ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ムツキの罵倒が光る回となります。むしろここを書きたかったから罵倒キャラにしたまである。

今回はVSシーソー兄弟。楽しんでいただけると幸いです。


VSネギガナイト

 モコウ曰くソッドとシルディというらしい二人は、俺達には目もくれず、モコウに歩み寄る。思わず庇うように立ちはだかるが、簡単に払い除けられてしまった。

 

 

「モコウさん。あなた、実家に帰らず何故ここに?まさか、貴女も英雄になろうと馬鹿なことを考えたんじゃあーりませんよね?」

 

「我々と同じ高貴な血筋の分家だというのに街の貧乏人共と遊び呆けた挙句に学び舎でもトップにはなれず、偽りの王であるチャンピオンになって我々を見返してやると言っておきながら蟲なんぞに負けて果たせず、どこぞに逃げた物と思っていまーしたが?」

 

「う、うるさい!お前たちは何度私を否定すれば…!」

 

「まーだそこの下々の者と共にいるとは品を疑いますよ、モコウさん」

 

「おや!おやおーや?もしやあなた『ガラルの歴史』を書いた…ソニア博士では!?」

 

 

 泣きそうになってるモコウの言葉を一蹴して、ついでに俺達も馬鹿にしてきたソッドとシルディはソニアさんの方に向き直った。…てか蟲ポケモンを馬鹿にしやがったなこいつら。

 

 

「え、あ、どうもー……本を買って下さった方です?」

 

「えぇ、えぇ!隅から隅までくまなく読みましたとも!」

 

「えぇ、えぇ!インターネットでレビューも書きましたとも!」

 

「嘘だらけの不愉快な本……」

 

「故に、ホシ1つッ!!」

 

「ちょっとなによ!?嘘なんか書いてないし!」

 

「おい、ソニアにもモコウにも失礼だぞ!」

 

 

 ホップの怒声に、不敵な笑みを浮かべるソッドとシルディ。

 

 

「改めて!我はソッド!」

 

「改めて!我はシルディ!」

 

「「我々こそ、ガラルの純粋なる血族!うぅーん、セレブリティ!」」

 

「ああ、そこのモコウさんも含めてですね」

 

「大変、不愉快ですがッ!」

 

「…ッ、私こそ…お前たちと血縁なのがどんなに嫌か…!」

 

 

 もう完全にキャラが崩れてしまっているモコウ。何がセレブリティだ。変な髪型しやがって。するとソッドとシルディは先程ユウリとホップが返したばかりの朽ちた剣と盾に目を向けた。

 

 

「おやっおーや!こちらにあるのは件の剣と盾では!?」

 

「おーや!なんと小汚い!」

 

「まさに偽りの剣と盾!素手で触るのが憚られます」

 

「触らなきゃいいだろ」

 

 

 思わずツッコんだが、気にせずに朽ちた剣を取るソッドと朽ちた盾を取るシルディ。…こいつらの目的が全然わからん。

 

 

「おい取るなよ!今返したばっかだぞ!」

 

「黙らっしゃい!我々は落ちてるものを拾っただけ!」

 

「文句を垂れられるのであればこれらが誰の物か証明できるのですか!?」

 

「ぐぬぬ…それはできないけど!」

 

「ザシアンとザマゼンタの大事なものなの!返しなさい!」

 

 

 ホップとユウリの怒鳴り声に肩を竦めてやれやれとでも言いたげに溜め息を吐くソッドとシルディ。すると俺達を見渡して、今更気付いたとでも言いたげにポンと手を打った。

 

 

「おや!おやおやおーや?よく見れば、あんな偽の王を決める祭典で遊戯をしていた皆々様じゃあーりませんか」

 

「見ていましたよ。美しさの欠片も無い野蛮な戦い!」

 

「あんなもので決まる強いだけ……いえいえ、お山のご大将の様な王などたかが知れてますねえ」

 

「我々、抱腹絶倒」

 

 

 その物言いにいい加減にカチンときた俺は、さっきからなにか言おうとして口をすぼめていたムツキの肩に手を乗せた。

 

 

「ムツキ、言ってやれ」

 

