ポケットモンスター蟲【本編完結】   作:放仮ごdz

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どうも放仮ごです。今回で本編完結。最終回となります。アンケートによると皆さんガラルスタートーナメントが見たいらしいので多分まだまだ続きますが‥本編は一応終わりです。

今回はUB事件のその後。最後まで楽しんでいただければ幸いです。


VSシュバルゴ

 あれから二週間が過ぎた。あのウルトラビースト騒動の後、俺達から事情を聞いたダンデさんにその秘書であるキリエさんやジムリーダーの人たち──いわゆる大人組の行動は早かった。

 

 まず、ダンデさんがリラたち国際警察から取り寄せたウルトラビーストの資料を元に、マスコミに事の顛末を説明。結果的にユウリが引き起こした騒動ではあるが、それはあくまで偶々の事故であり、ウルトラビーストが現れた以上誰であっても起こり得た事だと主張してくれていた。

 

 ウルトラビーストが現れたのも前委員長であるローズがしでかしたムゲンダイナの一件が原因だとも懇切丁寧に説明された。これにはキリエさんだけでなく現在は炭鉱で働くオリーブさんも協力してくれたようで、ユウリに対する非難はお陰で最小限に押さえられたようだ。

 

 ジムリーダーのうち、カブさんやルリナさん、それに(元ジムリーダーの)ポプラさんのような顔が利く人もマスコミを抑圧してくれたし、キバナさんは自分のSNSにユウリとのツーショットあげて「チャンピオンキャンペーン」なるものを開催。意外と人気を博し、ユウリを励ます声が多いのは、自分を責めているユウリの助けになるだろう。

 

 また、ヨロイ島やカンムリ雪原で知り合ったマスタードさんやピオニーさんたち"元チャンピオン"も現チャンピオンのユウリを擁護してくれているらしい。

 

 あと、ウルトラビーストによる被害(主にナックルシティ)は少なからず出ているが、そこはシーソーコンビが「我が王のためならばお任せを!」と惜しみ無くそのセレブリティな財力を発揮してもうほとんど復興されている。いつもはウザいが今回はなんだかんだ助けられた。次会った時くらいはセレブリティ(棒読み)って称賛してやろう。泣いて喜ぶに違いない。

 

 

 そして、ようやく落ち着いてきた世間に対し、ユウリと俺の関係だが。

 

 

「ラウラ、私の愛の一撃受け止めて!シュバルゴ、アイアンヘッド!」

 

「受けたらやられるだろうが!アギルダー!かげぶんしん!」

 

 

 今日も元気にバトルしていた。場所はマスコミもいないヨロイ島のマスター道場裏のバトルフィールド。今回は伝説とUB禁止の一対一のバトルだ。アギルダーが元気にそのスピードを振るっていた。呆れ顔でそれを眺めるモコウとムツキはもはや無視だ、蟲だけに。

 

 

「…で、お前たち。告白はしたのか?」

 

「うん、私がしたよ!ラウラは私の愛を受け止めてくれたんだ、えへへ…」

 

「あのユウリが気持ち悪い笑みを浮かべている…で、ラウラは?」

 

「了承はしたけど同性だからな。その問題をどうするかって話になってる」

 

「了承したのか。お前は面倒事は避けるタイプと見たが」

 

 

 モコウの言葉に、数日前のことを思い出す。ようやく立ち直ったユウリからの「ラウラのことが好きです!付き合ってください!」などという直球に、受ける以外の選択肢はなかった。面と向かって言われる好意は嬉しかったしな。

 

 

「あそこまでこじれる程に愛されて悪い気はしないさ。真剣に想われるとNOとは言えない主義だ」

 

「難儀な主義ですね。馬鹿なんですか?そうでした、馬鹿でしたね」

 

「こればかりはムツキの言い分が正しいな、うん」

 

「ところで同性問題、私がチャンピオン権限でガラルなら同性とでも結婚できるようにすればいいんじゃないかな!」

 

 

 するとバトルしながら唐突にそう叫んでくるユウリ。お前ウツロイドの毒が残ってるのかすごくハイテンションだな。

 

 

「そんなこと決める権限チャンピオンにはないだろいい加減にしろ」

 

「もう同棲はしてるし世間を納得させるだけだよね!」

 

「ただお前の家に泊まってるだけなんだが?」

 

