ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回はセミファイナルトーナメント前の一幕となります。

主要チャレンジャー全員集合。楽しんでいただけると幸いです。


セミファイナルトーナメントの章
VSライボルト


 キバナ戦から数日。雪道を越え、シュートシティに辿り着いて目指すのは、アイツが待ってるはずのシュートスタジアム。辿り付いてまず感じたのは、やっぱりアイツは人目につくなあ、だった。

 

 

「待ちわびたぞ、ラウラよ!」

 

「悪かったなモコウ。ちょっと二回ほど敗北してな」

 

「テレビで見たが奇策に磨きがかかっているな!これは手強いライバルだと我はワクワクしていたのだぞ!」

 

 

 そう言って駆け寄ってきたのは雷の様な金髪ツインテールにゴスロリを着たでんきつかい、モコウ。傍らにライボルトを連れていて、その格好からか周りの人間からは遠巻きに珍しいものを見るような目で見つめられている。…デンチュラを傍らに連れている俺にも向けられているな。どうだかわいかろう自慢の相棒だぞ。

 

 

「あ、ラウラ!今来たんだ、おつかれ!ラウラとのバトルを経てここまで来れたよ、ありがとう!」

 

「お前ほどのジムチャレンジャーならここに辿り着くと信じていたぞ!お互い頑張ろうな!」

 

「お、おう。お前ら幼馴染二人は元気だな」

 

 

 シュートスタジアムから出て来たユウリとホップが俺に気付いて駆け寄ってきたので、笑顔で返す。ユウリだけでなくホップにまで先を越されていたか。やっぱり才能溢れるトレーナーなんだろうな。あ、マリィもきた。

 

 

「兄貴に苦戦してたみたいだけど、さすがだね。あっさりキバナを越えて来ちゃうなんて」

 

「マリィも無事ここまでこれてよかったよ。俺の教えは役に立ったみたいだな」

 

「うん、おかげでラテラルジムは比較的簡単に越えることができたと」

 

「お?お?ライバルに塩を送っていたのか?余裕だな!」

 

「うるさいモコウ、つい教えてしまったんだよ」

 

「私もラウラと何度か戦ったからどう戦えばいいか決めれたよ」

 

「俺もラウラの言葉で立ち直れたんだぞ!」

 

「…ラウラよ、お前何度敵に塩を送れば気がすむのだ?」

 

 

 マリィに続くユウリとホップの言葉にモコウがジト目で睨んでくる。そんなつもりじゃなかったんや。

 

 

「俺はただ、ライバルといい勝負がしたかっただけで…」

 

「それは我もわかる。わかるが限度があるぞ」

 

「全国放送で馬鹿やらかしたお前に言われたくないぞ」

 

「なんのことだ?」

 

「お前…マジか…」

 

 

 そう仲良く(?)話していると、空からバサバサと音を立ててウォーグルに肩を掴まらせたムツキがやってきた。シュートスタジアムの方から来たのを見るに受け付けは済ませたらしい。

 

 

「おや、皆さんお揃いで」

 

「元気そうで何よりだムツキ。マクワに勝てたんだな」

 

「二回目で勝ってやりましたよ。私、強いので」

 

 

 話しかけるとフフンと得意げに鼻を鳴らす。自信は取り戻したようだな。

 

 

「ラウラ、こやつは?」

 

「ひこうつかいのムツキ。俺を負かしてくれたライバルだ」

 

「「「「ラウラを倒したあ!?」」」」

 

 

 モコウに聞かれて答えると揃って驚く四人。…まあたしかにお前らには負けたことないけど、驚きすぎじゃね。

 

 

「兄貴以外にもいたんだ、ラウラに勝った人…」

 

「あのすごく強いドラピオンにも勝ったの!?すごい!」

 

「あんなに強いラウラを倒すなんてすごいぞ!」

 

「お、おお…」

 

 

 マリィ、ユウリ、ホップの詰めよりに怯んで後ずさるムツキ。対してモコウはなんか唸っていた。

 

 