「え、私ですか?貴方が嫌だと言ってたはずですが」

 

「気にするな。こいつらにはお前のアレがよく効くはずだ」

 

「おやおーや。有利なタイプな癖して負けていた病人じゃないですか。なんです?」

 

「はあ~?なんですか変な髪型!勝手に持ってくのは泥棒なんですよそんなことも習わなかったんですか~?セレブリティ(笑)!」

 

 

 病人だと言われてキレたのか、まくしたてるムツキ。その剣幕に、怖気づくソッドとシルディの姿は滑稽そのものだ。

 

 

「その髪型!その服装!その物言い!無駄に整った殴りたい顔!貴方達はセレブリティなんかじゃありません、ただの成金野郎です!」

 

「なっ、なああああああ!?」

 

「貴方、言うに事欠いて我々を成金野郎、ですと!?」

 

「我々は真なるセレブリティ!平民の癖に意外と押しがお強いのですね。弟よ」

 

「ええ、兄者。そこまで言うなら勝負いたしましょう」

 

「我々、売られた喧嘩は2倍の値段で買うセレブ!」

 

 

 そう言ってボールを取り出すソッドとシルディに、俺とユウリが前に出る。ホップの手持ちは瀕死。モコウは静かに泣いていて、ソニアさんとムツキがそれを慰めているから戦えるのは俺達だけだ。

 

 

「ユウリ、やるか?俺はモコウを馬鹿にされて頭に来てるんだが」

 

「うん、私も頭に来たよ」

 

「偽の王よ。あなたはこのソッドがお相手しましょうぞ!」

 

「蟲の女王よ。あなたはこのシルディがお相手しましょう!」

 

 

▽ポケモントレーナーの シルディが 勝負を しかけてきた!

 

 

「いきなさい、ネギガナイト」

 

「潰すぞ、テッカニン」

 

 

 シルディが繰り出したのはネギガナイト。見ればソッドもネギガナイトを繰り出している。対して俺はテッカニン。ユウリはムゲンダイナ。あっちは心配いらなそうだな。

 

 

「そんなちんけな蟲ポケモン、一撃で倒してくれましょう!スターアサルト!」

 

「かげぶんしんだ」

 

 

 ネギガナイト渾身の突撃を、分身で回避する。いきなり大技を撃ってくるとは、対して強くないな?

 

 

「つばめがえしだ」

 

 

 鋭い一撃がネギガナイトの背中から炸裂。一撃で落とす。あれから色んなところに赴いて蟲ポケモン探すついでに鍛えてたからな。セミファイナルトーナメントの俺と同じじゃないぞ!

 

 

「馬鹿な…タイレーツ!はいすいのじん…」

 

「させるな、つばめがえし!」

 

 

 交代できなくなる代わりに全能力がアップするはいすいのじんを阻止して司令塔を狙う。やはり一撃で終わった。戦い慣れてないと見て取れる。

 

 

「ならばこいつはどうです?ドータクン!さいみんじゅつ」

 

「…お前、そいつのタイプ知らないのか?つるぎのまい、シザークロス」

 

「な、なああああ!?」

 

 

 エスパータイプがむしに勝てるかよ。ドータクンには等倍だけど。そもそもさいみんじゅつなんて使いどころ考えないと滅多に当たらないぞ。見れば、ユウリのムゲンダイナで三タテしていたところだった。

 

 

「クッ、準備運動は終わりです。そろそろ本気を出しましょうか」

 

「フン!肩慣らしはお終いです。そろそろ本気でいきましょうか」

 

 

 そして繰り出されたのは、グソクムシャとギギギアル。俺もマルヤクデに交代しとく。お、蟲ポケ。だがしかし、グソクムシャはアクアブレイク撃っときながらビクともせず一撃でダイマックスほうでのされた。……おいソッドてめえ。

 

 

「…グソクムシャ使うんだったらもっとマシな威力出しやがれええええええ!!ほのおのムチ!!」

 

「我関係ないぃいいいいい!?」

 

 

 炎の鞭で吹き飛ばしたギギギアルをシルディにぶつけて戦闘不能にする。蟲を使うならもう少し考えて技打てや!?ポケモンバトルというより、蹂躙だった。

 