「同じベッドで寝てるんだし照れることないのに」

 

「ぐっ」

 

「「ほう」」

 

 

 そうそう、ムツキはキリエさんに対抗できる戦力であるガラル三鳥を手に入れ、モコウはチャンピオンになるのと同じぐらいの偉業である伝説ポケモンレジエレキを手に入れたことで、二人はそれぞれの生活に戻った。両親との仲が未だに悪い俺だけユウリの家に居候…もはや同棲している。ニヤニヤ顔の二人を無視してアギルダーにみずしゅりけんを指示、シュバルゴを倒した。

 

 

「俺の勝ちだ」

 

「なんで一対一の時だけラウラに勝てないの!?」

 

「俺に聞かれても知らん」

 

 

 今のところ、ウツロイドが関係してないバトルだと一対一だと俺が全勝。それ以外だとユウリが全勝っていうへんてこな戦績だ。いつかフルバトルでも勝ちたいものだ。今度トリプルバトルやローテーションバトルでも教えて一緒にやってみるかな。ユウリならすぐ物にしそうだ。

 

 

ピピピピ…

 

「「「「うん?」」」」

 

 

 すると鳴り響く着信音。自分たちのを確認すると、ユウリのスマホロトムに着信だ。今回の一件もあって買い換えたユウリのスマホロトムの番号を知っている人間は限られている。相手の名前を確かめたユウリはスピーカーモードにして電話に出る。

 

 

「ダンデさんからだ。もしもし?」

 

『やあ、ユウリ!…のスマホロトムであっているよな?ラウラ達もいるかい?』

 

「はい、ユウリです。ラウラとモコウ、ムツキもいますけど」

 

『それはちょうどよかった!その三人の連絡先だけ知らなくて困っていたんだ!』

 

 

 そりゃダンデと連絡先交換できるほどコミュ力ないですし…?モコウだけでなくムツキもそうなのか視線をあらぬ方向にずらしていた。わかるぞ、その気持ち。

 

 

『今回君に電話したのは他でもない!元チャンピオンの俺から現チャンピオンのユウリに大事なお願いがあるんだ!今回の事件のことで気に病んでるかもしれないが、詳しい話はシュートスタジアムでしよう!もちろんラウラたちと一緒に、最強メンバーを揃えて迷わない様に真っ直ぐ来るんだぜ!』

 

 

 そう言ってダンデの通話は終わった。…俺達も関係している大事なお願いね。あの人は現ポケモンリーグの委員長だ。なにか盛り上げる企画でも作ったのだろうか。このタイミングでユウリをってことはイメージアップも兼ねたものなのだろう。最強メンバーを揃えてって言ってることからバトルなんだろうな、多分。

 

 

「…まだちょっと気が引けるんだけど」

 

「気にするな。悪いのはウツロイドの毒だ」

 

「そうだぞ。発表によると依存性が高い猛毒らしいじゃないか」

 

「それに抗ってる時点で貴方は偉いですよ、ユウリ」

 

「ちょっと残ってるんだけどね…」

 

 

 不安や恐怖が幸福に変化する神経毒。依存性が高く後遺症もあり、以前アローラでユウリの様な状態になったらしい人間は現在カントー地方で療養中なのだという。それをちょっと残ってる程度で済ましているユウリだが、ウツロイドの主もユウリだ。また手を出さないように俺がつきっきりで監視する、が条件でウツロイドはユウリが使うことになった。国際警察としては貴重なサンプルだから欲しがっていたが。

 

 

 

 

 

 

 

 ユウリを何とか説得し、やってきたシュートシティのシュートスタジアム。バトルフィールドに入ると、そこにはマリィ、ビート、カブさん他と言ったジムリーダーの面々の他、ネズにポプラ、ホップにナグサ、さらにはクララさんにマスタード師、ピオニーにキリエさんまでいた。クララさんに話を聞いてみるとマイナークラスのジムリーダーになれたらしいのでおめでとうと言っておいた。しかしこれは何事だ?

