今回はVSキリエ決着。そして…?楽しんでいただけると幸いです。
テッカニンのシザークロスとホルードのでんこうせっかがかち合い、共に吹き飛ばされる。げんきのかけらは瀕死から復活できるものの体力は半分までしか回復しない。そこが狙い目だろう。
「じしん!」
「かげぶんしん!」
地面に足を踏みしめたホルードの繰り出した土柱をかげぶんしんで避け、瞬時に背後を取るテッカニン。しかしココンッと靴音が鳴ったかと思うとホルードの背後、テッカニンの真下から土柱が伸びてきて炸裂するも、ギリギリで空中に逃れて直撃を避けていたテッカニンの急降下からの一撃が叩き込まれる。
「シザークロス!」
「じしん!」
同時にではなく、両腕を交互に交差させて振るう斬撃が連続で叩き込まれ、崩れ落ちるホルード。咄嗟にじしんを繰り出そうとしたがこちらが速い。今度こそ、俺の勝ちだ。
「貴女は…強いですね。勝ち残ればダンデ君とも張り合えたでしょう」
「そりゃ買いかぶりすぎです。俺、ただの蟲使いなんで」
「完敗です。ドリュウズが負けた時点で貴女は強いトレーナーですよ。…私はこのままポケモンを回復したら戻るつもりですが、行くんですか?」
「大いなる力には大いなる責任が伴うっていう言葉があります。戦える力があるなら、戦う責任がある。蟲ポケモン達に情けない姿は見せられませんし」
「いい言葉ですね。大人として、貴女達を危険から守るぐらいはさせてもらいます」
テッカニンを戻し、デンチュラを出して上に戻ろうとしていた、その時だった。ナックルスタジアムの屋上から巨大なマゼンタ色の光線が飛び出て、何かが落ちてきた。
「!?」
「っ、先に行きます!」
キリエさんに一言叫んでから、咄嗟にデンチュラを背中にしがみ付かせて糸を伸ばして宙を舞い、落ちてきた人物を受け止める。ボロボロのゴスロリを身に纏った特徴的なツインテールは見紛うことはない、モコウだ。
「どうしたモコウ、なにがあった!?」
「…太刀打ちできなかった。奴の一撃で、我のパッチラゴンとムツキのオンバーンがやられ、その余波で吹き飛ばされた…ムツキが心配だ、我も連れていってくれ!」
「重量ちょっときついけど、任せろ!」
そしてモコウを前に抱き着かせてスイング、上を目指すが、炎や蒼い光が屋上の端から散るたびに、瓦礫が落ちてきてそれを避けるのに精一杯だ。するとボールを取り出してロトムを繰り出すモコウ。ふよふよ側を浮いてハイドロポンプやほうでんで瓦礫を散らしてくれた。
「ロトム!迎撃を頼む!」
「テッカニン、お前もだ!」
それを見て俺もテッカニンを繰り出し、瓦礫を除去してもらいながらモコウを抱いて屋上に急ぐ。そして屋上の縁に糸を付け、モコウが声にならない絶叫を耳元で上げるのに顔をしかめながら大きくスイング、屋上の上空に振り上げられると、そこには炎上する屋上とその中心に居座る30mぐらいの巨体を誇る、深い青色のドラゴンの骨格の様なポケモン。マゼンタ色の膜に包まれた六つの白い目がこちらを睨む。
その前には、ウォーグルを侍らせ私達を見てへたり込んだムツキと、ムツキを守るように立ちはだかる、赤いマントを翻したチャンピオン・ダンデとゴリランダーがいた。キリエさんのポケモン二体はその場に転がっている。
「モコウ!無事でしたか!」
「ラウラ!君も来たか!モコウを助けてくれて感謝する!俺が駆け付けた時には既に姿はなくムツキは泣き崩れていて手遅れかと…あとは任せてくれ!奴はムゲンダイナというらしい!ローズ委員長の説明だとブラックナイトの正体そのものだとか!だが相手にとって不足無し!チャンピオンタイムだ!」
俺達が屋上に降り立つと、始まるチャンピオンと巨大なポケモン…ムゲンダイナの戦い。ゴリランダーはその手にしたバチでムゲンダイナの振り下ろした毒を纏った爪を受け止め、口から放たれたりゅうのはどうはバチを振り上げ打ち上げる。あんなことができるのか!?
「10まんばりき!」
強烈な拳がムゲンダイナの顎を捉えるも、クロスポイズンと思われる攻撃がカウンターで入る。凄い勝負だ。
「ドラムアタックですばやさを下げるんだ!」
取り出したドラムセットを打ち鳴らして蔦を伸ばしムゲンダイナ拘束するゴリランダー。しかしムゲンダイナは口から横にした火柱の様なかえんほうしゃを放って拘束を燃やしながらゴリランダーに直撃させ、戦闘不能にしてしまった。
「よくやった、ゴリランダー。…お前はこんな怪物とも張り合えるぐらい成長したな。むっ?」
「ダンデさん、駄目です!母さんのポケモンを倒したあの技が…!」
「受けたらひとたまりもないぞ!」
骨格の胸部に当たる部分にあるマゼンタ色のコアと思われる場所が光り輝き、ムツキとモコウが警告の声を上げると、ダンデは不敵に笑んでギルガルドを繰り出した。
「心配ないぜ!俺の相棒達に対処しきれない技はない!キングシールドだ!」
その言葉と共に巨大なバリアが張られ、ムゲンダイナの胸部から放たれたマゼンタ色の極太光線と衝突。防ぎきると、ギルガルドはシールドフォルムからブレードフォルムにチェンジ、己が体を振りかぶる。
「せいなるつるぎ!」
真正面から炸裂し、仰け反るムゲンダイナ。しかしすぐに口に炎を溢れさせ、蜷局を巻くように横に回転する。アレはやばいぞ…!?咄嗟にムツキとモコウの手を引いてテッカニン、ロトム、ウォーグルと共に物陰に隠れた瞬間、回転しながら放たれたかえんほうしゃの連続攻撃にギルガルドは受け切れずに戦闘不能。炎の余波を受けて若干焦げたダンデの頬に汗が流れる。笑ってはいるが、劣勢なのは目に見えて明らかで。おそらく、先ほどのマゼンタ色の光線…ダイマックスの光に似てるからダイマックスほうと呼ぶことにする…を防げるポケモンがもういないのだろう。
「こいつは強敵だ…なりふり構ってられないぜ!ドサイドン!ドラパルト!オノノクス!」
一気に三匹のポケモンを繰り出すダンデさん。それほどの相手かと戦慄していると、胸部に輝き始めたマゼンタ色の光が先程とは明らかに違うことが分かる。骨格の隙間から漏らすように放たれるそれは、前方に扇状に拡散して放たれた。これもダイマックスほうか!?
