ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ちょっと調べてみたけど調べれば調べる程ラウラと相性が悪い蟲ポケ二体。どうしたものかと迷った末、今回出すことにしました。

今回はひでんのヨロイ獲得とその後の話。楽しんでいただけると幸いです。


VSカイロス

 キョダイインテレオンに撃ち抜かれ、落ちてきたウルガモスを火傷するのも構わずに両手で受け止める。よく頑張ったな。ムゲンダイナをにほんばれの助けが在ったとはいえ単騎で倒したお前は俺の誇りだ。

 

 

「第三の修行、クリアしたのはユウリちん!ラウラちん、惜しかったねー。でも伝説のポケモンを二体も倒したのは凄かったよー」

 

「ええ、はい…ユウリの持つのが伝説ポケモンだって気付いていたんですね、マスタード師」

 

「そりゃあね。まさかヤドン探しの為だけに件のムゲンダイナを出すとは思わなかったけど。…今のチャンピオンは豪胆だねえ。これならヒデンのヨロイを授けても上手く使ってくれそうでワシちゃん嬉しいよ。みんなー!もういいよん!」

 

 

 マスタード師がそう言うと離れていた門下生たちとミツバさんクララさん、モコウが近づいてきて歓声を上げた。

 

 

「あんたたちほんとによく頑張ったね!あたしゃもう途中からハラハラしてよく見れなかったよ」

 

「すごいね二人とも。うちも頑張るよ」

 

「うむ、やはり二人を越えるのが当分の目標だな」

 

「ユウリちん!3つの修行を全てクリアしたユウリちんには…マスター道場ひでんのヨロイをあげちゃうよん!道場で準備してるから先に戻って待ってるねー。んじゃそんなカンジでよろぴく!みんな解散だよーん!」

 

 

 みんな散り、ユウリとモコウと三人で道場に歩きながら考える。ひでんのヨロイ…色違いのグソクムシャいいなあ。いや、それよりも懸念事項が一つあるのか。

 

 

「つまり、また強くなるのかユウリは」

 

「何時になったら追い付かせてくれるのだ」

 

「そうみたいだね。うーん、次のジムチャレンジで私を乗り越えて、としか言えないなあ」

 

「「無理だろ」」

 

 

 モコウと被るのもしょうがないだろう。伝説ポケモンを二体揃えたチャンピオンなんて……アローラ地方のチャンピオン・ミヅキがそうだって聞いたな。就任から一年経った今でもチャンピオン防衛線に勝ち続けているやべーやつ。アローラが田舎だからかあまり有名ではないが、年が近いと聞いたからユウリと同じ主人公格なのかもしれん。アローラに行ってそのチャンピオンと戦えばユウリに対する突破口が見えるかもなあ。

 

 

「無理じゃないよ。ラウラが二体とも勝ったじゃん。フルバトルだったら分からなかったかもだよ?」

 

「それはラウラがおかしいんだ」

 

「おい」

 

「「だってムゲンダイナを倒したのラウラだけだし?」」

 

「ぐっ…」

 

 

 それ言われちゃぐうの音も出ねえ。そんなこんなで道場まで戻ると、マスタード師がモンスターボールを手にして待っていた。その中に色違いグソクムシャが…!

 

 

「ユウリちん!待ってたよ!さあ……でてこーい」

 

 

 そんな気の抜けた声と共に繰り出されたのは、グソクムシャではなかった。灰色の身体で鉢巻の様な白い毛が特徴の、小さな熊の様なポケモンだった。………もしかしなくても俺、ずっと勘違いしていたわけだな。なら勝たなくてよかったかもしれん。俺は蟲ポケモン以外に愛を向ける自信がない。繰り出された熊ポケモンは拳を、足を振るい、マスタード師とシャドーボクシングしたりちょこまか暴れると、それを眺めていたユウリに気付いて怖気付き、マスタード師の後ろに隠れてしまう。ちょくちょく覗き込んでくるのが可愛い。…これがひでんのヨロイ、ねえ。

 

 

「そのポケモンが…?」

 

「そう!このポケモンこそがマスター道場ひでんのヨロイ!其の名も……ダクマ!体は小さくともりんと育てれば如何なる敵の進撃も阻む頑強なヨロイになるよーん!」

 

「なるほど、だからひでんのヨロイ…」

 

