ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。前回の感想欄が阿鼻叫喚でちょっと笑いました。キリエは何時だって騒ぎを起こす。元キャラのキリエは昔読者のヘイトを一手に稼いだ極悪人なんですよ、はい。

今回はラウラたち7人VSキリエ。制限かかった上での最強の力を見よ。楽しんでいただけると幸いです。


VSハガネールⅡ

 グランドウォール・キリエ。この人が相手だと?最悪だ、ホルードでさえ俺のオニシズクモの一撃を耐えて逆に一撃で倒してきたのだ。このハガネールも同じ類だろう。俺達が束になっても勝てるかどうか……

 

 

「ムツキの母親とは俺も知りませんでしたけどね。キリエさん、貴女娘の教育どうなってるんです?」

 

「うちの娘は素直じゃないだけだから……それよりも、そんなにローズタワーに行きたいのでしたら皆で戦えばいいじゃないですか。これはルールある試合ではないのですから」

 

「何人がかりでもいいからそのハガネールを倒せばキーをくれると?」

 

「別に文句は言いませんよ?勝てるのなら、ですが」

 

 

▽マクロコスモスの キリエが 勝負を しかけてきた!

 

 

 ネズさんの問いに対し不敵に笑むキリエさんに、俺達はボールを構える。それなら、やってやる!

 

 

「テッカニン!つばめがえし!」」

 

「ダーテング!ねこだまし!」

 

「パッチルドン!ゆきなだれ!」

 

「ウォーグル!ゴッドバード!」

 

「バイウールー!すてみタックル!」

 

「タチフサグマ!シャドークロー!」

 

「オーロンゲ!ソウルクラッシュ!」

 

 

 俺が、ユウリが、モコウが、ムツキが、ホップが、ネズさんが、マリィが、同時にポケモンを繰り出す。7人がかりだ、いくらキリエさんでも、この数ならば……!

 

 

「―――てっぺき。続けてじしんです」

 

 

 コンコンコン、と靴音が鳴る。俺達の同時攻撃を、蜷局を巻いて体を輝かせて受け止め、回転することで弾き返すハガネール。さらに弾かれたポケモン達の足元が隆起してアッパーカットの様に地面が殴りつけて来て、ひこうタイプのポケモン達も吹き飛ばされる。じしんをひこうタイプに当てることができるって聞いていたけどそういうことか……!

 

 

「大人しくしてればダンデくんも戻ってくるんです。無駄なことはしない方がいいと思いますが?特にユウリ選手はゆっくりお休みくださいませ。ムツキちゃんも体をあっためて……」

 

「まだダンデさんにご飯をもらってないから……負けられない!ダーテング!リーフブレード!」

 

「余計なお世話です!ウォーグル!ブレイククロー!」

 

 

 激高したユウリとムツキのポケモンの一撃が炸裂。しかしビクともしないハガネール。それを見て不敵に笑むキリエさんに気を配りながら俺はテッカニンをデンチュラに交代、彼女の手に握られるキーに狙いを定める。

 

 

「いとをはく!」

 

「なっ……!?」

 

「キーはもらった!ユウリ、ホップ!ネズさん、マリィ!先に行け!」

 

 

 糸を伸ばして奪取したキーをユウリに投げ渡し、ムツキとモコウに振り向くと同時に頷く。考えることは同じだ。悪いリーグスタッフとやらがキリエさんだけという確証もないから先に行かせる面子はあの四人がベストだろう。俺達の思惑に気付いて駆け出した四人を追おうとしたキリエさんの前に俺とモコウ、ムツキが立ちはだかる。

 

 

「はあ。ラウラ選手、モコウ選手、ムツキちゃん。何のつもりかしら?」

 

「俺はな、チャンピオンと食事したり話がしてみたいんだよ。その邪魔をするってんなら倒すまでだ」

 

「正直我が残っても出来ることは少ないだろうが、地面のエキスパートに勝ってこそでんき使いを名乗れるよなあ!」

 

「母さん、私は貴女が嫌いです。だから邪魔をします。シンプルな答えでしょう?」

 

「い、今のは心に来たわ……でも、三人だけはさすがになめすぎじゃない?」

 

 

コンコンココン、と靴音を立てるキリエさん。するとハガネールは空中に浮かび上がって蜷局を巻いて高速回転、急降下してくる。これは……さっきといい、靴音だけで指示を!?

