インフィニット・ストラトス~2度目人生で宇宙へ~   作:とあるP

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とあるPです。

世間では緊急事態宣言が出て、ますます人との接触が制限される世の中になりました。

そんな中ではありますが、コツコツと書き溜めていたので投稿しました。

それでは本編どうぞ!


第3話 クラス代表決定戦~後編~

Space Knightで飛び出した晃の前には、自身のISを纏っていたターニャがいた。

 

見る限り所々に迷彩柄を施し、両手には大きな爪が2つあり、あれが主兵装であろう。他にもミサイルポットが2門、大型レールカノンが1門、そして、最大の特徴は

 

「しっぽ?」

 

「そうよ!悪い?」

 

「いや、何だか可愛いと思ってね」

 

「か、可愛いってなによ!///全く緊張感がないわね」

 

「ごめんね。それでどうする?直ぐに始めるかい?」

 

「そうね…私が瞬殺するのは目に見えているけど、とりあえず最後のチャンスをあげるわ」

 

「チャンス?」

 

「ええ、今この場で謝れば許してやってもいいわ。さぁどうする?」

 

「断る」

 

「…それは私に勝てるから。それとも男のプライド?」

 

「両方あるけど、今はプライドの方が高いかな?」

 

「フン!そんなみみっちいプライドの為にボロボロになる事を後悔しなさい!」

 

互いの言いたい事を言い合って試合の合図が始まった。

 

『ではこれより、田島 晃VSターニャ・アジャイルの3組クラス代表決定戦を始める!始め!』

 

試合開始の合図と共にターニャが突っ込んで来た。それを晃は回避してやりすごす。

 

「いくわよー!」

 

「くっ!」

 

(マスター敵ISの解析を始めます。少々お時間をください)

 

具体的にはどのくらいかかる?

 

(3分もあれば十分です)

 

わかったよ。次からは試合開始前から頼むぞ

 

(努力します。では…)

 

 

そう言って、Space Knightのコア人格との通信は終わった。そう言っている間にもターニャの猛攻が続いた。大きな2つの爪を振りかざして晃に肉薄していった。

 

「ほら、ほら、どうしたの!避けているばかりじゃあ勝てないわよ!」

 

「くそ!」

 

全身装甲(フルスキン)のISだから期待していたけど、これじゃあ拍子抜けするわね」

 

「なら、こいつでどうだ!」

 

晃はブレードをコンバートして両手で持ちだした。しかし、ターニャは嘲笑うかの様に挑発してきた。

 

「そんなもので勝てると思っているの?」

 

「どうかな?行くぞ!」

 

「ええ!来なさい!」

 

両者は接近して切り付けあった。時折火花が散る中切り合った。互いのSEが減る時にターニャが離れて行った。

 

「それじゃあ、とっておきの行きますか!」

 

「!」

 

そう言うとターニャは四つん這いになり、まるで動物が狩りを始めるような目つきになった。

 

それは陸上最速の動物チーターが草食動物を見つけ臨戦態勢を取った時の様であり、晃がガルムを構えた次の瞬間…

 

「消えた!?」

 

「こっちよ!」

 

「ぐは!」

 

背中から大きな衝撃を受けて地面へ直撃を避けたがSEを50%持っていかれた。そして、Space Knightのコア人格から通信が入った。

 

(マスター。解析が終わりました。今のは彼女のワンオフ・アビリティ【単一特殊能力】ですね。今彼女は最高状態になった模様です)

 

ワンオフ・アビリティってそんなに出来るものなの?

 

(いえ、既にセカンドシフト(二次移行)を済ませているので、容易にでることです)

 

そうなのね…それで勝てる見込みはあるんだよね?

 

(残念ながらそれは0です)

 

え!?じゃあどうすればいいんだよ…

 

(マスターと私が最高の状態になればセカンドシフトに移行し、ワンオフ・アビリティをつかえるはずです)

 

なら、Space Knightお前のマスターとして命じる。これからもずっと傍に居てくれるか?

