ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回、アルルカンの思惑が明らかになります。剣と盾編クライマックスです。

今回はVSアルルカン。楽しんでいただけると幸いです。


2/12※アルルカンの手持ちの技を修正しました


VSマタドガス

以前、ムゲンダイナが暴れていたナックルスタジアム屋上。そこでは、アルルカンを側に控えさせたシルディがザマゼンタと対峙しているところだった。ソッドはユウリ達の足止めか?俺が降り立つと同時に、苦しみ悶えるような咆哮が上がる。

 

 

「フハハハ!やった!やりましたよ、兄者!朽ちた盾に釣られてやってきたこやつめに!ガラル粒子を注入してやりましたよ…!」

 

「お前、やってしまったのか!」

 

「おや、遅かったねラウラ。それに皆々様方。もう既にやることは終わったよ」

 

「ラウラ!これは一体…?」

 

「そんな…!ザマゼンタ苦しそう!」

 

 

 するとユウリ達がソッドを引き連れてやって来て、役者は揃った。何が起きても止めれるはずだ。アルルカンのにやついた笑みが気になるが。

 

 

「さあ!己の凶暴性を曝け出し…偽りの王であると自ら証明しなさい!」

 

 

 その瞬間、ザマゼンタがシルディに牙を剥いて襲いかかった。咄嗟に前に出る。

 

 

「ユキハミ、まもる!」

 

「ひょえっ!?」

 

「お、弟よ!こ、これは一体?アルルカン、話が違うぞ!我らは安全だったのではなかったのか?!」

 

「誰がそんなこと言ったかなあ。僕は僕のマタドガスのガスを改造したものなら安全にガラル粒子を扱えるって言っただけで暴走したポケモンまで操れるとは言ってないんだけどなあ。あ、オーベムで操ればいいんだっけ。失敬失敬」

 

 

 アルルカンがそばに侍らせるオーベムは強力なサイコパワーを持ち、相手の脳を操って記憶を書き換えてしまうという恐ろしい能力を持つという。それを使用したらしいアルルカンだが、ザマゼンタは止まらず、むしろ俺の守りを掻い潜ってシルディに襲いかかり、咄嗟にデンチュラを繰り出す。回復なら空の上ですませた。フルメンバーで戦える!

 

 

「デンチュラ、エレキネット!」

 

 

 なんとか電気が迸る蜘蛛の巣で拘束したが、すぐに振りほどいて俺とデンチュラを突き飛ばしてシルディに迫らんとしたところを、ユウリがムゲンダイナを繰り出して防いだ。ムゲンダイナさえ押されているだと…!?

 

 

「わ、我ではない!街へ繰り出し破壊の限りを尽くすのです!」

 

「アルルカン!貴様、なんのつもりだ!?」

 

「なんのつもりもなにも…このままどうなるのかを見物するつもりだけど?」

 

 

 庇われているというのにシルディはまだ馬鹿なことを言っており、ムゲンダイナの押さえつけが上手く機能してない。これは…シルディを襲うように強制されている?

 

 

「必死で自分を抑えようと…でも制御できないんだわ!」

 

「これまでみたいに大人しくさせたいですが、相手は暴走しかけた伝説ポケモンです。捕まえようなんて考えない方がいいですよ」

 

「悔しいけどどうにかできるのはきっと、ユウリだけだぞ!」

 

「う、うん!ムゲンダイナ!ダイマックスほう!」

 

 

 放たれるマゼンタ色の光線。それを防ぎきる盾の英雄、ザマゼンタ。さすがのタフさだ。ザマゼンタはユウリに任せて大丈夫だろう。…俺にできることは、今もにやにや見ているアルルカンを止めること…!

