今回からカンムリ雪原編。今回のメインキャラとなるオリキャラ兄妹が登場です。楽しんでいただけると幸いです。
VSダイオウドウ
ヨロイ島から本島に戻り一週間も経つことなく、ユウリが溜まったチャンピオンの仕事を終わらせてカンムリパスなるものを三人分用意して休暇を手に入れた。せっかくだし次はムツキを追いかけてカンムリ雪原へ行こうということらしい。
まあ音信不通だしな、本島に戻って電話をかけたら繋がらなかった上にキリエさんも何の連絡もないらしく、気にならないと言えば嘘になる。正直心配だ。ムツキは今頃、同行を申し出たルミと、体調管理の
ブラッシータウンの駅から専用の電車に揺られてガラル地方の南側、一面雪景色のエリアへとやってきた俺達。俺はキルクスタウンで購入していたボルドーの7ぶたけシャツの上からグリーンのもこもこボアコートを上に着ている。モコウもゴスロリの上からロングコートを羽織って黄色と紫色の稲妻の様なカラーリングのマフラーでグルグル巻きだ。ユウリは俺と同じボルドーの7ぶたけシャツの上からブラックのライダースジャケットとレザーパンツを着ていた。雪原だと分かっていたはずなのに寒そうな格好である。聞いてみたら「私シンオウ地方出身だから平気平気」だとか。お前、シンオウ出身だったのか…あそこの主人公は雪道でも半袖マフラーで行くぐらいだからなあ。
そんなわけで辿り着いたわけだが、出るなり親子喧嘩(?)に巻き込まれた。マックスダイ巣穴と言う場所でダイマックスアドベンチャーとやらをしたいらしいシャクヤというプラチナブロンドが綺麗な少女と、娘と一緒に冒険に出たいらしいローズ委員長似の父親ピオニー。すると早速ユウリが巻き込まれ、シャクヤは逃げてユウリはピオニーと戦うことに。俺達はユウリを置いて行くわけにもいかないので観戦だ。
「いいモン持ってやがんな!今度はこっちの番だぜ!」
しかしこのピオニー、かなり強い。すいりゅうれんださえ弾き返すはがねタイプの頑強さを活かしたガンガン攻めるぜスタイルにユウリとウーラオスも攻めあぐねている。…ピオニー、なんか聞いたことある名前なんだよなあ。
「ダハハ!元ジムリーダーに喧嘩売るたぁ大した奴だな!」
その台詞で思い出す。かつて「はがねの大将」と呼ばれたはがねタイプのジムリーダーにして、元チャンピオンの名前だ。過去の試合で見たことある。たしかローズ委員長が就任したことで引退したとか聞いたが…こんなところでなにしてるんだ?一瞬の隙を突いたウーラオスのインファイトが叩き込まれ、ピオニーのダイオウドウが崩れ落ちる。続けて繰り出されたのはボスゴドラ。おっ、ガラル本土では見ないポケモンだ。
「やっと一匹…この人、強い!」
「はがねはガチンコ!叩かれる程、ド・根性!」
「ユウリ!ボスゴドラの特性はがんじょうだ!」
「なるほど、ありがとうラウラ!すいりゅうれんだ!」
がんじょうすらぶちぬく流れるような三連撃がボスゴドラを襲い、瞬殺。やっぱり強いなウーラオス。そしてピオニーの手持ちは今ので最後らしい。
「あんまし自分で強いとか言うもんじゃねえなあ……ダーッハッハ!まさか若造にコテンパンにされるとはな!…ん?愛しの我が娘シャクちゃんがいねえ!!」
「本当に親子なのか?失礼だがそうは見えなかったぞ」
親に認めさせたいモコウが言うと説得力があるなあ。いやまあ、喧嘩できるほど仲がいいのは親子以外にないと思うが。……俺も今世の親とちゃんと向き合うべきなのかねえ。
「おうよ!それ以外にどう見えるってんだ!?久々の親子水入らずの家族旅行に来てんだが…見知らぬトレーナーたちを囮に逃げるたぁさすがシャクちゃん!パパへの愛情の裏返しだな!ダッハッハ!」
「「「ええ……」」」
「そういう娘なんだよ!ド・愛らしいだろ?……でもあいつがいねえとせっかく考えた伝説の探検ツアーが始められねえ!」
「伝説の…?」
「探検…?」
「ツアー?」
それに参加すれば伝説の鳥ポケモンを探しているムツキと合流できるんじゃなかろうか。
「そういやシャクちゃん、マックスダイ巣穴っつーとこに行きたいとか言ってたよな?パパに追っかけてほしいんだろな!おうおう!きっとそうだぜ!そうと決まれば善は急げだ!っちゅーわけで俺は行く!いい勝負だったぜ。じゃあな!ポケモン強い嬢ちゃんにそのお友達!」
そう言って去って行くピオニーに、俺達は顔を見合わせる。
「どうする?」
「俺達の目的はムツキとの合流だ」
「あの人の言っていた探検ツアーとやらならムツキの居場所もわかるかもだな」