「ぐぬぬ…お前を倒すのは我だ、と言いたかった…だが我はでんきつかい!ひこうつかいだというお前よりは強いぞ!ムツキとやら!」

 

「はああ?ひこうがでんきに勝てないなんて決まってないんですが?タイプ相性だけで勝った気になってるなんて馬鹿なんですか?バカなんですね?」

 

「なっ…我はここで決着付けてもいいんだぞちんちくりん」

 

「はっ!言うに事欠いて我ときましたか!自分のことを我って、恥ずかしくないんですか?」

 

「なにをー!」

 

「モコウ、あからさまな挑発に乗るな。こいつの悪癖なんだ」

 

「す、すごい人だね…」

 

「しかも周囲には聞こえない大きさの声で罵倒してるから一見モコウが悪く見えると…」

 

「なんかすごいぞ!狡猾なんだな!」

 

「一応褒め言葉として受け止めましょう。ふふん、私は苦手なタイプを克服したのです。私の自由の翼を阻むものはもう、なにもありませんとも!」

 

 

 そうドヤ顔するムツキに合わせて翼を広げて鳴き声を上げるウォーグル。なんか、様になっていた。

 

 

「当たったら一方的に蹂躙してやるからな…」

 

「いいでしょう。逆に蹂躙して大恥をかかせてやりますので私に当たるまで負けないで下さいよ?」

 

「そっちこそなあ!」

 

 

 グヌヌと睨み合うモコウとムツキ。なんとなくそんな気がしていたが、得意タイプと同じく天敵らしい。そんなこんなと騒いでいると、俺達に話しかける人影が在った。

 

 

「あの…!」

 

「うん?君は?」

 

「僕、ナグサといいます!ラウラ選手ですよね?貴方の好きなタイプを極めようとする姿勢に勇気が湧いて、ノーマルタイプだけでここまでこれました!ありがとうございます!」

 

「いや、俺は何もしてないから…」

 

 

 その少年は、とにかく白かった。白い髪を短く切り揃えた、白い肌で丸顔の優しそうな表情でノーマルタイプのユニフォームを着ていて首に白いマフラーを巻いている。頭の上にはチラチーノを乗せていた。印象は普通って感じだ。実力はあるんだろうが強者のオーラがしない。とにかく優しそうな少年だった。

 

 

「ザ・普通な少年ですね。こんなのでもジムチャレンジ突破できるんですね」

 

「ふ、ふつう…」

 

「お前一言目には失礼じゃないと気が済まんのか!」

 

「ムツキの言うことは気にするなナグサ。ノーマルタイプだけでキバナを突破したってすごいことだと思うぞ」

 

「ラウラもモコウもムツキもだけど、ジムリーダーと同じことをしている訳だし!」

 

「そうだよ、私とホップなんか何のこだわりも無くメンバーを揃えてるし!」

 

「ナグサも凄い奴なんだぞ!」

 

 

 ムツキの言葉にショックを受けるナグサを慌ててフォローする俺達。ナグサが病院を連想させる「白」だったから、ムツキの防衛行動だってのはわかってるけど、言い方ってものがあるんじゃないですかねえ?いや俺も思ったけどさ。

 

 

「(弱点を突かれにくいだけのノーマルタイプで突破したということは要注意ですね。あとで戦法を確認しなければ)…では私はこれで。これ以上ここにいると体に障りますのでホテルに戻ります」

 

「おう、気を付けろよ?」

 

「貴女に言われるまでもありませんよ。…貴女にだけは絶対勝ちます」

 

 

 俺の言葉にひらひらと手を振りながらホテルロンド・ロゼに空を飛んで向かうムツキ。野次馬から歓声が聞こえた。曰く空の大天使とかなんとか。…大天使ねえ。悪魔の間違いじゃないか?外面だけはいいんだよな、さすがジムリーダーの娘。

 

 

「さて、俺も受け付けをすましてくるか…ナグサも一緒に来るか?」

 

「はい、ご一緒させていただきます!」

 

「我はここで待ってるぞ」

 

