ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、二週目としてむしタイプ統一の旅を始めた放仮ごです。UA2000、お気に入り70突破ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。

今回は第二鉱山での一幕。ラウラ以外のオリトレーナーが登場します。では、楽しんでいただけると幸いです。


VSパッチラゴン

 第二鉱山。バウタウンとエンジンシティを繋ぐガラル鉱山に次ぐ鉱山である。前のガラル鉱山と違って水源に恵まれ、みずタイプのポケモンやトレーナー同士の戦いも盛んなところだ。ちなみに生息しているむしタイプはコソクムシぐらいだ。ちょっと残念。

 

 

「グソクムシャか…選択肢としてはありなんだがな」

 

 

 麦わら帽子に乗せたバチュルを撫でながら思考する。コソクムシの進化系、グソクムシャはむしタイプでも珍しい人型に近いポケモンだ。殴り合いとかも可能な体格で、「ききかいひ」というとくせいで危なくなったら逃げることもできる。だが、オニシズクモとタイプが被っているという大きな問題がある。被るにしてももう少し別のタイプを増やしてからにしたい。タイプの偏りが原因で負けたとか洒落にならないからな。

 

 マッギョとかいう天然の罠に気を付けて避けながら襲いくる野生ポケモンを迎撃しながら先に進むと、開けた場所に出た。そこには、ラクライという四足歩行のポケモンと共に足に挟まったマッギョを必死に引き離そうとしている…なんだ、ゴスロリファッションで眼帯を付けたわかりやすい格好の、金髪を雷みたいなジグザグなツインテールにしている少女がいた。厄ネタの気配がしたのでスルーして先に進もうとすると、涙目でこちらに振り向いてきた。

 

 

「ま、まって、まってくれ!我はモコウという!たすけて!」

 

「ええ……」

 

 

 そのモコウと名乗った少女は今にも泣きだしそうだった。なんか可哀想になったので、バチュルでマッギョにきゅうけつして戦闘不能にし助けてやった。大方、電撃攻撃ばかりでラクライも主人を巻き込むから迂闊に攻撃できなかったんだろうな。

 

 

「マッギョが跋扈していることぐらい有名だろ、ここ。これからは気を付けろよ」

 

「む、むう…こんな小さな女子(おなご)に助けられるとは…んん?そのバチュル、むぎわら帽子、赤い髪、むしタイプのユニフォーム…むしつかいのラウラ殿とお見受けした!恩人なのに悪いが、勝負してくれ!」

 

「俺を知っているのか?」

 

「我らジムチャレンジャーの間では有名だぞ!むしタイプでダイマックスも使わずヤローを撃破した風雲児、もしくは超新星!この我もダイマックスなしでは越えられなかったというのに…そのバチュル、みればわかる。凄まじく鍛えておろう!溢れるでんきがその証拠だ!改めて名乗ろう!」

 

 

 そう言って服に手をかけ、バサッと翻すモコウ。慌てて目を覆い隠すが、そこにはでんきタイプのユニフォームに身を包んだモコウの、眼帯を付けたドヤ顔で踏ん反り返る姿。

 

 

「我はジムチャレンジを一番に乗り越えし者!人呼んで雷光の死翼(ライトニング・アルバトロス)!我はでんきタイプ使いのモコウだ!同じ、ひとつのタイプを極めしラウラ殿と勝負願いたい!」

 

「でんきのアホウドリ?」

 

「ライトニング・アルバトロス!このかっこよさがわからんのか!」

 

「お前がそう言う奴だってのは何となくわかるよ」

 

 

 面倒な奴に絡まれたな。えっと、つまりはジムチャレンジャーの中でも最速でバウジムを越えてここにいる、でんき統一使いのトレーナーってことか。………あれ、最後のジムリーダー・キバナってたしか…まあいいか。

 

 

▽でんきつかいの モコウが 勝負を しかけてきた!

 

 

「いくぞ、三対三のシングルだ!問答無用!ラクライ!」

 

「いや、まあいいけどさ…テッカニン」

 

 

 まだ了承してないのに仕掛けてきた。あれか、目と目があったらバトルが礼儀ってやつか。俺の手持ち二体にとっては弱点タイプなので、油断はしない。ユウリの時の様に油断で負けるなど、むしポケモンたちに申し訳ない。

 

 

「かげぶんしんだ!」

 

「ほのおのきば!」

 

 

 かげぶんしんしたテッカニンの分身を、炎を纏った牙が掻き消す。どうやってでんき統一で草タイプを突破したのか謎だったが、あのわざがあるなら納得だ。危ないから早々に倒させてもらおう。

 

 

「つるぎのまい」

 

「隙あり!でんげきはだ!」

 

 

 つるぎのまいをしたところに不可避の電撃が繰り出されるが、一発耐えられるなら問題はない。二回行動した、つまりは二段階加速だ。もう追い付けない!

