今回は後日談のガラルスタートーナメントその四、最終戦。ユウリ視点です。楽しんでいただけると幸いです。
「ユウリ!次はいよいよ最後の戦いだぞ!」
そう言うのはパートナーのホップ。ルリナさんとヤローさん、ビートとクララ先輩を倒してここまで来た。ビートはラウラに告白しそうな気配を感じたから全力でぶちのめしたけど、強敵だった。組むことで強くなる強さを知った。でもそれは私も同じだ。ホップと力を合わせることで何倍にも強くなる。
「決勝の相手はキバナさんと兄貴を倒したラウラとモコウ…でもユウリと俺なら怖いものなんてないよな!」
「うん、そうだねホップ。でもラウラの強みは予想できないアドリブだから侮っちゃ駄目。モコウの火力も侮れない。油断しないで行こう」
「おう!」
力強く頷いてくれるホップに、何も言わないけれど感謝を送る。私が
「…ありがとね」
「なんだ?いきなり」
「ううん、なんでもない。行こうか、ホップ」
ラウラと戦いたいだけじゃない。ホップの優しさに応えるためにも勝とう、そう思ったんだ。
『ついに最強決定戦!最後に残る王者を決めろ!まさかまさかのルーキーコンビ同士の対決!ジムリーダーや元チャンピオンを降した二組の最強コンビ!ユウリ&ホップ VS ラウラ&モコウ!』
私はチャンピオンだからここまで残らないとダンデさんに顔向けできないんだけどね。一応まだルーキー扱いか、ポケモントレーナー初めて三ヶ月ぐらいしか経ってないしなあ。ホップと共にやってきたバトルコートの中央。反対側からやってきたラウラとモコウと向かい合う。
「ラウラとモコウの二人ならきっと勝ち残るって信じてたよ!」
「二人してお前たちの戦いを見て勉強したんだ!そう簡単に勝てると思わない方がいいぞ!」
「生憎だがモコウの為にも負けてやるつもりはないぞユウリ!」
「努力は認めるが我々は常に進化している!過去の我等が参考になればいいな!」
▽むしつかいの ラウラとでんきつかいの モコウが 勝負を しかけてきた!
「行くよ、インテレオン!」
「頼むぞ、バイウールー!」
「出番だ、ウルガモス!にほんばれ!」
「暴れろ、ロトム!」
私はインテレオン、ホップはバイウールー。だけどラウラ達はこれまでと異なり、ラウラがウルガモスでモコウはヒートロトム。今までのあられパと異なる晴れパだ。こっちにエースバーンがいることが分かっていて変えてきた!?
「インテレオンにソーラービーム!」
「バイウールーにオーバーヒートだ!」
「ロトムにすてみタックル!」
「ロトムにふいうち!」
ホップと目配せ、インテレオンに不利なロトムから落とすべく集中攻撃するがロトムはタフだ、そう簡単に倒れない。しかもバイウールーのとくせいもあってモフモフに炎が燃え移って大ダメージ、インテレオンもソーラービームの直撃をもらって膝をつく。強い…!
「ひのこをばらまけ!」
さらに動けなくなったこちらを見やって天空に舞い上がったウルガモスがひのこをばら撒いてきて火の海になる。にほんばれの影響で炎の勢いが凄い。フレアフィールドとも言うべき状態だ。やっぱりラウラは凄い!
「インテレオンにボルトチェンジ!」
「しまっ」
ロトムのボルトチェンジでインテレオンがほとんど何もできずに落とされてしまった。フレアフィールドでとんぼがえりすることも躊躇してしまった。出てきたのはライボルト。だけどここからだよ!
