今回はVSグローリアビーストの伝説ポケモン達。楽しんでいただければ幸いです。
不意打ちのテクノバスターが炸裂、大ダメージに奇声を上げるウツロイドと悲鳴を上げるユウリ。だがしかしそれはすぐに収まり、ユウリは悶絶していたのが嘘の様に三日月の様な笑みを浮かべた。
「ううっ、痛い…ひどいなあ、ラウラ。私と繋がってるんだから攻撃したら私も痛いんだよ?」
テクノバスターにより焼け爛れた触手を再生させながらそうぼやくユウリに、不敵な笑みを浮かべてみせる。じこさいせい?いや違う、単に生命力が強いのか。カセットなしのテクノバスターじゃ貫通はできなそうだ。
「毒を流し込もうとしてどの口が言ってやがる。痛い目に遭いたくなければさっさと分離しろ。生憎だが今の俺は、過去最強に強いぞ」
「へえ。今の私も、過去最強に最強だよ!」
その言葉と共にユウリを守るように立つザシアン。対して俺はゲノセクト。えっと、技はテクノバスターにシザークロスにニトロチャージ、それにてっていこうせんか。さすがは国際警察御用達のポケモンだ、強力な技構成だ。
「ニトロチャージ!」
「きょじゅうざん!」
ゲノセクトの体が変形し、円盤の様になると炎を纏って突撃、きょじゅうざんをひらりと避けてザシアンの胴体に激突する。吹き飛ぶザシアン、この隙を逃すはずがない。
「てっていこうせんだ!」
ゲノセクトの背中の砲台から紫色の鋼エネルギーを集束させた凄まじい光線が放たれ、ザシアンは体勢を立て直せずに飲み込まれた。その際にオボンのみを手渡して回復させるのも忘れない。てっていこうせんは使うと凄まじい威力と引き換えに体力の大半が失われる技だからな。
「…凄い蟲ポケモンだね、ラウラ。まさか今の強化されたザシアンを倒すなんて」
光線が消え、崩れ落ちたザシアンが残された光景に、笑みを崩さずにそう機械的に言うユウリ。まるでポケモンへの情を感じさせない。ユウリの自我はあるようだが、アレはユウリじゃない。ユウリは自分のポケモンをまるで道具のように扱う人間じゃないということは俺が一番よく知っている。
「バドレックス」
「あんたが操られちゃ世話ないぞ、王様…」
次に出してきたのは、オーラを纏ってレイスポスに乗ったバドレックス…こくばじょうのすがた。試しにユウリの呼び方で呼びかけてみるも、反応はない。
「アストラルビット」
バドレックスの周囲に小さな霊体の弾が複数現れ、四方八方からゲノセクトに襲いかかる。ダフネのアーマルドを追い詰めた技だ。
「飛行形態だ!」
瞬時に折り畳んで変形し、攻撃を受け流すゲノセクト。こいつの変形能力は俺の臨機応変な戦い方と相性が非常にいい。それでも追従してくる霊体弾を高速で避けていくゲノセクト。板野サーカスと呼ばれる空中戦だ。
「シザークロス!」
アストラルビットを避けながらバドレックスに突撃、即座に変形して両腕を交差させるゲノセクト。高速の一撃だ、これならば…!
「サイコキネシス!」
しかしそれは、紙一重で止められ、逆に振り回されてアストラルビットに叩きつけられる。それでも頑丈な身体で耐えるゲノセクト。
「サイコキネシスで締め上げてギガドレイン!」
しかし空中に持ち上げられ、体力を根こそぎ奪われて戦闘不能になってしまった。あのサイコキネシスは厄介だ。ならもう、力ずくしかないよな。
「マッシブーン!」
「っ…サイコキネシス!」
あまりにも異様な筋肉に臆したユウリだったがさすがというか、即座にかくとうタイプの弱点であるエスパー技で攻撃。しかしその程度じゃこのマッスルは止まらない。
「グロウパンチ!」
「なあ!?」
サイコキネシスの拘束を無理やり振りほどきながら拳を振り抜くマッシブーンに驚愕の表情を浮かべるユウリ。レイスポスの上からバドレックスを殴り飛ばし、ポージングするマッシブーンに苦笑いが出る。一々ポーズを決めないと気が済まないのか。
「なんてパワー…強くなったねラウラ」
「伝説の理不尽な強さにはもう負けないさ。いつもみたいに簡単に俺に勝てると思うなよ」
「いつも簡単に勝ててなかったと思うけどなあ!すいりゅうれんだ!」
そう言って繰り出されたのはオーラを纏ったウーラオス。揺蕩う水の様な構えから繰り出される、一発一発が岩をも砕く激流の様なラッシュを、一発一発掌で受け止めていくマッシブーン。複眼と筋肉だからできる芸当だ。
「ストーンエッジ!」
「すいりゅうれんだ!」
地面を砕いて岩を散弾の様に飛ばすと、拳のジャブでそれを砕くウーラオス。力と技のぶつかり合いだ。
「インファイト!」
「ばかぢから!」
腕だけじゃなく、足まで使った猛ラッシュと、全身の力を引き絞ったフルパワーの両拳の振り下ろしが激突。マッシブーンのマッスルがウーラオスの技を撃ち砕く。
「つばめがえし!」
しかし、その隙を見逃すユウリではない。鋭い蹴りがマッシブーンの脇腹に炸裂、蹴り飛ばされるマッシブーン。だがしかし翅を開いて体勢を立て直し、俺の方を向いて頷いた。頼むぞ、マッシブーン。
「ほのおのパンチ、からのすいりゅうれんだ!」
炎を纏った拳のラッシュがマッシブーンを襲う。これは避けられない。だから、避けない!
