今回はダイキノコ獲得の一幕。楽しんでいただけると幸いです。
マスター道場に戻ると、ちょうどみんな帰ってきたところだった。どうやらユウリとモコウが一匹ずつ捕まえたらしい。二つに分けられていた道着セットをクララさんに渡し、悔しげに礼を言われていた。他の面子も追いつけはしたのだが倒せなかったらしく、特別に一度でも追い付けた人もクリアとなった。まあ修行にならないもんな。
そしてなんか気に入られたらしく、ミツバさんからユウリがフシギダネを、モコウがゼニガメをもらっていた。…モコウは初めてのでんきタイプ以外の手持ちに戸惑っていて見ていて面白い。それぞれダーテングとロトムと交代していた。
「よろしくね、フシギダネ!」
「う、うむ…おそらくあまごい要員となるがよろしく頼むぞゼニガメよ」
「二匹とも、選んでもらえて嬉しいみたいだよ!この子達二回進化したらキョダイマックスできるからさ。しっかり育てとくれよ」
「「はい!」」
「よかったな、二人とも。俺も新しいポケモン三匹捕まえたぞ」
「さすがラウラ。そのフシデの他にもいるんだ。あとで見せてね!」
「うむ!お前のセンスだ、蟲とはいえ楽しみだぞ!」
「なんでや。蟲可愛いやろ。お前にも蟲の素晴らしさを夜まで教えてやろうか」
「そ、それは勘弁してくれ…」
「私なら喜んで!」
「ユウリは蟲より俺の方にしか興味ないから駄目だ」
「ええー」
相変わらず蟲がちょっと苦手らしいモコウにツッコんでおく。クララさんだって蟲使ってるんだぞ。女の子が蟲使って何が悪い。するとマスタード師が話しだして、会話するのをやめる。
「ダイマックス…それはガラルのポケモンの神秘…見た目が変わり繰り出す技も変化する…ダイマックスの中でも一際特別なキョダイマックス……キョダイマックスと言えばマスター道場秘伝のアレ!飲めばキョダイに!ダイスープ!」
「ダイスープ…」
聞く限り、キョダイマックスする種なら本来しない個体でもキョダイマックスできるようにするスープってことかな?なにそれすごい。俺のデンチュラは偶然だったし、マルヤクデはカブさんからのもらい物だったっていうのに。
「ワシちゃん久しぶりにダイキノコたっぷり入ったダイスープ飲みたいねー。……ってなわけで!2つ目の修行はキノコ狩り!キョダイマックスのカギ!ダイキノコを3つ取ってくるべし!ダイキノコは赤くて渦巻模様!暗くてジメジメした場所に生えていると思うよん!じゃ、そんな感じで修行開始!よろぴくねー!」
その言葉に驚き、急いで飛び出していく門下生。…それ、修行なのか?しかし赤くて渦巻模様ね…さっきの森で見かけたかな。毒キノコだと思って手は出さなかったけどそんな貴重な物だったのか。
「まあいいか。それならさっき見かけたしな」
「えっ、いいなあラウラ」
「お前さっきからずるくないか?」
「人聞き悪いな。何時も周囲に目を配っていると言え」
「ちょっといい?」
俺達も出ようとすると、クララさんが立ち塞がった。なんだろう。何か文句でもあるのだろうか。
「私ィ、ごめんだけどォ、まだ君達のことを認めてないのォ。今回の修行ではぜっっったいに負けねぇから」
そう言って去って行くクララさん。宣戦布告…なのかな?
「なんか、新鮮だな」
「みんな仲良くジムチャレンジを越えていたしね」
「シーソー兄弟みたく改心?できたらすっごくいい先輩になりそうだな」
「「わかる」」
モコウの言葉に頷きながら俺達も続き、3人バラバラに分かれることになった。今度はちゃんと競争だ。負けないぞ。
「っと、これだな?ラランテス」
再びやってきた集中の森で見つけたダイキノコを、ラランテスに刈り取ってもらいリュックに入れて持ち帰ろうとした直後、襲いかかってきた触手を飛び退いて避ける。そこにいたのは、怒りに身を震わせたモジャンボだった。
「これ、お前のなのか?悪いな、必要だから刈らせてもらった…!?」
四方八方から襲いかかる触手を、ラランテスが斬り払い頭の上のフシデがどくばりを飛ばして迎撃する。怒りで暴走しているな。こりゃ返しても怒りは収まらなそうだ、倒すしかないか。さっきからしてくる技はパワーウィップか。
「ラランテス!はなふぶき!」
文字通り、花吹雪でモジャンボのパワーウィップを吹き飛ばすも、こっちにまでダメージが及んだ。くさタイプのなみのりみたいな技か、使いどころが大変だな。俺はどうでもいいがフシデがむし・どくタイプでよかった。
「シザークロスだ!」
花吹雪で弾かれ隙だらけになったところを、交差する斬撃が襲う。それでもビクともしないモジャンボ。さすがの耐久力だな。ラランテスが触手で拘束されてエネルギーが吸われていく。ギガドレインか。ならば…!