「っ…馬鹿な」
繰り出した三匹のポケモンが、一撃で戦闘不能になりたじろぐダンデさん。しかしこちらの視線に気付くと安心させるような不敵な笑みを浮かべ、リザードンを繰り出す。
「キョダイマックスは…使えないか。奴の影響か?だが俺は無敗のチャンピオンダンデだ!チャンピオンタイムはまだ終わらない!リザードン!」
ムゲンダイナの口から放たれたりゅうのはどうを飛翔して避けるリザードン。続けて放たれた拡散ダイマックスほうも空を駆り掻い潜って回避し、ムゲンダイナに肉薄して口に巨大な炎を溢れさせる。
「だいもんじ!」
大の字の巨大な炎がムゲンダイナに炸裂。大爆発が起きて、ムゲンダイナが崩れ落ちる。やったか!?
「兄貴!」
「ダンデさん!…あれ、ラウラ?」
「モコウにムツキも!お前たちも来ていたのか!?」
「ユウリたちこそ…どこ行ってたんだ?」
そこに駆けつけてきたのは、朽ちた剣と朽ちた盾をそれぞれ手にしたユウリとホップ。俺達に気付くと合流し、共にダンデさんに駆け寄った。
「危険を顧みずに助けに来てくれたのか。心の底からサンキューだホップ、ユウリ!お前らたくましくなったな!だが安心しろ!ムゲンダイナの能力なのかダイマックスできずに手こずったがチャンピオンタイムもいよいよクライマックスだぜ!」
そう言ってハイパーボールを取り出すダンデさん。捕獲するつもりなのか。
「リザードンをはじめチャンピオンチームの力でムゲンダイナを追い詰めた!あとは暴走を止めるためボールで捕獲する……ただそれだけだ!見てろよ、チャンピオンタイム!!」
そして咆哮を上げるムゲンダイナに、見事なフォームでボールを投球するダンデさん。ムゲンダイナはボールに吸い込まれて俺以外が歓声を上げる。…だが俺は思った。確かに倒れてはいたが、本当に体力を削りきったのかと。
「…む?下がれ、みんな!」
ボールが揺れ、俺達を下がらせるダンデさん。瞬間、ボールがマゼンタ色の輝きを放って大爆発。リザードンが庇ってくれたことで俺達は無事だが、ダンデさんは直撃を受けて膝をつく。割れたボールの上半分が転がり、姿を現したムゲンダイナは俺達を見据えて咆哮を上げた。ユウリがダーテングを、ホップがバイウールーを繰り出し、俺はテッカニンを、モコウはロトムを、ムツキはウォーグルを連れてダンデさんの前に立つ。
「ホップ。ラウラ。モコウ。ムツキ。…行くよ!」
▽ムゲンダイナが 勝負を しかけてきた!
チャンピオンVSムゲンダイナは凄く書きたかった対決なので書けて満足です。
・ラウラ
キリエに完勝し、ダンデの強さとそれでも敵わないムゲンダイナの脅威に戦慄する主人公。モコウの命をギリギリ助けることができた。大いなる力には~など言ってることややってることは完全にスパイダー●ンである。
・モコウ
ムゲンダイナの攻撃で落ちた所を間一髪でラウラに助けられたヒロイン(仮)。ロトムで援護するなどやることはちゃんとやる。
・ムツキ
ムゲンダイナの攻撃でモコウが落ちたことで戦意喪失し泣き崩れていたところにダンデがやってきたヒロイン(仮)。デレると依存するところがある。
・ユウリ&ホップ
原作通りまどろみの森から朽ちた剣と盾を持ち出してダンデの救援に駆け付けた。覚悟完了。
・キリエ
敗北してラウラ達を認めざるを得ない大人の代表。その後ポケモンセンターで回復していたところにユウリに敗北したローズから子供たちを守るように指示され急いで向かってる。
・ダンデ
チャンピオンかくあるべしと実力を見せつけたガラルチャンピオン。三匹一気にやられたのは尺の都合で申し訳ない。さすがにハイパーボール。
・ムゲンダイナ
とくせい:プレッシャー
わざ:ダイマックスほう
りゅうのはどう
かえんほうしゃ
クロスポイズン
もちもの:なし
備考:まじめな性格。暴れることが好き。本来のムゲンダイナより1.5倍大きい個体。拡散ダイマックスほう、回転かえんほうしゃなど特殊な技の使い方をしたり、やられたふりもできる程知能が高い。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。