 

(私はあなたのISです。フォーマットされるまで何処にでも、どんな時でもお傍にいます)

 

たとえ僕の目的の宇宙に行けなくなってもか?

 

(ええ、ずっと傍にいます)

 

なら、安心したよ。それじゃあ行こうか!相棒(Space Knight)

 

(ええ!どこまでの駆け抜ける騎士として!)

 

 

晃のSEが残り20%となりダメージ判定がB+まで行った時である。ターニャの攻撃が止まった。

 

「いい加減降参しなさいよ!」

 

「いやだね…、諦めが悪いたちなんでね」

 

「…そう。なら、そのISごと粉々にしてあげるわ!」

 

そう言って、再び四つん這いになって突進する構えをした。それに対して晃は落ち着いていた。

 

「これで最後よ!」

 

「Space Knight僕に力を!」

 

その瞬間、アリーナ全体を覆う光がSpace Knightから発せられた。

 

たまらずターニャや他の人は目を塞ぎ収まるのを待った。そして、そこにはブレードからマントまで全て黄金色に輝くISが鎮座していた。

 

ターニャや会場にいる生徒のみならず、千冬やロゼッタ、更には整備主任のライラまでもが驚かされた。

当然この男も例外ではない

 

「な、何だよあのISは!」

 

「落ち着け一夏」

 

「これが、落ち着いていられるかよ!何だよあのISの力は!」

 

「何処かだ?私は晃が自分自身の力で切り開いた力だと思うが」

 

「けどよ箒…」

 

「今は黙って観ておれ。もしかしたら次のクラス対抗戦で戦うことになるのかもしれんぞ」

 

「……」

 

そう言われてしまったら、黙るしかない。会場ではターニャが啞然としていた。

 

「な、何よそのISは」

 

『わからない…けどこれならわかる。僕は君に勝って宇宙へ行くんだ!』

 

「減らず口を…いいわ!今度こそ終わらせる!」

 

そう言って、四つん這いになって突進して、晃の前で消えた。しかし、晃は落ち着いていた。そして、背中に向かってブレードを振った。

 

『そこだ!』

 

「キャ!」

 

『当たった!』

 

「どうして!どうしてなのよ!」

 

ISにはハイパー・センサーがある。これは、視覚補佐機能および各種センサー類の総称で、目視で全方位(360°)を見渡せる。

 

更に高速戦闘時において視覚情報の処理速度を向上させる機能もある。

 

晃はこのハイパーセンサーが飛躍的に向上され、ターニャの速度に対応できたのである。一気に攻勢に出た晃はターニャに向かって突撃して行った。

 

草食動物から、狩人に格上げになった晃は一気に仕掛けに行った。

 

しかし、この状態も無期限ではない。一夏のワンオフアビリティ<零落白夜>同様SEを削りながらの戦いになるので短期決戦をする必要がある。

 

行くよSpace Knight!

 

(了解!)

 

背中のブーストを噴かせてターニャに向かって行った。対してターニャは大型レールカノンを発射したり、ミサイルランチャーを撃ってきたが紙一重で躱されてしまった。

 

「ムキー!当たりなさいよ!」

 

『ごめんね。これで最後だ!』

 

「ひっ!」

 

ブレードを振り上げてとどめを刺そうとした瞬間、彼女の顔が恐怖の色に染まった。そこで晃は思った。

 

これじゃあまるでただ暴力をふるっており、彼女と同じ力にものを言わせているだけではないかと…

 

『それはダメだ!』

 

「え?」

 

晃は間一髪の所で踏みとどまり彼女の右手だけを狙った。右手に当たった彼女はSEが残り10%までとなった。しかし、晃の方が限界を迎えていた。

 

(マスター申し訳ありません)

 

どうしたの?

 

(…SE切れです)

 

え?