「セキタンザン!」
「「!」」
フレアフィールドに降り立った途端、じょうききかんが発動して白煙を放出するセキタンザン。セキタンザンは炎を取り込んで張り切っている。これなら行ける。
「セキタンザン、いわなだれ!」
「フレアドライブでぶち壊せ!」
「ライボルト、ワイルドボルト!」
「バイウールー、横からすてみタックルだぞ!」
最速で放たれたいわなだれに対処するべく突撃技を選択したラウラとモコウだが、そこを突く様にバイウールーが横槍を入れる。バイウールーのモフモフがいわなだれを弾いているのもいい感じだ。横槍をもらったライボルトに岩が直撃し、怯んだところを見過ごさない。
「キリエさん参考、じしん!」
地面から土柱が二本、ウルガモスとライボルトを吹き飛ばす様に突き立つ。モコウと戦った時にも披露した、キリエさんのを見様見真似でやってみた、完成度は低いけどダブルバトルで味方を巻き込まないで済む技術だ。ライボルトはノックアウト。ウルガモスも瀕死寸前にまで追い詰めた。
「くっ…カメックス!」
「死なばもろともだ!ウルガモス、バイウールーにフレアドライブ!」
モコウがカメックスを繰り出したのを見るなり、反動による自爆覚悟のフレアドライブがバイウールーに炸裂。ダブルノックダウンとなる。そしてラウラが繰り出したのはデンチュラ、ホップはにほんばれ状態を利用するつもりなのかエースバーンだ。
「かえんボールだぞ!」
「ここからは雨で行こうか!カメックス、あまごい!」
「デンチュラ、ほうでんだ!」
にほんばれが終わり、豪雨が降り注いでかえんボールの威力を減衰させる中で、エースバーンとセキタンザンに襲いかかるほうでん。ラウラのデンチュラのほうでんは特別だ。指向性を持たせて味方には電撃が届かないという酷い仕様だ。雨の中で受けたほうでんは強烈で、感電するエースバーンとセキタンザン。
「くっ…ダストシュートだぞ!」
「セキタンザン、じしん!」
「同じ手を喰らうかよ!いとをはく!」
「カメックス、エースバーンにクイックターンだ!」
特性のリベロでどくタイプになったエースバーンの蹴り付けた毒の塊と、セキタンザンの土柱を糸を伸ばして避けるデンチュラ。小さな波に乗ってエースバーンに突撃し、モコウの元へ戻って行くカメックス。出てきたのはロトムだ。不味い…!?
「ほうでん!」
「セキタンザンにかみなりだ!」
いくらすばやくなっても、雨の中での電撃を避ける事など不可能。エースバーンとセキタンザンはそのまま戦闘不能になってしまう。ホップと二人してもう最後の一体まで追い込まれてしまった。さすがラウラだ、私の彼女は凄い。だけど、今日の私は一味違うよ!
「出番だよ、フシギバナ!」
「負けるな、カビゴン!」
ホップはカビゴンで私はフシギバナ。即座にボールに戻し、ダイマックスバンドから溢れるエネルギーで巨大化させる。本邦初公開!私の新たなキョダイマックス!
「大いなる緑で全てを飲み込め!フシギバナ、キョダイマックス!」
背中の花が成長して花弁が垂れ下がり、身体全体を覆い尽くして眼光を緑に輝かせた姿に変化したフシギバナが咆哮を上げる。するとデンチュラをボールに戻していくラウラ。キョダイデンチュラか?と身構えるが、そうじゃなかった。
「こいつはな。ムゲンダイナ事件が終わってからすぐ、ユキハミと出会う前にワイルドエリアで出逢った奴だが今までダイマックスエリアで戦うことが少なくて使いどころが難しくてな。本邦初公開って奴だ。大いなる翅で全てを蹂躙しろ!キョダイマックス!」
そう言えば私の家に滞在していた時にたくさん蟲ポケモンを捕まえたって言ってたな。その一匹か。ボールを巨大化させ、振りかぶるラウラ。出てきたのは、青緑色の眩い光を放つ極限まで巨大化した羽を持った姿に変貌したバタフリーだった。キョダイバタフリー…!どんな能力なんだ…!?
