ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ラウラがユウリ、ムツキがルミと大ファンがいる中でモコウだけいなかったので大ファンを作ることにしました。

そんなわけで今回はモコウ主役回。楽しんでいただけると幸いです。


VSクリムガン

 ぬしポケモン、とネット上で呼ばれる強力なポケモンがガラルには点在しているらしい。ラウラのドラピオンがその一匹だとか。己の縄張りを持ち、入ってきた輩を絶対に許さない凶暴なポケモンなのだという。なんでこんな話をしているのか、というとだ。

 

 

「こいつもそのぬしポケモンということかぁあああああ!?」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

 

 

 少女を抱いて逃げる我を追いかけてくるのがそのぬしポケモンであろうクリムガンだと言う事だ。ラウラとユウリがいない時にこんな化け物と出くわすとか厄日か!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんでこうなったのかを考える。雨が降りしきり景色のいいところを見るのもどうかとなったので、個人的にダクマを集中的に鍛えることにしたユウリ、まだ見ぬ蟲ポケモンに会うべく探索に出たラウラと別に、ラウラと同じくでんきポケモンがいないか探索に出た所、洞穴を見つけたと思ったらそこから少女が必死の形相で飛び出してきて、それを追いかけるようにガラル本土では見ないドラゴンポケモン…クリムガンが出て来たのに出くわした。

 

 

「助けて!お姉ちゃん!」

 

「お、おう?!」

 

 

 少女は我を見るなり助けを求めて来て、私のパッチラゴンを繰り出してドラゴンテールで追い返そうとしたものの、まさかの一撃ノックアウト。慌ててパッチラゴンをボールに戻して少女を抱いて走って逃げだした。こんなところだ。ぬしポケモンに喧嘩を売るもんじゃないな!

 

 

「お前、名前は!?」

 

「わ、私サタリア。旅行中にお父さんと逸れちゃって、雨が降って来たから洞穴で雨宿りしようとしたら…」

 

「奴の縄張りで、怒らせてしまったと。そういう訳だな!」

 

 

 ピカチュウの着ぐるみを着た、黒髪の子供。ポケモンごっこのお子様は基本的にピカチュウが男子でイーブイが女子だから男子だろうか。にしては軽いが。いや、名前からして女子か。今はそれよりもだ。

 

 

「とにかく逃げきって隠れるぞ!あれは手に負えん!」

 

「え!?お姉ちゃん、ポケモントレーナーなんだよね!?倒せないの!?」

 

「お子様には分からんだろうが、我の切札が一撃で落とされた時点でどうしようも…!?」

 

 

 いつの間にか崖上まで追い詰められ、立ち止まる。奴め、知能が高いのかそれとも我のドジが発動したのか。振り向けば、我らが止まったことに気付いたのかゆっくりと歩み寄ってくるクリムガン。あー、もうこうなれば!

 

 

「ライボルト!雨なら当てれるよな!?かみなり!」

 

 

 ライボルトを繰り出し、最大火力であるかみなりをぶつける。今日に限ってパッチルドンを連れてないからな。火力で押し切るしかない。しかしてクリムガンは黒焦げなれど健在で。

 

 

「馬鹿な、まるで効いてないだと!?じしゃくを持たせた我の最大火力だぞ!?」

 

 

 イラついているようで、大きく口を開いてかみくだいてくるクリムガン。ライボルトが避けるだけで地面が抉られ、その威力の凄さがうかがえる。あんなの喰らったらライボルトは一撃だ。

 

 

「くっ…ワイルドボルト!」

 

 

 雨が降りしきる中、雷光が輝く。クリムガンの一振りでこちらまで吹き飛ばされてくるライボルト。今のはドラゴンクローか?なんて威力だ。こうなれば最後の手段だ。

 

 

「頼む、ルクシオ!ほえる!」

 

 

 ほえるで追い立てようと試みる。ポケモンの戦意を失くさせて逃走させる技だ、これならば。しかしビクともしないクリムガン。ほえるが効かないだと!?そう、茫然としてしまったのがまずかった。

 

 

グシャリ

 

 

 鋼鉄と化した頭が振り下ろされ、電撃を放って迎撃しようと帯電していたルクシオが沈む。私の指示が速ければ、あるいは。

 

 

「カメックス!ラスターカノン!」

 

 

 繰り出したカメックスの放った光線を、俊敏な動きで避けるクリムガン。カメックスの砲撃の速度でさえ避けられるだと!?