 

次の瞬間、Space Knightが解除されISスーツのみとなった晃が自由落下を始めた。

 

「うわーー!」

 

「田島!」「晃!」「晃さん!」「晃君!」「晃サン!」

 

千冬、箒、セシリア、あやめ、サーシャが同時に叫ぶが間に合わない。グラウンドに赤い一面が出来上がることを誰もが想像していたが、思わなく事でことなきを得た。

 

「アキラーー!」

 

「うぉっと!」

 

何とさっきまで戦っていたターニャが落下寸前で助けたのである。これには助けてもらった晃が驚いていた。

 

「ターニャさん?」

 

「大丈夫アキラ?」

 

「ええ、大丈夫ですよ」

 

「良かった~。今降ろすわね」

 

そう言って、ターニャが優しく降ろして行ったが、思わぬ事故が発生した。なんとターニャのISからプスプスと煙が発生しついには…

 

ボン!と音を立てて明後日の方向へ飛び出していったのだ。

 

「うわーー!」

 

「きゃーー!」

 

これには、ターニャと晃は驚いたき暴走したISを止めるすべは操縦者しかできない。晃はターニャに向かって止めるよう指示した。

 

「ターニャさん!今すぐISを止めるんだ!」

 

「無理よ!そうしたらアキラも無事じゃあ済まないわよ!」

 

「大丈夫!僕を信じて!」

 

「…わかったわ!」

 

そう言って、ターニャはISを止めるよう念じた。そして、ISスーツになった状態になった。

 

しかし、2人は空中に居たため、落下し始めた。

 

「きゃーーー!ちょっと!どうにかしなさいよ!」

 

「分かってる!」

 

この状況に晃はSpace Knightのコア人格を呼び出した。

 

Space Knight応答してくれ!

 

(はい、マスター)

 

今から5分後に脚部だけ部分展開できる?

 

(可能ですが…)

 

ならやってくれ!

 

(し、しかし!そんな事をしたら、前みたいに昏睡状態になりますよ!最悪の場合…)

 

いいからやるんだ!

 

(…分かりました)

 

ありがとう。説教なら後でいくらでも受けるからさぁ

 

(もう、私が怒れないことを知っているはずですよ)

 

そうだったね

 

 

それ以降Space Knightのコア人格から声は聞こえなくなった。恐らく準備しているのだろう。そして、徐々に地面が近くなってきた。

 

「ターニャさん!僕につかまって!」

 

「けど…」

 

「良いから早く!」

 

「わ、わかったわ…」

 

そう言って、晃は手をつなぐだけでなくターニャを抱きかかえる格好になった。そして、地上まであと3mと迫った時に…

 

「脚部展開!」

 

晃の足にISの脚部が装備されバーニアが逆噴射をし始めた。そして、徐々に降りてきて地上に降り立った時はターニャをお姫様抱っこしている状態だった。

 

「もう大丈夫だよ。ターニャさん」

 

「…う、うん///」

 

「ターニャさん?」

 

「ふぇ!な、何かしら?」

 

「もう大丈夫ですよ」

 

「そ、そう!ありがとうね///」

 

「い、いえ…だ、う」ドッサ

 

「え?ア、アキラ!ちょっと!しっかりしなさいよ!ねぇ!」

 

晃は無茶な飛行をし続けたせいで倒れてしまった。辺りには、ロゼッタとあやめ、サーシャ、ライラが駆けつけて来たが倒れている晃には聞こえなかった。

 

 

こうして、3組のクラス代表決定戦は両者引き分けで終わった。

 

 

IS学園医務室。晃はここに来るのは2度目になる。但し今回は厄介な事になりそうだ。

 

まず、専用機であるSpace Knightであるが、オーバーホールまでとはいかないが検査の結果SE切れにより3日間の休養が言い渡された。

 

これは、整備科の方で対応する。問題はパイロットである晃の方だ。

 

最初のISの救命領域使用時は1日で元に戻ったが、次はそうはいかない。セカンドシフトへの移行、SEを枯渇させる程のワンオフ・アビリティ使用。

 

更にはSE切れによる強制使用により身体への負荷が異常なほどになっていた。これらの事から医者が出した答えは…

 

「ざっと見て3日間は昏睡状態に陥るでしょう」

 

「3日間ですか…」

 

