ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回は第一章最終回となります。というより、当初予定していた最終回になります。人気が出たのでこのままエンディング後も書いていく予定ですが、ひとまずの終わりです。

VSムゲンダイナ最終戦。かっこよくてかわいくて美しくて最高で最強な蟲ポケモンの活躍を見よ!楽しんでいただけると幸いです。


VSムゲンダイナⅢ

 ダイマックスレイドバトルをやる時の様に構える。…まず空に向けて攻撃を当てないとか。ドラピオンというか俺の手持ちの技はほとんど物理だから辛いな。

 

 

「ドラピオン!ミサイルばり!」

 

「アーマーガア!ブレイブバード!」

 

「パッチラゴン!でんげきくちばし!」

 

「ルチャブル!とびはねる!」

 

「カビゴン!10まんばりきだぞ!」

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 

 力を溜めこみ始めたムゲンダイナに、それぞれ指示をするも異変に気付くのはすぐだった。ポケモンたちがいくら力んでも、技が出ないのだ。ムゲンダイナの謎の力が働いて技を出せない!?

 

 

「どうした、ドラピオン?!」

 

「ポケモンの技を封じられた!?」

 

「技が出せないだと!?」

 

「そんな、どうすれば……!?」

 

「忘れてた!まどろみの森で剣と盾を見つけたんだった!ユウリ!」

 

 

 狼狽えていると、何かを思い出したのかユウリの方を向いて叫び、バッグを漁るホップ。それで同じく何かを思い出したのかバッグを漁り、朽ちた剣のようなものを取り出すユウリ。ホップが取り出したのは朽ちた盾のようなもの。そんなものを取りに行っていたのか?

 

 

「そんなものでどうしようって…」

 

「こいつは英雄の武器のはずなんだ!ユウリも剣を頼む!」

 

「まかせて!ボロボロでも何かが起きるかも!」

 

 

 そう言って剣と盾を掲げる二人。俺達が固唾を飲んで見守る中で、キィン!と甲高い音が鳴り響く。それに呼応するようにこちらに迫らんとしたムゲンダイナの背後の空で青と赤に輝き、二つの何かがこちらに迫ると、ユウリとホップの前に降り立ちムゲンダイナを弾き飛ばした。それは共に、狼の様なポケモン。

 

 

「ウルォーード!!」

 

 

 そんな咆哮と共にユウリの前に立つのは、古傷だらけのすらりとした身体を持つシアン色の毛並みに、三つ編みのような首毛を生やしたポケモン。

 

 

「ウルゥーード!!」

 

 

 そんな咆哮を上げてホップの前に立つのは、古傷だらけの逞しい身体を持つマゼンタ色の毛並みに、鬣を持った獅子にも見える雄々しいポケモン。

 

 

「伝説ポケモンか…!?」

 

「ザシアン!」

 

「ザマゼンタだぞ!」

 

 

 さらにユウリとホップの手に握られた剣と盾が浮かび上がったかと思うと空中で合体。虹色の輝きを放ったかと思うとザシアンとザマゼンタに降り注ぎ、二体はそれぞれ剣と盾と融合、武装して姿を変えていた。ザシアンの方は三つ編みがほどけてツインテールの様になり、ザマゼンタの方はマントの様な体毛が覆う、神々しい姿だ。

 …なんで蟲ポケモンにもウルガモスぐらいしかこの神々しさがないんですかねゲームフリークよ、ゲノセクトは神々しいというよりかっこいいだし。サンムーンだとウルトラビーストってのがいたらしいが詳しくは知らん。ちょっと前世のゲーム会社に文句が浮かぶが頭を振って向き直る。

 

 

「ドラピオン!ミサイルばりだ!」

 

 

 試しに指示してみれば、六つの光弾がムゲンダイナに炸裂。どうやら技が使えるようになったらしい。ミサイルばりに怯んだムゲンダイナに、赤と金のエネルギーを纏ってザマゼンタが突撃、大きく弾き飛ばすとそれに連なるようにザシアンが剣を口に構えて突撃。巨大な斬撃が叩き込まれ大爆発が起きる。やったか?