 

 

「デンチュラ、きゅうけつ!」

 

「おっと。テレポート」

 

 

 俺の攻撃を瞬間移動で端っこに逃げて回避するアルルカンとオーベム。この場から逃げるつもりはないらしい。

 

 

「邪魔しないでよ。これからソッドとシルディが無残に殺されて情けない悲鳴を上げるんだからさ」

 

「邪魔するに決まってるだろ。そんなことさせてたまるか」

 

「伝説ポケモンでもチャンピオンの相手はきつそうだ。チャンピオンは強すぎる、僕が加勢したところで焼け石に水だろう。だからさ、君には死んでもらうよ。サイケこうせん」

 

「ほうでんで迎撃だ!」

 

 

 ある程度指向性を持たせた電撃で念のビームを相殺する。オーベムだったら虫タイプのこっちが有利だ。ユウリもシルディを狙うザマゼンタの攻撃を庇いながら倒すのは至難の技だろう。早くオーベムを仕留めなくては。

 

 

「いとをはく!」

 

「させないよ。ヨノワール」

 

 

 まず拘束しようと伸ばした糸は、繰り出されたヨノワールの炎を纏った拳で受け止められてしまう。そっちが複数出すならこっちもだ。

 

 

「ほのおのパンチで叩き潰しちゃえ」

 

「ドラピオン!クロスポイズンで受け止めろ!」

 

 

 ガシッ!と組みあうヨノワールとドラピオン。するとボールを二つ取り出してお手玉したかと思うとキャッチせずに落とすという方法でガラルマタドガスとバリコオルを繰り出してきたかと思えば、毒の塊…ヘドロばくだんと氷の刃…こおりのつぶてが俺を狙って襲いかかり、慌てて回避。オニシズクモとマルヤクデを迎撃、対峙させる。

 

 

「バリコオル、オニシズクモにフリーズドライ。マタドガスはマルヤクデにワンダースチームだ」

 

 

 的確な指示を出すアルルカンと、それを最善の形で実行するそのポケモン達。こいつ、トレーナーとしては強くもなんともないが、ポケモン達が自分の意思でアルルカンの意思をくみ取り攻撃してくるタイプだ。こいつは厄介だぞ。

 

 

「テッカニン、デンチュラを手伝え!」

 

「いわなだれ」

 

 

 ザマゼンタを操ることに集中しているオーベムには直接指示をしないといけない様で、念動力で生み出された複数の岩がテッカニンとデンチュラを押し潰し、テッカニンを戦闘不能にしてしまう。こいつ、俺対策までしっかりしてやがる…!

 

 

「そんな驚くことないじゃん。君とチャンピオンが一番厄介な邪魔者なんだからさ。対策ぐらいしているよ。そして、みんな出してくれたね?」

 

「なに?」

 

 

 ヨノワールとバリコオルをボールに戻すアルルカンに怪訝な目を向ける。ガラルマタドガスとオーベムだけ残して何を…待て、マタドガス?まさか…

 

 

「オーベム、テレポート。そしてマタドガス…だいばくはつ」

 

「ユキハミ!」

 

 

 アルルカンとオーベムが反対側の端に逃げるのを見ながら咄嗟に頭の上のユキハミを握って庇うように胸に抱え、その瞬間屋上の一角が大爆発に包まれた。

 

 

「ラウラ!?」

 

「ちっ…タチフサグマ逃がすんじゃありませんよ!シャドークロー!」

 

「おっと、危ない危ない」

 

 

 絶叫を上げるユウリ。逃げた先に走って来ていたネズさんのタチフサグマの攻撃もひらりと避けて逃げ続けるアルルカン。

 

 

「お、俺は大丈夫だ…」

 

 

 爆発が晴れた空間では、デンチュラ達が瀕死の状態で横たわっていて。俺も背中が焼けただれ、服は黒焦げで麦わら帽子はどこかに吹っ飛んでしまったが、なんとか立ち上がって無事を知らせる。あいつ、本当にこっちを殺す気だ。

 

 

「絶対に許さないからなアルルカン…」

 

 

 ふらふらと立ち上がり、ぼさぼさの頭にユキハミを乗せる。…もう戦えるのはユキハミだけか。げんきのかけらをデンチュラ達に与えないと…

 

 

「ジムリーダーとホップ少年の相手は任せたよ。さて、と」

 

 

 バリコオルとヨノワールにネズとホップの相手を任せたらしいアルルカンがオーベムを引き連れてやってくる。ついでと言わんばかりに瀕死になったマタドガスをボールに戻す姿からは愛情など感じられない。こいつにとってポケモンは道具なのだと、そう確信できた。