「中でもこの子はものすご~い才能を秘めてるんだけど、引っ込み思案なところがあってね…今一つ自分に自信が持てないみたいなの。ユウリちんと一緒に冒険すれば自分の殻を破れるかもしんないと思うのね!ってなわけで!これからダクマをよろぴくね!」

 

「えっと…よろしく、ダクマ!」

 

 

 そのユウリの言葉に、おずおずと近づくダクマ。マスタード師から渡されたボールを胸に、ダクマはユウリのポケモンとなった。あの口ぶりからまだダクマはいるんだろうな。

 

 

「とりあえずー!チミたちは仲良しちゃんになってお互い信頼し合わないとねー!その子はまだ道場の外にあんま出たことないから、ヨロイ島の景色のいいところを一緒に眺めればすぐに打ち解けられるかも!いっぱい仲良くなったらダクマの修行を始めるからワシちゃんに教えてよん!」

 

「つまり…旅に出るってことか」

 

「我らもついていくぞ。いくらでもバトルの相手になろう」

 

「うん、行こうか!新しい旅に!」

 

 

 マスター道場を飛び出す俺達。……ついでに蟲ポケモンを集めたいなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、景色のいいところを探してヨロイ島を巡る俺達。そんな中で俺は新たに二匹の仲間を手にしていた。

 

 

「ハッサム!バレットパンチ!」

 

「ダクマ!右に避けてつばめがえし!フシギソウはしびれごな!」

 

「カイロス!あてみなげ!」

 

 

 ダブルバトルでユウリを追い詰めるのは、新たに仲間になったハッサムとカイロス。むしポケモンの中でも強力無比と呼ばれる部類の二体だ。ダクマを挟んで投げつけるカイロスに驚くユウリ。後攻になることで必ず当たる技だ。避けることが得意なダクマでもそれは変わらない。

 

 

「ハッサム、こうそくいどうからのれんぞくぎり!」

 

 

 さらに、こうそくいどうしつつフシギソウを連続で斬りつけて大ダメージを与えて戦闘不能に。まひしていようがスピードを上げれば問題ない。

 

 

「そこ!ほのおのパンチ!」

 

「なに!?」

 

 

 移動先を見切られて、ダクマから四倍ダメージのほのおのパンチを真面に受けて吹き飛ぶハッサム。だから平然と人間離れした指示をするな!

 

 

「お前、本当に人間か?エスパーだとか言われた方がまだ納得いくぞ」

 

「失礼な。ただの女の子です!」

 

「チャンピオンの時点でただのではないぞ」

 

 

 俺とモコウのツッコミに不服そうなユウリ。これでヨノワールの拳に耐えるタフネスがあるんだろ?本当に人間か?

 

 

「なんか失礼なこと考えている気がする…」

 

「隙ありだ!ハサミギロチン!」

 

「上に逃げてつばめがえし!」

 

 

 グシャッ、と。カイロスの挟み込みは簡単に避けられて返しの蹴りが炸裂。カイロスは頭頂部にもらって頭から崩れ落ちた。…このダクマ、マスタード師が才能の塊だと言っていただけあって普通に強いな。ハッサムとカイロス、強いっちゃ強いが俺のバトルスタイルとあってないというか、使いこなせてない感が凄い。なにかよさそうな蟲ポケモンがいたら交代かなあ。

 

 

「ラウラ。一撃必殺はずるくないか?」

 

「隙を見せたんだから使うべきだろ」

 

「うん、私でも使うけど、隙はあえて見せるものだよ」

 

「だからお前、本当に一般家庭出身か…?」

 

 

 腕試しのダブルバトルが終わったので、見晴らしのいい場所で三つのキャンプを建てて三人で鍋を囲んでカレーを作る。囲んでいるポケモン達のうち、ムゲンダイナとザシアン、セキタンザンにカメックスの圧が凄い。ラランテスは可愛いなあ(現実逃避)。

 しかし面子が凄い。俺のデンチュラ、ウルガモス、ラランテス、ホイーガ、ハッサム、カイロス。ユウリのインテレオン、フシギソウ、セキタンザン、ザシアン、ムゲンダイナ、ダクマ。モコウのライボルト、パッチラゴン、ストリンダー、ルクシオ、ジバコイル、カメックス。全体的にごつい。あ、ちなみにルクシオはコリンクが進化したもので、ジバコイルは俺のハッサム達と同じで新たに捕まえていたポケモンだ。