「ええ。しかし、彼の身体能力を見る限り、今回は3日間ですが、改善されれば今後同じような事が起きても、1日で元に戻るでしょう。ですから今後は体力作りを中心とした訓練をする事をオススメしますよ」

 

「そうですか…ありがとうございます」

 

「正直、今後の事を考えるとこれ以上無茶な事はしないでほしいですけどね」

 

「ええ。けど、これは坊やが決めることだからねぇ~大人の私達がとやかく言う必要はないと思うけどね~」

 

「ミスロゼッタの言い分はもっともですがね…」

 

「ですが、ここはIS学園。彼がどれ程成長出来るか我々は、見守ることしかできなんですよ…」

 

「まぁ、ブリュンヒルデ(織斑先生)がそこまで言うなら対策はあるんでしょうな?」

 

「はい、今後は私とロゼッタ先生で彼のサポートを行うようにします」

 

「織斑先生もですか?しかし…弟さんはどうするのです?」

 

「なに、アイツならウチ(1組)の面子が何とかするでしょう」

 

「そうですか…分かりました」

 

そう言ってIS学園で医者をしている女主治医、マリン・シュナイダーは病室を後にした。

 

肩まで伸ばしている銀髪。深紅の双方。丸眼鏡と医者に不向きな格好をしているが青色のセーターで隠しているスレンダー体系を見れば10人中10人が女優と見間違えるほどの美貌を持っている。

 

しかし、そろそろ結婚適齢期に迫っており本人は内心焦っていた。

 

病室で眠っている晃を心配そうに見ているのは、ロゼッタだけではなかった。クラスメイトのあやめやサーシャ、それに対戦相手のターニャまでもが心配そうに見ていた。

 

「晃君大丈夫かな…」

 

「あやめサン…」

 

「アイツなら大丈夫よ」

 

「ターニャさん!?」

 

「どうして、そんなこと言えるのデスカ?」

 

「何たって私に勝った男なんだから…」

 

「そうだけどさぁ…」

 

「だから、早く目覚めなさいよ。アキラ」

 

彼女達が見ている中、晃は静かに眠るのであった。

 

 

そして、クラス代表決定戦から3日後。晃は無事昏睡状態から回復する事が出来た。マリンからの許可も出たので、明日から通常授業に参加することが許された。

 

その事について一番に喜んだのは、あやめ達である。嬉しさの余り2人は抱きついて来たが回復したばかりの、晃は受け止める事が出来ず尻餅をついてしまった場面があるとかないとか…

 

そんなこんなでうやむやになっていたクラス代表は…

 

「というわけで、3組のクラス代表は坊やに決まったからね~よろしくね~」

 

『おめでとう!』

 

「いやいや、待って下さいよ。どうして僕なんですか?代表戦では負けましたよね?」

 

「それはね『アタシが辞退したからよ』う~ん」

 

「ターニャさん?」

 

「アキラの戦いは見てて危なっかしいところがあるからね。アタシが直々に訓練してIS学園最強にしてあげるわ!」

 

「いやでも…『それに!』うぅ…」

 

「それに///あ、アタシを負かしたんだから最強になりなさいよ!///」

 

「う、うん…わかったよ」

 

ターニャがデレた…あのターニャが…と、教室のあちこちから聞こえてくるが本人は知らぬ存ぜぬである。

 

「いいかしら~兎に角坊やには3組の代表として、来月のクラス対抗戦で頑張ってもらわないとね~」

 

「そうですか…皆の期待に応えるよう全力で頑張ります!」

 

『パチパチパチパチ』

 

教室から割れんばかりの拍手が起こったので、嫌われた様子が無くてほっとしている晃であった。その後、1人では大変だと思い副代表としてターニャが選ばれた。本人はまんざらでもない表情をしていた。

 

昼休み。3組の代表になったことを晃は箒とセシリアの2人に報告した。2人は祝福し「いつか手合わせをさせて欲しい」とまで言われたので、「いつでもいいですよ」と返事をしていた。

 

