ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ムツキ関連で低評価をいただきました。一応蟲じゃ敵わない圧倒的な力の差を演出したつもりの描写だったのですが…こうもムツキ関連で低評価をもらうと響くなあ。今からでも書き直した方がいいでしょうか。

今回はユウリVSモコウ。ナグサ戦以来のモコウ視点で4000字越えといつもより長いです。楽しんでいただけると幸いです。


VSカメックス

 深呼吸。作戦は考えた。ユウリとはそれぞれ、カメールとフシギソウを手持ちに入れることを了承させた。伝説ポケモンも一体だけと説得した。それぐらいはあっていいハンデだろう。一体だけ、ムゲンダイナだけでも五人がかりでようやく勝てたのだ。2体は無理だ。これで戦力ダウンは間違いない。問題はどうやってムゲンダイナかザシアンを倒すのかってところだ。…上手く行くだろうか。私なんかで、チャンピオンに勝てるのだろうか。

 

 

「いや、我は最速最強。伝説が何ぼのもんだ!」

 

 

 ラウラもあの不利な状況で勝ったのだ。ライバルの我が勝たなくてどうする!まきびしやどくびしが門下生たちによって掃除されたバトルコートにユウリと共に立つ。あちらはボールを二つ手にどちらから出すか迷ってるらしい。余裕だな、我は目にも入ってないということか。ユウリがラウラに首ったけなのは同期の間ではもはや周知の事実だ。だがな。両親やソッドとシルディを思い出すその、こちらを見ていない目は気に食わぬ。

 

 

「我を蔑ろにするのは許さんぞ…!」

 

「そんなつもりはないんだけどなあ…でも、モコウなら私を楽しませてくれるよね!」

 

「もちろん、痺れさせてくれよう!」

 

 

▽チャンピオンの ユウリが 勝負を しかけてきた!

 

 

「よろしく、フシギソウ!」

 

「蹴散らせ!ライボルト!」

 

 

 ユウリはフシギソウ。こちらはほのおのキバが使えるライボルト。有利対面だ。

 

 

「ほのおのキバだ!」

 

「やどりぎのタネ!」

 

「なに!?」

 

 

 炎を纏った牙で噛み付こうとしたところ、種を打ち込まれて蔓が伸びて拘束され、無様に地面に転がるライボルト。そのまま体力をジワジワ奪われてしまう。しびれごな以外にも妨害技があったのか!?ユウリの性格上一個しかないと過信してしまった。

 

 

「くっ…ほのおのキバで噛みちぎれ!」

 

「さらにどくのこな!」

 

 

 このまま戻すわけにもいかないから拘束を解こうとするも、そこに振りかかる毒の粉。なんとか拘束は解いたものの、ライボルトはフラフラだ。こいつ、まさか!?

 

 

「そのフシギソウ、妨害特化か!?」

 

「うん、こういう戦い方もありかなって。さらにつるのムチ!」

 

「ライボルト、受け止めろ!」

 

 

 ビシバシと叩いてくる蔓を、噛み付いて止めるライボルト。そのまま振り上げてフシギソウを大地に叩きつける。その時、紫色の物体が葉っぱの間に見えた。持ち物はしんかのきせきか。だが、今なら決めれる!

 

 

「ほのおのキバだ!」

 

「交代、インテレオン」

 

 

 フシギソウが倒せる、と思ったその時には交代され、ライボルトがインテレオンにほのおのキバを見舞うも効果は薄く、その長い足で蹴りつけられ距離を離される。こいつには遠距離の電撃は通じない。ならば、直接ぶつけるしかあるまい。

 

 

「ボルトチェンジだ!」

 

「インテレオン、みずのはどう!」

 

「ぶちぬけ!でんげきくちばしだ、パッチラゴン!」

 

 

 ボルトチェンジはみずのはどうで防がれたが、交代したパッチラゴンの電撃を纏った嘴がみずのはどうをぶち抜いてインテレオンに炸裂。大きく吹き飛ばす。奴のエースに大ダメージを与えた、ここで止まる理由はない!

 

 

「畳み掛けろ、でんげきくちばし!」

 

「ふいうち!」

 

 

 でんげきくちばしが炸裂する寸前、尻尾による一撃がパッチラゴンの頬に炸裂。しかし怯まず、でんげきくちばしを決めるパッチラゴン。地面に叩きつけ、戦闘不能にした。まずは一勝。ライボルトは苦しめられたものの戦闘不能にはなってない。いけるか?