 

「おお…なんたること…ぐふっ、我の……我の、ポケモンが…」

 

「言っとくけどお前らな。モコウより断然弱いぞ、雑魚が」

 

「うん、全然楽しくなかった」

 

「クッ…中々どうして強いではないですか…!」

 

「我らのちょっとお散歩用のかわいいポケモンを倒すとは…!」

 

「嘘ですよ、見ればわかります。練度だけ高くてトレーナーが弱い私みたいな例です」

 

 

 ムツキに言われて図星なのか白目をむくソッドとシルディ。そんな彼等から朽ちた剣と盾を取り戻す俺とユウリ。

 

 

「ムゲンダイナを鎮めた偽の王…これほどとは」

 

「蟲ポケモンを操る女王とは聞いていましたがこれほどとは…」

 

「我らの手柄を横取りした例の子供達に負けるとは…」

 

「調査によればご先祖様が描かれた偉大なる壁画が壊された現場にも居合わせた犯人と思わしき者に負けるとは…」

 

「いなかった癖に私達に手柄取られたとか馬鹿なんですか?あと偉大な絵ってあれ、どう見ても子供の落書きですよ?」

 

「お、お前え!さっきからグサッと刺さる言葉ばかり言いおって!」

 

 

 ムツキの罵倒に一々ショックを受けたように固まるソッドとシルディは面白かった。すると、俺の手からふわりと朽ちた盾が浮いてふよふよと飛んで行ってしまう。なんだ!?

 

 

「はいゲット。ご苦労さんバリコオル」

 

 

 朽ちた盾の飛んで行った先には、木の上に座って黒手袋をはめた手で朽ちた盾を撫でるシルクハットにタキシードと行った黒づくめの少年がいた。その傍らにはガラルバリヤードが進化したバリコオルが。

 

 

「今は身を引こう、二人とも。次はより強いポケモンでコテンパンにしてやればいいじゃない。君達にはやることがあるでしょ?」

 

「アルルカンか…礼を言いましょう」

 

「アルルカン…?」

 

 

 確か、道化師って意味だ。本名じゃないとしても何者だ?すると俺とユウリを押しのけて逃げていくソッドとシルディ。アルルカンに全員の意識が向いた隙を突かれた!

 

 

「「それでは…グッドバイ!」」

 

「僕もさよならさせてもらうよ。バリコオル、こごえるかぜ」

 

「あ、待てよ!朽ちた盾返せー!」

 

 

 アルルカンも凍える風をばら撒いて姿を消し、ホップがそれを追いかけて行った。…なんだったんだあいつら。




アルルカンの乱入が無ければ完全勝利でした。

・ラウラ
蟲使いとしてソッドのグソクムシャの使い方にブチギレした主人公。ドラゴンに水技撃つな!(怒)モコウのことも罵られ、蟲を貶され、怒りに震えながらも経験則から反論はムツキに任せた。

・ユウリ
友達を貶されて容赦なくムゲンダイナで4タテしたチャンピオン。シーソー兄弟曰く偽の王。だけど蟲の女王のラウラと一緒だからちょっと嬉しい。

・モコウ
自分の存在を否定されて戦う事も出来なくなるぐらいメンタルブレイクした。ちなみに貧乏人は単に友達のこと。学び舎でトップになれなかったのはサイトウとかオニオンとか優秀な生徒がいたため。

・ムツキ
かつてないほど生き生きしていた無意識罵倒癖。ラウラに言われてからは抑えていたが、解禁されて容赦なくシーソー兄弟を罵倒した。ムツキ曰く罵倒するところしかない。

・ホップ&ソニア
ほぼ原作通り。ホップは瀕死のポケモン達で戦わずにすんだ。

・ソッド&シルディ
ムツキに言い負かされたシーソー兄弟。セレブリティ(笑)な王家の血筋。アルルカンとは協力関係、というか血縁。

・アルルカン
ラウラ達の前に姿を見せた道化師。ガラルマタドガスと、バリコオルを手持ちにしているエセ紳士。不甲斐無い兄弟の代わりに朽ちた盾を奪う。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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