今回はラウラVSモコウ、前半戦。さらっとユウリとホップの対決も描かれます。楽しんでいただけると幸いです。
「ハハハハ!我と戦う前にラウラに負けてるではないか!一回勝ったのではなかったのか?!」
「うるせーですよ変な髪型。ラウラが私以上に強くなっていただけの話です。ていうかなんで側にいるんですか」
「お前こそラウラの隣を陣取りおって。というか誰が変な髪型だ!」
「変な髪型に変な髪型と言って何が悪いんですか。でんきが好きだなんてもしかしてドMなんですか?」
「むがっ!?お前、でんきタイプに謝れ超謝れ!」
「えっ、否定しないんですか…?(ドン引き)」
「うるさいぞお前ら」
俺達は今、モコウ・俺・ムツキ・通路といった具合に仲良く座ってユウリとホップの対決を観戦していた。どちらもチャンピオンに推薦された選手なためか観客も白熱している。試合が終わりそうになったら俺とモコウは控室に移動する予定だ。ちなみにナグサは誘ったんだが女子三人と一緒は恥ずかしいといって辞退した。まあしょうがない。俺は今世に慣れきって前世が男だったことを忘れそうになっているが。
「なんでこんな偉そうな変態と仲がいいのか精神を疑います」
「なんでこんな厭味ったらしいのと仲がいいのか正気を疑うぞ」
「何か言いましたかドジっ子」
「エゴサしてまで悪口探してるのか病人よ。ベッドに寝ていたらどうだ?」
「貴女、それは禁句ですよ…!」
「お?やるか?試合の後でいいなら喧嘩は買うぞ?」
「随分仲がいいな。なんなら隣に座るか?」
「「絶対嫌だ(です)」」
「本当に仲がいいな」
と言ってる側から、場面が動いた。猛威を振るっていたユウリのダーテングが、ホップのアーマーガアに倒されたのだ。それでもふいうちでダメージを稼いでいるのはさすがだ。今大会初めて、ユウリがダーテングとインテレオン以外のポケモンを繰り出そうとしていた。
「やるね、ホップ!私のエースを倒すなんて!なら…出番だよ、セキタンザン!」
ユウリが繰り出したのはトロッゴンが進化したであろうセキタンザン。いわなだれで怯ませたところにヒートスタンプが叩き込まれ、ホップのアーマーガアは戦闘不能になってしまう。続けて出されたバチンウニもじしんを受けて撃沈。最後の一体、エースバーンまで追い込まれるホップ。しかし不敵に笑んで見せた。
「ピンチ?違う違う!ここから俺が勝つのが最高なんだよ!ねがいぼしに込めた想い…今解き放つぞ、エースバーン!ダイマックス!」
「ホップはそうでなくちゃ!やっぱり最後はダンデさんにもらったポケモン、だよね!インテレオン!ダイマックス!」
共にダイマックス。巨大化したインテレオンとエースバーンが並び立つ。しかして決着は、あまりにもあっけなく。最後の対決まで見入っていた俺とモコウは、雨が降りしきる中で控室に移動した。
「おつかれ、ホップ」
「おう…ああ、ラウラか」
控室に行くとちょうどホップが戻ってきたところだったので声をかける。びしょ濡れのホップは目頭を押さえていた手をどけると、俺の肩に置いてきた。
「ラウラ、頑張るんだぞ!ユウリは俺の知る中で兄貴にも迫るポケモントレーナーだ。強敵だぞ」
「おいおい。俺はまだモコウにも勝ってないんだぞ。その台詞はまだ早い」
「いいや。俺達の中でお前とユウリが頭一つ抜けているのはなんとなくわかっていた。俺が勝てないなら、ユウリに勝てるのはお前だけだぞ。俺はお前とユウリ、どっちも応援してる!頑張るんだぞ!」
「おう。まずは俺の一番のライバルに勝ってくるわ」
そう言ってひらひらと手を振りながらフィールドに向かう。負けられない理由がまた一つ増えたな。
『続きましては、準決勝第二試合!ルールはこれまで同様5VS5のシングルバトル!むしポケモンつかいのラウラ選手VSでんきタイプ使いのモコウ選手、特定タイプのエキスパート同士の対決です!彼女たちはライバル同士との話です。先程のユウリ選手ホップ選手と同じように熱い戦いを繰り広げることに期待です!』
ダイストリームによる雨が上がって陽射しが眩しいフィールドの中心で、モコウは仁王立ちで腕を組んで待っていた。俺を見るなり豪快に笑う。
「待ちくたびれたぞ、ラウラよ!今こそ、因縁の決着を付ける時!」
「お前が速すぎるんだよ、モコウ。あの第二鉱山で出会った以来の対決か。一つ気になってたんだ。何度も会ったのになんで俺にバトルを吹っかけてこなかったんだ?」
「答えは簡単だ、ラウラよ。あの時我は初めて負けた。その雪辱は、この大舞台で晴らすと決めたのだ!」
「なるほど、俺にとってのムツキか。納得だ。じゃあ始めようぜ、また俺が勝ってやる」
「言ってろ。あの時の我ではないぞ。思う存分に痺れさせてやろう!」
▽でんきつかいの モコウが 勝負を しかけてきた!