「ばかぢから!」
「なっ!?」
拳のラッシュを受けながらの、渾身のタックルが炸裂、体勢が崩れたウーラオスに、口吻を突き刺すマッシブーン。ああ、どうすればいいかはお前が教えてくれる!
「きゅうけつだ!」
失った体力を根こそぎ奪い取る。崩れ落ちたウーラオスに、信じられない、という表情を浮かべるユウリ。ウツロイドの力で能力がブーストされている己の手持ちが、己の指示もあるのに負けたことが信じられない様子だ。傲慢なんだよ、お前は。
「俺はもう、勝つことを諦めない!どんな隙でもついて貪欲に勝利を狙う!」
「ああ、それでこそラウラだ!インテレオン。みずのはどう」
「マッシブーン、グロウパンチ!」
次に繰り出されたオーラを纏ったインテレオンの繰り出した水の球体を、拳で打ち破るマッシブーン。しかしそこにインテレオンの姿はなく。慌てて上を見ると、背中の被膜を広げて滑空しているインテレオンの姿が在り、警告の声を出そうとするも遅く。
「ふいうち」
着地してからの鋭い尻尾の一撃がマッシブーンの頭部を捉える。脳震盪とまでは行かないが揺れ動く頭部に眩暈がしたのかふらつくマッシブーンに、肘鉄からの膝蹴りと容赦ないインテレオンの猛攻が繰り出される。それでも、剛腕を振り回してインテレオンを掴もうとするマッシブーンだが、インテレオンは距離を取り自発的にねらいうちで攻撃。明らかな練度の差が俺達を追い詰める。
「くそっ…マッシブーン!直線状に突撃しながらグロウパンチ!」
「とんぼがえり」
今度は突進の勢いを利用され、蹴り上げられると同時にインテレオンが交代。オーラを纏ったムゲンダイナが顔を出す。不味い…!?
「かえんほうしゃ」
もはや横竜巻とも言っていい火炎の奔流がマッシブーンを飲み込み、戦闘不能にする。ビークイン、ゲノセクト、マッシブーン。次々と倒れていく俺の仲間たち。すまない、だがありがとう。徐々に、確実にユウリを追い詰めている。ザシアン、バドレックス、ウーラオスは倒したんだ。ここからだ。
「行くぞ、フェローチェ!」
「っ!」
フェローチェを出した途端、露骨に反応するユウリ。アイツはウツロイドに寄生されたことで俺に裏切られたことは許した、もう気にしてないと言っていたが……
「まだ許してないよな…お前、しつこいもん」
「許せるわけがないじゃん。私との絆を横から掻っ攫って行った女なんて…!」
憤怒に顔を歪ませるユウリと、それに呼応する様にオーラが膨れ上がるムゲンダイナ。スンッと静かに佇むフェローチェ。妙な空気の中、両者の切札がぶつかった。
やはり筋肉こそが全てを解決する(一敗)
・ラウラ
カセット無しゲノセクトを初見で使いこなす主人公。ゲノセクトと相性がいいけど、マッシブーンの力任せスタイルも嫌いじゃない。自分を好いている女の前に別の女を連れてくるっていう地雷を盛大に踏み抜いた。
・グローリアビースト/ユウリ
本来存在しない自己再生能力も手に入れた原作主人公。伝説ポケモンを軒並み思い通りに操ってるが、もとより自分に忠実なインテレオンとあと一匹だけは能力上げてるだけで洗脳はしてない。伝説ポケモン四体に止められたが逆に洗脳したやべーやつ。
・ゲノセクト
とくせい:ダウンロード
わざ:テクノバスター
ニトロチャージ
シザークロス
てっていこうせん
もちもの:なし
備考:れいせいな性格。暴れることが好き。国際警察に押収されたプラズマ団に改造された古代ポケモン。カセットを装備することで本領を発揮する。飛行形態になることで人を乗せて飛ぶことも可能。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。