ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。タグを一新しました。そしたら昨日、ランキングで17位にまで浮上してました。なにがあった…?

今回はVSキョダイウツロイド!楽しんでいただければ幸いです。


VSウツロイドⅣ

 奇声を上げながら無数の触手を振り回し、街々を破壊していくウツロイド。そのちょうど真下に存在するウルトラホールから現れた紙の様な剣の様な小さなウルトラビーストと、まるで竹の様な巨大なウルトラビーストが襲いかかってきた。

 

 

「来るぞ、ソッド!シルディ!」

 

「我々だって王達の役に立つべく強くなりましたぞ!ネギガナイト、つるぎのまい!」

 

「そうですぞ!我ら、喜んで女王の盾になろうとも!ネギガナイト、てっぺき!」

 

 

 二人が前に立ち、二体のネギガナイトが剣と盾を振るってウルトラビーストを弾き飛ばす。するとこちらに気付いたのか、タワートップに振り下ろされる触手群をも迎え撃つシーソーコンビは、以前の姿が思い出せないほど頼もしかった。

 

 

「俺はユウリを救うすべを探す!お前たちは…」

 

「奴めに飲み込まれてしまった我が王を頼みます、我が女王!」

 

「我ら、我が王の意識を感じさせぬ猛獣を引き寄せる囮になりましょう!」

 

「頼んだ!」

 

 

 デンチュラを繰り出し、糸を触手の一本に飛ばして空を舞う。大きくスイングして触手の群れを避けながら、たまに触手に乗ってまた飛び出す、を繰り替えす。あの雲みたいになってる上まで行ければ…!

 

 

「しまっ」

 

 

 キョダイキョウセイとでもいうべきか。伸びてきた数多の触手がさらに枝分かれして俺を包み込もうとしてきた。アレに捕まったらヤバい、と本能が告げる。包み込まれ、枝分かれした触手の一つが俺に触れようとしたその時。

 

 

「ファイヤー、もえあがるいかり!」

 

 

 何か赤黒い炎の様な物がぶつかって俺は解放され、落ちたところを受け止められる。顔を上げると、そこには呆れた顔のムツキがいた。

 

 

「まったく。ユウリのことを任せたとはいいましたが、ガラルの命運を握る羽目になってるなんてなにしてるんです?」

 

「ムツキ…」

 

「我もいるぞ!ルミやナグサ、ダフネやローレルも下で手伝っている!」

 

 

 その声に振り向くと、ガラルフリーザーに乗ったモコウもいた。俺とムツキを乗せているのはガラルファイヤーらしい。二鳥はキョダイキョウセイの枝分かれした触手をアクロバットな動きで回避して絡ませながら上空に向かっていく。

 

 

「お前たち、なんで…」

 

「そりゃ同じ釜の飯を食べた友人ですし」

 

「この事態でユウリが動かないのは何か理由があると思ってな。それでどうなっている、アレはなんだ?ユウリは?」

 

「それは…」

 

 

 キョダイキョウセイの攻撃を避けるべく振り回されながら、ことのあらましを説明する。ウルトラビーストのこと、ウツロイドがユウリに寄生したこと、ユウリが俺に捕まりたいと言って襲いかかってきたこと、手持ちを全滅させ、ユウリの愛を受け入れた直後にこうなったこと、全部伝えた。

 

 

「今更受け入れて、その結果がこれですか…貴方達の痴話喧嘩でガラルを滅ぼす気です?」

 

「おそらくだがユウリが戦意を失くしたことでウツロイドの方がそのまま暴走したんだろうな。トレーナーの意思もないダイマックスなど狂乱するに決まってる。だとすると…」

 

「普通に戦闘不能にすればいいと思います。そのためにまずユウリを助け出さないとですが」

 

 

 冷静な二人の言い分に納得する。だとするならば。

 

 

「ここはダイマックスエリアだ。俺のデンチュラで奴の動きを止める!」

 

「ならば触手は我々で迎撃しましょう。私のウォーグルを貸します、それでユウリの元へ」

 

「腕が鳴るな!行くぞレジエレキ、暴れるぞ!」

 

 

 俺はムツキからモンスターボールを受け取り、飛び降りる。眼下にはシーソーコンビが戦うタワートップの頂上。未だにウルトラビーストが湧き続ける、地獄の釜。俺はダイマックスバンドを輝かせ、デンチュラを戻して手にしたボールを掲げた。

 

 

「キョダイマックスだ、デンチュラ!」

 

 