 

 

「ヘビーボンバーだ!避けろ!」

 

 

 デンチュラとウォーグルは避けたものの、パッチルドンが潰され、しかし地面には触れずに静止するハガネール。あくまで公共には迷惑をかけないってか。一応ホテルの前だからな、ここ。

 

 

「戦いにくいですが、それでも私が負ける理由にはなりません。それに……公共の場にちょっと迷惑がかかりますが、逃がしませんよ」

 

 

  そう言って、コココンコンコンコン。と、リズミカルに複数回靴音を鳴らしたと思えばハガネールが頷き、橋の向こうの道をモノレール乗り場に向かって走って行くユウリ達の前に道を塞ぐ巨大な土壁が出現した。慌てて立ちどまるユウリ達。そんなのありか!?視界に入っていればどこにでも地面を操れるのか!

 

 

「まあ私はここから離れられないので、遠回りをしていただきましょう」

 

「……その必要はないみたいだが?」

 

「え?」

 

 

 瞬間、シャキンという音と共に土壁が崩れ落ちた。見れば、ユウリのダーテングがリーフブレードを振るっていた。その光景に呆けるキリエさん。さすがにあいつのとんでもなさは計算に入ってなかったんだろうな。

 

 

「ストリンダー!ばくおんぱでこちらに注意を惹きつけろ!」

 

「交代、シンボラー!エアスラッシュで怯ませなさい!」

 

「っ、デンチュラ!いとをはくで橋の上に逃げろ!」

 

「じしんで蹴散らしなさい」

 

 

 俺達の攻撃を全部受け止めた上で、コンコンコンと靴音が鳴る。瞬間、俺達のポケモンの足元から土の柱が突きだしてきて、上空に逃れたシンボラーにはその高さまで伸びた土の柱が直撃、ストリンダーも宙を舞い、共に戦闘不能になる。デンチュラは橋の上に逃れたおかげで、橋ギリギリの場所から伸びた土の柱を受けずに済んだ。やはりか。

 

 

「アンタの戦い方、地面が在る場所限定の様だな?」

 

「さすがはラウラ選手。もう気付きましたか。ですが、橋の上が安全圏とは勘違いも甚だしい」

 

 

 コンカンコン。まるで踊るように、踵と爪先を打ち鳴らすキリエさん。瞬間、宙に舞い上がるハガネールが蜷局を巻いて高速回転、またヘビーボンバーかと思ったが、すぐに違うことに気付いた。ハガネールを中心に岩石が出現したのだ。まさか、いわなだれか!?

 

 

「っ…川だ!全力で逃げろ!」

 

 

 慌てて川方面に向けて糸を伸ばしたデンチュラを追って岩の雪崩が流星群の様に落ちてきて、次々と川に落ちて水飛沫が舞う。これがいわなだれだとしたらとんでもないにも程があるぞ?!

 

 

「そこの街灯を使って方向転換だ!」

 

 

 デンチュラの進む先を狙って落ちて来ていたので、街灯を利用して遠心力を利用、橋に向かって飛びこむデンチュラ。それに対してハガネールは急降下、コンコンココン、とさっき聞こえたリズムが聞こえてきたので恐らくヘビーボンバーが迫る。だがこれは、一対一ではない。デンチュラはこちらに集中させるための囮だ。

 

 

「今だ、ロトム!ハイドロポンプ!」

 

「ウォーグル!全力でばかぢからです!」

 

「っ!?」

 

 

 ヘビーボンバーに移行していて隙だらけだったハガネールの頭部に直撃する水流と両足の蹴り込み。空中でその体勢が崩れる。

 

 

「デンチュラ、交代!マルヤクデ!ほのおのムチだ!」

 

「てっぺきです」

 

 

 そして、強烈な炎の鞭の振り下ろしが叩き込まれ、ハガネールは川の中に落ちて巨大な水飛沫を上げた。なんだなんだと騒ぎを聞きつけた見物人が出てくる。これはチャンスだな。

 

 

「リーグスタッフが騒ぎを起こすのは不味いんじゃないか?」

 