 

 

「っ、こおりのきば!」

 

 

 爆発が消えた瞬間、猛毒の津波…ダイアシッドが襲いかかって来て、咄嗟に全員を守るようにこおりのきばで氷壁を展開。受け止める。さらにザマゼンタがひかりのかべを張り氷壁を補強した。ザマゼンタが防御特化で、ザシアンが攻撃特化か。わかりやすい二体だな。

 

 

「交代、インテレオン!ねらいうち!」

 

「交代だパッチルドン!ゆきなだれ!」

 

「交代ですシンボラー!サイコキネシス!」

 

 

 ユウリ、モコウ、ムツキの交代したポケモンの遠距離攻撃がムゲンダイナを襲い、ダメージを与えていくがダイマックスポケモンと同様、大ダメージは期待できない。さらにダイバーンが放たれ、氷壁が粉砕されてしまい、続けてダイアシッドが襲いかかりまとめて薙ぎ払われる。クロスポイズンが変わったダイアシッドだからひかりのかべは通じなかったものの一撃で落とされはしなかったが、それでもとんでもない威力だ。

 

 

「ドラピオン!?」

 

 

 さらに俺のドラピオン目掛けてダイドラグーンが襲いかかり撃沈。ボールに戻し、オニシズクモを繰り出す。キリエさんと戦闘したまま来てしまったから、もう残りは満身創痍のテッカニンと無傷のデンチュラとこいつだけだ。偶然だが最初の三匹だな。ザシアンザマゼンタの助力があってもこいつを倒すのは厳しい。何か手を考えないと。そうだ、あの巨体なら…

 

 

「テッカニン、デンチュラ。此処は俺とオニシズクモが何とか惹き付ける。頼むぞ」

 

 

 俺の最初の相棒達に作戦を伝えると、テッカニンはデンチュラを抱えて空に舞い上がった。それをさせないと言わんばかりに襲いくるダイバーンの前にオニシズクモが飛び出す。やれるか?いや、やるんだよ!

 

 

「最大出力でアクアブレイクだ!」

 

 

 俺の指示に合わせてすいほうが膨れ上がり、水が爆発したかの様なアクアブレイクがダイバーンと相殺。さすがやればできる子だオニシズクモ!動き続けながら攻撃を加えていく伝説ポケモン二体に続き、俺達も指示を出す。

 

 

「たたみかけろ、バブルこうせん!」

 

「攻撃あるのみだよ、みずのはどう!」

 

「そうだなユウリ!交代だバチンウニ!10まんボルト!」

 

「パッチルドン!フリーズドライだ!」

 

「シンボラー!至近距離からエアカッターです!」

 

 

 立て続けに攻撃を受けたムゲンダイナが身を捩り、巨大な手を横にして技を全て薙ぎ払ってその風圧でこちらを吹き飛ばしたかと思えば、巨大な手を振り下ろしてきて風で怯んでいたザマゼンタとザシアン二体を掴み、ぐしゃりと握りつぶしてしまった。

 

 

「ザシアン!?」

 

「ザマゼンタ!?」

 

 

 そしてポイッと凄まじい速度で二体をこちらに投げつけてきて、瀕死の二体が転がりユウリとホップが駆け寄る。そんな二人目掛けてダイバーンを放つムゲンダイナ。よろよろと立ち上がりひかりのかべを張って二人を守るザマゼンタと、同じくよろよろで立ち上がり剣を口に構えて斬りかかるザシアン。ザシアンを跳ね除け、俺達の攻撃を物ともしないムゲンダイナに防戦一方だ。…そろそろか?

 

 

「オニシズクモ!例の奴だ!」

 

 

 放たれるダイドラグーンに、グググッと構えるオニシズクモ。試合では披露できなかったが、こいつは新技を覚えているんだ。見せてやれ!

 

 

「ミラーコート!」

 

 

 ガキィン!と、水泡から鏡の様な膜が張られてダイドラグーンを光に変え、光線として返すオニシズクモ。かみつくを忘れて覚えたこの技は、特殊攻撃を二倍にして返す。己の技を倍返しで喰らったムゲンダイナがよろめく。今のダメージだけじゃない、着々と、確実に体力を減らしていたんだ。表情も何も見えないが、戸惑ってる様子は分かるムゲンダイナに不敵な笑みを見せてやる。上を見れば、ムゲンダイナの渦を巻く体にへばりつく黄色い蜘蛛がいた。

 

 

「もう体力がなくなってきただろ。気付かなかったか?きゅうけつだ。能ある蟲は、牙を隠すんだぜ?」

 

「なんだと!?」

 

「なんかしているとは思っていましたが…」

 

「さすがラウラ!」

 

「お前やることがいちいちすごいぞ!?」

 

 

 驚愕するモコウたち。そもそも、ダイマックスできないからってダンデは苦戦していたけどな、前提が違うんだ。

 

 

「ダイマックスができないだ?そもそもダイマックスしない方が俺のポケモンは強いんだよ。お前を倒す剣も盾も無くなったかと思ったか?―――甘えよ」

 

