今回はソニアの研究所での一幕。ラウラVSシーソーコンビ、そして?楽しんでいただけると幸いです。
エンジンスタジアムから出て、そらとぶタクシーでブラッシータウンを目指していると、スマホロトムにユウリから連絡があった。
「どうしたユウリ。そっちでなにかあったのか?」
『ラウラ!ソニアさんから連絡があった!研究所にシーソーコンビが押し掛けたって!ねがいぼしを渡せってネチネチ言われているだけみたいだけど…私達も向かってるけど、多分ラウラが一番早いから!』
「わかった、ソニアさんのことは任せろ」
ちょうど着く目前。逃げも隠れもせずに出てきたのは評価してやる。アルルカンがいないのならちょうどいい。二人そろってボコボコにしてやらあ!
「ソニアさん!無事か!?」
「ら、ラウラ~!」
辿り着き、急いで中に入ると、本当に2人がかりでねちねち言われているところで、ソニアさんが泣きついてきた。見ればルミと…ソニアさんの祖母でダイマックス研究の第一人者のマグノリア博士もいる。
「ローズ委員長が集めていたねがいぼしが今ここにあることセレブリティにはお見通し!」
「セレブリティではない貴方方には不釣り合いな代物です。我々に差し出しなさい」
「なんでそのことを知ってるのかは知らんが、ねがいぼしとセレブには何も関係ないだろアホなのか!?」
「あんたたちなんかに渡せるわけないでしょ!?」
「セレブリティを愚弄する貴方、蟲の女王ですか!」
「我々を差し置いて愚民から王と呼ばれるいけ好かない女の片割れ…!」
ユウリのことも偽の王とか呼んでたなこいつら。そんなに王にこだわるか。俺のはただの二つ名だが。すると黙って成り行きを見守っていたマグノリア博士が口を開いた。
「そうですね。ねがいぼしの価値が分からないあなたたちには必要ありません」
「やれやれ…どうしましょう弟よ」
「ふむ…困りましたね兄者」
「「ハーッハッハッハ!」」
こいつら本当に頭おかしいんじゃないか?病院紹介しようか本気で迷うぞ。
「困ってるのはこっちだ。ポケモンを強引にダイマックスさせやがって。しかもアレ、育成した後で捨てたポケモンだろ。強さが段違いだったぞ」
「それはアルルカンの選んだポケモン…我々は関係ありませんね」
「どうせなら邪魔者を潰せるようなポケモンを選ぶように言いましたし、さすがは我らの忠実な部下です」
「部下ねえ」
そんな感じはしなかったけどな、アルルカンの奴。
「てっきりチャンピオンが来るかと思っていましたが…」
「貴女なら我々でもまだ勝てますよ」
「お前らみたいなバカに2人がかりでも負けてたまるか」
「ば、バババッババッバカ、ですと~!?一度ならず二度までも!」
「兄者!我、悔しい!愚民如きにバカ呼ばわりされるなんて!」
「ええ!高貴な者として無礼な態度は許せません」
「「前より戦闘向きのポケモンで叩き潰して差し上げましょう!」
「ソニア、マグノリア博士、ルミ。下がっといてくれ、危ないから」
「う、うん」
▽ポケモントレーナーの ソッドとシルディが 勝負を しかけてきた!
ソニアたちを奥に下がらせ、デンチュラとユキハミを繰り出す。ユキハミは暇だったからそらとぶタクシーの中でわざマシンを使っておいた。ダブルバトルなら中々やれるポケモンになったぞ。シーソーコンビが繰り出したのはグソクムシャとドータクン。やることはひとつだ。
「フハハハハ!そんな蟲如きで我々の戦闘向けのポケモンを倒せますか!」
「フハハハハ!そんなちんけな進化もしてない蟲如きで戦おうとは笑止!」
「デンチュラ、ほうでん!ユキハミ、まもる!」
瞬間、勝負が決まった。こうかばつぐんのグソクムシャだけでなくドータクンも一撃で倒れ、ユキハミは無傷。キバナさんの時は相手がじめんタイプ多めだったからできなかったが、こんなバトルもできる。
「くっ…キリキザン!」
「行きなさいタイレーツ!」
「交代だテッカニン、マルヤクデ」
たいねつかふゆうかもわかってないドータクンを落とせたのはでかい。遠慮なく相性抜群の二体に交代する。覚悟しろ?
