ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。最近ゼノブレイドDEつながる未来をプレイしてます。スパイドとか好みだけどそれより臥竜スタイルが好みにドンピシャでした。

今回はバドレックスとの決戦、なんですが様子がおかしくて…?楽しんでいただければ幸いです。


VSクワガノン

 しばらくしてやってきたビークインのしもべの案内に従いやってきたのは、立派な神殿の跡地。今いるのはフリーズ村から北の山の頂点だろうか。入り口にはボロボロのアギルダーが捨てられており、ビークインに介抱されていた。

 

 

「お前たち、無事か!?」

 

 

 慌てて駆け寄ると、グッと握り拳を作りこちらに向けるアギルダー。そうか、逃がさなかったんだな。よくやった。そう撫でてやっていると、俺達の来た道からバドレックスがふわふわ浮かぶモコウを連れてやってきたので思わず呆れる。

 

 

「バドレックス…俺の友達の扱い、ひどくないか?」

 

「ラウラ、やはりレイスポスを追いここにいたか。許せ、急いでいた故」

 

「な、なんだ?もしかしてこのポケモンがモコウを通じて話してるのか?」

 

「すごい…」

 

 

 驚く兄妹を置いて神殿の中のレイスポスの元へと向かうバドレックスに、ボールに戻したアギルダーにすごいきずぐすりを施しながらビークインを連れて慌ててついていく。その時ついてこようとした兄妹に一応釘をさすことにした。

 

 

「あ、そうだ。此処から先はちょっとプライベートだからお前たちは入り口で待っていてくれ。多分ユウリも来るからその時は案内してくれたら助かる」

 

「ここまでか。ふむ、しかたないな」

 

「兄さん、いいんですか?」

 

「気にならない、と言えば嘘になるがプライベートなら致し方ないだろう。チャンピオンユウリが来たら案内すればいいんだな?任せろ」

 

 

 サムズアップするローレルと、どこか不満げなダフネを置いてバドレックスの元に向かうと、レイスポスの姿はなく。どうやら主人が現れたことで隠れてしまったらしい。

 

 

「余と会う気はないと言う事か。ユウリ待ちであるな」

 

「あいつ、死んでもここに来るって気迫で暴れていたぞ。あんたとの思い出に浸りたかったんじゃないか?」

 

「そうであるか。…そうで、あるか…」

 

 

 俯くバドレックス。まあ、思うところはあるだろう。長年離れていた相棒だ。

 

 

「お待たせ、王様!ラウラ!」

 

「人の子よ。待ちわびたぞ」

 

 

 そこに、ザシアンに乗って駆けつけてきたユウリ。その手には、黒い手綱と思われる物が握られていて、バドレックスは頷き受け取った。

 

 

「このカンムリ神殿は余が住んでいた場所。レイスポスは力を失いし今の余を侮り、ここを根城にしているのだ。キズナのタヅナ、持ってきてくれたであるな。この手触り、この色艶…ああ懐かしや、懐かしや…。レイスポスはとても気位が高いポケモン、あやつ以上の力を見せねば主として認めてくれぬが…キズナのタヅナを用いて直接余の力を送り込む」

 

「そんなことができるのか?」

 

「さすればあやつは再び余に寄り添ってくれる、である。さあ人の子よ。愛馬を誘き寄せるため、あれの寝床にある籠へくろいにんじんを置くのである」

 

「了解。ちゃんと持って来たよ」

 

 

 そう言ってくろいにんじんを取り出して言われた籠に入れるユウリ。…もしかして、俺追いかける意味なかったか?まあいいや、考えない様にしよう。

 

 

「人の子等よ、いよいよであるな。しかしおぬしたちは一度愛馬を打ち負かしておる。ラウラに至っては追いかけられて恐怖まで抱いているであろう。あやつは脅威となるものには好んで近寄らぬゆえ、身を隠してここに戻るのを待ち構えるである」

 

「了解だ。なんかすまん」

 

「あのスピードで追いかけられたらトラウマになるよね…」

 

「お前たち、我が眠っている間になにやったんだ…」

 

 