 

 ピョンッと飛び降りてスタッと着地したデンチュラと、ふわりと降りてきたテッカニン、そして威嚇するオニシズクモを引き連れて、グラリと体勢が崩れるムゲンダイナに、指差して言い放つ。

 

 

「お前にとっては蚊に刺されたようなもんだろうが、蟲の恐ろしさをなめんなよ?俺だって死んだくらいだからな」

 

「「「「え?」」」」

 

 

 あ、やべ。ゴホンと咳払いし「冗談だ」とすませると、ユウリに向き直る。

 

 

「さて。バトンタッチだ、後は任せたぞユウリ」

 

「え、私?」

 

「俺、蟲以外に興味ないしお前、五匹しか手持ちいないだろ?そのままダンデに挑むつもりだったのか?」

 

「そうだぞユウリ。お前がムゲンダイナを捕まえるべきだぞ!あいつを扱えるのは兄貴でも俺達の誰でもない、お前だけだ!」

 

「…まあ、でんきタイプじゃないしな」

 

「翼ありませんし興味ないです」

 

 

 素で驚いていたユウリだったが、俺に続くホップ、モコウ、ムツキの言葉に、プレミアボールを取り出しながら頷き、巨大化したボールを構えたかと思うと俺の方に振り向いた。

 

 

「私、もっと強くなるけどいいの?」

 

「言ってろ。次はちゃんと負かしてやる。6VS6のフルバトルだ」

 

「えへへ…嬉しいな。じゃあ、もらうね!」

 

 

 そして、投擲されたボールはムゲンダイナを吸い込んでいき、床に激突。グラグラと動いていたが、諦めたのか何度か揺れたのちスンッ…と動かなくなり、カチンっという音と共に縮んで元の大きさに戻ったそれをユウリが手にして満足げな笑みを浮かべる。

 

 

「空が…」

 

 

 同時にマゼンタ色の暗雲は消え失せ、元の姿に戻ったザシアンとザマゼンタが太陽輝く青空に飛び立っていく。…あの二体がいなかったらデンチュラだけじゃ体力を削りきれなかったな。感慨深げにみんなで見送る。…そういや、あの二体は捕まえないんだな。おそらくタイトル級のポケモンだと思うんだが。

 

 

「…旅の目的は、達成かなあ」

 

 

 ―――――諸君。私は蟲が好きだ。虫ポケモンが好きだ。愛してる。だからこの愛を以て証明する。虫ポケモンはかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なのだと。

 

 思うところはあるが、ダンデが敗北したムゲンダイナを、みんなの力を借りたとはいえ蟲ポケモンで倒したのだ。この事実が広まれば、蟲ポケモンのよさが世間に伝わるだろう。ああ、今から楽しみだ。




最初の三匹で決めるのはポケスペ一章最終回のイメージ。ポケスペ3巻は名勝負しかないんよ。

・ラウラ
ムゲンダイナ討伐の立役者。うっかり転生者であることを暴露してしまったがギリギリバレてない。能ある蟲は牙を隠す、は座右の銘にしたいぐらい気に入ってる。ムゲンダイナにはまるで興味がない。オニシズクモのミラーコートは隠し札だったがユウリ戦ではセキタンザン相手なため使えなかった。

・ユウリ
ザシアンに次いでダメージリソースを最も稼いだ原作主人公。六匹目としてムゲンダイナをゲットした。誰もからムゲンダイナを扱える唯一のトレーナーだと思われている。ラウラとまた戦う約束を交わしてご満悦。

・モコウ
こおりタイプの技でしっかりダメージを稼いでいた縁の下の力持ち。ムゲンダイナはかっこいいなとは思ったが興味はない。

・ムツキ
殺意マシマシでエスパータイプの技などでダメージを稼いでいた。あとでユウリが使うムゲンダイナをボコボコにしてキリエの仇討ちしようと思っているが捕まえるのはなんか違うしそもそも翼がないから興味はない。

・ホップ
喜んでムゲンダイナをユウリに譲った。今回一番の苦労人。地味にひんしになったザシアンとザマゼンタを手持ちの道具で回復させていた。

・ムゲンダイナ
なんか痒いなと思っていたら体力をすっからかんにされたうっかりさんな伝説ポケモン。煽ってきたラウラは絶対潰してやると誓いユウリの手持ちとなる。

・ザシアン&ザマゼンタ
ピンチに駆けつけた伝説ポケモン姉弟。握り潰されて瀕死にされたが奮闘した。いいところを持っていったラウラにちょっと思うところがある様子。ホップには感謝している。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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