「むっ。……それもそうですね。足止めも実質失敗してしまいましたし、此処は退きましょうか。ハガネール」

 

 

 ザバア、と。無傷のハガネールが川から出てくる。あそこまでのダメージを与えてまったく堪えてない。なんて硬さだ。

 

 

「ムツキちゃん。決め技としてのばかぢからはよかったですよ。でも、シンボラーでリフレクターを張っていれば一撃で落とされることはなかったでしょう」

 

「……私の手持ちまで把握されてるのですか」

 

「モコウ選手。切札は相手の実力を見て出し時を考えた方がいいですよ。そしたらもう少しダメージをもらってました」

 

「むっ……」

 

「ラウラ選手。デンチュラは私のキーを奪うという役割は果たしたのですからさっさと交代するべきです。でんきタイプでじめんタイプに挑むのは感心しません。結局私も倒せませんでしたが。まさか不意打ちのじしんを避けられるとは。無念です」

 

「……足音で指示してるのはなんとなくわかってましたから」

 

 

 言うだけ言ってハガネールをボールに戻し、帽子とサングラスを付け直して野次馬に「特に問題はありません」と言って去って行くキリエさん。向かう先はローズタワーだろうか。

 

 

「……俺達、勝ったのか?」

 

「いや……こっちのポケモンは一方的にやられて、あちらは一体も落とせてないぞ」

 

「完膚なきまでに負けですね。私のポケモンが通用しないとは……」

 

「あれに勝ったダンデって、強いんだなあ……」

 

 

 目標がだいぶ遠いことを思い知る。そして、ダンデを連れて戻ってきたユウリ達と合流し、俺達は食事を楽しんだのだった。




 なおハガネールは本来の手持ちじゃない模様。

・ラウラ
キリエの足音による指示はなんとなく理解したが力で押されてしまった主人公。もし野次馬が集まらなければ完膚なきまでに倒されていたと確信している。勝てるビジョンは何となく見えた。

・ユウリ
ラウラのサポートで原作通りオリーヴと戦いダンデを連れ戻した原作主人公。特に苦戦はしなかったが、キリエと決着を付けれなかったことは残念に思っている。

・モコウ
キリエのアドバイスになるほどなあと素直に感心してしまった人。リベンジしたいけど勝てるビジョンが見えない。

・ムツキ
さすがにひこうタイプで高く昇れば勝てるだろう、と考えていたら普通に落されたキリエの娘。ひこうタイプにじしんを当てられたことで動揺してロクに指示ができてなかった。

・ホップ
原作通り。ユウリと共にローズタワーでダブルバトルでマクロコスモス社員を蹴散らした。

・マリィ
原作通り。特にやることなかったので一緒に残ってればよかったと思ってる。

・ネズ
原作通り。モノレール乗り場で搖動とかしていた。キリエに勝つのは早々に諦めている。

・オリーヴ
ほとんど原作通り。あっさりキーを取られたキリエにキレながらユウリとバトルして惨敗した。このあとキリエと共にローズに窘められる。

・キリエ
数的有利を取られ、本来の手持ちじゃない、公共の場で破壊が出来ない、苦手なフィールドである水場、目的が殲滅ではなく時間稼ぎ、と本領発揮できない戦いでも完封して見せた実力者。靴音で技を指示したり、座標や狙いを絞り、何をするのかを的確に指示できる。そのため相手は何が繰り出されるのかまるでわからず、一方的に技を叩き込まれるしかない。
 彼女のポケモンの使うじしんは特別で、じしんの威力を広範囲に広げるのではなくピンポイントに柱に込めているので、普通のじしんよりも威力が高く大概のポケモンをノックアウトできる。また、通常の技とは全く別物になることが多い。ハガネールの場合ヘビーボンバーは隕石で、いわなだれは流星群、てっぺきは鉄塊。

・ハガネール♀
とくせい:がんじょう
わざ:じしん
   ヘビーボンバー
   てっぺき
   いわなだれ
もちもの:なし
備考:やんちゃな性格。ちょっぴりみえっぱり。こんなに強いけどキリエの控えのポケモン。マクロコスモスに入社した時から育てた新参者。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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