 

 

「みずのはどう!」

 

 

続けて水の砲弾を放つが、アイアンヘッドで突き破られて突進、ドラゴンクローがカメックスの腹部を抉る。カメックスの防御がまるで紙の様に…!

 

 

「からにこもって回転だ!」

 

 

 追撃を、何とか防ぐ。カメックスで防いでいるうちに何とか倒さなくては。

 

 

「ストリンダー、オーバードライブ!」

 

 

 繰り出すと同時に放たれる電撃の伴った音撃。それを受けて怯むクリムガン。畳み掛ける!

 

 

「カメックス、ラスターカノン!ストリンダー、オーバードライブ!」

 

 

 二匹の最大火力を相手にぶつける。ちらっと図鑑で見た限りドラゴンタイプ、水技や電気技が効かないのがきつい。あの時と、キバナ相手にどん詰まった時と同じだ。我はドラゴンがどうも苦手らしい。だが、それでもだ。

 

 

「同じ轍を二度踏むほど、我は弱くはないぞ…!」

 

 

 その瞬間、爆煙で見えなくなったクリムガンの咆哮が轟き、カメックスが一撃で殴り飛ばされていた。

 

 

「え?」

 

「お姉ちゃん、来るよ!」

 

 

 さらにストリンダーも殴り飛ばされ、無防備となる。こちらに向かってくるクリムガンの瞳に正気はない。この技は、げきりん…?我は文字通り逆鱗に触れてしまったのか?

 

 

「くっ!」

 

 

 咄嗟にサタリアを守るべく庇う姿勢となり、背中に強烈な一撃を受けて、私達は崖の上から投げ出される。迫る木々に、死を幻視する。

 

 待て待て待て待て待て。

 

 こんなところで終わるなど、冗談でもない。まだユウリどころか、ラウラにも勝っていない!我は、私は最速最強になるんだ。こんなところで終われない、死ねない!……そうだ、まだ手はある!

 

 

「ジバコイル!」

 

 

 新たな私のポケモン。嫌われてしまって、全然言うことを聞いてくれないけれど、今だけは、力を貸してくれ!頼む!

 

 

「でんじふゆう!」

 

 

 ジバコイルの頭の突起を握りしめ、もう片方の手にサタリアを抱えて絶叫する。瞬間、その場で制止するジバコイル。投げ出されそうになったが、ジバコイルが体をずらしてくれて落ちずに済んだ。

 

 

「これ、ポケモンさん?」

 

「そうだ、こやつはジバコイル。我の…新たな仲間だ!…捕まえるだけ捕まえて、お前に信頼を見せていなかったな。すまん。今は、力を貸してくれ」

 

 

 ジバコイルが懐かなかったのもよく考えれば当たり前だ。我から信頼を何も見せていなかった。信頼してくれない相手に懐かないのは道理だ。素手で触れて気を悪くするのも道理だ。だが、我の声に答えて急上昇してくれるジバコイルから嫌がっている感じは見えない。

 

 

「待たせたな、クリムガン!ジバコイル、ロックオン!」

 

 

 そのまま瀕死のカメックスに手を出そうとしていたところに崖下から飛び出してきた私達に驚き、突っ込んでくるクリムガン。私達が降りて、指示に従ってくれるジバコイルの、大技が雨が降りしきる中、放たれた。

 

 

「でんじほうだあ!」

 

 

 膨大な電気の塊が放たれ、クリムガンを飲み込んでいく。大地を焼き、焦がしていくその一撃の威力は絶大で。電気の塊が霧散した時には、クリムガンが戦闘不能となり倒れていたのだった。

 

 

「やった、やったよお姉ちゃん!」

 

「そう、だな…」

 

 

 安心したと同時に、ドッと疲れが出てきて倒れ込む。…ははは、私はユウリ程人間をやめてはいないからな。ドラゴンタイプの一撃は、さすがに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、起きたか」

 

 

 目覚めたら、見慣れた布の屋根の下だった。横に顔を向けたら、そこにはすごいきずぐすりと包帯を手にしたラウラがいた。背中に違和感があるので、包帯を巻いてもらったらしい。

 

 

「ラウラか、ここは…?」

 

