ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

54 / 179
どうも放仮ごです。剣と盾の章最終回、というよりエピローグとなります。

今回はVSザシアン。楽しんでいただけると幸いです。


VSザシアン

 その後。途方に暮れているヨノワールを始めとしたアルルカンの手持ちを再捕獲して、ネズさんに預けた。主人であるアルルカンがいない以上、もう危険はないだろうが、一応な。

 そしてまだ注入されたガラル粒子の影響があるのかザマゼンタが逃げ出し、それをホップが追いかけていった。その際、シルディが所持していた朽ちた盾も返却してもらって持っていったのを見送る。一方、手持ちを蘇生していたユウリに、ザシアンが勝負を挑んでいた。

 

伝説ポケモンの考えることは分からん、が…さすがに、これ以上は限界だ…そこで俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三日後。俺はナックルシティの病院の病室でユウリとモコウから顛末について聞いていた。ムツキはこの病院だけは嫌だと来なかったらしい。だいばくはつをもろに受けた上に冷えた体でヨノワールの吸い込みを耐えたのはだいぶ体に祟ったらしく、三日間眠り続けていたようだ。

 

 

「で、ユウリがザシアンを捕獲して、ザマゼンタを捕獲したホップと決着をつけたと」

 

「うん。私、また強くなったよラウラ!」

 

「ラウラはあの後病院に行ってたから知らんのだったな。我も見届けたぞ。ホップの雄姿をな」

 

「ソッドとシルディもちょっと変な感じになったけど改心したよ。あとでラウラにも会いたいって」

 

「そうか。ところでユウリも蹲ってた気がするが大丈夫だったのか?」

 

「ヨノワールに殴られたけど私、頑丈だからね!」

 

「ええ…」

 

 

 お前の頑丈さは人間じゃねえ!と全力でツッコみたい。

 

 

「そう言えばアルルカンの手持ちはどうなったんだ?」

 

「マタドガスはビートが。ヨノワールとバリコオルはマイナークラスのジムリーダーのオニオンくんとメロンさんが引き取ったよ。オーベムはソニアさんが研究ついでにホップと一緒に面倒を見るってさ」

 

「ホップと?」

 

「うん。ホップ、ポケモン博士になることにしたんだって。ルミと一緒にソニアさんの助手をやってるよ」

 

「ルミもか。よくソニアさんも許したな」

 

「なんでも研究職を手伝う時の顔に嘘はなかったとかなんとか。奴も反省しているようだったな」

 

「ソニアさんの手伝いをしながらムツキの練習相手にもなるんだって。アルルカンなんかに手を貸してたのが本当に恥ずかしいとも言ってたかな」

 

「…そうか」

 

 

 アルルカンは自滅という形でこの世から去ったが、なんともすっきりしない。他地方の図鑑説明によるとヨノワールはシンオウ地方の伝説ポケモンであるギラティナの指示で人をあの世…つまりギラティナの支配する「やぶれたせかい」に送るのだという。アルルカンもそこに送られた可能性が高い。まあ、生きることも難しいだろうな。手持ちもいないからギラティナに命を奪われているかもしれない。ちゃんと決着を付けれなかったことは心残りだが、さすがにどうしようもない。

 

 

「それでなんだけどラウラ。私と勝負しない?ザシアンのことをもっと知りたいんだ。リハビリがてら、どうかな?」

 

「おういいぞ。体を動かしたいと思っていたところだ」

 

「起きたばかりなのに元気だなお前は…なら我は審判をするとしよう」

 

 

 起き上がり、近くのテーブルに置いてあった手持ちの皆が入ったボールホルダーを手にする。…みんな回復しているみたいだな。よかった、気を失って回復どころじゃなかったからな。

 

 

「おや、おでかけですか?と私は患者を呼び止めます」

 

「ええ、はい。………え?」

 

 

 出ようとしたところ声をかけられ、生返事しながら振り向くとそこには見知った顔が。…成長してナース服を着たムツキ…だと…?髪を下ろしていて傍らにナックラーを連れているところも違うが、失礼ながら胸の大きさは同じだ。年は16歳ぐらいだろうか。

 

 

「ムツキ…?」

 

「ああ、それは私の妹ですね。私はリヅキといいます。貴女の担当看護師です。と私は自己紹介します」

 