「キョダイコワク!」
「キョダイベンタツ!」
セキタンザンやリザードンやカメックスのキョダイマックスの様に、相手に持続ダメージを与える耐久戦向きなキョダイワザだ。これなら…そう考えていたら、異変が起きた。キョダイフシギバナが眠ってしまったのだ。
「ええ!?」
「キョダイコワクはどく、まひ、ねむりのいずれかの状態異常を引き起こす技だ。運が悪かったな、どく状態だったらフシギバナはピンピンしていたのにな」
そんなキョダイワザあり!?キョダイベンタツを展開できたのはよかったけど、いくら耐久力があると言っても眠っていたらどうしようもない。これは……
「カビゴン!バタフリーから倒すんだぞ!アームハンマー!」
「カビゴンにかみなりだ!」
カビゴンのわざはねむる、ヘビーボンバー、じしん、アームハンマー。この中でバタフリーに有効な技がない。しかも必中のかみなりで大ダメージを受けてしまった。
「起きて!フシギバナ!」
「悪いなユウリ。ダイジェット!」
「もう一度カビゴンにかみなりだ!」
それが決め手だった。私達はなすすべもなく敗北した。歓声が爆音の如く轟く。不甲斐無い結果だったけど、観客を満足できたようで何よりだ。…チャンピオンとして不甲斐無し。穴があったら埋もれたい。
「…ごめん、ホップ。完敗だ」
「ユウリ…俺こそ、力が足りずに悪かったぞ」
『ここで決着ゥ!勝ち抜いたのはラウラ&モコウのルーキーコンビ!元最強のジムリーダー、元チャンピオン、最強のジムリーダー、チャンピオンを降しての優勝だあああ!』
改めて言われると凄いなラウラ達。するとダンデさんがやってきた。
「聞こえるか?みんなの声、みんなの想いが……この場にはユウリ、お前を悪く言う奴は1人もいないぜ!彼らは君達の戦いにいてもたってもいられず、体ごと叫んでいるんだぜ!」
…そうだと、嬉しいな。私のしでかしたことはなかったことにはできない。だけど、償いならば…これからはチャンピオンの仕事、頑張らないとなあ。
「ガラル全土をここまで熱く震わせるトーナメントも………タイム イズ オーバー!終わろうとしていることをとても残念に思う!したがって俺は今ここに……続いてのガラルスタートーナメントの開催を宣言する!」
その言葉に湧き立つ観客席。すごい熱狂だ。
「2VS2のタッグバトルで何度でもトーナメントだ!次は違うチームでもまた同じ組み合わせでもいい!ガラルの強いトレーナー全員で入り乱れて…次回もその次も!自由に暴れまくれ!トレーナーとポケモンが最強を目指す限り!観客の皆が手に汗握る戦いを見たいと望む限り!俺達の営みは1000年先もずっと、ずっと続いて行くんだぜ!それではみんな!また会う日まで!」
ローズ元委員長に向けた言葉なのかな。そうだといいな、と心から思う。ダンデさん、ホップ、ラウラ、モコウと共に観客の皆に手を振る。笑顔、作れているかな。
「ユウリ」
「なに、ラウラ?」
「今度は俺と組もう。お前と俺の最強コンビで誰が相手だろうと圧勝してやろう、な?」
「それはずるいぞ!ユウリ、今度もまた俺と組もう!」
「我だってユウリと組みたいぞ!」
「元チャンピオンと現チャンピオンの最強コンビも観客は見たいと思うぞ?」
「みんな……うん!」
四人の言葉に、強く頷く。例えガラル中の人達に責められても、優しい仲間がいる。その事実だけで、心の底から笑えた気がした。
剣と盾編で示唆はしていたユキハミ以外の蟲ポケモンようやく出せました。
・ユウリ
今回の主人公。未だにUB事件を引きずっており、みんなの優しさに涙する。キョダイフシギバナをお披露目したと思っていたら負けていたので解せない気持ち。
・ホップ
リベロをあまり活用できなかったユウリの相棒。天気に完全に翻弄された。
・ラウラ
キョダイバタフリーを捕獲していた主人公。ようやく出番を作れて満足だし、むしタイプの強さを証明できてご満悦。このバタフリーは美しかろう?(ドヤァ)
・モコウ
キバナから天候の重要さを教えてもらい完全に理解したラウラの相棒。ロトムとかいうすなあらし以外の天候を活用できるポケモンと、クイックターンやボルトチェンジで敵を翻弄するのが得意になっている。
・ダンデ
次はユウリと組んでみたいバトルタワーオーナー。
・バタフリー♀
とくせい:いろめがね
わざ:エアスラッシュ
むしのさざめき
サイケこうせん
ねむりごな
もちもの:なし
備考:れいせいな性格。打たれ強い。ユキハミより前に捕まえていたけどキョダイマックスを活用できないため今まで使ってこなかったラウラのポケモン。地味にレア特性個体である。
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