 

 

「やっぱりパッチラゴンを出すよね。とりあえず、フシギソウ」

 

 

 またもやフシギソウだ。やどりぎと毒の粉でまたこちらの行動を阻害するつもりか。だがユウリ、貴様は間違えたぞ。

 

 

「やどりぎのタネ」

 

「そんなもの、蹴散らせつばめがえし!」

 

「どくのこな!」

 

 

 パッチラゴンはひこうタイプの技を持っている。例えしんかのきせきを持っていようが効果抜群ならば関係ない。鋭い一撃が炸裂、フシギソウは崩れ落ちたが、パッチラゴンも毒をもらってしまった。主力の二匹がどく状態にされたのは痛い。

 

 

「やるねモコウ!思えばモコウと戦うの初めてだ!楽しい、楽しいよモコウ!そんな貴女に敬意を表して…出番だよ、ザシアン!」

 

 

 そのポケモンの登場にギャラリーがざわめく。ユウリの持つ二匹の伝説のポケモンの片割れ、ザシアン。病院でのラウラとの対決ではモスノウ相手に惨敗していたのが記憶に新しいが、忘れちゃならない。あれはラウラとモスノウが凄かっただけで、こいつは紛れもない伝説のポケモンなのだ。

 

 

「ザシアン、じゃれつく!」

 

「させるか、地面にでんげきくちばし!」

 

 

 地面に嘴を叩きつけ、砂埃で煙幕を作ると交代。ライボルトを繰り出す。確かタイプははがね・フェアリーだ。はがねもどくも効かないフェアリーなど厄介にも程がある。こうかばつぐんを狙えるライボルトで頑張るしかない。

 

 

「せいなるつるぎ!」

 

「ワイルドボルトで弾きながら距離を詰めろ!ほのおのキバだ!」

 

 

 振るわれる剣を、弾き飛ばしながら強力な攻撃を叩き込む。だがしかし、触れたな?私のライボルトに。距離を詰めるライボルトと、不自然に動きが遅くなり避けきれないザシアンに眉を顰めるユウリ。

 

 

「むっ、麻痺した?」

 

「特性、せいでんきだ。これで素早い動きはできまい!」

 

「関係ないね。きょじゅうざん、フィールドごと叩き割っちゃえ!」

 

 

 その場で巨大になった剣を振るうザシアン。それだけで大地に巨大な切れ目が入り、風圧だけでライボルトは吹き飛ばされる。なんて威力だ、これが伝説の力か。

 

 

「だが、当たらなければどうということはない!ほのおのキバ!」

 

「横一文字にきょじゅうざん!」

 

「放すな、ライボルト!食らい付け!」

 

 

 突撃するライボルトに振るわれる巨剣。ライボルトは炎を纏った牙で剣身に噛み付き受け止めるが、そのまま振り回されて地面に叩きつけられ、虫の息となるライボルト。最後に目いっぱい振り回されて投げ出されてしまう。

 

 

「ボルトチェンジだ!」

 

 

 電撃をザシアンに当てて交代、ストリンダーを繰り出す。我のポケモンでザシアンを落としきれるとしたらもうこやつしかいない。此処で使うべきだ。

 

 

「我の生き様!我のロック魂をこの世に見せつけろ!雷鳴起こして雷神と化せ!キョダイマックス!」

 

「いいね、御誂え向きだよ!ザシアン!」

 

「なに!?」

 

 

 なんだあの余裕は。何か余裕でいるに足る理由が…?…待て、きょじゅう(・・・・・)ざん?

 

 

「しまっ…キョダイカンデン!」

 

「今更気付いてももう遅いよ!きょじゅうざん!」

 

 

 巨大な刃と、スタンドの様な電撃の塊が交差し衝撃波が巻き起こる。我の直感が正しければ、あのきょじゅうざんという技…ダイマックスに対して、威力が上がるとかそういう類じゃないのか?

 

 

「ストリンダー!?」

 

 

 まさかの、一撃。キョダイカンデンが炸裂したものの倒せず、一撃のもとに斬り伏せられた。これが、伝説たる力か…正直、羨ましい。あの様な強力な力を持ち、使いこなせるユウリが羨ましい。だがしかしだ。我は、勝つと決めたのだ。

 

 

「ライボルト!」

 

 

 カメールを出すわけにはいかない。パッチラゴンもドラゴン故にフェアリーに弱い。もうお前にしか頼れない。頼む!

 

 

「ほのおのキバだ!」

 

「つるぎのまいで弾いちゃえ!」

 

 

 飛びかかるライボルトだが、振るわれる剣に弾かれてしまう。しかし空中で体を捻り、ザシアンの背中に飛び付くライボルト。それが唯一の勝機だった。

 

 

「っ、よくやったライボルト!すまん!…かみなり!」

 

 

 10まんボルトを忘れさせ、ダブルバトル用に覚えさせたかみなり。最大火力を誇るが、問題は覚えたてで命中精度が悪く、あまごいで雨にしないとまるで当たらない事なのだが、自分を起点にすることで当てることは可能だ。

 

 

「なっ!?」

 

「…お前に勝つためなら、手段を選んでられん!」

 

 

 自分ごと雷の槍で相手を穿つ。それが最終手段にして切札。さしものザシアンも鋼の剣が祟ったのか黒焦げで崩れ落ち、歓声が上がる。とりあえずパッチラゴンを繰り出す。ユウリは残り一体。カメールは出さずに終わりそうだ。

 

 

「…むう。ここまでやられるなんて、さすがモコウだね。侮ってるつもりはなかったんだけど…まさか自分のポケモンごとかみなりを当てるなんて。なら私は今回の切札を使うよ」

 

「なに?」

 

「でんきタイプ使いだから本当はこの子だけでよかったんだけど、カメールがいるから温存してたんだ。行くよ、セキタンザン!」

 

 

 出た。セミファイナルトーナメントでラウラを敗北させた、とにかく防御が堅く育てられたセキタンザン。ムゲンダイナ戦でも空中からじしんを当てる活躍をしていたのが記憶に新しい。そうだ、じしん。でんきタイプ一辺倒の我がポケモン達にとっては天敵。だが、パッチラゴンならば!