逆に箒とセシリアは1組の代表が一夏に決まったことを晃に伝えた。どうやら、経験の不足している一夏を鍛えるとこの事だが、正直、晃にとってはどうでもいい事だった。

 

「そう言えば、晃さんは今日の放課後予定がありますか?」

 

「僕ですか?特に予定はないですね」

 

「でしたら、1組で一夏(・・)さんのクラス代表就任式のパーティーがあるのですがいかかですか?」

 

「…ごめん。遠慮しておくよ。3組の僕が行っても迷惑だろうし」

 

「そうでしたか…」

 

セシリアが織斑の事を名前呼びにシフトチェンジしていた事に関しては、触れないで話題は3組の話しになった。

 

「そう言えば晃とクラス代表戦で戦っていた子なんだが…」

 

「ああ、ターニャの事?」

 

「…呼び捨てとは、随分と親しい間柄になったのですね」

 

「まぁ、あの後本人から言われたからね」

 

「そうでしたか…」

 

「?セシリアさん?」

 

「でしたら、わたくしの事も『セシリア』と呼んでくださいまし!」

 

「流石に他のクラスの人を呼び捨てることはできな「箒さんは呼び捨てですけど…」う!」

 

「それとも、わたくしの事がお嫌いなのですか…?」

 

「はぁ~わかったよ。セシリア。これでいいかい?」

 

「!ええ、これはこれでいい気分ですわね///」

 

若干頬を赤く染めているセシリア。その横で箒が羨ましそうに見ていた。と、そこへ(くだん)の織斑とターニャが来た。

 

「お、晃じゃあないか!元気にしていたか!」

 

「…おかげさまでね」

 

「何だ?悩みがあるのか!だったら相談に乗るぞ。だって俺達友達だもんな!」

 

「はぁ~この前も言ったけど君と友達になった覚えもないし、別に相談事なんてない。あったとしても君には絶対に言わないから」

 

「硬い事言うなよ。俺達の仲だろう」

 

そう言ってまた肩を組もうとしたが、その手を叩き落としたのはターニャだった。

 

「アンタ聞いていた!アキラは馴れ馴れしい態度が気に食わないって言っているの!わかったらなこれ以上ちょっかいをかけないでくれる」

 

「何だよ君は…」

 

「アタシはターニャ・アジャイル。3組の副代表(・・・)よ」

 

「副代表?じゃあ代表は誰だよ?」

 

「…僕だよ。試合をしていたんだからわかるだろう」

 

「うぉーすげぇな晃!」

 

そう言って、背中をバシバシ叩いてきた。晃がやめる様に言ったが聞く耳もなたない状態だった。

 

「痛いよ!」

 

「ちょと、何やってるのよ!」

 

「何って祝っているだけだが?」

 

「はぁ…男ってバカばっかりなの…」

 

「すまない。それについては一夏に非がある」

 

「そうですわね。一夏さんにはデリカシーと言うものが欠けていますわ」

 

「え?そうなのか?」

 

4人は「だめだこりゃ…」と心の中で思うであった。そして、晃は箒とセシリアに別れを告げて食堂を出ていくのであった。その後をターニャは追っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

放課後。1組が食堂で一夏クラス代表就任式を行っているので、3組は自身のクラスで晃の就任式を行っていた。

 

ロゼッタ先生にも許可を取り、料理に関しては食堂のおばちゃんが用意してくれた。

 

そして、あやめの音頭で就任式がスタートした。

 

「それじゃあ晃君のクラス代表就任を祝って…乾杯!」

 

『乾杯~!』

 

コップにはジュースやテーブルにはお菓子などが所狭しと並んでいた。晃も例外ではなくパーティーを楽しんでいた。自分の事を祝ってくれているクラスに心から感謝をしていた。

 

皆で盛り上がっているところに黄色のリボンに「新聞部」と書かれた腕章をした眼鏡をかけた女の子が現れて、晃の前までやって来た。

 

「やぁやぁ君が噂の2人目の男性操縦者かな?」

 

「多分そうだと思います。貴女は?」

 