 

 

「しかしラウラよ…毒は怖くないのか?」

 

「は?毒が怖くてホイーガの世話ができるか。安心しろ、分厚い手袋は付けているしなんでもなおしは常備している。なんならモモンのみもあるぞ」

 

「お、おう。お前がいいならいいんだ」

 

 

 カレーを食べ終えて思い思いに過ごす中、分厚い手袋を装着してホイーガの甲殻を湿った布で拭いていると、モコウが危ない物を見るような目で見て来たので反論する。こうしないと乾いて罅割れちゃうかもしれないからな。蟲ポケモンは繊細なんだ、アフターケアは万全にしないと。毎晩の日課だ。

 

 その他にも、ウルガモスのモフモフした体毛から燃え移りそうな埃や塵を見つけて取り払い、ブラッシングする。ラランテスの痛んでいる鎌やカイロスの鋏を優しく手入れする。ハッサムの火傷を受けたボディにやけどなおしを施し、紙鑢で磨く。最後にデンチュラの爪を磨き、優しく毛づくろいしてやった。

 

 さらにリュックのポケモンボックスに預けているドラピオン達も出して順番にケアしていく。これはソニアさんからもらったものだが便利になったものだ。今のポケモンはパソコンを介さなくても預けたり引き出したりできるらしい。え、なんで試合の時に使わなかったのかって?そりゃお前、ウルガモス達新人を活躍させたかったからに決まっているだろ。ドラピオンに挨拶しているハッサムとカイロスを眺めながらモスノウの毛づくろいをしていると、ユウリが話しかけてきた。

 

 

「ラウラはほんと、蟲ポケモン達が好きだよね」

 

「そりゃあな。俺の生きる意味と言ってもいい」

 

「私も出来る事なら蟲ポケモンとしてラウラに愛されたかったなあ…」

 

「……お前、ポケモンだったら俺とポケモンバトルすることも出来ないけどいいのか?」

 

「それは嫌だな!」

 

「ラウラの蟲好きもそうだがユウリ、お前もぶれないな…」

 

 

 そして、夜は更けていく。月明かりを受ける蟲ポケモン達は幻想的で、それはもう美しかった。




今回「64」話目であるということもあり、リクエストがあったのでラウラの蟲ポケモンの愛で方を書いてみました。次はカイロスとハッサムを上手く活躍させたいところ。

・ラウラ
蟲ポケモンの手入れのために分厚い手袋やらブラシやらピンセットやらをファイトマネーで買い込んでいる主人公。独自で蟲ポケモンの扱い方を研究して的確な手入れをしている。ひでんのヨロイがダクマだと知りあからさまに気落ちした。ハッサムとカイロスは強いから、愛でたいからと言う理由で捕まえたけどファイトスタイルは自分に合ってないと自己分析している。

・ユウリ
ダクマを手に入れてさらに戦力アップしたチャンピオン。さらっと移動先を見切る、あえて隙を見せるなど戦術面でもパワーアップしている成長し続けるバトルジャンキー。生まれ変わるなら蟲ポケモンになりたいけどポケモンバトルは楽しみたい。

・モコウ
ツッコミ役が板についてきたお嬢様。さらっとコリンクをルクシオに進化させたり、ジバコイルを手に入れたりと戦力アップしている。手持ちを手入れしたいけど下手くそなためすぐ感電するドジっ子体質は相変わらず。ジバコイルに至っては素手で触れたらすっごい嫌がられて涙目になっている。

・カイロス♂
とくせい:かたやぶり
わざ:あてみなげ
   ハサミギロチン
   むしくい
   やまあらし
もちもの:なし
備考:ゆうかんな性格。暴れることが好き。

・ハッサム♀
とくせい:テクニシャン
わざ:こうそくいどう
   れんぞくぎり
   バレットパンチ
   エアスラッシュ
もちもの:なし
備考:おくびょうな性格。物音に敏感。

・ダクマ♂
とくせい:せいしんりょく
わざ:つばめがえし
   ほのおのパンチ
   ビルドアップ
   かわらわり
もちもの:なし
備考:やんちゃな性格。ちょっぴりみえっぱり。鍛えられてレベルは50くらいに。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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