 

 

「れんぞくぎりだ!」

 

「でんこうせっかとかみなりのきばで迎え撃て!」

 

 

 テッカニンの刃とラクライの牙がぶつかり、競り合いとなる。テッカニンは元々力で押すタイプではない、つるぎのまいによるバフで何とか張り合えているだけだ。迸る電撃で弱り始めたのを見て、すぐさま対応する。

 

 

「バトンタッチ、喉元にきゅうけつだバチュル!」

 

 

 やられる前にバトンタッチ、小柄なバチュルは空ぶったラクライの下に潜り込んで高火力のきゅうけつが炸裂。ラクライを戦闘不能にした。しかし手強い。才能だけならジムリーダーに匹敵するんじゃないのか?

 

 

「中々やるな。ならば次だ、パルスワン!」

 

「一気に決めるぞ、天井と壁を這い回っていとをはく!」

 

 

 洞窟であることを利用し、四方八方からいとを吐いてパルスワンの動きを遅めていく。パルスワン、洞窟じゃない広い場所なら速度で負けていたんだろうが、生憎バチュルの得意な狭い場所だ。自慢の素早さもここなら関係ない!

 

 

「そこだ、きゅうけつ!」

 

「待っていたぞ、ほえる!」

 

「なに!?」

 

 

 強制的にポケモンを交代させる技、ほえるが避けきれないタイミングで放たれた。能力上昇がリセットされ、交代されたのはテッカニン。いきなり出されて戸惑っている、可愛い。じゃない、不味い…!?

 

 

「そこだ、でんこうせっか!」

 

「テッカニン!?」

 

 

 目にも留まらぬ体当たりが炸裂、崩れ落ちるテッカニン。ほえるを警戒しなかった俺のミスだ。

 

 

「今のうちにじゅうでんだパルスワン!」

 

「…さすがは最速攻略者、正直見た目でなめてたぞ…」

 

「なめられやすい虫取り少年っぽい格好している(ぬし)が何を言うか。それに我の一張羅は強そうだろ、訂正を求む!」

 

「なら容赦はしないぞ。オニシズクモ、バブルこうせんだ!」

 

「なんの、スパークだ!」

 

 

 次に繰り出したオニシズクモの前足から放たれたバブルこうせんに、真っ直ぐ電撃を纏ったパルスワンが突っ込んでくる。だがそれは悪手だぞ。

 

 

「キャイン!?」

 

「なに!?」

 

「残念ながらもちものはおうじゃのしるしだ。隙ありだ、アクアブレイク!」

 

 

 電撃に触れて破裂したバブルに怯んで止まってしまったパルスワンに、渾身の一撃が炸裂。天井に叩きつけて戦闘不能にする。オニシズクモは鈍足のポケモンだ、素早い相手に対する対策をしてない訳がない。

 

 

「…クフフッ、ハハハハハッ!やるではないか、ラウラよ!ならばこちらも本気を出そう…いでよ、パッチラゴン!」

 

 

 パッチラゴン?知らない名だな、と身構えていると、出てきたのはなんというか…黄色い鳥?の上半身に、断面丸見えのドラゴンの様な下半身をくっつけた、あまりにも不思議すぎるポケモンだった。

 

 

「なんだそのポケモン、その断面!?」

 

「知らんのか?先月にウカッツ博士が論文で発表していたカセキメラの一体、パッチラゴンだ」

 

「生命に対する冒涜だろそれ!?」

 

「まあよい、いくぞ!でんげきくちばし!」

 

「っ、バブルこうせんだ!」

 

 

 繰り出してきたのは全く知らないわざ。電撃を纏った嘴で突っ込んでくるという、さっきのスパークに似た技だったので同じ方法で迎撃。しかし、怯んだパッチラゴンはその場に止まると今度は岩石を飛ばしてきた。

 

 

「たたみかけろ、げんしのちから!」

 

「避けろ!」

 

 

 …あれ?鈍足のオニシズクモでもなんか簡単に避けれたぞ?まさかとくせい、はりきりか?ならまだ、勝機はある。

 

 