「私は黛 薫子(まゆずみ かおるこ)新聞部をしているわ。これ名刺ね」

 

名刺には「IS学園新聞部 代表 黛 薫子」と書かれていた。とりあえず、晃はここに来た事を尋ねた。

 

「分かりました。黛先輩はどうしてここに?」

 

「実は、2人目の男性操縦者にインタビューしようと思ったんだけど、今時間とか大丈夫かな?」

 

「ええ、少しであれば大丈夫ですよ」

 

「ありがとうね。それじゃあ、『クラス代表になって一言』おねがい」

 

「そうですね…任された以上、全力で取り組んでいきたいと思います!」

 

「何か硬いなぁ~。そこは「ハーレム王に俺はなる!」とかないの?」

 

「そんな事ないですよ」

 

「ええ!そんな…晃くんってホモだったの?」

 

「それはあり得ないです。女性に興味はありますけど、僕は夢が叶うまではそんな事はしないってことですよ」

 

「へぇ~因みにどんな夢なの?」

 

「『いつか、ISで宇宙へ行きたい』と思っています。そして、言ってみたいんです。「地球は青かった」って…なんか、年老いたこと言ってましたか?」

 

「ううん!そんな事ないよ!とても立派な夢だと思うよ」

 

「そうでしたか!ありがとうございます」

 

「じゃあ、その夢が叶うといいね」

 

「ええ、だからこそこの学園で多くのことを学んで宇宙に行きます!」

 

「それが目標ってなことで記事を書いとくね」

 

「お願いしますね」

 

そう言って、薫子はメモしていた。最後にクラス一同で写真撮影をしてパーティーはお開きとなった。

 

 

 

薫子が帰り際に「整備室に寄って行くといいよ」と言ったので、晃は整備室に寄ることにした。そこには、作業着姿のライラと先ほど纏っていたSpace Knightが待機状態で鎮座していた。

 

「ライラさん。これは?」

 

「ああ、君のISを整備していたんだよ。薫子はウチの整備部のエースだからね。あの子から直々に頼まれてね」

 

「ありがとうございます!」

 

「なに、君のISは整備の甲斐があるからね~楽しかったよ」

 

「でも、これじゃあ持ち運べないですよね」

 

「それなら君が念じればISは自ずとその姿になるはずだよ」

 

「わかりました」

 

そう言って、目を閉じて念じると晃の胸に三角形の青白いペンダントが現れた。これがSpace Knightの待機状態である。その証拠に晃が念じるとSpace Knightのコア人格から思念通信がきた。

 

(マスター)

 

Space Knight!元気だったかい?

 

(はい)

 

良かった。無茶させてごめんね

 

(大丈夫です。それよりもマスターにお願いがあります)

 

何だい?

 

(私の名前を決めてください。いつまでもSpace Knightでは呼びづらいと思うので)

 

そうだね。わかったよ

 

 

そう言って、ポツリと言った

 

「…レイ」

 

「え?」

 

「ああ、何でもないですよ」

 

(…レイですか。了解しました。なら、[レイ]で登録しておきます)

 

うん。けどそれでいいのかい?

 

(いいも何も、マスターが考えた名前です。私はそれに従います)

 

ありがとう。これからもよろしくねレイ

 

(はい。マスター)

 

こうしてSpace Knight改めレイをパートナーとして晃はライラから受け取り自室に戻って行った。そして、シャワーを浴びて次の日に備えるのであった。

 

 

 

 

次の日。晃は当面の課題として、体力作りを第一に考えたトレーニングを行った。

 

外周のランニングも増やし、筋トレも負荷をかけた。そして、食堂では高たんぱく、低カロリーを基本としていった。

 

授業が始まるとロゼッタ先生から思いがけない事を聞かされた。

 

「今日のIS授業は1組と合同で行うから準備しておいてね~」

 

それだけを残して本人は教室から出て行った。晃は(あの織斑と一緒になるのか…)と思うと胃が痛くなってきた。

 

