今回はグレイVSジュリ。一人ラスボスに挑むジュリの奮闘や如何に。楽しんでいただけると幸いです。
怒りのままに、ブルンゲルと共にグレイとメタグロスに立ち向かう。曲りなりにプラズマ団のボスだ。それも転生者と来たら、前世のポケモン知識でお兄ちゃん並に強い可能性がある!ストーリー勢の私じゃ勝ち目がない!だから、いつも通り小手先で何とかする!
「叩き潰せメタグロス。メガシンカだ」
右拳を掲げると、その指にはめられた指輪型のメガリングが光り輝き、メタグロスの持つメタグロスナイトと繋がって光の繭に包まれて罅割れ、現れたのはメガメタグロス。ホウエン地方の元チャンピオン・ダイゴも使っていた強力なメガシンカポケモンだ。でもやることは変わらない。
「みずのはどう!」
「アームハンマー」
混乱させるべくみずのはどうを形成するが、文字通り叩き潰されて水の弾が破裂。辺り一帯びしょ濡れになる。完全に物理らしい。分かりやすい。
「動くな。サイコキネシス」
「ブルンゲル!シャドーボール!」
「コメットパンチだ」
ブルンゲルが空中で縫い止められ、それでもとシャドーボールを放つも拳の一撃で粉砕、そのまま手痛い一撃をもらう。よく鍛えられている、強い。なんでプラズマ団のボスなんかやってるんだろ。
「じこさいせい!」
「たたみかけろ。バレットパンチ。コメットパンチ」
じこさいせいで回復を試みるも、四本の腕でタコ殴りにされる。相性はいいのに、相性の良さを活かしきれない!ブルンゲルの切札はここで使うべきじゃない。
「交代、ゴルーグ!」
「ほう?」
「そのメタグロスに、ゴルーグと相性のいい技はないでしょ!シャドーパンチ!」
「それもそうだな。交代だ。私の最初のポケモン、ゼブライカ」
「え?」
相性が悪いと見たのか、グレイがマスターボールから繰り出したのはゼブライカ。シャドーパンチが炸裂したがあまり効いてないから強いポケモンなのだろう。確かに白黒で名前のグレイと合っているけど、ゴルーグのタイプを知らないの?
「じだんだ!」
「ナイトバーストだ」
じめんタイプの一撃で倒そうと試みると、ゼブライカから暗黒の波動が放たれ、ゴルーグが崩れ落ちる。そのゼブライカ、まさか…ゼブライカじゃ、ない?シャドーパンチが効かなかったのは、相性が悪かったからか。
「ゾロアーク…!」
「そうとも。ゼブライカが私の最初のポケモンなのは事実だがな。交代、ゼブライカ」
そう言ってマスターボールにゼブライカを戻し、今度はモンスターボールでゼブライカを出してきた。ボールを見れば偽物かどうか判別できそうだな。
「ラウラもゾロアークに負けたよ。ジュリ…だったか?お前は前世でラウラと兄妹だったらしいな。ゾロアークに騙されるところはよく似ている。顔と同様な」
「そうだよね。騙しでもしないと、アンタみたいなのがお兄ちゃんに勝てるわけないもんね。お願い、ゲンガー」
「…なんだと?」
煽りながらゲンガーを出してメガリングを構えると、癪に障ったのか睨んでくるグレイ。沸点低いな。
「消し飛ばせ、ワイルドボルト!」
「メガシンカ!シャドーボール!」
電撃を纏って突撃してくるゼブライカと、メガシンカして右手にシャドーボールを握って直接ぶつけるメガゲンガー。共に弾け飛び、距離を取るがゼブライカが駆け回ってメガゲンガーを翻弄する。
「ニトロチャージ」
「ヘドロばくだん!」
炎を纏い突撃してくるゼブライカに、当たる直前に口から毒の塊を飛ばして迎撃。吹き飛ぶゼブライカと、それにとどめを刺さんと追従するメガゲンガー。
「シャドーボール!」
「ボルトチェンジだ」
シャドーボールが直撃する寸前、メガゲンガーに電撃を当ててボールに戻って行くゼブライカ。代わりにマスターボールから出たのは、馬の様な剣士のポケモン。確かにガラルに出ることは知っているし、条件である三匹もダークトリニティが持っていたけど!主人公が手に入れるはずのポケモンを横取りにするのは本当にずるいな!
「ケルディオ。めいそう」
シャドーボールを受け止めたのは、かくごのすがたのケルディオ。専用技のしんぴのつるぎはかくとうタイプの技だから通用こそしないが、コバルオン・テラキオン・ビリジオンの三剣士の弟子にして幻のポケモンであるそのスペックは相当なものだ。
「ハイドロポンプ」
背後を向いて後ろ脚を向け、足の裏から凄まじい水流を放つケルディオ。めいそうも積まれたその威力は容易くメガゲンガーを押し流す。一度混乱させて…!