 

 

「みんな!お待たせしてすまない!」

 

 

 中心に立つダンデが観客や俺達に向けて叫ぶ。まとめ役が板について来たな。

 

 

「まずは俺の呼びかけに応え集まってくれて感謝だ!みんなに俺の思いを直接届けたくてな!」

 

「ヒュー!いつになくマジメだな!何が始まるってんだ?」

 

「茶化さないでくれよ、キバナ。今まで俺は自分と向き合い鍛えることで強さを追い求めてきた!だがユウリと弟ホップが競い合い、ラウラたち強力なライバルと共に互いに高め合うのを見てライバルや仲間がいて初めて到達できる強さを知った!そしてローズ委員長の後を継いだ俺は…あんなことがあったが、それが忘れられるくらい俺達の素晴らしいガラルをもっと盛り上げたいと思っている。この二つの理由から俺は今ここに…」

 

 

 そう言ってスタジアムに集まった面々を笑顔で見渡すダンデ。

 

 

「ユウリ、ラウラ、ホップ、キバナ、マリィ、ネズ、マクワ、ビート、ポプラさん、サイトウ、カブさん、ルリナ、ヤロー、クララ、モコウ、ムツキ、ナグサ、キリエさん、ピオニーさん、マスタード師匠、そしてこの俺。総勢21人によるガラルスタートーナメントの開催を宣言する!」

 

「ガラルスタートーナメント…!?」

 

 

 目をキラキラ輝かせるユウリに、ふと笑みがこぼれる。こいつは笑っていた方が暗い顔よりよっぽど似合う。

 

 

「ガラルスタートーナメントはタッグバトルで勝ち抜く戦いだ!君達には今考えうる最強のメンバーの中から抽選で選ばれた16人で2人組を作ってもらい…パートナー同士力を合わせトーナメントを勝ち抜いてくれ!」

 

「じゃあそもそも選ばれない可能性があるのか」

 

「21人は多いもんね。ダンデさんも欲張りだなあ」

 

「強い人を集めたいって気持ちは伝わってくるがな」

 

「もちろん伝説ポケモンやウルトラビーストは禁止だ!持ってない人間に不公平だからな!己の決めた三匹で臨んでくれ!」

 

 

 ボルテージマックスになる観客席。ユウリがいるからブーイングが怖かったが、そんな心配はなさそうだ。そして無事抽選に選ばれ、パートナーを選んでスタジアムに共に降り立つ俺。何にしてもユウリやダンデと戦えるのは僥倖だ。蟲ポケモンの力を見せつけてやる!

 

 

「諸君!俺は蟲が好きだ!蟲ポケモンが好きだ、愛してる!だからこの愛を持って証明する。蟲ポケモンはかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なのだと!」

 

 

 そう宣言し、俺はパートナーと共にボールを投擲した。楽しいバトルの始まりだ!




最後はこう締めると決めていた。

・ラウラ
ユウリの告白を受け入れて付き合い始めた主人公。ウツロイドに手を出さないかの監視も兼ねて同棲している。こじれるほど愛されて悪い気はしないし、同じベッドで眠る事にも抵抗がなくなってる。一対一ならユウリにも勝てる。ガラルスタートーナメントでは、ジムチャレンジで叶わなかったダンデとの対決に挑む。

・ユウリ
改めてラウラに告白した原作主人公。受け入れてもらってご満悦。UB事件を己のせいだと責めており、二週間チャンピオンとしての仕事は裏方しか行ってない。後遺症はないがウツロイドの毒が若干残っており、不安や恐怖が多幸感に変換される。ガラルスタートーナメントではラウラと戦いたいため別チーム。

・モコウ
レジエレキを手に入れたことで両親とシーソーコンビをぎゃふんと言わせて元の生活に戻った。時々ラウラとユウリのところに遊びに行ってる。

・ムツキ
三鳥を手に入れたことでキリエに対抗できる力を手にしたとして、病院に戻すか戻さないかを賭けてのバトルして打ち勝ち、やっと自分の家に戻れた。時々ラウラとユウリのところに遊びに行ってる。

・ダンデ
ユウリのために色々頑張った大人組代表。現ポケモンリーグ委員長でキリエが秘書をやってる。ユウリのイメージアップと己の趣味でガラルスタートーナメントを開催した。

今回で本編完結ですが、まだまだ続きます。実は主人公を変えての「二年後」も予定していたり。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ラウラとパートナーを組むのは

  • ムツキ
  • モコウ
  • マリィ(決勝戦はユウリとネズ)
  • ビート
  • カブ
  • キバナ(決勝戦はユウリとダンデ)
  • ホップ(決勝戦はユウリとダンデ)
  • キリエ
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