今回はラウラが狂喜する回となります。楽しんでいただけると幸いです。
笑顔のマスタード師とどよめくギャラリー。モコウが俺からユウリを引き剥がして、注目の的となる。
「ワッハハ!負けちった!チミ強いねー!」
「本気の師匠でないとはいえあの新人勝った…!?」
「一体何者ッス…?」
チャンピオンです。って言えればいいんだが、説明するのめんどくさいからやめとこう。
「チミの戦い方からはポケモンに対する思いやりを感じちゃうね!他の二人もさぞ強いことがわかるよ~。改めてみんなと強くなろー!…よろぴくね!」
「「「はい!」」」
「ってなわけで三人分のどうぎセットあげちゃう」
更衣室を借りて、いただいた道着を三人揃って身に着ける。ついでにユウリと一緒に髪もお団子に纏めた。モコウは雷ツインテールをやめる気はないらしい。むしタイプのユニフォームもいいが、これも動きやすくていいな。
「この服を着ればチミ達もマスター道場の一員ね!……さて!ユウリちん、ラウラちん、モコウちん、三人が来てくれて道場の定員も揃ったし、これから皆には3つの修行をしてもらうよん!」
「3つの修行…?」
「この道場定員あったのか危ないところだったな」
「まあ定員はあるだろう」
「3つの修行を全てクリアできた人には手にすれば勝利を纏える道場ひでんのヨロイを授けちゃう!」
その言葉に歓声が上がる門下生たち。ひでんのヨロイ…色違いグソクムシャかな?なら欲しいな!
「うふふ!いいねいいねー!まず一つ目の修行について説明するよん…」
「あーん師匠~!私まだ道着セットもらってなァい。その子たちにだけズルーいィ!クララ悲しいィー!」
「ありゃそうだったっけかね?めんごめんご!じゃもう一着あるからクララちんにもあげちゃお」
「アハッ!ごねドクッ!」
「ん?デンチュラ!」
見事にごねたクララさんが道着セットを手にした瞬間、何かが高速で動いてきたので咄嗟にデンチュラを繰り出し拘束させる。しかし拘束したもののまだ二体居たようで、クララさんの道着セットが奪われてしまった。その正体は、ヤドンだった。
「えっ!なに今の……ってなァい!私の道着セットがなくなってる!…ん?」
「なんとか一匹は捕まえたけど…何だ今の動き?」
「今の動きまさかあのヤドンが…?」
「あんなすばやいポケモンなのか?ヤドンとやら」
「いいや、あんなすばやいヤドンは見たことないッス…!」
「ちょっとォ!私の道着返しなさいよォ!」
デンチュラの糸でグルグル巻きにしたヤドンとは別に、二体のヤドンがドヤ顔をクララさんに向けたかと思うと何やら話し合い、そのまま外に逃げて行ってしまい、クララさんがそれを追いかけていく。捕まったヤドンはなんか落ち込んでいた。
「うふふ、やるねラウラちん!ちょっとボールから出すの早すぎたかと思ったけどそんなことなかったねー。これこそが一つ目の修行…ワシちゃんが育てたはや~いヤドン三匹を追いかけるべし!…だったんだけど、ラウラちんが捕まえちゃったからあと二匹追いかけるべし!アーンド…倒すべし!だね」
そう言って俺とデンチュラに掴まったヤドンをボールに戻すマスタード師。修行だったのか、反応するのも駄目だな。アルルカンのせいでなんか危機が及ぶとすぐボールから出す癖がついてなあ…
「ラウラちんは合格でいいよ。誰も反応できなかったヤドンに反応して捕まえるなんて凄すぎるしねー。さあさみんな、ついでにクララちんの道着セット取り返しちゃって!」
「「「「「えぇー!?」」」」」
「じゃ、そんな感じでよろぴくねー。ラウラちんはみんなが修行している間、足りない手持ちを手に入れるといいよ」
そう言って奥の部屋へ去って行くマスタード師。…修行なのだろうかそれは。
「出遅れた!私たち、行ってくるねラウラ!」
「お前デンチュラしか持ってきてないんだからちゃんと手持ちを揃えるんだぞ!」
そう言うなりユウリとモコウ含めた皆が慌てて飛び出して行った。何だか知らんがラッキーだったな。お言葉に甘えて蟲ポケモン探しに行くか。
しばらく歩き、集中の森と呼ばれる場所に来た。蟲ポケモンと言ったら森だよな。あまりに広い島なのでユウリの自転車みたいな移動手段が欲しい所だ。日が照る森の中で、さっそくフシデを見つけて捕まえて頭に乗せる。可愛い。ブラホワ時代の推しポケモンの一匹だ。特に傷つけずに捕獲できてよかった。
「おっ、なんだあのポケモン!」
フシデを頭に乗せて歩いていると、なんかハナカマキリみたいなポケモンを見つけた。慌てて図鑑で確認する。ラランテス。はなかまポケモン、くさ単一タイプなのか。でも欲しい!周りにヘラクロスやカイロスといった懐かしいポケモンも見えるが、知らない蟲ポケモン最優先だ!