 

 

「僕の目的はね。極上の顔を見る事なんだ。苦しむ顔、悶える顔、悲しみにくれる顔、その憎悪に満ちた顔。どれもこれも最高な僕のおもちゃだ。いやー、貴族ってのは本当につまらなくてね。特に僕は人間としても異質でさ、他人が苦しむ姿にしか愉悦を見いだせないんだ」

 

「…サイコパスって奴か」

 

「本当はね、希望に満ちた顔から絶望したソッドとシルディの顔を味わおうと思ったんだ。あいつらいつもウザくて、お目付け役だなんてほんと嫌だよね!君達と出会ってからは悔しがる顔とかが見ていて愉しかったけど、どうせなら極上のものが見たいじゃん?だから協力していたんだ、このお馬鹿な遊びにさ」

 

 

 サイコキネシス、が俺の体を拘束する。指示もなく、オーベムの繰り出した技で完全に身動きが取れなくなった。ステッキを振り回しながら笑みを浮かべるアルルカン。持ち上げられて、背後には眼下に広がるナックルシティ。…こいつまさか。

 

 

「でも、気が変わった。あんなに強いチャンピオンの悲痛に歪む顔が見たくなった。憎悪に満ちるのかな?憤怒かな?それとも悲しみに暮れるのかな?ああああ、愉しみだよ。君の死で僕の快楽は頂点に達する!君の死に際が見れないのが残念だよ」

 

 

 そして屋上の外、空中に俺を持ち上げたアルルカンはステッキでバシンと叩き、それを合図に浮遊感が俺を襲った。

 

 

「うわぁあああああああああああああああああ!?」




殺人をしようとした悪の組織のボスはいたけど実際に手にかけた悪役はこいつぐらいじゃなかろうか。

・ラウラ
背中が大惨事で、さらに絶体絶命の主人公。前回落ちた時はデンチュラがいたけど今回はみんな瀕死。ポケモンを愛しているからこそ、まさかだいばくはつするとは思わない。

・ユウリ
このあとラウラが落下するシーンを見たせいで茫然自失してしまう原作主人公。アルルカン曰く極上の顔。

・ホップ&ネズ
だいばくはつさせたアルルカンを捕まえようとするもヨノワールとバリコオルに足止めされた。

・ソニア
棒立ち。

・モコウ
ソニアの研究所でマグノリア博士を守るためにお留守番。

・ソッド&シルディ
アルルカンの愉悦の為だけに唆され掌の上で踊らされた道化。ユウリが茫然自失したためザマゼンタに襲われ絶体絶命。

・ザマゼンタ
オーベムの暗示で執拗にシルディを襲うように脳を支配された盾の英雄。ダイマックスほうも難なく耐えてしまった。

・アルルカン
クズの中のクズ。金持ちであるが故に自分以外の人間の苦しみでしか愉しめなくなった人格破綻者。ポケモンのことは道具としか思っておらず、だいばくはつさせることも厭わないしむしろ嬉々として指示している。

・オーベム♀
とくせい:シンクロ
わざ:サイコキネシス
   テレポート
   サイケこうせん
   いわなだれ
もちもの:なし
備考:がんばりやな性格。体が丈夫。他者の脳を支配することができる。

・ヨノワール♂
とくせい:プレッシャー
わざ:シャドーパンチ
   ほのおのパンチ
   シャドーボール
   かげうち
もちもの:なし
備考:きまぐれな性格。おっちょこちょい。アルルカンの主力。シャドーボールが特別。

・マタドガス♂
とくせい:ふゆう
わざ:ヘドロばくだん
   だいばくはつ
   ワンダースチーム
   どくガス
もちもの:なし
備考:わんぱくな性格。暴れることが好き。アルルカンのパートナー。ガラル粒子を含んだ特殊などくガスでポケモンをダイマックスさせた張本人。

・バリコオル♂
とくせい:バリアフリー
わざ:フリーズドライ
   こおりのつぶて
   こごえるかぜ
   サイコキネシス
もちもの:なし
備考:てれやな性格。昼寝をよくする。アルルカンのサブウェポン。氷技が凶悪。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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