「ムツキのお姉さん……話は聞いてなかったから驚きました」

 

「私のことは存在すら忘れていると思いますよ。仕事が忙しくてまともに会ったことすらないので。と私は複雑な家庭事情を暴露します」

 

 

 癖が強い。何とも特徴的な喋り方の人だな。見た感じ、キリエさんやムツキと違ってポケモンを育てるのは苦手そうだ。しかしナックラー可愛い。フライゴンも含めて蟲ポケモンに認定しているがやっぱり捕獲しようかな。キリエさん辺りに聞いたら生息地わかるだろうか。

 

 

「外に出るのはいいですが、勝手に退院しないでくださいね?と私は釘を刺します」

 

「あ、はい。ちょっとバトルしてくるだけなんで…」

 

 

 リヅキさんに断りを入れ、病院に備え付けられているバトルフィールドに足を運ぶ。チャンピオンがいるためかギャラリーも多い。無様な戦いは見せられないな。

 

 

「ラウラの体調も考えて一対一のシングルバトルだ。双方準備はいいか?」

 

「いいぞ」

 

「問題ないよ」

 

「では、始め!」

 

 

▽チャンピオンの ユウリが 勝負を しかけてきた!

 

 

「頼むぞ、モスノウ!」

 

「暴れておいで、ザシアン!」

 

 

 モコウの声を合図に同時に繰り出す俺達。俺はモスノウ。ユウリはザシアン。しかも剣を装備した本気モードだ。さすがユウリ、病み上がり相手でもガチだな。

 

 

「先手必勝!きょじゅうざん!」

 

「れいとうビームで壁を作れ!」

 

 

 振るわれる巨剣を、氷の壁で受け止める。相手のタイプはフェアリーとはがねか。まともに戦ったら不利でしかない。というかむしタイプの攻撃がほとんど通らない上にこおりタイプの技も全然効かないと来た。きっついな。

 

 

「つるぎのまいで攻撃力を上げて!」

 

「ならこっちもちょうのまいだ!」

 

 

 それぞれ能力を高めていく。これであっちは攻撃を当てれば勝ち。こっちは攻撃を受けずになんとか戦闘不能にできれば勝ち。不利なのは蟲タイプにとっては常にある事だから関係ない!

 

 

「ふぶき!」

 

「つるぎのまいで振り払って!」

 

 

 威力が上がったふぶきで視界を遮る。防がれているが問題ない、目的はザシアンの全身を水浸しにすることだ。

 

 

「突っ込んでせいなるつるぎ!」

 

 

 ふぶきが吹き荒れる中で、突撃してくるザシアン。だが既にそこにはモスノウはいない。雲隠れならぬ雪隠れ。特性じゃなくても真っ白い体だから簡単だ。

 

 

「ザシアン、後ろ!」

 

「れいとうビームだ!」

 

 

 ふぶきが止んだその時、背後に回っていたモスノウのれいとうビームが炸裂。吹雪で濡れていたザシアンの体は瞬く間に凍り付き、完全に氷像となった。モコウが近づいて確認し、俺の方に手を向けた。

 

 

「ザシアン、戦闘不能。モスノウの勝ちだ」

 

「…やっぱりすごいねそのモスノウ」

 

「どうやったら進化するか分からないからとにかく練度を上げまくっていたからな」

 

 

 ふわふわ近づいてきたモスノウのひんやりする頭をなでなでしながら応える。こいつは想像以上に強く進化してくれた。自慢の蟲ポケモンだ。

 

 

「またラウラが強くなったわけか。これは超え甲斐があるというものよ」

 

「いや、まだまだだ。一対一ならともかく、フルバトルとなるとユウリに勝てるビジョンが見えない」

 

「あ、そうだラウラ。ダンデさんからヨロイ島のパスをもらったんだけど一緒にいかない?」

 

「ヨロイ島?」

 

「うん、スレで教えてもらったんだけど、ラウラやモコウたちが喜びそうなガラル本土にはいないポケモンが生息している島なんだって。蟲ポケモンもいっぱいいるとかなんとか」

 

「それは…ぜひ行きたいな」

 

 

