ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。最近バイオ共々午前中に投稿できて午後は趣味に費やせるので結構充実した日々を送ってます。

今回は落ちるプラズマフリゲートをどうにか止めようと奮闘するダフネたち。楽しんでいただけると幸いです。


VSメガカイロス

 グレイとの戦いに決着がついたその頃、地上では。爆発と共に落下してくるプラズマフリゲートに大パニックに陥ったシュートスタジアムの観客を、凍り付いたシュートシティへ逃がすわけにもいかないので何とか宥めるサタリアとダンデ。ジムリーダーが引き払い、チャンピオンもプラズマフリゲートに向かった今、動けるのは彼等彼女たちだけだった。

 

 

「くっ…一体上では何が起こったというんだ?」

 

 

 徐々に落下してくるプラズマフリゲートを見上げるダンデ。その視線の先では、奮闘するトレーナーとポケモン達がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとか、止めないと…ゴルーグ!」

 

「頑張れ、ムゲンダイナ!」

 

「頼む、レシラム!」

 

 

 メガシンカした蟲ポケモン三匹と共にそれぞれ空を飛べる大型ポケモンで落下を止めようと試みる三人のトレーナー。ゴルーグに乗ったジュリ、ムゲンダイナに乗ったユウリ、レシラムに乗ったトウヤだ。

 

 

「止まって、止まって!」

 

「こんなの落ちたら、ちょっとした隕石ぐらいはあるよ!」

 

「隕石を壊した英雄様が下にいるはずだが期待できそうにないな!」

 

 

 超巨大隕石を破壊した英雄、ユウキは現在レジギガスとの戦いで消耗しており、そもそもワイルドエリアなのでシュートシティまで戻っている間にプラズマフリゲートは落下するだろう。自らも船頭に手を突き出し、持ち上げようとするジュリたち三人。しかしそれでもビクともせず、落下は止まらない。

 

 

「皆さん!」

 

 

 するとそこに、クワガノンを背中に引っ付けたダフネがやってくる。明らかに疲労困憊状態だが、それでもメガシンカした蟲ポケモン達に指示をするべく来たらしい。

 

 

「今ヨハルが操縦室に行って船首を持ち上げようとしています!私達も、押し上げねば!ヘラクロス、インファイト!ハッサム、バレットパンチ!カイロス、ばかぢから!」

 

 

 わざを指示して押し上げるだけではなく、メガヘラクロスは拳の猛乱打、メガハッサムは素早い拳を打ち付け、メガカイロスはそのまま渾身の力で踏ん張り、少しでも船首を上げようと試みるダフネに、他の面々も続く。

 

 

「そうか、技で押し上げればいいんだ!ゴルーグ、ばくれつパンチ!」

 

「ムゲンダイナ!下に向けてダイマックスほう!」

 

「レシラムもだ!下に向けてあおいほのお!」

 

 

 ジュリはゴルーグに強烈な拳を打ち付けさせて、ユウリとトウヤはムゲンダイナとレシラムに下に向けて攻撃を放った反動で持ち上げようとする。さらにどこからか飛んできたマッシブーンも加わる。少しだけ、船首が上にずれた。彼女たちだけでなく、ヨハルとシュバルツに説得された操縦室のプラズマ団したっぱも頑張っている成果である。しかし落下は止まらなかった。

 

 

 

 

 

 

 ちょうどその頃、玉座の間にデンチュラの糸で簀巻きにしたグレイを張り付け、ゲノセクトに乗ってシュートシティに向かうラウラ。単体で空を飛べるマッシブーンをダフネたちの援助に向かわせながら、本人がプラズマフリゲートの落下するであろうシュートシティに向かったのは、一つ策を思いついたからだ。

 

 

「デンチュラ、お前の力にかかってる!俺の相棒ならできるよな!いとをはくだ!」

 

 

 

 ゲノセクトの下面に引っ付いたデンチュラが頷くと、ゲノセクトに指示してシュートスタジアムに向かったラウラは、その外壁にデンチュラの伸ばした糸を張り付けた。幾重にも、頑丈にだ。

 

 

「次だ、バトルタワー!」

 

 

 その次に向かったのはバトルタワー。同じように幾重に頑丈に糸を繋げ、さらに次々とシュートシティの各地に移動していくラウラ。そして出来上がったのは、シュートシティ全体に広がる巨大な蜘蛛の巣。この巨大なネットで受け止める算段だったがしかし、見上げて気付く。

 

 

「落ちてくるスピード的に耐え切れないか……?クソッ!何か手は…そうだ、あの人なら!」

 

 

 スマホロトムを取り出し、連絡を入れるラウラ。その先は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、ラウラ!無事だったか!」

 

≪「今はそんなことよりも上空の船だ、ダンデさん!巨大な蜘蛛の巣を張ってはみたがあの速度じゃ耐え切れない!このままじゃとんでもない被害になるぞ!」≫

 

 

 ラウラが電話をかけたのは、シュートスタジアムにいるダンデだった。無事だったことを喜ぶダンデに、現状の危険を伝えるラウラ。

 

 

「なに!?…いや、どうすればいい?君が俺に電話をかけてきたということは策があるんだろう?」

 

≪「さすがダンデさんだ、話が分かる!ダイジェットだ!二体分のダイジェットの風圧で船を押し上げれば!」≫

 

「なるほどな!よしわかった、こちらは任せてくれ!サタリア!君も手伝ってくれ!」

 

「はえ!?わ、私ですか!?」

 

 

 ダンデが話しかけたのは、近くで避難誘導していたジムチャレンジャーの一人であるサタリア。サタリアは遠い存在だと思っていたポケモンリーグ委員長に話しかけられたことであたふたすることになった。

 

 