「むっ…近づいてからと思ったが…でんげきくちばしからの、つばめがえし!」

 

「っ、上だ!とびかかる攻撃」

 

 

 オニシズクモに効果抜群のひこうタイプの必中技、つばめがえし。だがそれはゲームの中だけの話だ。マジカルリーフと違い、ぶつりわざであるつばめがえしは、そもそも届かなければ当たらない。バブルこうせんを弾こうとしていたのだろう、でんげきくちばしは跳躍して天井に逆さにくっついたオニシズクモには当たらず、盛大にからぶって隙だらけの背中にとびかかるオニシズクモ。

 

 

「しまっ…ドラゴンテールで引き離せ!」

 

「叩き込め!アクアブレイク!」

 

 

 そして零距離から振り上げられたすいほうに包まれた頭部による一撃が炸裂。パッチラゴンの小柄な上半身が地面とすいほうに挟まれ叩き潰される。やったか?

 

 

「…むう、完敗だ。ま、まさかむしタイプに負けるとは…」

 

「ほえるにドラゴンテール…俺のテッカバトンの対策は完璧だったようだがこっちには新入りがいてな。おお、よしよし。よくやったオニシズクモ」

 

 

 オニシズクモが褒めて褒めてとでも言う様にひょこひょこ近づいてきたので、すいほうに優しく手を入れて頭部を撫でてやる。あんなに強いのにこんなにかわいいんだからずるいやつめ。

 

 

「その愛が強さの理由か。色んな意味で完敗だ…我にはでんきタイプへの愛がまだ足りないらしい」

 

「いや、パッチラゴンを使っている時点で相当なもんだぞ。少なくとも俺は好まない」

 

「そっちこそ女子(おなご)の癖にむしを使うなど…我は全然触れもせんというのに」

 

「なんでだ。こんなにかわいいのに」

 

「我からしたら蟲を愛でる(ぬし)の方が可愛いが」

 

「俺のことはどうでもいいんだよ。それよりお前も虫の可愛さに目覚めろ」

 

「遠慮する。我はエンジンジムに急ぐのでな。最速最強の名を欲しいがままにするのだ!」

 

「そうか。残念だ。頑張れ、お前なら出来るぞ、多分」

 

 

・・・俺の記憶が正しければ、最後のジムリーダーがじめんタイプを二体ぐらい持ってたと思うからだいぶきついと思うが…まあ、なんとかなるだろ、こいつの才能なら。

 

 

「ではまたな!我が最強であるためにお前にまた挑み、勝つからな!」

 

「おーう。またな」

 

 

 ビートといい、ユウリといい、モコウといい、才能に溢れるチャレンジャーばかりだな。俺はそう思いながら去って行くモコウを見送るのだった。あ、こけた。足元がお留守だな。




ラウラにとって苦手なタイプであるでんきタイプの使い手との対決でした。

・ラウラ
だんだん有名になってきたジムチャレンジャーの風雲児。パッチラゴンの衝撃的な見た目に度肝を抜いた。他の女子がむしタイプを好まないのを本気で謎に思っている。生前好きだった漫画はムシブギョー。

・モコウ
でんきタイプ使いのトレーナーにして最速でジムを突破しているジムチャレンジャー。ラウラの事をライバル視している。ラテラルタウン出身。一人称は「我」で自称雷光の死翼(ライトニング・アルバトロス)を名乗る厨二病。超がつく程のドジっ子で足元が見えてないタイプ。手持ち全員にじしゃくを持たせている。名前の由来はワレモコウから。

・ラクライ♂
とくせい:せいでんき
わざ:でんこうせっか
   ほのおのきば
   かみなりのきば
   でんげきは
もちもの:じしゃく
備考:すなおな性格。逃げるのがはやい。モコウの相棒。

・パルスワン♀
とくせい:がんじょうあご
わざ:でんこうせっか
   ほえる
   スパーク
   じゅうでん
もちもの:じしゃく
備考:てれやな性格。とてもきちょうめん。ほえるは対ラウラ用という訳ではなく、単純にジム戦で相手のテンポを崩すためのもの。

・パッチラゴン
とくせい:はりきり
わざ:でんげきくちばし
   げんしのちから
   つばめがえし
   ドラゴンテール
もちもの:じしゃく
備考:れいせいな性格。暴れることが好き。論文を見るなり化石を集めてウカッツ博士の元に訪れて手に入れたポケモンでモコウの切札。ダイマックス時に必ず使い、ラウラ以外に負けなし。モコウの最初のポケモン。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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