 ヨロイ島。話は聞いたことがある。ガラル本土の北東に存在する島。ガラル本土にいない蟲ポケモンか…楽しみだ。

 

 

「まずは安静にして怪我を治すことからだな!」

 

「そうだよラウラ。安静にしてね」

 

「お前がこのバトルに誘ったんだろうが」

 

 

 するとパチパチパチと手を叩く音が聞こえてきて、振り向くとそこには憑き物が落ちた様な笑みを浮かべたシーソーコンビがいた。何故かネズさんとダンデさんも一緒だ。

 

 

「オーイオイオイ!三日前のユウリ様とホップの戦いと同じく素晴らしい戦い!」

 

「オーイオイオイ!さすがはユウリ様と対を為す我らが女王!」

 

「病み上がりでなにやっているんですかまったく…」

 

「だが確かにいい勝負だった!俺もリザードンと一緒に乱入するところだったぞ!」

 

「ダンデさんとネズさんは付き添いなのはわかるけど…何の用だ、ソッド。シルディ」

 

 

 睨み付けてやるとソッドとシルディは笑みを浮かべながら綺麗な一礼をする。ギャラリーもいるからやめてほしいんだが。

 

 

「我らは貴方とユウリ様に命を救われた!」

 

「アルルカンめの魔の手に操られたザマゼンタを止めてくださったのは貴女だ」

 

「ユウリ様と同じくダイマックス級の器の大きさ!」

 

「我らが王ユウリ様と対を為す女王にふさわしい!」

 

「お、おう」

 

 

 そこは二人の王でいいんじゃないか?とか、変な奴らに懐かれたな、とか思うところは色々あれど。まあこういうのも悪くないかと溜め息を吐く。何にしても、平和に終わってよかった。心配かけただろうし、カブさんにも会いに行かないとな。




王ユウリと女王ラウラ。なお中身の性別は逆の模様。

・ラウラ
さすがに三日間気絶していた重症者。シーソーコンビからは「我らが女王」と呼ばれることに。ギャラリーにばっちり見られているためネットは大騒ぎ。

・ユウリ
ザシアンに選ばれた原作主人公。念願のフェアリータイプを手に入れてご満悦。ヨノワールに腹パンされているが少し休んだだけでピンピンしてる。ソッドとシルディについてはラウラと一緒に王と女王呼びされているせいかまんざらでもない。

・モコウ
決戦中は研究所でお留守番していたがユウリとホップの対決には立ち会った。シーソーコンビについてはまあ大人しくなったからいいかと思ってる。

・リヅキ
今回初登場のムツキの姉。16歳。キリエの才能は受け継いでおらず父親と一緒の病院で看護師をしている。ムツキからは存在すら忘れられているがムツキの担当看護師もしていた。逃げられて一番号泣した人間でもある。忘れっぽい性格で妹達口調で喋って一々自分に確認を取る。元キャラはムツキの元キャラの裏人格。ネーミングも裏だから。相棒はキリエからもらったナックラー。

・ソッド&シルディ
ユウリとラウラに命を救われたと認識して「王」と「女王」と崇めている面倒な兄弟。モコウについてはラウラの友人として態度を改めた。

・ダンデ&ネズ
シーソーコンビのお目付け役。

・ホップ
ザマゼンタを捕獲し、ユウリと決着をつけた。ポケモン博士になるためにソニアの助手をやることに。ルミとは結構仲がいい。アルルカンのオーベムをなんとかしようと頑張っている。

・ルミ
名前だけ登場。あのあと割と軽傷ですんで、研究職のやりがいからソニアの助手を続けることに。ムツキの手伝いは優先して行っている。アルルカンのオーベムが暴走しないように監視も兼ねている。

・ビート
名前だけ登場。アルルカンのマタドガスを引き取った。

・オニオン&メロン
名前だけ登場。マイナークラスのジムリーダー。アルルカンのヨノワールとバリコオルを引き取った。

・ザシアン
とくせい:ふとうのけん
わざ:せいなるつるぎ
   つるぎのまい
   アイアンヘッド/きょじゅうざん
   じゃれつく
もちもの:くちたけん
備考:ずぶとい性格。ちょっぴりみえっぱり。ユウリを認めて手持ちになった剣の英雄。ストリンダ―と交代した。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。