「テッカニン、タイレーツにつばめがえし!マルヤクデ、キリキザンにほのおのムチだ!」
「つるぎのまい…馬鹿な!?」
「はいすいのじん…なにぃ!?」
「自分のポケモンの相性ぐらい覚えておけよ、ド素人」
悠長にも変化技を使用しようとして一撃で落とされた二体に同情する。ポケモン自身は弱くない、トレーナーが弱すぎる典型的な例だ。初戦闘時のムツキにも劣るぞ。
「おのれ…ニダンギル!ならばせいなるつるぎです!」
「ぐぬぬ…ギギギアル!今度こそ、ギアチェンジです!」
「交代だデンチュラ、ユキハミ。再放送だ」
ソッドは攻撃を選び、シルディはへんかわざを選ぶが関係ない。ほうでんとまもるで事足りる。俺のデンチュラのほうでんの威力はかみなり級だからな。
「クッ……兄者!我、悔しい!」
「弟よ……これは何かの間違いでは?」
「我々のトレーニング用のポケモンが負けるとは!?」
「ふん!我々二人を一人で倒すとは…褒めて差し上げましょう!」
「前と手持ち変わってなかったように見えるが。そして神妙にしやがれ。御用改めだ。とっ捕まえろデンチュラ。いとをはく」
デンチュラに糸を吐かせてシーソーコンビをグルグル巻きに拘束、しようとしたその瞬間だった。
「ウオノラゴン、エラがみ!」
「なっ!?」
横から突進してきた断面が見える竜の胴体の尻尾に魚の頭部がくっ付いている異様な容姿のカセキメラ…ウオノラゴンがデンチュラの胴体に噛み付き、そのまま地面に叩きつけてシーソーコンビの拘束が解かれてしまう。一撃では落とされなかったが今の攻撃は…!?
「ルミさん…なんで!?」
「それ以上は駄目ですよ、ラウラさん」
ソニアさんの驚く声と共にウオノラゴンを側に侍らせたのは、その手にねがいぼしが入っているであろう箱を手にしたルミだった。ただその顔は、キバナを…いや、ドラゴンポケモンを思わせる獰猛な笑みを浮かべている。
「助かりましたよ、ルミさん。潜入任務ご苦労でした」
「アルルカンが拾ってきた貴方を信用してよかったですよ」
「光悦至極でございます、ソッド様。シルディ様。お二人が時間を稼いでくれたおかげで、こちらに」
獰猛な笑みを浮かべながら箱を手渡しぺこりとお辞儀するシュールな図を作り上げたルミはそのまま俺へ向き直り、スンッと無表情となったかと思えばにこやかな、先刻出会った時の「ソニア博士の助手ルミ」の顔になる。こいつの表情筋どうなってるんだ。複数の顔が在るのかってぐらいの変わりようだ。
「…お前、スパイか。言ってたことは全部嘘かよ」
「ジムチャレンジャーだったこともムツキ選手に憧れたのも本当のことです。だけどな?お前への殺意を抑えるのは随分と苦労した…!」
再び獰猛な笑みを浮かべるルミに、ソッドとシルディは出口に向かいながら声をかける。
「では我々は例の場所に向かいます」
「貴女も足止めが終わったら合流しなさい」
「そんなの知ったこっちゃないね!ラウラをボコボコにできるからアルルカンに手を貸したんだ!あとは勝手にさせてもらうぞ、ジャラランガ!」
「っ!?」
ウオノラゴンをボールに戻し、繰り出したジャラランガの背に乗って俺とデンチュラを掴ませて研究所のかべをぶち壊して2番道路に飛び出すルミ。その目にはこの世界では珍しい殺意が混ざっていた。
「改めて名乗ろう!私は、ドラゴン使いのルミ!ムツキ選手がチャンピオンになる邪魔をしてくれたお前を今ここで潰してやる!」
2番道路の水辺で俺達を解放し、咆哮を上げるジャラランガから飛び降り体勢を低くして構え、こちらの出方を窺うルミ。なるほどね、憧れたムツキの優勝を奪った俺へのやつあたりか。狂信者って奴だな。
「お前さえ、お前のデンチュラさえいなけりゃなあ!あの人は今頃チャンピオンになっていた器だったんだ!お前さえいなけりゃあ!」
「俺達は全力でぶつかって、そして決着をつけたんだ。部外者に文句を言われる謂れはねえ!」
行くぞデンチュラ。この馬鹿は、ムツキのことを何も見ていない馬鹿は……ムツキの友人として、ライバルとして、ここで倒す!
ルミの元キャラはムツキの元キャラが好きすぎて孤立させて自分だけのものにするために融合しようとした最強厨です。まだマシだね!
・ラウラ
シーソーコンビの二人を相手取って完勝した主人公。ルミの狂信者っぷりに止めなければいけないと確信する。
・ソニア
ルミが本当に研究職を楽しんでいた様に見えたのでショックを隠し切れない。
・マグノリア
今回初登場。壊された研究所に頭を抱える。
・シーソーコンビ
2人がかりでラウラに惨敗した。ルミはアルルカンからの紹介なので信用はしてなかった。
・ルミ
正体を現したムツキの狂信者にしてドラゴン狂。ラウラのキョダイデンチュラとかいう反則でムツキが負けたと考えて怒り狂っており、鬱憤晴らしにラウラをボコボコにすべくその機会を得るためにアルルカンと手を組む。シーソーコンビへの忠誠心は欠片も持ち合わせてない。
・ウオノラゴン
とくせい:がんじょうあご
わざ:エラがみ
かみくだく
りゅうのいぶき
こおりのキバ
もちもの:こだわりスカーフ
備考:いじっぱりな性格。打たれ強い。ルミの切札。ムツキにやられてから加入した。
・ジャラランガ♂
とくせい:ぼうだん
わざ:スケイルノイズ
ソウルビート
げきりん
インファイト
もちもの:なし
備考:いじっぱりな性格。体が丈夫。ルミの相棒。ムツキのウォーグルに一撃でやられた経験あり。どちらかというとリベンジしたい。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。