 同時にウォーグルを繰り出してその背に乗り、周りを飛びながら見るのは、タワートップに降り立ちどんどん巨大化してタワートップに跨るように脚を折り畳んだキョダイデンチュラの雄姿。上空のキョダイウツロイドと組み付き、下に引き摺り下ろした。前世で見た怪獣大決戦みたいだ。

 

 

「キョダイクモノス!」

 

 

 キョダイキョウセイの攻撃を巨大エレキネットで防ぎつつ、ムツキとモコウの援護を受けつつ、グシャリグシャリとその柔らかい頭部に両前脚を突き刺して開けた穴を広げるキョダイデンチュラに、行けと言われている気がした。

 

 

「頼む、ウォーグル!」

 

 

 ウォーグルが穴まで連れて行ってくれて、俺はウツロイドの中に侵入。内部の壁から襲いかかってくる触手を、フェローチェを出して迎撃しながら奥に進む。

 

 

「是が非でも行かせないつもりか…!」

 

 

 キョダイキョウセイで取り込んでいたのか、ウツロイド、フェローチェ、マッシブーン、巨大な口の様な奴…アクジキング、紙の様な奴…カミツルギ、竹の様な奴…テッカグヤ、電気コードの様な奴…デンジュモク、紫色の蜂の様な奴…アーゴヨン、レンガ造りの様な奴…ツンデツンデ、ピエロの様な奴…ズガドーンといったウルトラビーストたちが立ちはだかる。これを全部捕まえたらしいアローラのチャンピオンヤバいな。こちらはフェローチェ一匹。さすがに万事休すか?

 

 

「くそっ、負けてたまるか!フェローチェ、トリプルキック!」

 

 

 突進してきたテッカグヤを、三連撃で蹴り飛ばす。続けて飛来したカミツルギの一撃を避け、壁に脚を付け高速で蹴りつけるフェローチェ。その隙を突いて頭部を分離させて飛ばし、爆発させてくるズガドーン。フェローチェはツンデツンデを盾にして無事だが俺はもろに爆発を浴びて吹き飛ばされてしまった。

 

 

「ぐっ…そんなのありか、くそっ…」

 

 

 全身を打ちつけられて力が入らない。フェローチェが奮闘しているが、囲まれてはどうしようもない。悪い、ユウリ……意識が閉じかけたその時、輝く雷霆を見た。

 

 

「しんそく!」

 

「らいめいげり!」

 

 

 二つの雷が通路を駆け抜け、ウルトラビースト達を文字通り一蹴する。俺を守るようにそこにいたのはレジエレキと、ガラルサンダー。つまり…入り口の方から歩み寄ってくる二つの人影。

 

 

「なあにこんなところで蹲ってるんですか。貴女のお姫様が待ってますよ」

 

「有象無象は我らが引き受ける。お前はさっさとユウリの馬鹿を助け出してこい」

 

「ムツキ、モコウ…!」

 

 

 ムツキはファイヤーとフリーザーも出し、モコウはカメックスを繰り出してウルトラビーストをびしょ濡れにしてレジエレキの電撃で痺れさせていた。俺は痛む体に鞭打ち、立ち上がる。

 

 

「フェローチェ、頼む!」

 

 

 フェローチェに担いでもらい、先を急ぐ。中核と思われる場所に出ると、四肢が壁と一体化しているユウリがいた。気を失っているようだ。

 

 

「フェローチェ、とびひざげり」

 

 

 硬いようで柔らかい、不思議な材質のウツロイドの肉体を走ってきた勢いのまま蹴りつける。内部からの強烈な一撃にウツロイドはさすがに効いたのか悶絶し、ユウリの拘束が緩んだ。

 

 

「今だ!」

 

 

 ユウリの両肩を掴み、フェローチェにも手伝ってもらって引っぺがすと巨大な奇声を上げるウツロイド。壁が隆起し、全て触手となって襲いかかってきた。

 

 

「フェローチェ、逃げるぞ!」

 

 

 俺とユウリを担ぎ、高速で走り抜けるフェローチェ。道中でムツキとモコウもその細く長い手で回収し、二人はボールを手にポケモン達を戻しながら、俺達は外に飛び出した。

 

 

「デンチュラ!ダイウォール!」

 

 

 タワートップに落下しながら、キョダイデンチュラに指示。俺達を追いかけてきた触手を、巨大な光の防壁が防ぎ、俺達を抱えたフェローチェはシーソーコンビの待つタワートップに着地。ユウリを床に寝かせ、ムツキとモコウは再度繰り出し、俺達に標的を変えて攻撃してくるウツロイドに応戦する。