「たしか、エモンガがいただろう!俺のリザードンと一緒にダイジェットをさせるんだ!」

 

「な、なんでリーグ委員長が私なんかの手持ちを…?」

 

「ガラルを盛り上げてくれるチャレンジャーたちだ!君達の情報は逐一チェックしているとも!」

 

「わ、私で頑張れるなら…やります!この場にいないモコウさんの分まで、みんなを守る!」

 

「いいガッツだ!行くぜ!タワーオーナータイムだ!」

 

 

 スタジアムコートの選手の立ち位置にそれぞれ移動して、リザードンとエモンガを繰り出す。何が始まるのかと、パニックが収まって見守る観客たち。

 

 

「リザードン!キョダイマックスタイムだ!」

 

「エモンガ、初めてのダイマックス!行くよ!」

 

 

 ダイマックスバンドからエネルギーを溢れださせ、キョダイマックスを果たしたリザードンと、ダイマックスしたエモンガが向かい合い、頷いて。共に、落ちてくるプラズマフリゲートに向き直る。

 

 

「「ダイジェット!」」

 

 

 そして地上からの暴風で、プラズマフリゲートの落下速度を落とさんとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、プラズマフリゲートを持ち上げんとするジュリたちは、規格外な風に煽られて余裕ができたことで、地上の有り様を見ることとなった。

 

 

「これは…!?」

 

「ダンデさん!ダイジェットで押し上げてるんだ!」

 

「それに、あの蜘蛛の巣はラウラかな!?あそこに落とせば…!」

 

「これなら行けるぞ…!」

 

 

 4人がかり、8ポケモンがかりで力の限り押し上げる。蟲だろうがゴーストだろうが伝説だろうがウルトラビーストだろうが人間だろうが関係ない。災害を止めるべく、全員が奮闘を見せた。

 

 

「悪い、遅れた!」

 

 

 そこに、遅れてやってきたラウラとゲノセクトも加わった。主人の登場でマッシブーンもパワーアップ。風のあおりも受けて、緩やかに落ちて行き、そして。無事、蜘蛛の巣に引っ掛かることで落下を止めることに成功したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…馬鹿な、止まっただと…?これが、ポケモンとの信頼の力だと言うのか…ありえん」

 

 

 それから、誰もいなくなった玉座の間に1人簀巻き状態で放置されたグレイの元に、1人の少年がやってくる。トウヤだった。

 

 

「ありえなくないさ。これが、人間とポケモンの信頼や絆が生む力だ」

 

「…俺を笑いに来たのか?トウヤ。だが俺は貴様に勝利したぞ!もう、弱いなどという寝言は言わせん!そうだ、俺は、お前より強くなった!あの時の様な無様な戦いはもう二度と…!」

 

「…無様じゃなかったよ。あの時の俺は、楽しかった」

 

「…なに?」

 

 

 衝撃の告白に、思わず固まるグレイ。トウヤは続ける。

 

 

「あの時、俺はお前とのバトルが楽しかった。ジムリーダーやチェレンやN以外にも、こんな戦い方をする奴がいるだなんて、なんて感心した記憶がある。だけどな、ギリギリ一匹も落とされずに勝って、辛勝して。一つ引っかかった。だからこう言ったんだ」

 

「弱い、だろ?覚えているぞ」

 

「いいや、それは勘違いだ。覚えているよ。こう言った。【最後の、ゼブライカを信じてワイルドボルトを撃つべきだったと思う。手持ちへの信頼が弱いな(・・・)…もう少し、ポケモンを信じるべきじゃないか?】」

 

「…なん、だって?」

 

 信じられない様に、縋るように見つめるグレイに、トウヤは首を振って。

 

 

「お前の戦い方は論理的で、ポケモンへの信頼を感じなかった。だけど、俺はお前を弱いだなんて、一度も思わなかったよ」

 

「そんな……俺は、なんのために……はは、ははは…憧れた男にとっくに認められていただなんて…なんて、皮肉だ……」

 

 

 自分が強いと信じて疑わなかったからこそ、憧れた男から弱いなんて言葉をかけられるなんて思わなくて歪むくらいひねくれていた男の凶行は、こうして幕を閉じるのだった。




憧れとは理解よりもっとも遠い感情である。

・ダフネ
辛い体に鞭打って指示するために駆けつけた主人公。ラウラを真似して背中にクワガノンを装着するスタイルを得た。

・ラウラ
直接は止められないと判断して巨大蜘蛛の巣を凍り付いたシュートシティに形成した元主人公。ダンデにも指示するなど、今回一番の立役者。

・ユウリ
ムゲンダイナと共に奮闘したチャンピオン。やっぱりラウラは頼りになるなあ。

・ジュリ
ゴルーグと共に奮闘した転移者。氷漬けの後に天高い空で風に煽られたから寒くて死にそう。

・ヨハル
影の立役者な二重人格。治療して目覚めたシュバルツと共に、ヴァイスを背負いながら操縦席に向かってプラズマ団したっぱを説得した。

・トウヤ
BWの主人公。ある意味全ての元凶。グレイを認めていた上でアドバイスのつもりで言った言葉が、グレイと言う悪を生み出す結果となった。

・グレイ
憧れた男に心無い言葉を言われたと思い込んで壊れてしまった、まさに悪堕ちした主人公。元々はラウラと似た戦闘スタイルを取っていた。
モデルは仮面ライダージオウのスウォルツ(全てを利用して王になろうとした男)、ティード(見切り発車・洗脳・小物)、フィーニス(最強厨)、常盤SOUGO(王になることで世界をひっくり返そうとした)、加古川飛流(勘違いで主人公を恨み堕ちるところまで堕ちた男)と、ジオウと敵対したラスボス格達です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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