とわいえ、これはチャンスでもあった。1組の奴らに自身のIS技術を見てもらい、アドバイスを受ける事もできるかもしれない。そう思うことにした。

 

そして、IS授業。第一アリーナには1組と3組が一緒になっていた。3組は「あの織斑一夏に会える」と喜んでいたが、中には「晃君の方がカッコイイもんね」と言ってくる子もいた。

 

そんなやり取りをしていると千冬のから前に出て来るように指示があった。

 

「それでは、これより1組と3組の合同IS授業を始める。初めに名前を呼ばれた者は前に出る様に。オルコット、織斑、田島、アジャイル!」

 

『はい』

 

「4人には、ISの展開及び飛行実地を行ってもらう。先ずはオルコット。熟練したIS操縦者なら展開までに1秒はかからないはずだぞ」

 

「はい、では晃さん♪」

 

「ああ、頑張って」

 

「ウフフ///」

 

そう言って、セシリアは左耳にある左耳の蒼いイヤーカフスに触れた。その瞬間【ブルー・ティアーズ】を纏ったセシリアが浮遊していた。

 

「タイムは0.5秒でした」

 

「よし。次織斑」

 

「はい、…あれ?」

 

一夏は右腕の白いガントレットを前に出しても変化はなかった。痺れを切らした箒は一夏に向かって激を飛ばしていた。

 

「どうした一夏!」

 

「ええっと…こい白式!」

 

やっとのことで展開した一夏であったが、余りにも酷い結果に千冬から怒られてしまった。

 

「ええっと…織斑君の時間は2秒でした」

 

「遅すぎる!これでは戦う前にやられてしまうぞ」

 

「けど千冬姉「織斑先生だ!」はい、織斑先生…」

 

「次回までには1秒を切る様に。次、田島」

 

「はい」

 

そう言って、晃は胸にある三角形の青白いペンダントを握ってISを展開するのであった

 

行くよレイ

 

(はい、マスター)

 

そこには、クラス代表戦で纏っていたIS【Space Knight】がいた。

 

「田島さん…凄い!0.3秒です」

 

『え!』

 

この結果に全員が驚いた。あの代表候補生セシリアでも0.5秒かかる展開を0.3秒でやってのけたのである。

 

しかも晃は代表候補生でもないただの一般生徒である。この結果に千冬とロゼッタは今後どうすればいいのか考えていた。

 

「よし、最後はアジャイル!」

 

「はい!」

 

ターニャのIS【チーター】の待機状態は動物の鉤爪状のもので、セシリア同様触れた途端ISを展開していた。

 

そこには、所々に迷彩柄を施し、両手には大きな爪が2つ、ミサイルポットが2門、大型レールカノンが1門、そして、キュートなしっぽが付いていた。

 

「アジャイルさんは0.5秒でした」

 

「よし、全員ISを展開したな。それでは次に飛行実地を行ってもらう。4人とも飛べ!」

 

千冬の合図を基に4人はアリーナの空に飛び出した。セシリア、晃、ターニャ、そして一夏の順番であった。この順番に不満だったのが千冬である。

 

『こら織斑どうした!スペック上ではお前が一番上なんだぞ』

 

「そう言われても…円錐が飛んでいるイメージって言ってもな…」

 

「イメージは所詮イメージですわ。自分自身に合ったイメージを模索することが大事ですわよ」

 

「そう言ってもなぁ~。なぁ晃はどうなんだ?」

 

「…知らないよ。それに分かっていても教える義理はない」

 

「そうよ。自分自身で探しなさいこのバカ!」

 

「ば、バカはないだろ!」

 

「…やめなよ2人共。ほら、織斑先生がこっちを見ているよ」

 

そう言って、ISのハイパーセンサーで覗くと、千冬が鬼の形相でこちらを見ていた。どうやら先ほどの会話が筒抜けであったようだ。

 

『織斑とアジャイには後で話しがある。覚悟しておくように。それでは、最後に着地の練習だ。田島を除く3人には地上10㎝の上で止まってもらう。先ずはオルコットからだ』

 

