今回はウーラオスをさらに強くするための旅の一幕。楽しんでいただけると幸いです。
ユウリとウーラオスと合流後、ユウリがマスタード師に戻るように言われたとのことなのでマスター道場に帰還する俺達。そこで待っていたのは、ホップだった。
「おっ、三人とも!お帰り!道場での修業頑張っているみたいだな!」
「なんでホップが!?」
「お前、ソニアさんところから逃げてきたのか?」
「博士になる勉強はどうした」
「信用ないのか俺は!?いいリアクションなのはユウリだけだぞ…俺、ダイマックスの調査でさ。しばらくヨロイ島にいるんだ!」
「うふふ。四人はお友達なんだってねー。ホップちん、ヨロイ島でキャンプする許可を取りに来てくれたんだけど、大変だし道場に泊まればー?って話してたのよん」
なるほど。たしかにこの島でまともな建物ここだけだからな。
「すっごく助かるけど皆の迷惑にならないかな?」
「いや、私達は外でキャンプして一週間過ごしたし?」
「悪いことは言わない、泊まれホップ」
「キャンプだとカレー地獄になるぞ…」
「お、おう…」
モコウと二人してホップに言い聞かす。たじろぐホップと不満げなユウリ。そんな俺達を見てマスタード師は笑った。
「マスター道場は何時でも誰でもウェルカムだよん!三人も、キャンプしないで一旦ここに戻ればよかったのに」
「「…たしかに!」」
ユウリが意気揚々とキャンプするから全然違和感なくキャンプしてたが帰ればよかった。大体ユウリのせいである。
「それに、ダンデちんの弟ならワシちゃんたちにも家族だからねー」
「そっか…小さい頃、兄貴もこの道場に……マスタードさん!やっぱり俺…しばらくやっかいになるぞ!」
「いえーい!もちろんオーケー!賑やかで楽しくなりそうだねー!ところでユウリちん。ダクマが進化したウーラオスについて教えるねー」
「はい!」
俺達にとっての本題だ。おそらくだがキョダイマックスさせるためにダイスープを飲むようにとかそんなんだろう。この道場はキョダイマックスの扱いを鍛える道場、そんな感じがする。ダンデのリザードンとかそうだしな。
「ウーラオスはキョダイマックスの可能性を秘めてるんだけど、ダイキノコの風味が苦手でダイスープが飲めないんだよん」
「そうなんですか?じゃあどうすれば…」
「ヨロイ島で採れるある物をスープに入れれば飲んでくれるようになるんだけども…」
「そのあるものとは…?」
「あるものとは…忘れちゃったよーん」
「「「「ええー!?」」」」
俺達三人とホップの声が重なった。…耄碌爺さんであったか。いや失礼か。ノリがいいと喜ぶマスタード師にそりゃないぜと肩を落とす俺達。そこで、熊の様な風貌のウーラオスを思い出して思いつく。熊と言えばアレじゃないのか?
「いや待て。当ててやる。ハチミツなんじゃないのか?」
「「「ハチミツ?」」」
「そうそう、ダイミツって言うんだけどね。よくわかったねラウラちん」
蟲に関する事なら任せておけと胸を張る。…まあ、前世で見た某世界的アニメーションの熊から思いついたものだったんだが。
「おそらく、はちのすポケモン、ビークインのハチミツがそうなんじゃないか?」
「それなら、この辺りだと青い塔の近くにある六角形の島…ハニカーム島に生息していたはずだぞ!」
「ありがとうホップ!いくよ、二人とも!」
「おう、ビークインに早く会いに行くぞ!」
「お前もぶれないな…」
そう言って駆け出してくユウリを追いかける俺とモコウ。出る間際、ホップの「俺もついてきたかったんだぞ」という呟きが聞こえた。…なんというか、すまん!今は早く、いかにも特殊そうな匂いがするそのビークインに会いたい!ガラル本土にいたとはいえ群れの頂点に位置する珍しいポケモンだからな。え、ガラルでは違う?メスのミツハニーの希少さを知らんのか?
数刻後、自転車で海を渡るユウリと、それに追従するムゲンダイナに乗った俺とモコウ。二人を乗せても軽々浮かべるこいつがいてよかった。ユウリの自転車は正直よくわからないが。なみのりってわざ、知ってる?