「キャンプだ。お前のジバコイルが慌てて俺に知らせに来てな、引かれてついて行ったらお前が重傷で倒れていたから慌ててここでキャンプを張ったんだ。ユウリにも知らせておいたから安心しろ」

 

「サタリアと…私の、ポケモン達は…」

 

「それならみんな元気に外で遊んでるぞ。サタリアとやらは逸れた親にマスター道場経緯で連絡して、迎え待ちだ。ポケモン達はお前のことは俺に任せろと言ったら安心してくれた。お前、愛されてるな」

 

「…お前ほど愛を与えてあげれないがな」

 

 

 起き上がる。激痛で叫びそうだが、ポケモン達の安否を確かめるべく外に出ると、サタリアと遊んでいたところで私を確認するなり抱き着いてくるライボルト、パッチラゴン、ストリンダー、カメックス、ルクシオ、ジバコイルを受け止め背中から倒れて激痛が襲う。

 

 

「ぎゃあああああ!?痛い、痛いが嬉しいぞお前たち!」

 

「お姉ちゃん!大丈夫?」

 

 

 慌てて駆け寄ってくるサタリア。笑顔だったのがまた涙目になってる。優しい子だ。

 

 

「大丈夫、大丈夫だから心配するなサタリア。親に連絡ついてよかったな」

 

「うん、お姉ちゃんのおかげだよ!お姉ちゃん、助けてくれてありがとう!大好きだよ!」

 

「お、おおう」

 

 

 ポケモン達がどいたところをサタリアが抱き着いてきたので慌てて受け止める。好意を向けられるのは、こそばゆいな。こんな子供でも、認めてもらえたと思えばなんか、いい気分だ。

 

 

「大きくなったらお姉ちゃんのお嫁さんになってあげるね!」

 

「わ、私は女だぞ!?」

 

「でもかっこいいもん!」

 

「か、かっこいい…」

 

 

 ふむ。我のセンスがかっこいいか。ふむ、ふむ!悪い気はしないな!……だがその感情は多分、吊り橋効果と言うやつでだな…と説明しようとしていたら、キャンプの中からニヤニヤ見てくるラウラが見えて。

 

 

「なんだ!見せもんじゃないぞ!」

 

「いいや?ファンができて良かったなって」

 

「うん、お姉ちゃんの大ファンだよ!大好き!」

 

「…えーと、なにしてるの?」

 

 

 そこにやってきたユウリの呆れた声。そんなもの、我が知りたいわ!




おねロリ、いいよね!

・モコウ
ジバコイルが懐いていなかった理由に納得しかしなかった今回の主人公。ユウリと違って常人なため普通に重傷。雨とクリムガンの攻撃で髪型が崩れていたことには気付いていない金髪ロングヘアーのイケメン美女。そりゃ子供も惚れる。

・ラウラ
ジバコイルに呼ばれてついて来てみればモコウが重傷で倒れていたのでギョッとなって手持ちのきずぐすりと包帯で治療した主人公。モコウとサタリアを温かい目で見守る。

・ユウリ
連絡を受けて来てみればなんか妙なことになってたので自分のことを棚に上げて奇人を見るような目を向けていた原作主人公。ちなみにクリムガンに襲われた崖の上がちょうど絶景ポイントの一つだった。

・サタリア
ポケモンごっこしている8歳の女の子。女子なのにピカチュウなのは好きなため。手持ちにピカチュウがいるがクリムガンに瞬殺された。でんきタイプ、特にジバコイルを可愛いと言って大好きなでんき狂いだったりする。助けてくれたモコウも大好きで戦ってる姿に大ファンになった。名前の由来は過去作のオリキャラとサンビタリアから。

・ジバコイル♂
とくせい:がんじょう
わざ:でんじほう
   でんじふゆう
   ロックオン
   ミラーショット
もちもの:じしゃく
備考:しんちょうな性格。とてもきちょうめん。

・クリムガン♂
とくせい:ちからずく
わざ:かみくだく
   ドラゴンクロー
   アイアンヘッド
   げきりん
もちもの:なし
備考:ゆうかんな性格。暴れることが好き。ヨロイ島のぬしポケモンの一体。洞穴を縄張りにしていて、雨宿りに入り込んだサタリアに襲いかかった。一撃一撃が重い。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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