 そうして、バドレックス、ユウリ、そして目を覚まして呆れ顔のモコウと共に物陰に隠れて様子を窺う。すると、空から急降下して着地。辺りを見渡すレイスポス。それを確認するなり飛び立ち、レイスポスの背に飛び乗るバドレックス。

 

 

「やったか!」

 

「いや、まだ!」

 

 

 大暴れするレイスポスと、その上で手綱を引っ掛けロデオするバドレックスの姿はちょっとした神話の再現の様で。光り輝き、バドレックスはレイスポスの上でマントを身に着けた姿へと変化した。これが真の姿か。

 

 

「クラウ!ムカイ ムカイ!ランバ ウンバ!」

 

 

 何言ってるかはわからないが、礼を言ってることは分かる。

 

 

「バドレックス、今までの様に我を使っていいぞ。礼も伝えられないだろう、っててょわわわぁ~ん。うむ、礼を言うぞモコウよ。人の子等よ。お主たちのおかげで余の元に愛馬が戻った。おかげで全盛期の力も取り戻せた。信仰を失くしたと思い込み、愛馬をも無くし、孤独のふちにいた余を…ユウリ、ラウラ、モコウ。お主たちは救ってくれたのである。感謝してもしきれぬとはまさにこのこと」

 

「俺はあんまり力になってないからな、気にするな」

 

「困っていたら力を貸すのは当たり前だよ」

 

「……して、どうであろう?今の余を捕らえる事が出来たなら…お主たちの誰かを認めその道に力を貸そうぞ。………我はいいかな。手に余りそうだ」

 

 

 目覚めるなり自分はいい、と首を横に振るモコウ。俺も同上だ。

 

 

「…まーた強くなるのか、ユウリ」

 

「え?モコウもラウラもいいの?」

 

「バドレックスをフルに扱えるのはお前ぐらいだろう」

 

「俺はそもそも蟲以外に興味はない」

 

「まったく、ブレないな。お前は…てょわわわぁ~ん。ではユウリよ。心に決めたならば余に挑むがよいである」

 

 

 そして、ユウリが頷こうとした、その時だった。

 

 

「ぐあああああっ!?」

 

「ローレル!?」

 

 

 入り口の方からローレルが吹き飛んできて、慌てて受け止め、フェローチェか!?と入り口を見やると、そこには傍らにアノプスとデンヂムシを連れたダフネが、怖い顔をして立っていた。いきなりのできごとにどよめく俺達を無視して、ダフネは口を開く。

 

 

「この時を待っていました。カンムリ雪原に眠る伝説ポケモン達…その一匹、私がいただきます」

 

 

 そう言ってアノプスからかわらずのいしを取り上げ、デンヂムシにかみなりのいしを触れさせるダフネ。するとアノプスはアーマルドへ、デンヂムシはクワガノンに進化し、臨戦態勢を取る。ダフネの目的は、バドレックスだ。

 

 

「クワガノン、ほうでん!」

 

 

 全ての電撃を前方へ放電させるという、驚異のほうでんを繰り出すクワガノン。俺達は邪魔者だと言わんばかりに吹き飛ばされるも、マントでほうでんを振り払うバドレックスには通じない。バドレックスは俺達を守るようにレイスポスを駆けらせて突撃し、こうそくいどうでアーマルドと激突する。

 

 

「アーマルド、シザークロス!」

 

「カムゥル!?」

 

「しおみず!」

 

 

 かち合っていたバドレックスを斬り飛ばしたかと思えば、傷口にしおみずを叩き込むアーマルド。情け容赦のない攻撃に、俺達は慌てて止めようとボールを構えるも、電撃が奔ってボールを落としてしまう。クワガノンが俺達に邪魔させないように睨みを利かせていた。クソッ!