「あれかな?」
ユウリの呟き。前方に見えてきたのは、一本の木が生えた小さな島。見ればミツハニーが群がっている。このヨロイ島は楽園しかないのかな?そう顔をほころばせた、その時だった。
「っ!?二人とも、掴まって!」
何かに気付いたユウリが方向転換、大波に乗って自転車をしまい、俺とモコウの間に降り立つ。そして大波に乗って現れたのは、巨大な口。
「ムゲンダイナ、右にずれて!」
ムゲンダイナの下半身に掴まったユウリの指示でずれたムゲンダイナの体を削る鋭い歯。巨大な背びれも見え、距離を取るとそこにいたのは、3m近い巨体のサメハダーだった。
「まさか、ぬしか!?」
「ありゃ大量のポケモンや人間を喰らってきた類の危険種だぞ!?」
たまに、他地方の砂漠やら森やら海やらに存在しているらしい、人喰いの巨大ポケモン。モコウが出くわしたクリムガンもそうなのだろうが、こいつは明らかに別格。でかすぎる。とりあえず、だ。
「デンチュラ!」
「レントラー!」
「待って、二人とも!それは他のポケモンにも被害が及ぶよ!」
俺がデンチュラを、モコウがクリムガンとの戦いで経験を得てルクシオが進化したらしいレントラーをムゲンダイナの背中に繰り出すも、ユウリに止められる。確かにそうだ、生態系を破壊していると思わしきぬし相手でもさすがにまずいか。
「だがどうする?」
「このままだとあのなみのりと思わしき技で海に飲み込まれてお陀仏だぞ?」
「こうなったら…!」
すると何を思ったのか、二つのボールを手に海の飛びこまんとするユウリ。慌ててモコウと2人がかりで止めた。死ぬ気かお前ェ!?
「待て、おい待て。なにをするつもりだ」
「死ぬ気か馬鹿!?」
「ウーラオスとインテレオンと一緒に倒してくる」
「水中で指示ができるかド阿呆!?」
モコウの渾身のツッコミが木霊した。キリエさんみたいな言葉で指示するんじゃなくて音だけで指示するならともかく、なあ。
「なら…お願い、インテレオン!ウーラオス!」
二体を海に繰り出すユウリ。すると餌の匂いを感じたのか、高速で波を立てて襲いくる巨大サメハダー。
「インテレオン、みずのはどう!ウーラオス、かわらわり!」
上手い。インテレオンがみずのはどうでサメハダーの突撃を受け止め、ウーラオスが手刀を頭頂部に叩き込む。特性のさめはだで傷付いたのか血が流れる。その血が鼻にかかると朦朧としていたサメハダーは目を見開かせ、インテレオンをその背びれで斬り裂き、戦闘不能にしてしまった。
「あのインテレオンが一撃だと!?」
「練度も相当だぞ!?」
「ウーラオス、集中して」
波の衝撃に揺られながら狼狽える俺達とは逆に、静かに息を整えるユウリ。それは、前世で見た武術の型の準備行動とよく似ていて。
「すいりゅうれんだ!」
水流が変わる。まるで、ウーラオスに集約する様に渦を巻き、流れはサメハダーへと向かい、その勢いで水を蹴り突撃するウーラオス。サメハダーは大きく口を開いて噛み砕かんと迫る。
「おお…!」
そして、流れるような三連撃が的確にサメハダーの全身に存在する急所へと叩き込まれ、その一撃の威力を物語るように喰らった部位がひしゃげ、苦しみ悶えるサメハダーはそのまま深海へとゆっくりと落ちて行った。
「ふぅ…よし!いい力試しになったね、ウーラオス!」
「…あのクラスのポケモンを一蹴、か」
「末恐ろしきはユウリか、それともウーラオスの実力か」
「どっちもだろ」
「違いない」
俺達を乗せて、ハニカーム島に向かうムゲンダイナ。何はともあれビークインか、実に楽しみだ。
モチーフはジョーズな今回のサメハダー。サメパニックもの、大好きです。特にシャークネードは良いぞ。
・ラウラ
蟲は好きだけど鮫は無理な主人公。本来長々と回らないといけない謎を前世知識で一瞬でクリアする。ハニカーム島のビークインに興味津々。
・ユウリ
ウーラオスを息を合わせることができるようになった原作主人公。サメハダーがいようが海に飛び込んでインテレオン達と一緒に戦おうとするやべーやつ。ムゲンダイナをもはや乗り物にしているずぶとい性格。
・モコウ
ルクシオがレントラーに進化したツッコミ役。ユウリのとんでも行動にツッコミが追い付かない。
・ホップ
久々登場。ラウラにいいところを全部持ってかれた可哀想な子。犠牲となったのだ…
・サメハダー♀
とくせい:さめはだ
わざ:かみくだく
きりさく
なみのり
とっしん
もちもの:なし
備考:いじっぱりな性格。暴れることが好き。ヨロイ島のぬしポケモンの一体。ハニカーム島の近海を縄張りにしていて、数多のポケモンと人間を喰らってきた危険種。常になみのりしながら移動するため大波を立てる。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。