「ラランテス、にほんばれだ!そして戻れ!行くぞ、メラルバ!」
ラランテスに最後ににほんばれしてもらい、陽射しが強くなった中でメラルバを繰り出す。すると目に見えてモジャンボの動きが素早くなった。まさか特性、ようりょくそか!?
「ニトロチャージだ!」
こちらもすばやさを上げるべくニトロチャージを指示、炎を纏って突撃させるも、モジャンボは地面に触手を突き刺して岩石を浮かばせて放ってきた。げんしのちからか…!?
「ドわすれだ!」
ニトロチャージを中断してとくぼうを上げるドわすれすることでげんしのちからの直撃をもらっても何とか耐えるメラルバ。
「むしのさざめきで牽制だ!」
再びげんしのちからが放たれるが、むしのさざめきで破壊。それを五回繰り返す。これであっちのPPは枯れたはずだ。たまらずパワーウィップを繰り出してくるモジャンボ。メラルバはすばやい動きでそれを避け、懐まで飛び込んだ。
「ニトロチャージだ!」
炎を纏った体当たりが直撃。揺らぐモジャンボの巨体。しかし、タイプ一致の効果抜群技を受けたというのに倒れない。なんでだ、と思っていると足元に答えが在った。「ねをはる」だ。大地に根を張り、体力を回復し続けていたのだ。これでは勝てない。ならば…
「メラルバ、わざと捕まれ!」
俺の指示にギョッとなるメラルバ。だが信じてくれたのか、今度はピョイッと無防備にモジャンボの懐に飛び込み、しめたと言わんばかりにグルグル巻きに拘束される。その瞬間、ボウッと拘束したモジャンボの触手が燃え出し、それを火種に炎上して慌てるモジャンボ。特性、ほのおのからだ。触れた相手をやけど状態にする特性だ。炎上しすぎな気もするが。あのメラルバ、小さい分体温が通常より高いのか?
「チャンスだ、ひのこで足元を狙え!」
モジャンボの足元に陽射しが強いことで威力が上がったひのこを放ち、根を焼き切る。それでも諦めずに触手を伸ばしてくるモジャンボ。
「むしのさざめき、そして!」
音の衝撃波で弾き飛ばし、がら空きとなった胴体に突っ込むメラルバ。終わりだ…!
「ニトロチャージ!」
炎を纏った突進がモジャンボの巨体を浮かすほどの威力を持って天高くまでロケットの様に炎を噴出し、耐え切れなかったモジャンボの巨体を遥か彼方まで吹き飛ばした。…陽射しで威力が上がっているとはいえ、なんて威力だ。このメラルバ、小さな個体なれど、化けるな。
「よくやったぞメラルバ!あっつい!?」
飛び付いてきたメラルバを受け止め、まだ炎を纏っていたので熱さに悶える。しっかし強力なポケモンもいるものだ。あまりの強さに手加減もできなかった。でもいい練習相手になったかな。
「ラランテスもよくやったぞ。さて、一つ見つければ十分だろうし帰るか」
ピョンピョンと頭の上で跳ねるフシデと、肩の上で俺の頭の上を奪おうとするメラルバ、そんな二匹を母親の様に眺めるラランテス。…あ、デンチュラ。お前のことも忘れてないからな?今は後輩たちに任せてゆっくり休んでいてくれ。またアルルカンの様な輩が出ないとも限らないんだからな。少しすねるデンチュラに謝りながら、帰路に着く俺達なのであった。
ヨロイ島はぬしポケモン相当がうじゃうじゃいる魔境なり。
・ラウラ
かつてのドラピオン級の相手を前に三日三晩戦わずに済むなど成長している主人公。メラルバに関しては学習せずよく燃える。さすがにユウリの好意は自覚した。
・ユウリ
フシギダネを手に入れた原作主人公。ラウラの蟲談義を聞きたいけど聞かせてくれないので文句を垂れている。目標はフシギダネ(の進化系)でラウラの蟲ポケモンに勝つこと。
・モコウ
ゼニガメを手に入れたツッコミ役。まあキバナも天候枠で別タイプ持ってるしな…と割り切った。あまごいなどできることが色々増えてご満悦。
・マスタード&クララ&ミツバ&門下生
原作通り。
・ラランテス♀
とくせい:リーフガード
わざ:はなふぶき
シザークロス
にほんばれ
ソーラーブレード
もちもの:なし
備考:さみしがりな性格。とてもきちょうめん。ヨロイ島におけるオニシズクモ枠。別にぬしポケモン並の強さではない。
・メラルバ♀
とくせい:ほのおのからだ
わざ:ニトロチャージ
むしのさざめき
ドわすれ
ひのこ
もちもの:なし
備考:おとなしい性格。打たれ強い。通常より小柄な個体で頭に乗せれる程軽い。体温が通常より高く、群れから孤立していた。
・モジャンボ♂
とくせい:ようりょくそ
わざ:パワーウィップ
ギガドレイン
ねをはる
げんしのちから
もちもの:なし
備考:ずぶとい性格。イタズラが好き。ダイキノコが在ったエリアを根城にしている野生ポケモン。通常より巨大な個体でぬし相当の強さ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。