 

 

「でんげきくちばし!」

 

「効かないよ。じしん」

 

 

 瞬間。地面が突き出た。思わず目を見開き、アッパーカットの様に空中に殴り飛ばされたパッチラゴンに唖然となる。今のは、キリエの…!?

 

 

「うん、できた。ようやくだ。あの人の技術難しくて…でも、やっと物になったよ」

 

「ぐっ…がんばれ、カメール!」

 

 

 なんてことないって顔でぐっと握り拳を作るユウリに戦慄する。ああ、分厚い壁だ。相性的にはこちらが有利。追い詰めているはずなのに、追い詰められている感覚がする。だがしかし、しかしだ。

 

 

「我は最速最強!ここで負けては、女が廃る!カメール、みずのはどう!」

 

 

 あまごいなど撃ってる暇はない。苦手であろう特殊技で一気に決める!

 

 

「ヒートスタンプ!」

 

「なにぃ!?か、からにこもる!」

 

 

 火球を纏い跳躍して水の塊を避けるセキタンザン。咄嗟に防御の指示をしたが、迎撃をするべきだった。必然、甲羅に籠ったカメールは相手より重ければ重いほど威力が上がるヒートスタンプをもろに喰らい、セキタンザンに押し潰される。

 

 

「このまま、いっけー!」

 

「カメール…!」

 

 

 その瞬間、光り輝くセキタンザンの真下。グググッと持ち上げられるセキタンザンの巨体。そしてついには投げ飛ばされ、そこにはカメックスが立っていた。進化しただと!?ラウラのフシデといい、強敵との戦いはいい経験になるってことか!

 

 

「ここで進化か、熱いね!ボディプレス!」

 

「カメックス!」

 

 

 投げ飛ばされた勢いのままに急降下するセキタンザンに、咄嗟にスマホロトムの図鑑を見て技を確認。みずでっぽうを忘れてラスターカノンを覚えたが、最大打点は変わってない。そう思考するのに0.5秒。すかさず指示をする。

 

 

「みずのはどう!」

 

 

 甲羅の砲台から放たれた、先程よりも巨大な水の塊が炸裂。セキタンザンとせめぎあいして、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…勝負あり!三つ目の修行第二戦、勝ち抜いたのはユウリちん!」

 

 

 負けた。チャンピオン相手に、ハンデがあったとはいえ、奮戦した方だろう。追い詰めた方だろう。だがしかし、カメックスが進化してくれたというのに、単純に力負けした。じょうききかんでスピードが上がっていて、みずのはどうが形成されきる前に直撃を受けたのだ。

 

 

「…ははは。最強は、これほどまでに遠いか」

 

 

 父上。ソッド。シルディ。あの男共に認めさせたいのに、力がない。ラウラはそんなことないと言うが、我には才能が足りない。強くなるには、シンプルな力が必要だ。伝説に、憧れた。

 

 

「…あの時、変な意地を張らずにムゲンダイナを手に入れておけばよかったかなあ」

 

 

 そんな我の言葉に呼応するように、遠き雪の地にて震える点字が刻まれた石版が在ったことを、我はまだ知らない。




一歩及ばず。チャンピオンの壁は厚い。

・モコウ
最速最強を志すラウラのライバル。チャンピオンとの実力差を知り、伝説の強さに心を奪われる。自己犠牲かみなりは苦肉の策。

・ユウリ
状態異常に目覚めたチャンピオン。油断もあったとはいえ、インテレオンにザシアンまで落とされたモコウの強さを心から楽しんでいたバトルジャンキー。キリエの技術までものにした。カメックスの進化に、メッソンの進化を思い出して油断はしないと決め直した。でもやっぱりラウラと戦える方が嬉しい。

・フシギソウ♂
とくせい:しんりょく
わざ:つるのムチ
   やどりぎのタネ
   しびれごな
   どくのこな
もちもの:しんかのきせき
備考:きまぐれな性格。昼寝をよくする。状態異常ややどりぎで相手の動きを封じた後ペしぺし叩く攻撃を得意とする。クララを泣かせた。

・カメール→カメックス♂
とくせい:げきりゅう
わざ:みずのはどう
   あまごい
   みずでっぽう→ラスターカノン
   からにこもる
もちもの:しんぴのしずく
備考:おだやかな性格。ものをよく散らかす。あまごい要員。モコウに懐いており、ここぞの進化を見せた。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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