「じゃあ私、ちょっと行ってくる!二人は今日の宿を探して!さすがにキャンプは不味いと思う!」
「おう」
「任せろ」
ピオニーを追いかけていくユウリを見送り、俺達は分かれて宿を探すことに。知らない場所だし、分かれた方がいいだろう。そして雪原を歩く化石ポケモンに驚愕しながら歩いていると、凄い光景が目に入った。
「グソクムシャ!てっぺき!」
「デンヂムシ、でんじは!」
個人的蟲ポケモン認定しているカブトプスを相手に、銀髪の男女が2人がかりで戦っていた。男のグソクムシャがてっぺきで鎌を受け止めている間に、女のデンヂムシがでんじはを叩き込みカブトプスを麻痺させる。いいコンビネーションだ。恋人か兄妹か。どっちも蟲ポケモン使ってるのいいな!好印象だ。
「いいぞダフネ!決めるぞ!アクアブレイク!」
「はい、兄さん!スパーク!」
兄妹だった。そして渾身の一撃が叩き込まれ、カブトプスは戦闘不能となり、グソクムシャを労う兄と、飛び付こうとするデンヂムシから何故か逃げるダフネと呼ばれた少女。するとデンヂムシに引っ付かれ泣きべそをかいていたダフネがこちらに気付いた。
「あ、貴女は……いました、兄さん!」
「うん?おお、見つけたぞ、蟲使いラウラ!」
「お、おう?」
どうやら目的は俺だったらしい兄妹に狼狽えていると、まるで鬣みたいな銀髪で何故か道着を着た兄が背筋を伸ばして笑顔を見せた。翠色の綺麗な目だった。
「俺はローレル!ラウラと同じ蟲使いだ!蟲ポケモンだけでセミファイナルトーナメント準決勝まで行ったラウラの実力、恐れ入る!だが、最強の蟲使いはこの俺達だ!なあ、そうだろうダフネ!」
「えっと…私はダフネといいます。蟲は苦手なんですが、何故か好かれてしまって…うう」
兄のローレルとは対照的に厚着で緑のマフラーを巻いている、前髪で目元を隠した銀髪をふんわりロングヘアーにした妹のダフネ。デンジムシに背中に引っ付かれて前髪からちらちら見える綺麗な翠の目は半べそだ。
「ダフネは蟲ポケモンが苦手だが蟲ポケモンを扱うのに長けている!俺は蟲ポケモンが大好きで使いこなすために己も修行してきた!ダブルバトルでなら、俺達はラウラ!お前にも勝てると自負している!」
「兄さん、私そんな自信ないです…」
「ほう?なら、やるか?」
ダブルバトルはぶっちゃけ苦手だが、蟲使いとしてユウリをも超える最強を目指す俺としては、どんな挑戦でも負けられない。例え同士であろうとな。
「では2VS2だ。いくぞ、ダフネ!我ら蟲使い兄妹の力を見せてやろう!」
「うう、もうどうにでもなれ!」
▽むしつかいの ローレルとダフネが 勝負を しかけてきた!
ローレルは拳をボールのスイッチ部に押し付けて、ダフネはしゃがんで地面に押し付ける様にしてそれぞれグソクムシャとデンヂムシを繰り出す。対して俺はビークインとモスノウを繰り出す。相性は正直、どっこいどっこいだな。だがアルルカン騒動とヨロイ島、その二つで最後に手に入れた蟲ポケモン達は強いぞ…!
メカクレ妹、いいよね。
・ラウラ
ムツキが心配だけどそれよりもカンムリ雪原の蟲ポケモンに心を躍らせる主人公。カブトプスも蟲扱い。ピオニーがチャンピオンだったことも知っている知識の者。服はそんなに持ってない。
・ユウリ
チャンピオンの仕事をさくっと終わらせてカンムリパスを手に入れてきた原作主人公。シンオウ地方出身。今回はライダースコーデだが地味にラウラとお揃い。ピオニーに割と苦戦した。
・モコウ
ロングコートとマフラーを身に着けているがゴスロリは譲らないツッコミ役。蟲ポケモン探しに雪原をうろつくラウラと違って村で真面目に宿泊先を探している。
・ムツキ
現在音信不通なひこうつかい。ルミとリヅキを伴って伝説のひこうポケモンを探している。
・ローレル
蟲使い兄妹の兄。グソクムシャが相棒な武人肌で努力の男。少々人の話を聞かない。無骨に攻める戦い方が得意。名前の由来はラウラと同じ月桂樹から。モチーフは「ほうかご百物語」の多々羅木豊。
・ダフネ
蟲使い兄妹の妹。デンヂムシが相棒だけど蟲嫌いなのに蟲に好かれてしまい使いこなせてしまう天才な女。ほじょわざを利用したトリッキーな戦い方が得意。少々引っ込み思案。名前の由来はラウラと同じ月桂樹、に姿を変えたニンフから。モチーフは「ほうかご百物語」の多々羅木美生。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。