「はい。それではお先に失礼しますわね」

 

そう言って、セシリアは晃にウインクをして地上へ向かって行った。これに関してターニャはムキになったが晃は知らなかった。

 

そして、見事10㎝で止まった。こちらに手を振ってくる余裕まで見せた。

 

「次、織斑」

 

「はい!行くぜ!」

 

一夏はミサイルの様な姿勢を取って地面に向かって行った。当然止まるタイミングを見誤っておりブレーキをする前に激突してしまった。おかげで地面には大きなクレーターが出来てしまった。

 

「馬鹿者!地面に穴を開けてどうする!」

 

「すみません…」

 

「次の時間までに直して置け!次アジャイル!」

 

「はい!いくわよー!」

 

ターニャに関しては、キッチリと10㎝の前で止まることが出来た。流石代表候補生の事はある。そして、最後に晃が残った。そこで千冬は思いがけない課題を出してきた。

 

「最後は田島だな。そうだな、田島には瞬時加速(イグニッションブースト)をして地上5㎝の所で止まってもらうか」

 

『えーー!』

 

「無茶ですわ織斑先生!」

 

「そうですよ。晃はISを動かしてまだ2週間しかたっていないんですよ!」

 

「そうか?けど当の本人はやる気だぞ」

 

セシリアと箒が庇うなか、晃はレイと思念通信をしていた。

 

 

どう思う?

 

(無茶苦茶すぎますね。どう考えてもマスターの事を試している感じがします)

 

だよね~けど…

 

(マスター?)

 

チャレンジはしてみたいよね!

 

(はぁ~分かりました。それならサポートは任せてください)

 

ありがとう

 

 

そう言って、レイとの思念通信を終えるのであった。

 

「織斑先生、一つお願いがあります」

 

『何だ?』

 

「もし、成功したらISの訓練に付き合ってもらえますか?」

 

『いいだろう』

 

「え!どういう意味だよ千冬姉!」

 

「そのままの意味だ。それに今は織斑先生だぞ」

 

「くっ!」

 

恨めしそうに一夏が睨んできたが今はそれどころではない。千冬とのIS訓練が出来るだけでワクワクして来た。その気持ちを抑える様に晃は地面に向かって行った。

 

「行きます!」

 

背中のバーニア2門からエネルギーを放出し、爆発的に加速して行った。

 

 

凄いGだ!けどこれならいける!

 

(マスター地表まであと1mです)

 

分かっている!

 

 

そして、地表まであと50㎝というところで両足のバーニアで逆噴射を掛けて地表まで5㎝の所で止まった。

 

これには、1組、3組のメンバーから拍手が起こった。ただ一人悔しそうな顔をしている一夏を除いて…

 

「凄い!凄い!晃君!」

 

「ええ!ホントにそうですね晃サン!」

 

「ふ、フン!やるじゃない!流石私が認めた男だけあるわね///」

 

「流石は坊やだね~」

 

「素晴らしいですわ晃さん!」

 

「うむ!」

 

「みんなありがとうございます」

 

しかし、千冬は1人考え込んでいた。

 

(おかしい。あの技は代表候補生でも至難の技なのにいとも簡単にやってのけた。田島 晃。奴は何者なんだ…もしかしたら、奴なら果たしてくれるかもしれないな。アイツとの約束を…)

 

「それでは、今日の授業はここまでとする。なお、織斑はグラウンドを元に戻してくように」

 

「ええ!頼む晃手伝って「断わる」そんな~」

 

泣きじゃくる一夏を尻目に晃達はグラウンドを後にした。

 

そして、その夜…

 

「ここがIS学園ね。待ってなさいよ!一夏!」

 

このIS学園に小龍が舞い込んでくるのであった…

 




クラス代表戦からの鈴ちゃん登場でした。次回からは鈴ちゃんと一夏の絡みをお届けしたいと思います。

それとウチの会社は緊急事態宣言とは無関係に通常営業なので更新が遅れるかもしれません。それでもいいと言うと人は気長にお待ち下さい。

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