今回はVSクララ。楽しんでいただけると幸いです。
VSヤドン
休暇を手に入れたユウリがチャンピオンの立場を利用して三人分手に入れてくれたヨロイパスでヨロイ島に行くことになった俺とユウリとモコウ。ムツキはキリエさんに頭を下げてカンムリパスなるものを手に入れて「カンムリ雪原」なる場所に向かったので今日からはお別れだ。あの罵倒が聞けなくなるのは寂しくなるな。
ヨロイパスを用いて専用の電車に乗って、駅を降りたら専用のそらとぶタクシーに乗って、辿り着いたのはガラルの北東部に存在する孤島、ヨロイ島。此処に存在するマスター道場なる、かつてダンデが修行したという施設で強くなるのがこの旅の目的だ。俺とモコウの主な目的はついでに未知の蟲・電気ポケモンを探すことだが。ユウリはムゲンダイナとザシアンがいるから新しい手持ちはいらないらしい。そりゃあな。
駅にいた研究員にロトム図鑑をヨロイ島用にアップデートしてもらいつつ、いざ駅の外に出ようとしたところで、立ち塞がる人物がいた。
「アハッ、いたいたァ!待ち合わせの時間にピッタリ!三人とも若いのにしっかりしてるゥ!私はクララ!君達の先輩だよォ」
「マスター道場の方ですか?予約していたユウリとラウラ、それにモコウです」
桃色の髪にでかいリボン、厚めの化粧と口元の黒子が印象的な、どくタイプのユニフォームの上にもこもこの上着を羽織った、あとなにがとは言わないが物がでかい少女に、物怖じせず返答するユウリ。お前、色々大物だな。
「素直で感心~んんっと……まずは勝負で実力を知ってもらおっかなあ」
「「え」」
「バトルですか?!」
「じゃ、外で待ってるから準備ができたら来てねェ。…………目に物見せたらァ…!」
俺とモコウの驚いた声が重なり、ユウリが狂喜乱舞する。……もしかして孤島にいるせいでチャンピオン交代を知らないとかないよな?ありそうで困る…チャンピオンに勝負を挑むなんて正気か?クララさんとやらは外に向かったので、俺とモコウ2人がかりで意気揚々と飛びだそうとしたユウリを両側から押さえ込んだ。
「な、何で止めるの!」
「何でも何もあるか。あの人、お前がチャンピオンだと知らないみたいだぞ」
「それにどうせ伝説ポケモンのどちらか出して一瞬で終わらせるんだろう!」
「いや、さすがにそんなことはしないけど……インテレオンでちょっとやるだけだよ?」
「お前のちょっとはちょっとじゃないんだよ」
「あとあの女、我が見るに性格はよほどのものだぞ。波風立てるものじゃない」
「モコウが言うなら間違いないな」
ソッドとシルディ、ついでにアルルカンという性格が捻じ曲がった奴等と付き合ってきたモコウの言う事だ。クララさんはまあ面倒な性格をしているのだろう。
「…わかった。じゃあ私は見物しておくからラウラお願い」
「俺、今回はデンチュラしか持ってきてないけど」
「いやお前とデンチュラのコンビなら大丈夫だろ」
「そうだよ」
「そうかあ?」
そう言いながら出ると、空からも見えた広大な島が広がっていた。本島ではまず見ることがない白い砂浜に広い海。前世の故郷を思い出す光景だ。橋の向こうに大きな屋敷が見えるので、多分あそこがマスター道場だろうか。そしてクララさんは駅からすぐの海が見渡せる場所に立っていた。地図によると一礼野原というらしい。
「アハッ!君達ィ、ヨロイ島は初めてッポイね。色々見て回りたくてウズウズしてるだろうけど、まずは力試し、だよォ」
「代表して俺がやります。いいですか?」
「ラウラは我らの中で(一対一ならば)一番強いぞ」
「そうです。私もこの間(ザシアンで挑んで)負けましたし」
「そうなんだ、じゃあ君達の実力を知れるねェ。私がマスター道場の先輩としてェ……君の強さ確かめちゃうッ!お手柔らかによろしくゥ!」
▽ポケモントレーナーの クララが 勝負を しかけてきた!
クルリと回って笑顔でボールのボタンに指を押し付けてから投げてフシデを繰り出すクララさん。俺もアンダースローでデンチュラを繰り出す。フシデ!ガラル本土にはいなかった蟲ポケモン!前世のBW時代、俺の旅パとして愛用したポケモン!いきなり蟲使いに出会えるとか最高かよ!
「おねがーい、フシデ!」
「いけ、デンチュラ!」
「力試しだからかるーくねェ。かるーく……のしちゃうねェ!」
「蟲ポケモン相手だったら容赦はしませんよ!エレキネット!」
「避けてポイズンテール!」
挨拶代わりにエレキネットを繰り出すが、素早い動きで避けて尻尾を叩きつけてくるフシデ。だが近づいたな?