 

 

「フリーザー、いてつくしせん!」

 

「レジエレキ、かみなり!」

 

「「ネギガナイト、スターアサルト!」」

 

「フェローチェ、とびひざげり!デンチュラ、ダイサンダー!」

 

 

 ガラルフリーザーとレジエレキの遠距離攻撃がウツロイドの頭部に放たれ、ネギガナイト二体とフェローチェが突撃、強烈な三撃を叩き込むと同時に、デンチュラが最後の一発である特大雷電を叩き込む。デンチュラが縮み、ウツロイドの巨体がぐらりと傾く中で。傍らに寝かされていたユウリが目覚めた。

 

 

「…ラウラ、みんな…」

 

「おお、我が王!お目覚めか!」

 

「元気そうで何より…ぶべっ」

 

「お前たちは黙ってなさい」

 

「空気読め馬鹿兄弟」

 

 

 即座に反応したシーソーコンビをムツキとモコウが拳骨で黙らせると、俺に視線を向けるユウリ。

 

 

「今、私の気持ちを言いたい。だけど、その前に…私がしでかしたことのケジメはつけたい」

 

「…なら、こいつを使え」

 

 

 そう言って差し出したのはウルトラボール。フェローチェやマッシブーンみたいに懐いているわけじゃないから、この特性のボールなら問題ないだろう。

 

 

「うん…!」

 

「肩貸すぞ」

 

 

 立ち上がろうとするユウリだが、先ほどまでウツロイドと融合していたせいでダメージももろに受けていただろう。そのため体力が消耗しているのかふらつき、俺が肩を貸して立ち上がらせる。こんなに軽かったっけ、ユウリ…

 

 

「行くよ、ラウラ!」

 

 

 ダイマックスバンドから溢れる光でウルトラボールを巨大化させ、渾身の力で振りかぶり投擲するユウリ。ボールはキョダイウツロイドを飲み込んでいき、そして。音を立てて、タワートップに転がった。同時に光が差し込んでくる空に、ウツロイドのせいで見えなかったが快晴の昼だったのかと改めて実感。太陽の光を目いっぱい浴びる。

 

 

 

 暗雲が晴れたそこにはウルトラホールもなく。俺達の喧嘩から始まった前代未聞の大事件はこうして幕を閉じた。




ダイマックスって幻影らしいけど物理も伴うと考えているので直接内部に入ってユウリを引き剥がすって言うガメラVSイリスみたいなことになりました。ウツロイドとイリス、似てるよね。

・ラウラ
仲間の助けを借りてユウリを救い出せた主人公。ビックリヘッドの爆発をもろに受けているのでダメージ甚大だがそれでもユウリに肩を貸した。

・ユウリ
囚われのお姫様。無理やり引き剥がされたものの精神に異常は来たしてないがダメージをフィードバックしていたため体力を大きく消耗した。ウツロイドを捕獲したことでFallとしての特性は綺麗さっぱり消えた。

・モコウ
ジムリーダーたちに加勢していたもののキョダイウツロイドの出現でラウラになにかあったことを悟りムツキと共に救援に駆け付けたツッコミ役。カメックスとレジエレキのコンビでウルトラビーストを蹴散らした。

・ムツキ
ジムリーダーたちに加勢していたもののキョダイウツロイドの出現でラウラになにかあったことを悟りモコウと共に救援に駆け付けたひこうつかい。伝説の三鳥を使いこなしウルトラビーストを蹂躙した。

・ソッド&シルディ
割と頑張った囮役。あれから鍛え、自身のポケモンを使いこなせるまでになった。我が王の無事を見れて満足。

・キョダイウツロイド
とくせい:ビーストブースト
わざ:キョダイキョウセイ(アシッドボム
   ダイロック(パワージェム)
   ダイウォール(ステルスロック)
   ダイアタック(ずつき)
もちもの:なし
備考:おくびょうな性格。好奇心が強い。ユウリに目を付けて寄生したことで酷い目にあったウルトラビースト。ユウリを取り込むことでグローリアビーストと化し、Fallとしての特性を得てウルトラビーストを招き入れ大災害を引き起こした。最終的に自我が希薄な状態で暴れながら「敵」を蹂躙する。

・キョダイキョウセイ
漢字にすると巨大共生。枝分かれした触手で取り込んだ相手をメロメロ+どく状態にして味方にするどくタイプの技。自身の神経毒を流し込んでウルトラビーストだろうが伝説だろうが人間だろうが操り味方にする驚異の技。

次回はエピローグ、というか「本編」最終回です。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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