「ライボルト!」
「マルヤクデ!」
俺が繰り出したのはマルヤクデ、対してモコウはライボルト。馬鹿正直にナグサの時と同じポケモンで来たな、火傷にして攻撃力を奪ってやる。
「おにび!」
「ボルトチェンジ!」
「なに!?」
おにびが炸裂する前に、ボールに戻るライボルト。代わりに出てきたのは、みず・でんきタイプのウォッシュロトム。不味い、やられた!
「ハイドロポンプだ!」
「体勢を低くしてまきつく攻撃!」
放たれる激流を、体勢を低くして簡単に避けて俊敏な動きで巻きつくマルヤクデ。みがわりを作っても逃がさないぞ。
「ほうでんで引きはがせ!」
「ほのおのうずだ!」
まきついたままほのおのうず、マルヤクデの得意攻撃だ。相性が悪くともやけど+まきつく+ほのおのうずのスリップダメージでかなりの体力を削れる。
「くっ、ハイドロポンプの射線上には来ないか…!」
「わかりやすい攻撃なんて対処しやすいんだよ!」
「ならば!地面に向けてハイドロポンプだ!」
「っ、離れろ!」
なんとロトムに地面に向けてハイドロポンプを撃たせることで巻き付いているマルヤクデに効果抜群のダメージを与えるモコウ。咄嗟に離れる指示をしたがダメージはもらってしまった。
「ほのおのムチだ!」
「ハイドロポンプ!」
マルヤクデの放ったほのおのムチが頭上から炸裂、した瞬間にハイドロポンプの直撃を受け、崩れ落ちるマルヤクデ。すぐにやけどとほのおのうずのダメージが入ってロトムも崩れ落ちた。相討ちだ。
「相性不利によくやった、マルヤクデ」
「くっ…イワパレスに対する打点を失ったか。だが負けんぞ!パルスワン!」
「オニシズクモ!」
モコウの繰り出したパルスワンに対し、俺が繰り出したのはオニシズクモ。
「かみなりのきばだ!」
「受けてアクアブレイクだ!」
素早い動きで噛み付いてきた電気を纏った牙を、前足で受け止めるオニシズクモ。そのまま引き寄せて渾身の水泡を叩き込み、大きく吹き飛ばす。
「畳み掛けろ!バブルこうせん!」
「ワイルドボルトで蹴散らして突っ込め!」
軽く吹き飛ばされたパルスワンだったがすぐに立ち直し、電気を纏って突撃してくるパルスワン。オニシズクモは自分で横に回避、なおもワイルドボルトを維持したまま突っ込んでくるパルスワンに、覚悟を決めた顔をした、気がした。
「アクアブレイク!」
「ワイルドボルト!」
そして正面衝突。同時に吹き飛ぶ両者。そのまま二体とも崩れ落ちた。
「馬鹿な!」
「そんな反動がでかい技を連発したらそうなるだろうよ。よく頑張った、オニシズクモ」
「むっ、パルスワンの頑張りを無駄にするな!ライボルト!」
「頼むぞ、ドラピオン!」
モコウは再びライボルト。俺はドラピオン。…この勝負、イワパレスを最後まで温存できるかで変わってくる。頼むぞドラピオン!ムツキの時は負けてしまったが、それでもお前を信じるぞ!
実は最初の戦い以来一度も戦ってなかった二人。ライバルとは。
・ラウラ
やかましいけど両手に花だった精神は一応男性な蟲の女王。完全に体に精神が引っ張られてる。勝ち残る理由がまた一つ増えた。
・モコウ
実はドMだったことが判明したライトニング・アルバトロス。電気が快感らしい。ムツキとは地雷を踏み抜いたりラウラの隣を争ったりと相変わらず犬猿の仲。ラウラとはセミファイナルトーナメントで決着を付けないと気が済まない。
・ムツキ
モコウがドMだと見ぬいて勝手にドン引きした空の大天使。ラウラの隣に座りたいお年頃。裏でキバナにドラゴンタイプのジムトレーナーにならないかと誘われた。
・ユウリ
相変わらずダーテングで無双していたやべーやつ。ダーテングを倒しても隙がないセキタンザンが出てくるため、掲示板などでは無理ゲーだと言われた。ホップ曰くユウリに勝てるとしたらラウラだけ。
・ホップ
惜しくも敗れたチャンピオンの弟。チャンピオンをずっと見てきたためか力の差を何となく察していた。ちなみにラウラを応援するとは言ってるがちゃんとモコウも応援してる。
・ナグサ
オリキャラ三人娘から逃げ出したシャイボーイ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。