「私達はショッピングに行こうか、マリィ、ホップ」

 

「それはよかね」

 

「おう、シュートシティを楽しむぞ!」

 

 

 ユウリ達と別れ、ナグサと共にシュートスタジアムに入る。すると歓声やら視線やらが向けられ、居心地が悪い。…無心になれ、むしだけに。気にしたら負けだ。

 

 

「セミファイナルトーナメント開催は三日後となります。ここで登録したポケモン六匹のみ大会中使用可能となります」

 

「この六匹でお願いします」

 

「僕も、お願いします」

 

 

 受付のリーグスタッフにボール六個を預ける俺達。メンバーを変えるのも考えたが、どう考えてもこの六匹がベストメンバーだ。こいつら以外を使う気はない。

 

 

「トレーナーカード、ポケモン、共に登録完了しました。開催日程まではホテルロンド・ロゼでお待ちください」

 

「わかりました」

 

 

 ボール六つを返してもらい、ホテルへの道をモコウもいれて三人で歩く。…テッカニンの技構成だけ見直す必要があるな。テッカバトンが多くのトレーナーに印象付いているはずだから不意を突ける。つばめがえししか攻撃技がないのはさすがにきついしな。

 

 

「モコウ、ナグサ。お前たちとぶつかることがあっても負けないからな」

 

「はい、望むところです!」

 

「はっ!そこは決勝で会おうというところであろう!」

 

「いや、どういう組み合わせで戦うのか分からないんだしさ…」

 

 

 そして到着した豪華なホテルで技の調整するなりコンディションを整えるなり遊ぶなりして三日後。セミファイナルトーナメント当日に、組み合わせが発表された。

 

 

第一回戦:ユウリVSマリィ

 

第二回戦:ホップVSマサル

 

第三回戦:モコウVSナグサ

 

第四回戦:ラウラVSムツキ

 

 

 マサルって誰だろう…まあともかく、まずまずといった配置だろう。俺たちは最後か。…初戦がムツキとはな。モコウかナグサと戦うにしても二戦目か。

 

 

「ムツキ。リベンジマッチさせてもらうぜ」

 

「いいでしょう。返り討ちにして差し上げましょう!」

 

 

 それぞれ不敵な笑みを浮かべ、戦う相手と睨み合う俺達。こうしてセミファイナルトーナメントは始まった。




一応チャンピオンカップが開催されてる期間は一ヶ月間とさせていただいてます。その間にジムを全部突破したトレーナーがセミファイナルトーナメントに参加できる形です。

・ラウラ
蟲の女王。自分に勇気をもらったというナグサにちょっと怯み気味。いつの間にかムツキの理解者になっていた。

・モコウ
自称雷光の死翼(ライトニング・アルバトロス)。ムツキとは犬猿の仲。ラウラとは決勝戦で戦いたかったと不服気味。全国放送でやらかした事実は気にしてない。

・ムツキ
空の大天使。口を開けば罵倒するが民衆の前だと聞こえない程度の声で喋る外面だけ天使の人。同期全員から黙ってれば可愛いと認識されてる他、ラウラを倒しているため一目置かれている。ユウリにロックオンされた。ラウラの一回戦の相手。

・ユウリ
嵐を呼ぶ女。ホップを連れまわしてマリィとショッピングを楽しんだ。バトルジャンキーなためラウラを倒したムツキに目を付けている。

・ホップ
チャンピオンの弟。荷物持ちとしてユウリに連れまわされたが本人はまんざらでもない。ムツキでもすごいと言えるいい子。

・マリィ
ネズの妹。普通にショッピングを楽しんだ。ムツキみたいな人は苦手。

・ナグサ
今回初登場のジムチャレンジャー。ノーマル使いで白いこと以外は普通の少年。ラウラに憧れてノーマル統一でジム戦をやり遂げた男。相棒はチラチーノ。名前の由来は勿忘草。

・マサル
ご存じ男性主人公、名前だけ。ただし役回りは…名前がついただけありがたいと思ってほしい。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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