 

「短期間でどれだけ強くなろうと、鍛え方が違うぞ!れんごく!」

 

「アブリボン、空に逃げなさい!しびれごな!」

 

 

 放たれた炎の津波を、空中に飛ばせて回避。私は炎の余波を受けて吹き飛ばされそうになるがなんとか耐え凌ぎ、指示を出す。しかし素早い動きでしびれごなを回避するシャンデラ。普通のポケモンの動きじゃない。ポッ拳、ただのポケモンバトルとは違うとは聞いてましたがここまで動きが違うんですか!

 

 

「捕らえろ!ほのおのうず!」

 

「マジカルシャイン!」

 

 

 再び放たれる炎の大竜巻。アブリボンは吸い込まれそうになりながらもその横を抜けて至近距離からきらめく光を叩き込むが、左腕(?)に殴り飛ばされて炎の大竜巻の中に突っ込まれ、戦闘不能となってしまう。強すぎる。他のシュバルツの手持ちとは文字通り格が違う。シュバルツがどれだけポケモン救済のために頑張って来たのか分かるポケモンだ。それでも、負けられない。残り二体だが、負けられるはずがない!

 

 

「行きます!ヘラクロス!メガシンカ!」

 

 

 メガペンダントを握りしめ、繰り出したヘラクロスをメガシンカ。メガヘラクロスに変貌させて、構える。心を一つに!

 

 

「ロックブラスト!」

 

「無駄だ!弾き返してマジカルフレイム!」

 

 

 放ったロックブラストは簡単に弾かれてあらぬ方向に吹き飛び、放たれた円形に陣を組む火炎弾を横に避けるメガヘラクロス。そのまま突撃するが、それを許さないシュバルツではない。

 

 

「近づけるな!ほのおのうず!れんごく!シャドーボール!マジカルフレイム!」

 

 

 腕から蒸気を噴出し、高速で突撃するメガヘラクロスに向けて放たれる、炎の大竜巻、炎の大津波、隕石の様な巨大な暗黒の球体、円形に陣を組んで放たれる火炎弾。

 

 

「右です!上!ブレーキ!左、そこです!」

 

 

 炎の大竜巻は大きく右に蒸気の噴出で回避、炎の津波は両腕の噴出孔を床に向けて蒸気を勢いよく噴射して急上昇して回避、そこでブレーキして暗黒の球体を外させて、円形に陣を組んだ火炎弾は左に蒸気を噴出させて大きく左回りに回避したメガヘラクロスは、そのまま左側からシャンデラに襲いかかる。

 

 

「メガホーン!」

 

「弾き返せ!」

 

 

 シャンデラの振るった左腕と、メガヘラクロスの角と交差。大きく弾かれて、シャンデラの目前に投げ出されるメガヘラクロス。明らかに大きな隙だった。

 

 

「ほのおのうず!」

 

「インファイトで突き破って!」

 

「なんだと!?」

 

 

 インファイト。ゴーストタイプであるシャンデラには効果なしで擦り抜けてしまう技。だからそれを利用する。インファイトの勢いでシャンデラ目掛けて突撃したメガヘラクロスは炎の大竜巻から抜け出し、そのままシャンデラを擦り抜けて後ろに飛び出し、蒸気を噴出して急ブレーキしてぴったり後ろを取った。

 

 

「この距離なら腕で弾くこともできない(バリアは張れない)でしょう!ヘラクロス、ロックブラスト!」

 

「シャンデラ、れんごく!」

 

 

 岩石弾を連続で受けながら、炎の大津波を放つシャンデラ。メガヘラクロスは押し流されて、それでもロックブラストを撃ち続ける。

 

 

「ヘラクロス!負けないでください!勝って、お願い!」

 

「シャンデラ!負けるな!勝って示せ!我々の正義を!」

 

 

 シュバルツと同時に絶叫し、そして。メガヘラクロスはロックブラストを撃ち続けたまま炎の津波に押し流されて壁に激突して戦闘不能。メガシンカが解けて、それでも立ったまま戦闘不能となった。立ち往生…私の意に応えてくれたのか。

 

 

「残り一体…どんな蟲ポケモンだろうが我がシャンデラの炎が、やられる前に焼き尽くす!」

 

「…いえ。体力をギリギリまで削ってくれた時点で私の勝ちです」

 

「なんだと?」

 

 

 ヘラクロスをボールに戻し、最後のネットボールを取り出す。兄さん、力を貸してください!

 

 

「グソクムシャ!であいがしらしながらアクアブレイク!」

 

「…なん………だと……?」

 

 

 最速の一撃が。水を纏って放たれる。あまりの速さに反応できなかったシャンデラを殴り飛ばし、天井に叩きつけてシャンデリアの様にして、シャンデラは天井に突き刺さってそのまま戦闘不能になったようだった。見れば、シュバルツは呆然とその光景を見上げつつ、憑き物の落ちた様な顔でこちらに向き直った。

 

 

「……負けたか。大義があれば負けぬ戦いに負けた以上、これが真実なのだろうな」

 

「最後の猛攻は凄かったです。貴方の思いは分かりました。だけど、そのやり方は明らかに…」

 

「薄々分かっていた。グレイ様はポケモンの救済のために動いていないと。分かっていながら、私は私の忠誠が崩れるのを恐れたのだ。私の夢が、悲願が、達成できるかもと言う希望に縋りたかった。ただそれだけなんだ。……だが、そうだな。グレイ様が王になれば全てのポケモンが路頭に迷うことになる。それは駄目だ」

 

「では…!」

 

 

 頷くシュバルツは軍帽を外して、熱意の籠った目を私に向けた。

 

 

「真意を直接聞きたい、私も行こう。…このすぐ隣の部屋が回復部屋だ。お前も回復を……名は、なんていう?」

 

「ダフネです。バウタウンのダフネ」

 

「そうか、ダフネ。この私、シュバルツも共に戦わせてくれ」

 

「はい、喜んで!」

 

 

 頼もしい戦力を味方にして。私達はとりあえず回復部屋へ向かうのだった。




※知らない人のための補足・フェルム地方:ポッ拳の舞台。今作の世界線だとどんなポケモンでも試合ができる。

・ダフネ
かつて強さを求め「普通」を求めた主人公。そうして手に入れたのは仲間との絆と言う、限りなく普通ともいえる強さだった。シュバルツと和解する。

・シュバルツ
わざわざポッ拳で鍛えるほどポケモン救済に全てを捧げていたプラズマ団の幹部。敗北し、ただ一人の男のシュバルツとしてグレイに直談判すべくダフネと共に戦うことを選ぶ。その結末は…?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。