「ほうでんだ!」
「っ!?」
零距離から放たれる、避けようがない放電にフシデはあっさりダウン。戦闘不能となる。するとあからさまに動揺するクララさん。
「うちが追い詰められてる?どゆこと?ありえなくね…?」
そう言いながら繰り出されたのはヤドン。ガラルのすがただ。確か以前ブラッシータウンの駅にも出て騒ぎになってたな。ヨロイ島から紛れ込んだ一匹だったのか。たしかタイプはエスパー単体。俺の蟲ポケモンが天敵だ。
「デンチュラ、きゅうけつ!」
「そう簡単にやらせるかっての!ねんりき!」
「っ!」
「さらにようかいえき!」
飛びかかったところを、ねんりきで持ち上げられて地面に叩きつけられ、そこにようかいえきを吹きつけられる。やるな。だがその程度!
「いとをはく!」
「はい!?」
驚くクララさん。そうだろうな、大抵のトレーナーは初期わざであるが故にこの技を忘れさせる。だがデンチュラを活躍させるのにこれ以上の技はない!
「そのまま振り回して地面に叩きつけてほうでんだ!」
ヤドンをグルグル巻きにして空中に振り回し、頭から地面に叩きつけて駄目押しのほうでん。ヤドンは戦闘不能となった。
「次のポケモンでギッタギタに……ってあれ?いなくね?」
「俺の勝ちみたいですね」
「さすがラウラ」
「勝負にはまあなっていたか。油断したなラウラ」
「えっ!?ムリムリムリムリ!あ、ありえなくなァい!?」
自分の敗北が理解できて無いようで絶叫するクララさんは俺達に背を向ける。なんか最初のビートを思い出す。
「オィオィ……やっべェぞこいつはよォ……!こんな強いの道場に来ちまったらうちの強さが霞んじまう!?あと二人も驚いてない辺り強そうだしよォ…追い返してぇけど、迎え頼まれちまってるしィ…!………………コホン」
咳払いして振り向くクララさん。虫の息すら聞き逃さない俺の耳には聞こえているからな?他の二人は聞こえていたか知らんけど。
「わたし、ちィっとも本気じゃなかったけどォ。君ィ、中々やるねェ?でもォ、私達の道場はァ、あのチャンピオンダンデも学んだ由緒ある道場でェ」
「知ってます」
「だから来たんですけど…」
「あともうチャンピオンじゃ…」
「コホン。君達くらいの強さだとやっていけないんじゃないかなァ?」
(((追い返そうとしてる…)))
三人の心の声が重なった気がする。
「だからァ、向こうにあるマスター道場には立ち寄らず観光だけして帰ったらァ?ってなわけでェ、それじゃさよなら永遠にィー!キャハッ!」
そう言い残して去って行くクララさん。思わず三人で顔を見合した。……まあ、やることはひとつだよなあ?
「じゃ、行こうか」
「挨拶すまして早く蟲ポケモン捕まえに行きたい」
「わかる。我はでんきポケモンだが」
「私も一匹ぐらいピン!と来たのがいたら捕まえようかな。伝説ポケモン使ったら文句言う人もいるみたいだし」
「チャンピオンは大変だな」
「ムゲンダイナもザシアンもユウリの力で捕まえたポケモンだろうに…」
「ムゲンダイナはみんなで捕まえたから文句言われても言い返せないんだよね」
「なるほどな」
談笑しながらマスター道場と思われる建物に向かう俺達。それを、マスター道場の屋根の上から見守るポケモンがいたことを俺達は知らない。
クララ蟲ポケモン使うのか…(今更知った)
・ラウラ
一対一ならジムチャレンジャー組で最強だと言われてる主人公。ザシアンに勝利したのはそれだけのことである。クララに対しては蟲ポケモン使ってるので好印象を抱いている。ヨロイ島にはデンチュラ一匹でやってきた。
・ユウリ
休暇を取って以前掲示板で知ったヨロイパスをダンデから三人分もらって修行旅行に来たチャンピオン。何故かヨロイ島ではチャンピオンだと知られてないからちょっと嬉しい。ヨロイ島にはムゲンダイナとザシアンも含めたフルメンバーで来ている。
・モコウ
ユウリに誘われて強くなるためにヨロイ島についてきたでんきつかい。メンバーは全員連れてきている。マイペースな二人のツッコミ役。クララのことはちょっと苦手。
・ムツキ
キリエに頭を下げてカンムリパスを手に入れて強くなるためにカンムリ雪原に1人で向かったひこうつかい。目的はカンムリ雪原に伝わる伝説の鳥ポケモンが集うという巨樹。
・クララ
今回初登場。三人にとってはマスター道場の姉弟子。どくタイプ使い。何がとは言わないけどラウラが目を見張るほど大きい。モコウが苦手な凄い性格。ユウリがチャンピオンだとは知らない。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。