「ちょうはつ」
「あやしいひかり…っ!?」
「メガゲンガーと言えば恐ろしいのはほろびのうただ。それを封じるためのケルディオだ」
「技はしんぴのつるぎ、ハイドロポンプ、めいそう、ちょうはつ…中々常人じゃ考えない構成だね」
「俺は天才だからな。前世の知識とこの頭脳を合わせればポケモンバトルでは負けなしだ」
コンコン、と拳で自分の頭を軽く小突きながら笑うグレイと、そのグレイに従うケルディオ。マスターボールとはいえこんな悪人に正義のポケモンが付き従うとは…
「本当に羨ましいことで!このまま倒す!シャドーボール!」
「ところで。ポケットモンスタースペシャルという漫画を知っているか。めいそう」
めいそうでシャドーボールを受け止めつつ、そう尋ねてくるグレイ。思わず首を傾げる。いや、知ってるしなんならBW2編までしか知らないお兄ちゃんが読んだことないXY編~剣盾編の途中までも買ってたけど。
「2章のグリーンのストライク。鍛えればゴーストポケモンだろうが斬ることができると言う」
「それがなに…まさか?」
「このケルディオも、その域に達しているポケモンと言う事だ。しんぴのつるぎ」
ズバン、と。メガゲンガーが真っ二つにされ、戦闘不能となるのを見て慌ててボールに戻す。いくらゴーストタイプでも今のはやばい。げんきのかけらを……
「次のポケモンを出さないのか?ハイドロポンプ」
「がああっ!?」
ハイドロポンプを受け、壁まで吹き飛ばされる。どっかの骨が折れた。頭のてっぺんからつま先までびしょ濡れだ。この激痛はやばい。相手は悪人だということを忘れてた。次のポケモンを出すまで律儀に待つわけがなかった。
「お願い、ダダリン…!」
痛みを堪えて、ダダリンを繰り出す。こちらは二体もやられてるのに、まだグレイのポケモンは一体も倒せていない。地味に立ち回りが上手い。メガメタグロスも、ゾロアークも、ゼブライカも、ケルディオも、明らかにこちらが有利な戦いのはずなのにあの手この手で逃れられ、ゴルーグとメガゲンガーというこちらの主力を倒されてしまった。なんとか一匹だけでも倒したい。
「パワーウィップ!」
「しんぴのつるぎ」
「アンカーショット!」
「ハイドロポンプ」
長く伸びた藻の一撃を、角から長く伸びた光の剣で斬り払うケルディオ。ならばと射出した錨に繋がった鎖を伸ばしてケルディオの両前足を拘束するも、後ろ足からの水流で空に逃げられ、ダダリンが逆に引っ張られる。そこで疑問が浮かんだ。バトル中に聞く事じゃないとは思うけど、どうしても聞きたくなったのだ。
「…ねえ、グレイ」
「なんだ?私の部下になる気になったか?」
「そんなわけがない。ただ一つ聞きたい。せっかくポケモンの世界に転生して、それもこんなに強いのに、なんでプラズマ団のボスなんかやってるの?」
「………俺だって」
聞きたいことを尋ねるとブルブルと震え出し、一人称が変わるグレイ。その目には怒りが宿っていた。ヤバい、怒らせた。
「俺だってなあ!サンヨウシティに生まれて、ポケモンの世界を冒険して、悪の組織を倒して!チャンピオンになりたかったさ!だけどな!俺達には絶対に越えられない存在がいたんだ!」
「…サンヨウシティ…イッシュ…もしかして、トウヤさんに負けた、とか?」
「ただ負けただけじゃない。考えうる限りの最強のメンバーで、全力で挑んで、それで一方的に敗北して、「弱い」の一言だ!あれほどの屈辱があるか!主人公には勝てないと思い知らされた。だから決めたんだ。俺が王になって見返してやると。チャンピオンよりも上、この世界の頂点にどんな手を使おうが成り上がってやるとな。だから、原作知識を使って先回りして…こいつを手に入れた」
そう言って取りだしたマスターボールから繰り出されたのは、凍てつく冷気を放つドラゴンポケモン、キュレム。本来ならBW2の主人公…メイさんがストーリークリア後に手に入れるはずの…ってまさか、BW2のストーリーが終わった時を見計らって横取りしたのか。
「決めたぞ。私の革命をそこで見届けろ。俺の隣には同じく主人公に敗れたラウラがふさわしいと思っていたが、お前は俺を怒らせた。キュレム。加減してやれ、こごえるせかい」
「っ…!?」
キュレムから放たれる冷気の渦に、私は、なすすべもなかった。
原作主人公に対する挫折が原因。ユウリに負けても挫折せずに別の形で目的を遂げたラウラとは対照的な、「挫折し悪堕ちした主人公」がグレイです。
・ジュリ
奮闘はしたけどグレイの伝説や幻でもないポケモン相手でも大苦戦に強いられた転移者。ストーリー勢には荷が重い。ポケスペはBW2編が休止していた間のXY編、ORAS編、SM編、剣盾編もコミックを買って読んでる。ちなみにラウラはネタバレ嫌いなのでBW2編までしか読んでない。ケルディオの攻撃を受けて骨が折れた挙句、グレイを怒らせてしまいこごえるせかいを受けて…?
・グレイ
プラズマ団のボスにして、挫折した主人公ともいえる人物。サンヨウシティ出身で最初のポケモンは普通にモンスターボールでゲットしたシママ。真っ当にチャンピオンを目指している頃はマスターボールは使わずに普通のボールでゲットしていた。
しかしトウヤと戦い、完全敗北した挙句に侮辱されて何かが切れてしまい、手段を選ばずチャンピオン以上の存在である「世界の王」を目指す外道となった。自らの活動を「革命」と呼ぶ。ポケモントレーナーや組織のボスとしての能力的には最高峰の人物。ただ根っからの凡人である故に粗が目立つ。
手持ちはメタグロス、ゾロアーク、ゼブライカ、ケルディオ、キュレムとあと一匹。マスターボール六つを使ったのは、キュレム(イッシュ)、ゾロアーク(イッシュ)、ケルディオ(ガラル)、コバルオン(ガラル)、ビリジオン(ガラル)、テラキオン(ガラル)。
・トウヤ
イッシュの元チャンピオンにしてポケモンBWの主人公。真っ当にチャンピオンを目指していたグレイをボコボコにして悪堕ちさせた張本人。「弱い」と言ったその真意は…?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。