 

 

「どうです、認めてくれましたか?私のものになってくれますか?まだだと言うのなら、容赦はしません!」

 

「ムン!カムール!」

 

 

 その瞬間、バドレックスの周囲に小さな霊体の弾が複数現れ、四方八方からアーマルドを攻撃。霊体なためか防御体勢が意味をなさず、弱って行くアーマルド。その光景に綺麗な髪を掻き毟るダフネ。

 

 

「クワガノン!むしのさざめき!」

 

「クラウ!ムカイ!」

 

 

 背後からクワガノンが音の衝撃波を放ちながら突撃するも、バドレックスはこうそくいどうで回避。背後を取るとサイコキネシスでクワガノンを持ち上げ、地面に叩きつける。なんて強さだ、これが伝説ポケモンバドレックスの力か。戦闘不能とまではいかないが瀕死のアーマルドとクワガノンに、ダフネは悔しげに顔を歪める。

 

 

「ぐっ…こうなれば、使いたくありませんでしたが…!」

 

 

 最後のボールを取り出し、スイッチを押すダフネ。繰り出されたのは、テントウムシの様なむし・エスパータイプのイオルブ。その視線の先にはユウリがいて。

 

 

「え?」

 

「さいみんじゅつ」

 

「ユウリ、どうした?ガッ!?」

 

 

 イオルブと目を合わせてしまったユウリがガクッと崩れ落ちて、それを心配したモコウを突き飛ばしながら立ち上がった。その目に光は無く、その手にはプレミアボールとマスターボールが握られていて。止める間もなく、ムゲンダイナとザシアンが繰り出される。

 

 

「ムゲンダイナ、クロスポイズン。ザシアン、じゃれつく」

 

「ダフネ!お前まさか…」

 

「私で勝てないのなら、勝てる人間に痛めつけてもらうまでです」

 

「カムゥ!?」

 

 

 ユウリに襲われたことで目を白黒させるバドレックス。髪を掻き上げて翡翠色の目を露出させギラギラ輝かせて笑うダフネ。死んだ目で機械的に指示するユウリ。倒れたモコウとローレルに、どう止めるか迷って手が出せない俺。その場は、混沌と化していた。




ダフネのキャラクターモチーフの一つは鎧武の呉島光実だったりします。

・ラウラ
ダフネの突然の凶行に混乱のるつぼに落ちている主人公。冷静に状況を把握してるからこそなんで?と混乱している。

・ユウリ
さいみんじゅつで洗脳されてしまったチャンピオン。バトルの腕前はそのまま、意識のみ操られているため情け容赦ない戦闘マシーンと化している。

・モコウ
バドレックスの通訳。乗っ取られている間の会話も何となく覚えている。洗脳されたユウリに突き飛ばされて目を回すことに。

・ローレル
妹の本性に気付けなかった愚かな兄。ラウラがいるらしいからカンムリ雪原に行こうと妹に言われ、修行にいいという理由でカンムリ雪原にホイホイやってきた。ダフネがボールを手に乱入しようとしたのを律儀に止めようとしたところ、デンヂムシのスパークで吹き飛ばされ昏倒することに。

・ダフネ
今回の悪役だった本性を現した妹。兄を唆して伝説ポケモンを手に入れるためにカンムリ雪原にやってきた。目的のためなら苦手な進化をすることも厭わない。その目的は、普通に蟲が嫌いで普通に誰もが欲しがる伝説ポケモンが欲しかったから。「普通に」こそが彼女の本質である。

・デンヂムシ→クワガノン♀
とくせい:バッテリー→ふゆう
わざ:スパーク→むしのさざめき
   ほうでん
   ねばねばネット
   でんじは
もちもの:なし
備考:むじゃきな性格。とてもきちょうめん。前方に集中してほうでんできる。

・アノプス→アーマルド♂
とくせい:カブトアーマー
わざ:げんしのちから
   しおみず
   シザークロス
   まもる
もちもの:かわらずのいし→なし
備考:れいせいな性格。体が丈夫。ラウラの手持ちを全滅させ、バドレックスを追い詰めた実力者。

・イオルブ♀
とくせい:むしのしらせ
わざ:さいみんじゅつ
   むしのていこう
   ミラーコート
   サイドチェンジ
もちもの:なし
備考:ずぶとい性格。食べるのが大好き。ダフネの指示通りにさいみんじゅつをかけれる。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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