「エレキネット!」
デンチュラを繰り出し、エレキネットで捕縛。すると鎌の様な両手で斬り裂いてこちらに敵意を向けてきた。一筋縄じゃいかないな。
「周りを走っていとをはく!」
デンチュラにラランテスの周りを走らせ、糸でグルグル巻きにしていく。鎌を封じられればどうしようもないだろう!
「引き寄せて、きゅうけつだ!」
引っ張って強烈な一撃を叩き込み、手持ちのネットボールを投げつける。むしタイプじゃないがまあ、拘りだからいいだろう。ドラピオンの時みたく別のボールを使う必要も無くあっさり捕まってくれた。ラランテスゲットだぜ。
「ガラル地方のゲーム初出のポケモンなんかな?それとも手つかずだったXYかサンムーン初出のポケモン?どっちにしろゲームフリークさんセンスいいな!」
およそこの世界の人間では理解できないであろう言葉を羅列しながら狂喜乱舞する。フシデも見つかったし、これはいいな。あとでヘラクロスとカイロスも捕まえるとして、あと一匹ぐらい育てたいと思える蟲ポケモンが欲しいな…強い蟲ポケモンは後だ後。俺は癒しが欲しい。
「!?」
そこで見つけた。白いモフモフの毛並み。青い瞳。ちんまりとしたフォルムなれど見かけによらず重い黒いボディ。固定シンボルまで存在する伝説ポケモンの様で実はそうじゃないたいようポケモンへと、かなりの高レベルで進化する幼体の蟲ポケモン…
「メラルバだと…!」
俺の知る限り、卵からしか手に入らない超絶レアなポケモンがわんさかいるんだが。え、なにここ天国?それとも俺の知らないうちにメラルバはただの野生ポケモンへと格下げされたのか…!?なんにしても、突っ込むしかあるまい。
「ヒャッホーウ!……あッッッつッ!?!?!?」
メラルバの群れに飛び込んで、ほのおのからだで燃やされて悶絶してグルグルと地面を転げまわる。死ぬ、死ぬ、死ぬ!慌てて近くの水源に文字通り転がり込む。死ぬかと思った。いやメラルバに囲まれて焼死とか理想の死に方トップ10に入るけどさ。
「…でもどうするか」
ヨロイ島の野生ポケモンは基本的に練度が高い。どれぐらい高いかというと、ジムリーダーの本気のポケモンよりちょっと弱い程度の練度だ。並のトレーナーじゃまず太刀打ちできないだろう。つまりちょっと戦うだけでメラルバがあのポケモンに進化することはできるのだが、練度が高い=捕まりにくいのだ。フシデは隙だらけだったところを、ラランテスはバトルで弱らせたが、生憎と今の手持ちは全員ほのおに弱い。しかもさっき飛び込んだせいで警戒されてる。さてどうしよう。…うん?
「…お前、どうしたんだ?」
群れから外れた木陰に、何故か黒焦げの他の個体よりさらにこぢんまりとしたフォルムのメラルバがいた。群れから虐められてるのか?だいぶ怯えているし、小さな体で少し心配だ。
「…俺と、来るか?」
そう言葉を投げかけると、小さなメラルバは視線を群れに一度背を向けてから、俺の差し出した手に乗った。やっぱり、簡単に持てる程軽いな。異常個体と言う奴だろうか。
「よろしくな、お前たち」
メラルバもネットボールに入れて、外に出した三匹のポケモンを見やる。新天地。新しい手持ち。先行きいいなと自然と笑みが浮かんだ。
ラランテスはいいぞ…
・ラウラ
咄嗟に高速で動くヤドンを捕まえてしまった主人公。蟲の楽園に狂喜乱舞。ラランテスに一目惚れ。テンションフォルテッシモ。ウェイクアップ・ハイテンションフィーバー。メラルバの群れに体からダイブするぐらいに蟲ポケモンが絡むとアホになる。フシデ、ラランテス、メラルバを手持ちに。
・ユウリ
完全に油断していて出遅れた原作主人公。外に出た瞬間ムゲンダイナを繰り出して門下生たちの度肝を抜いた。
・モコウ
最速で捕まえられなかったことに悔しさを感じているツッコミ役。ライボルトに乗って追いかける。
・クララ
道着をヤドンに奪われた姉弟子。同じジムリーダーを目指している後輩がすごくてちょっと焦ってる。
・マスタード
ヤドンをすばやく育てたやべー人。まさかいきなり捕まえるとは思わなかった。
ポケモンのスペックは纏まってないので次に。持ってるわけじゃないから考えるのが大変である。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。